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記録ノ19 復讐のガム

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はじめに断り書きをしておきます。
今後のリョーマ伝には全部ではありませんがちょくちょく暗い話が入ってきます。具体的に言うといじめ関連です。
今後このような話題を取り上げる回はこのような前置きをしておくのでつらい気持ちになるから見たくないという方は読み飛ばすことを推奨します。

…僕の人生において小2から義務教育を終えるまで、いじめがなかった学年はなかった。
365日毎日いじめられていたわけではないし、中断期間がかならずあったが、1日もいじめられずに終えられた学年は小1をのぞいてなかった。
正確には小1の時は以前少し触れた上級生によるからかいがあったがこれは自分の中ではいじめとして認識してなかった。(これについては後々詳しく話すとしよう)

僕の小学校人生最初のいじめは小2の4月末ごろ、仲の良かった男子3人から突然いじめられた。
内容は主に悪口であった。自分的には暴力とかの物理的なものより、悪口などの物理的なもののほうがイヤであった。
他にもカードをくれたと思ったら突然返せと言われたり、お菓子を自分にだけくれなかったりなど精神的なものが多かった。
そんな状態が4か月近く続いた。先生に相談しても一向に解決しなかった。
中断期間なく続いたものでは人生で一番長いいじめだ。

そんななか、僕はいじめグループの一人に復讐を決行した。
舞台は6月のサクランボ狩り。バスで果樹園に行くのだがおやつを300円まで持ってきていいことになっている。
僕が持ってきたもののひとつが「3個に1個酸っぱい味が入ってるガム」だ。
僕は直感で酸っぱい味を当てる能力を持っていた(あくまで当時持ってると思っていただけだが)。的中率はほぼ100%だった。
そこでいじめグループの彼に自分がこれがすっぱいガムだ!と思ったガムをあげた。結果は…
「こ、このガムすっぺ~!」
みごとに作戦は成功した。

…しかし今思うとこれでは自分をいじめている彼らと同罪ではないかと思う。
お菓子メーカーの人だって子供たちに楽しんでもらうためのガムがこのような使われ方してもうれしくないだろう。
ある意味自分の汚さがいじめが長引いた原因なのかもしれない。
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