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第三章 希望を抱いて
想定外
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センフィスへの帰還を決めた直後のこと。
唐突に地面が割れ、いきなり崩落を始めた。上階が崩れた衝撃により、下層もまたダメージを受けていたらしい。それにより諒太は再び落下してしまう。
「マスター!?」
ソラが懸命に手を伸ばすも今度は届かない。無情にも諒太は行き着くところまで落ちていくしかないようだ。
どれくらい落下したのか。地面に叩き付けられたはずが、どうしてか諒太は違和感を覚えている。
加えて一瞬のあと、なぜか脳裏に通知音が響く。
『リョウはLv115になりました』
まるで意味が分からない。先ほど戦った特大土竜は既に消失しているし、こんなにも遅れてレベルアップの通知が来るはずもなかった。
「!?」
しかし、直ぐさま気付く。諒太が地面だと考えていたもの。手の平には、ざらつく毛皮のような感触があったのだ。どうやら下層にいた土竜の上に諒太は落下したらしい。
「まあ助かったな……」
落下が攻撃判定となったようだ。もしも地面に叩き付けられていたとすれば、息切れ状態となっていたかもしれない。或いは失われていた可能性まで……。
「マ、マスター!?」
ソラが上空から声を張る。心配しているのか、彼女の声は震えているようだ。
「ああ、心配ない」
「いえ! 後ろ! 後ろに!?」
動転したようなソラ。疑問に感じながらも、諒太は言われた通りに後方を振り返っている。後ろに一体何があるのだろうかと。
「なっ!?」
その光景には愕然としてしまう。諒太の視界を覆い尽くすのはターゲットマークだ。これは百どころの話ではない。村人の予想を遥かに上回る数が諒太を取り囲んでいる。
「これは……マズい」
諒太は即座にログアウトしようと思う。平時であれば戦えるだろうが、今は猛毒を受けているのだ。治療を優先すべきなのは明らか。
「って、何だ!?」
ところが、ログアウトは選択できなかった。選択ボタンはグレーアウトしており、それは現状の諒太が戦闘中であることを意味している。
「一匹倒したからか!?」
押しつぶした一頭により戦闘状態となってしまったらしい。これにより諒太はログアウトだけでなく、リバレーションも唱えられなくなってしまう。
気付けば諒太は完全に取り囲まれていた。もう戦うしかない。ソラに運んでもらうことすらできなくなっている。戦闘員ではないソラを地面まで降りてもらうわけにはならなかった。
ふうっと息を吐き、諒太は腹を括る。ポーションの残りは十個。MP回復ポーションを多めに買ったことが裏目に出るとは思いもしないことだ。回復できる量は限られているけれど、諒太はこの群れを殲滅し、戦闘状態を脱するしかない。
「やっぱイージーモードは性に合わないってか……」
こうなれば斬れるだけ斬っていくしかない。どのみち報酬が必要なのだ。この一団を討伐できたのなら、かなりの金額となるだろう。
「斬り裂けぇぇっ!」
時間を惜しむかのように諒太は剣を振る。だが、押し寄せる土竜の群れを無傷で倒しきるなんてできなかった。殆どが中型土竜であったけれど、諒太は少なからずダメージを受けてしまう。
「ちくしょう!!」
土竜は非常に好戦的な魔物であった。アリが群れるようにして全てが諒太に襲いかかっている。まるで力を合わせれば諒太に勝てると思考しているかのように。
気付けば息切れをしていた。それでなくとも諒太は猛毒に犯されているのだ。目減りしていく体力を諒太は感じている。
ポーションを飲みながらも剣を振った。さりとて土竜の攻撃が止むことなどない。猛毒と攻撃による両面から諒太は体力を削られてしまう。
「やべぇ……」
先ほどポーションを飲んだばかりだというのに、もう息が荒れてきた。想像よりも猛毒によるダメージが大きいのだと思われる。
「キュア!」
ここでソラが回復魔法を使う。上空を飛ぶ彼女だが、諒太の様子はちゃんと見えているらしい。
「もう一回、キュア!」
「止めろ、ソラ!」
連続でキュアをかけたソラを一喝する。苦境にあったけれど、諒太には考えがあったのだ。
「あと何回、唱えられる!?」
諒太は確認をする。ソラのレベルは上がり続けていたのだ。しからばMPが回復しているのではないかと。
「マスター、たぶんあと二回です!」
残念ながらレベルアップ時のMP回復はないようだ。聞いていた通りの回数が返答として伝えられただけである。
「今後、お前は俺が回復しそこなった時だけキュアを使え!」
「りょ、了解しました……」
ここぞという場面までソラのキュアは温存すべきである。ポーションを飲むタイミングがない場面まで残しておくのが賢明だろう。
「うざってぇなぁぁっ!!」
諒太は焦っていた。正直に金策どころではなくなっている。一撃で倒せる相手に苦戦を強いられるなんて考えもしないことだ。
六本目のポーションを飲み終え、
「ソラ! お前のMPはどうやったら回復できる!? ポーションを飲めるのか!?」
諒太は問いを投げた。もしもMP回復ポーションでソラが回復できるのなら、この戦闘の難易度は今よりも楽になるはずだと。
「いえ、ポーションでは回復できないです……。一日経てば回復しますけれど、当日中の回復を望まれるのでしたら、マスターが補給するしかありません」
初めて聞く話である。直接MP回復ポーションを使えないのは理解したけれど、その補給方法を諒太は知らない。
「どうやれば良い!? 早く教えてくれ!」
「ならば念じてください。【チャージ】と……」
思ったよりも簡単である。MP回復ポーションの残数は15個あり、現状の諒太はファイアーボールを五個撃ち放っただけ。従って十分な魔力が残っているはず。
「チャージ!!」
ソラ如きのMP総量などしれていると考えていた。だから詳しく聞くことなく、諒太はチャージしてしまう。今すぐにキュアをかけてもらおうとして……。
「マスター、チャージは一日三回までしかできないのですよ!?」
「えええ!?」
往々にして人は焦りから失敗をする。諒太も例外ではなかったらしく、まだ二回のキュアが残っていたというのに、ソラのMPを回復してしまった。
残されたチャージはあと二回。また体力回復のポーションはあと四本である。正直に切羽詰まった状況となっていた。
「マスター、レベルアップによってキュアの回数は六回に増えました!」
雲行きは怪しいままであったが、その情報は朗報であった。その増加分はポーション一本分。焼け石に水かもしれないけれど、足しにはなるはずだ。
こうなればチャージはソラができるだけレベルアップしたあとに使った方が良い。現在の彼女はLv16。大半が土竜Lv10であったから、既に効率は悪くなっているのだが、何しろこの数である。Lv20くらいまで成長させてやろうと諒太は考えていた。
かといって苦しい場面は続いている。斬っても斬ってもきりがない。
諒太が七本目のポーションを飲み干したとき、
「んん?」
どうしてか急に土竜の攻撃が止む。今もまだ大量の土竜が諒太を取り囲んでいたというのに。
「何だ……?」
とても嫌な予感がする。ゲームではよくある場面だ。雑魚の猛攻がやむとすれば、それはボス級の登場シーンに他ならない。特大土竜など目じゃない魔物が現れるのではないかと。
得てして悪い想定ほど現実となるものだ。ゴクリと唾を飲み込む諒太は最悪の状況に陥った事実を知らされている。
土竜(超大)【Lv100α】――――――。
唐突に地面が割れ、いきなり崩落を始めた。上階が崩れた衝撃により、下層もまたダメージを受けていたらしい。それにより諒太は再び落下してしまう。
「マスター!?」
ソラが懸命に手を伸ばすも今度は届かない。無情にも諒太は行き着くところまで落ちていくしかないようだ。
どれくらい落下したのか。地面に叩き付けられたはずが、どうしてか諒太は違和感を覚えている。
加えて一瞬のあと、なぜか脳裏に通知音が響く。
『リョウはLv115になりました』
まるで意味が分からない。先ほど戦った特大土竜は既に消失しているし、こんなにも遅れてレベルアップの通知が来るはずもなかった。
「!?」
しかし、直ぐさま気付く。諒太が地面だと考えていたもの。手の平には、ざらつく毛皮のような感触があったのだ。どうやら下層にいた土竜の上に諒太は落下したらしい。
「まあ助かったな……」
落下が攻撃判定となったようだ。もしも地面に叩き付けられていたとすれば、息切れ状態となっていたかもしれない。或いは失われていた可能性まで……。
「マ、マスター!?」
ソラが上空から声を張る。心配しているのか、彼女の声は震えているようだ。
「ああ、心配ない」
「いえ! 後ろ! 後ろに!?」
動転したようなソラ。疑問に感じながらも、諒太は言われた通りに後方を振り返っている。後ろに一体何があるのだろうかと。
「なっ!?」
その光景には愕然としてしまう。諒太の視界を覆い尽くすのはターゲットマークだ。これは百どころの話ではない。村人の予想を遥かに上回る数が諒太を取り囲んでいる。
「これは……マズい」
諒太は即座にログアウトしようと思う。平時であれば戦えるだろうが、今は猛毒を受けているのだ。治療を優先すべきなのは明らか。
「って、何だ!?」
ところが、ログアウトは選択できなかった。選択ボタンはグレーアウトしており、それは現状の諒太が戦闘中であることを意味している。
「一匹倒したからか!?」
押しつぶした一頭により戦闘状態となってしまったらしい。これにより諒太はログアウトだけでなく、リバレーションも唱えられなくなってしまう。
気付けば諒太は完全に取り囲まれていた。もう戦うしかない。ソラに運んでもらうことすらできなくなっている。戦闘員ではないソラを地面まで降りてもらうわけにはならなかった。
ふうっと息を吐き、諒太は腹を括る。ポーションの残りは十個。MP回復ポーションを多めに買ったことが裏目に出るとは思いもしないことだ。回復できる量は限られているけれど、諒太はこの群れを殲滅し、戦闘状態を脱するしかない。
「やっぱイージーモードは性に合わないってか……」
こうなれば斬れるだけ斬っていくしかない。どのみち報酬が必要なのだ。この一団を討伐できたのなら、かなりの金額となるだろう。
「斬り裂けぇぇっ!」
時間を惜しむかのように諒太は剣を振る。だが、押し寄せる土竜の群れを無傷で倒しきるなんてできなかった。殆どが中型土竜であったけれど、諒太は少なからずダメージを受けてしまう。
「ちくしょう!!」
土竜は非常に好戦的な魔物であった。アリが群れるようにして全てが諒太に襲いかかっている。まるで力を合わせれば諒太に勝てると思考しているかのように。
気付けば息切れをしていた。それでなくとも諒太は猛毒に犯されているのだ。目減りしていく体力を諒太は感じている。
ポーションを飲みながらも剣を振った。さりとて土竜の攻撃が止むことなどない。猛毒と攻撃による両面から諒太は体力を削られてしまう。
「やべぇ……」
先ほどポーションを飲んだばかりだというのに、もう息が荒れてきた。想像よりも猛毒によるダメージが大きいのだと思われる。
「キュア!」
ここでソラが回復魔法を使う。上空を飛ぶ彼女だが、諒太の様子はちゃんと見えているらしい。
「もう一回、キュア!」
「止めろ、ソラ!」
連続でキュアをかけたソラを一喝する。苦境にあったけれど、諒太には考えがあったのだ。
「あと何回、唱えられる!?」
諒太は確認をする。ソラのレベルは上がり続けていたのだ。しからばMPが回復しているのではないかと。
「マスター、たぶんあと二回です!」
残念ながらレベルアップ時のMP回復はないようだ。聞いていた通りの回数が返答として伝えられただけである。
「今後、お前は俺が回復しそこなった時だけキュアを使え!」
「りょ、了解しました……」
ここぞという場面までソラのキュアは温存すべきである。ポーションを飲むタイミングがない場面まで残しておくのが賢明だろう。
「うざってぇなぁぁっ!!」
諒太は焦っていた。正直に金策どころではなくなっている。一撃で倒せる相手に苦戦を強いられるなんて考えもしないことだ。
六本目のポーションを飲み終え、
「ソラ! お前のMPはどうやったら回復できる!? ポーションを飲めるのか!?」
諒太は問いを投げた。もしもMP回復ポーションでソラが回復できるのなら、この戦闘の難易度は今よりも楽になるはずだと。
「いえ、ポーションでは回復できないです……。一日経てば回復しますけれど、当日中の回復を望まれるのでしたら、マスターが補給するしかありません」
初めて聞く話である。直接MP回復ポーションを使えないのは理解したけれど、その補給方法を諒太は知らない。
「どうやれば良い!? 早く教えてくれ!」
「ならば念じてください。【チャージ】と……」
思ったよりも簡単である。MP回復ポーションの残数は15個あり、現状の諒太はファイアーボールを五個撃ち放っただけ。従って十分な魔力が残っているはず。
「チャージ!!」
ソラ如きのMP総量などしれていると考えていた。だから詳しく聞くことなく、諒太はチャージしてしまう。今すぐにキュアをかけてもらおうとして……。
「マスター、チャージは一日三回までしかできないのですよ!?」
「えええ!?」
往々にして人は焦りから失敗をする。諒太も例外ではなかったらしく、まだ二回のキュアが残っていたというのに、ソラのMPを回復してしまった。
残されたチャージはあと二回。また体力回復のポーションはあと四本である。正直に切羽詰まった状況となっていた。
「マスター、レベルアップによってキュアの回数は六回に増えました!」
雲行きは怪しいままであったが、その情報は朗報であった。その増加分はポーション一本分。焼け石に水かもしれないけれど、足しにはなるはずだ。
こうなればチャージはソラができるだけレベルアップしたあとに使った方が良い。現在の彼女はLv16。大半が土竜Lv10であったから、既に効率は悪くなっているのだが、何しろこの数である。Lv20くらいまで成長させてやろうと諒太は考えていた。
かといって苦しい場面は続いている。斬っても斬ってもきりがない。
諒太が七本目のポーションを飲み干したとき、
「んん?」
どうしてか急に土竜の攻撃が止む。今もまだ大量の土竜が諒太を取り囲んでいたというのに。
「何だ……?」
とても嫌な予感がする。ゲームではよくある場面だ。雑魚の猛攻がやむとすれば、それはボス級の登場シーンに他ならない。特大土竜など目じゃない魔物が現れるのではないかと。
得てして悪い想定ほど現実となるものだ。ゴクリと唾を飲み込む諒太は最悪の状況に陥った事実を知らされている。
土竜(超大)【Lv100α】――――――。
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