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記録ノ20 サボタージュ・バグ

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今回は露骨ないじめ描写はありませんが、いじめられていた時期の話です。
読むのがつらくなってきたら閲覧を控えることをおすすめします。

小2のいじめられていた時期、皆が授業を受けている最中でも僕は度々保健室でプリントに取り組んでいたことがあった。母から願い出る形で先生方に許可はもらっている。
いじめが始まってからは自分を心配して母がほぼ毎日学校についてきてくれていた。最初は毎日が授業参観状態で恥ずかしかったが、しばらくしていくうちにつらい毎日を送る自分にとって精神的支柱になっていった。保健室にも同行していた。

保健室には僕の一個上の学年の女子も授業中に来ていて同じくプリントをやっていた。
彼女とはポケモンの話題などで意気投合していた。共通の話題で話せる相手がいるだけで少しか心が楽になった。
その後彼女は僕が2年生の終わりを迎えるタイミングで転校していったが、僕が5年生の時に再び戻ってきた。
その時彼女は普通の学級ではなく支援学級にいた。
彼女は僕が交友関係を持っていた数少ない上級生だった。

そして授業サボっていた時によく行ってたのが保健室と同じ一階にあった「水族館」である。
水飲み場の空きスペースを利用する形で金魚や熱帯魚を飼育していた。
僕は動物が好きだ。文句を言わないし、かわいいし面白いからだ。
苦手な動物も多少いるが、自分が一番苦手な動物は人間だろう。
そんな僕にとってここは精神的支柱、自分にとってのパワースポットだった。

ある日、いつものように水槽を眺めていると、亀の水槽のエアー部分に何らかの物体がぶつかって無限ループに回転しているのを発見した。
僕はそれが気になって仕方なかった。ものが揺れたりするのを見るのが苦手だった。
だからたまたまそこを通りかかった先生に取ってもらおうと頼んだ…しかし…
「今給食室のボイラーが調子悪くて先生それも気になっててね…ごめんねリョーマくん。」

…水槽が気になって仕方なくておかしくなってしまった僕は「給食室なんざあとでいいだろ!」と心の中で叫んでしまった。
しかし水槽は単に揺れてるだけで生き物に影響がないのだ、向こうはみんなの給食を作る設備のトラブル。
どっちが重要かなんぞ目に見えているのだが、自分勝手なところがあった当時の僕は理解ができなかった。

その後、通りかかった別の先生により、物体は取り除かれた。
物体の正体は子亀用のエサ入れ。しかし亀が成長したため不要になったということで完全に取り外されること尾tなった。

そしてその先生から聞いたのだが、給食室のボイラーは完全に復旧することができず、その日の給食のメニューが一部変更になり本来着く予定でなかったゼリーがついた。
先生曰く児童たちは「やったー!」って感じだったのこと。
僕もうれしくて少し心が楽になった。
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