リョーマ伝～小学生編～

記録ノ30 メンコファイト！

2年生の終わりに生活科で「昔遊びを調べよう」ということをやっていた。
これはおはじきやお手玉など好きな昔遊びをひとつ選び、グループ同士でその遊びのことをネットで調べたり親や祖父母などに聞いたりして調べ、それを参観日に保護者の前で発表するのだ。
2クラス合同で行われる。
学校内にはこういった昔遊びの道具が多数置かれた空き教室があり不定期に休み時間に昔遊びの会なるイベントも行われている。

まずはその教室でいろんな昔遊びを片っ端から体験してどれを調べるかを決める。
コマ回しは苦手なのでスルーして、けん玉、おはじき、お手玉、竹とんぼ…いろいろ悩みまくった結果、僕が調べるのはメンコにした。
メンコグループは僕含め8人、全員男子で親しい人ばかりだったので気が楽だった。

まずは担任の先生が子供のころのメンコの思い出を聞く。
先生は子供のころとにかくメンコが大好きで小遣いをためては買いあさってたのこと。
その後各自いろいろ調べた後は再びメンコで遊んで、攻略法やテクニックなどを探ってみる。
検索ではわからない、肌で感じなければ知ることができないこともたくさんあるのだ。
僕も何度もチャレンジしたがなかなかひっくり返すことができない。グループの仲間にはひっくり返せた人もいた。

遊んでいく中で、いろんなことに気づいていく。
学校にあったメンコは日焼けして色あせているやつと日焼けしてない印刷がキレイなやつが混じってたが、日焼けしてるやつの勝率が異様に高かったので、「古い（＝日焼けした）メンコ最強説」が持ち上がった。古びた＝歴戦の勇者ということだろうか。
しかしその後調査を続けた結果、別にメンコが古いか否かは強さに関係ないとわかった。

また、学校のメンコには戦国武将が書かれており、サイズも大小さまざまだったが、一番でかいやつはあるメンバーからその絵柄と大きさから「大魔王」と呼ばれてた。この武将の正式な名前は覚えていない。
大魔王も勝率が高く、さらにでかいというオマケつきだったため「大魔王最強説」も持ち上がったが調査を続けてく中でこれも不成立に。でかい＝強いというこの年頃の子ならではの考えはここでは通用しなかった。

調査をした中で僕はつくづく「コマと言いメンコといい昔遊びって覚えることとテクニックが必要なモンばっかだな…自分がゲームとかのない、こういう遊び全盛の時代に生まれてたらどう生きてたんだろう…」と思った。
でも、アナログゲームであまり遊ばないデジタル人間の僕にとってはアナログに触れるいい機会だったと思う。
今思い返せば濃密な時間だった。