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第二章 悪夢の果てに
圧倒
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ソレルの啖呵を買うように、諒太は剣先を動かす。ステータスを確認した限りは負けようがない。無双する物語の主人公よろしく諒太は自身に陶酔しきっていた。
「いくぞ! 偽勇者ッ!!」
そこそこの武器にそこそこの鎧。ソレルが如何に強かろうが、それはセイクリッド世界においてだ。接戦どころか、諒太は彼を殺めないように気をつける必要があった。
「聖王騎士団長ってそんなものか?」
軽く躱して再び煽る。スピードに劣るソレルの攻撃は盾を使うまでもなかった。
「偽物めっ!」
尚も剣を振り続けるソレルだが、生憎と諒太には止まって見えていた。幾ら力があろうとも、素早さがなければ宝の持ち腐れである。
「死ねぇっ! 疾風突!」
ここで思いも寄らぬ攻撃。ソレルが繰り出したのはAランクスキルだった。急激に速さを増した鋭い突きが撃ち放たれている。
「っ!?」
諒太は咄嗟に盾で受け止めていた。そういえばスキルを確認していない。まさかAランクスキルを所持しているなんて、翻弄するつもりが逆に諒太は焦ることに。
「やるじゃないか、ソレル。しかし、それだけだ。貴様は俺の相手じゃない……」
「何とか躱しただけだろ? 次で仕留めてやる!」
「何度試しても無駄だぞ? もうお前のスキル【疾風突】は見切った。他にスキルを持っていないのなら剣を収めろ……」
所有スキルが単調な突きであるのは助かった。もう不意を突かれることはない。頭に入れておくだけで対処可能である。
「知ったことか! 覚悟しろっ!!」
再び斬りかかってくるソレル。やはり防戦だけでは納得してもらえそうになかった。しかし、武器を使用したままではソレルを殺めてしまう。ならばと装備から剣を外し、諒太は殴り倒す作戦に切り替えていく。
「どこまでも私を愚弄する気か!」
侮辱と取られても仕方ないけれど、諒太は武器を使うつもりなどない。
力一杯に振り下ろされた長剣を素早く避け、諒太はソレルの背後を取る。ただし、まだ終わらせてはいけない。彼が全力を出し尽くすまでは防御に専念すべきだ。
「こしゃくなぁぁっ!」
振り下ろした剣を今度は水平に振る。けれど、無駄であった。スキルではない攻撃が諒太に当たるはずもない。
「騎士の誇りにかけて貴様だけは仕留めてやる!!」
一端距離を取ったソレルだが、諦めたという感じではなかった。
瞬時に諒太は気配を感じ取っている。ここが勝負所に違いないと。ソレルは決めにくるだろうと。
「貫けぇぇっ! 疾風突!!」
やはり疾風突を繰り出す。だが、意表を突かれた先ほどとは異なっていた。
スキルに臆することなく諒太は踏み込んでおり、剣先を僅かに避けたあとソレルの懐へと飛び込んでいる。
「死ぬなよ?」
ソレルの勢いを利用したボディーブロー。かなり手加減したつもりだが、ソレルは呆気なく倒れ込んだ。だがしかし、まだ戦いは終わらない。ソレルは何とか立ち上がって、再び剣を構えている。
「やるじゃん……」
聖王騎士団長の意地だろうか。実力差は明白であったというのに、今も彼は諒太を倒そうとしている。
ソレルの心は騎士の誇りと信念に守られ、決して折れることなどないのだろう。
「偽物め……。これで終わりだぁぁっ!」
もう気絶させるしかなかった。きっと彼は死ぬまで立ち上がる。ならば強めの一撃を入れるだけ。説得するのは諦めるしかなかった。
繰り出された疾風突を寸前で躱し、すれ違い様に諒太はカウンター攻撃を放つ。
「ぐっ……ぁっ……」
刹那に届く呻き声。やり過ぎたと感じる手応えが残っていた。諒太の拳へと伝わるのはズシンと重たい感触である……。
拳が突き刺さるや砕け散る鎧。破片と共にソレルは後方へと倒れ込んだ。身体をくの字に折ったまま、彼は地面へと叩き付けられていた。
この度は確実に効いたはず。しかしながら、彼はまたも起き上がろうとしている。愛剣を杖代わりにして、よろめきながらも立ち上がっていた……。
これではいつか彼を殺してしまう。諒太は不屈の精神力をソレルに見ていた。
「騎士団長ってのはどうにも命が軽すぎるな……」
ソレルには嘆息するしかなかった。名誉や責任は彼らにとって命よりも大切らしい。手加減の程度を掴みかねている諒太にとっては本当に厄介な相手である。
「やめなさい、ソレル! そこまでです!」
不穏な結末を思い浮かべていた諒太に助け船があった。
その声はロークアットである。気付けば彼女はソレルの側まで歩み寄っていた。まだ戦おうとするソレルをロークアットは宥めるようにしている。
「リョウ、ここからはわたくしがお相手致します!」
「姫殿下! 私はまだ戦えます!」
せっかくの仲裁であったというのに、聖王騎士団長ソレルは食い下がっている。実力差を痛感しただろうに、騎士の矜持だろうか彼はそれを受け入れない。
「ソレル、貴方では彼に敵いません。実力差は一目瞭然でした。貴方は武器すら持たぬ相手に翻弄されていたではありませんか?」
「し、しかし……」
痛いところを突かれたソレルは声を詰まらせている。敵わないのはソレルも理解していたはずであり、ただ彼には引くという選択ができなかっただけだ。
「ロークアット・スバウメシアァァ、覚悟しろォォッ!!」
突として怒声が荒野に轟く。諒太の背後から飛び出した影は迷いなくロークアットへと斬り掛かった。最前線にでたロークアットは完全に不意を突かれている。
「クソッ、余計な真似を!」
ここでロークアットが斬られては和平どころではない。アクラスフィア王国は徹底的に叩き潰されてしまうはずだ。
「させるかぁぁっ!!」
瞬時に走り出す諒太。斬り掛かった人物は諒太も知っている人間だった。
派手な金色の鎧を身に纏う近衛兵。彼は諒太の戦果を奪おうと参戦したイバーニに他ならない。
即座に駆け出すもロークアットとは距離があった。彼女はまだ大盾を装備していないし、意表をつく攻撃など二人は想定していない。
「死ねぇぇっ! スバウメシアァァッ!!」
イバーニの怒号が響き渡ったその瞬間、耳に残る打撃音が鳴り響く。
諒太は何とか間に合っていた。王者の盾でイバーニの剣を受け止め、諒太は彼の眼前に立ちはだかっている。
「貴様、王国を裏切るのか!?」
「うるせぇぇ! 近衛兵のくせに出張ってんじゃねぇよ!!」
今度は容赦しない。せっかくの機会だと思う。アクラスフィア王国兵にも自身の実力を見せつけてやろうと。格の違いってものを分からせてやるのだと。
「裏切るのなら貴様も葬るまで! 錬成武器を手にした僕に敵うと思うな? 我が長剣の血肉となれ!!」
イバーニは再び剣を振る。躊躇いなく諒太に斬り掛かっていた。
彼は諒太が勇者であると知っていたというのに。王様も承認した異世界召喚の対象者であることを分かっていたというのに。
「アーマァァァブレイクッ!!」
直ぐさま剣技を繰り出すイバーニ。だが、諒太は落ち着いていた。
王者の盾であれば必ず受け止められるはずと。防御力を半減させるスキルであっても、イバーニ如きに負けるはずはないのだと……。
荒野に甲高い金属音が鳴り響いた。それは決戦の終わりを告げる調べである。
宙を舞うのは折れた長剣。イバーニの愛剣は虚しく宙を舞っている……。
静寂の中、折れた長剣がザクリと地面に突き刺さった。
完全に勝敗は決している。もはやイバーニには攻撃の手段がなかったのだから。
一瞬のあと、イバーニは膝をつく。ようやくと彼も気付いたのかもしれない。あまりに隔たりがある二人の実力差というものを……。
「馬鹿な……?」
諒太は素早く剣を装備。この無意味な戦いがもう終わりであると告げるために。
「イバーニ、お前はここで退場しろ……」
次の瞬間、目にも留まらぬ諒太の斬撃がイバーニを捕らえていた。
鎧だけを斬り裂く一撃。瞬時に趣味の悪い黄金の鎧は粉々となり、装備者であるイバーニは無論のこと後方へと吹き飛ばされている。
両軍が黙り込んでいた。誰も理解できなかったのだ。ソレルに続いて、どうしてかイバーニを斬った勇者が何を考えているのか。
クルリとロークアットを振り返る諒太。これにて前座は終わりだと言いたげである。もう異論は噴出しないだろう。両軍のエースともいえる剣士を諒太はのしていたのだから。
諒太は荒野に仁王立ちをし、不敵な笑みを浮かべている……。
「いくぞ! 偽勇者ッ!!」
そこそこの武器にそこそこの鎧。ソレルが如何に強かろうが、それはセイクリッド世界においてだ。接戦どころか、諒太は彼を殺めないように気をつける必要があった。
「聖王騎士団長ってそんなものか?」
軽く躱して再び煽る。スピードに劣るソレルの攻撃は盾を使うまでもなかった。
「偽物めっ!」
尚も剣を振り続けるソレルだが、生憎と諒太には止まって見えていた。幾ら力があろうとも、素早さがなければ宝の持ち腐れである。
「死ねぇっ! 疾風突!」
ここで思いも寄らぬ攻撃。ソレルが繰り出したのはAランクスキルだった。急激に速さを増した鋭い突きが撃ち放たれている。
「っ!?」
諒太は咄嗟に盾で受け止めていた。そういえばスキルを確認していない。まさかAランクスキルを所持しているなんて、翻弄するつもりが逆に諒太は焦ることに。
「やるじゃないか、ソレル。しかし、それだけだ。貴様は俺の相手じゃない……」
「何とか躱しただけだろ? 次で仕留めてやる!」
「何度試しても無駄だぞ? もうお前のスキル【疾風突】は見切った。他にスキルを持っていないのなら剣を収めろ……」
所有スキルが単調な突きであるのは助かった。もう不意を突かれることはない。頭に入れておくだけで対処可能である。
「知ったことか! 覚悟しろっ!!」
再び斬りかかってくるソレル。やはり防戦だけでは納得してもらえそうになかった。しかし、武器を使用したままではソレルを殺めてしまう。ならばと装備から剣を外し、諒太は殴り倒す作戦に切り替えていく。
「どこまでも私を愚弄する気か!」
侮辱と取られても仕方ないけれど、諒太は武器を使うつもりなどない。
力一杯に振り下ろされた長剣を素早く避け、諒太はソレルの背後を取る。ただし、まだ終わらせてはいけない。彼が全力を出し尽くすまでは防御に専念すべきだ。
「こしゃくなぁぁっ!」
振り下ろした剣を今度は水平に振る。けれど、無駄であった。スキルではない攻撃が諒太に当たるはずもない。
「騎士の誇りにかけて貴様だけは仕留めてやる!!」
一端距離を取ったソレルだが、諦めたという感じではなかった。
瞬時に諒太は気配を感じ取っている。ここが勝負所に違いないと。ソレルは決めにくるだろうと。
「貫けぇぇっ! 疾風突!!」
やはり疾風突を繰り出す。だが、意表を突かれた先ほどとは異なっていた。
スキルに臆することなく諒太は踏み込んでおり、剣先を僅かに避けたあとソレルの懐へと飛び込んでいる。
「死ぬなよ?」
ソレルの勢いを利用したボディーブロー。かなり手加減したつもりだが、ソレルは呆気なく倒れ込んだ。だがしかし、まだ戦いは終わらない。ソレルは何とか立ち上がって、再び剣を構えている。
「やるじゃん……」
聖王騎士団長の意地だろうか。実力差は明白であったというのに、今も彼は諒太を倒そうとしている。
ソレルの心は騎士の誇りと信念に守られ、決して折れることなどないのだろう。
「偽物め……。これで終わりだぁぁっ!」
もう気絶させるしかなかった。きっと彼は死ぬまで立ち上がる。ならば強めの一撃を入れるだけ。説得するのは諦めるしかなかった。
繰り出された疾風突を寸前で躱し、すれ違い様に諒太はカウンター攻撃を放つ。
「ぐっ……ぁっ……」
刹那に届く呻き声。やり過ぎたと感じる手応えが残っていた。諒太の拳へと伝わるのはズシンと重たい感触である……。
拳が突き刺さるや砕け散る鎧。破片と共にソレルは後方へと倒れ込んだ。身体をくの字に折ったまま、彼は地面へと叩き付けられていた。
この度は確実に効いたはず。しかしながら、彼はまたも起き上がろうとしている。愛剣を杖代わりにして、よろめきながらも立ち上がっていた……。
これではいつか彼を殺してしまう。諒太は不屈の精神力をソレルに見ていた。
「騎士団長ってのはどうにも命が軽すぎるな……」
ソレルには嘆息するしかなかった。名誉や責任は彼らにとって命よりも大切らしい。手加減の程度を掴みかねている諒太にとっては本当に厄介な相手である。
「やめなさい、ソレル! そこまでです!」
不穏な結末を思い浮かべていた諒太に助け船があった。
その声はロークアットである。気付けば彼女はソレルの側まで歩み寄っていた。まだ戦おうとするソレルをロークアットは宥めるようにしている。
「リョウ、ここからはわたくしがお相手致します!」
「姫殿下! 私はまだ戦えます!」
せっかくの仲裁であったというのに、聖王騎士団長ソレルは食い下がっている。実力差を痛感しただろうに、騎士の矜持だろうか彼はそれを受け入れない。
「ソレル、貴方では彼に敵いません。実力差は一目瞭然でした。貴方は武器すら持たぬ相手に翻弄されていたではありませんか?」
「し、しかし……」
痛いところを突かれたソレルは声を詰まらせている。敵わないのはソレルも理解していたはずであり、ただ彼には引くという選択ができなかっただけだ。
「ロークアット・スバウメシアァァ、覚悟しろォォッ!!」
突として怒声が荒野に轟く。諒太の背後から飛び出した影は迷いなくロークアットへと斬り掛かった。最前線にでたロークアットは完全に不意を突かれている。
「クソッ、余計な真似を!」
ここでロークアットが斬られては和平どころではない。アクラスフィア王国は徹底的に叩き潰されてしまうはずだ。
「させるかぁぁっ!!」
瞬時に走り出す諒太。斬り掛かった人物は諒太も知っている人間だった。
派手な金色の鎧を身に纏う近衛兵。彼は諒太の戦果を奪おうと参戦したイバーニに他ならない。
即座に駆け出すもロークアットとは距離があった。彼女はまだ大盾を装備していないし、意表をつく攻撃など二人は想定していない。
「死ねぇぇっ! スバウメシアァァッ!!」
イバーニの怒号が響き渡ったその瞬間、耳に残る打撃音が鳴り響く。
諒太は何とか間に合っていた。王者の盾でイバーニの剣を受け止め、諒太は彼の眼前に立ちはだかっている。
「貴様、王国を裏切るのか!?」
「うるせぇぇ! 近衛兵のくせに出張ってんじゃねぇよ!!」
今度は容赦しない。せっかくの機会だと思う。アクラスフィア王国兵にも自身の実力を見せつけてやろうと。格の違いってものを分からせてやるのだと。
「裏切るのなら貴様も葬るまで! 錬成武器を手にした僕に敵うと思うな? 我が長剣の血肉となれ!!」
イバーニは再び剣を振る。躊躇いなく諒太に斬り掛かっていた。
彼は諒太が勇者であると知っていたというのに。王様も承認した異世界召喚の対象者であることを分かっていたというのに。
「アーマァァァブレイクッ!!」
直ぐさま剣技を繰り出すイバーニ。だが、諒太は落ち着いていた。
王者の盾であれば必ず受け止められるはずと。防御力を半減させるスキルであっても、イバーニ如きに負けるはずはないのだと……。
荒野に甲高い金属音が鳴り響いた。それは決戦の終わりを告げる調べである。
宙を舞うのは折れた長剣。イバーニの愛剣は虚しく宙を舞っている……。
静寂の中、折れた長剣がザクリと地面に突き刺さった。
完全に勝敗は決している。もはやイバーニには攻撃の手段がなかったのだから。
一瞬のあと、イバーニは膝をつく。ようやくと彼も気付いたのかもしれない。あまりに隔たりがある二人の実力差というものを……。
「馬鹿な……?」
諒太は素早く剣を装備。この無意味な戦いがもう終わりであると告げるために。
「イバーニ、お前はここで退場しろ……」
次の瞬間、目にも留まらぬ諒太の斬撃がイバーニを捕らえていた。
鎧だけを斬り裂く一撃。瞬時に趣味の悪い黄金の鎧は粉々となり、装備者であるイバーニは無論のこと後方へと吹き飛ばされている。
両軍が黙り込んでいた。誰も理解できなかったのだ。ソレルに続いて、どうしてかイバーニを斬った勇者が何を考えているのか。
クルリとロークアットを振り返る諒太。これにて前座は終わりだと言いたげである。もう異論は噴出しないだろう。両軍のエースともいえる剣士を諒太はのしていたのだから。
諒太は荒野に仁王立ちをし、不敵な笑みを浮かべている……。
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