上 下
31 / 496

記録ノ31 さらば校長、さらば友よ

しおりを挟む
波乱の連続だった2年生もあっという間に終了式。
終了式の終わった後は続いて離任式が行われる。
学校を離れる先生や職員に生徒の代表から花束とメッセージが送られる。
司会の先生は毎年変わるがこの年は校長先生だった。
すべての離任する先生への花束贈呈が終わったが、体育館ステージにおかれた離任する先生方が座る椅子がなぜか一つ空席…

「あれ?席が一つ空いてますね?…そうです。実は校長先生も今年度をもって学校を離れることとなりました…」

ショックだった。僕は休み時間はときたま校長先生と話していた。休み時間には児童と一緒に遊んでくれることもあった。僕自身も校長室に時々遊びに来ていた。
絵もうまくてユーモラスでやさしい校長先生が大好きだった…喪失感は計り知れない。
今まで親しい先生が離れていくなんてことはなかったからとてもさみしい気持ちでいっぱいだった。

そして我がクラスにも別れが…クラスメイトのアイナちゃんが転校するというニュースがこの数週間前に入ってきた。校長先生の離任はまさにこれに追い打ちをかけるがごとくだったのだ。
アイナはクラスの女子の中ではよく一緒に遊んだし、生活科でザリガニのことをグループで調べたときも同じグループだった。親しかっただけに喪失感は大きい。

仲間が学校を去ることは夏であろうが秋であろうが冬であろうが1月であろうが12月であろうがさみしい。秋に怒涛の転校ラッシュを経験した我がクラスなら痛いほどわかる。
でも春は…3月は別れの季節。その季節に転校となると相乗効果でさみしさが増してしまう…
泣いても仕方ない!笑顔でアイナを送り出そう!
その思いで我がクラスは終了式・離任式終了後彼女のお別れ会を教室で開くこととした。
ゲームなどで盛り上がって、皆涙をこらえて楽しい気持ちで彼女を送り出した。
彼女にとっても最高の思い出となっただろう。

…友と校長先生との別れを乗り越え、僕たちはいよいよ3年生へ…
しおりを挟む

処理中です...