上 下
24 / 226
第一章 導かれし者

窮地に立つ諒太

しおりを挟む
 夜のセイクリッド世界。時間帯は常に同期しており、いつログインしようとも戸惑うことはない。

 時間は夜の九時である。よってフレアはもう本部にいないかもしれない。かといって魔石はちゃんと渡しておこうと思う。治癒士の手間が省けるのであれば、早く届けた方が良いに決まっているのだ。

「リョウ、どうした?」
 予想とは異なりフレアが対応してくれる。てっきり帰宅したものと考えていたのに。

「いえ、大きな魔石が手に入ったので届けに来たのです」
「それは有り難いな。で、君はその鎧を新調したのか?」
 どうしてか魔石にはあまり興味を示してもらえない。必要なかったのかと考えてしまうほど軽い扱いである。

「これは新調したというより、発掘ですかね……」
「発掘だと? まあダンジョンには装備品も眠っていたりするけれど……」
 諒太は借りていた騎士団の装備をアイテムボックスから取り出してフレアに手渡す。続いて魔石を取り出そうかというとき、

「おい、リョウ!?」
 フレアの大きな声が響く。諒太はまだ魔石を取り出していない。驚くのはこれからだというのに、彼女は目を剥いて驚きを露わにしていた。

「その鎧を何処で手に入れた!?」
 聞き流されたのかと思いきや、フレアは鎧について問い質す。確かに壊れ装備であるけれど、ここまで食いついてくるとは予想外だ。

「ペナムから西に行ったところにある倉……ダンジョンです」
 夏美の倉庫から拝借したことは黙っておく。ならばペンダム遺跡で見つけたことにしておくべきだ。

「ああ、ペンダム遺跡か。というか君はもうあんなダンジョンに挑んでいるのか?」
 アップデートの内容はフレアにも反映されているようだ。ペンダム遺跡が存在し、高難度ダンジョンであることを彼女は分かっているらしい。

「ええまあ。俺はLv69ですし……」
「何だとぅ!?」
 上階では多くの患者が寝ているというのに。加えて彼女は女性だというのに……。
 遠慮することも恥じらうこともなく大きな声を上げていた。

「信じられん……。Lv50より先は限られた人間しか到達できないというのに。昨日まで私よりずっと低かったではないか?」
「つい先ほどまでフレアさんより弱かったのですけど、グレートサンドワームを討伐したらレベルが20も上がりました……」
「グレートサンドワームだとぅ!?」

 またもや大袈裟に返すフレア。かといって彼女の反応は理解できるものだ。
 Lv100の魔物はセイクリッド世界において災厄にも等しい。諒太であっても夏美の装備を拝借したチート状態でなければ倒せなかったはず。

「運良く仕留められました。この装備のおかげです」
「ああそうだ! 脱線してしまったが、私はその鎧にある紋章について聞きたかったのだ」
 紋章と聞いて思い当たるものはない。灼熱王オルフェウスの鎧は派手な赤色をしていたけれど、紋章的な模様は一つとしてなかった。
 だが、諒太は察知している。ひょっとしてフレアにはこれが読めなかったのではないかと。

「肩にある……紋章ですか?」
 紋章とは言ったが、それは夏美が持ち物に名前を書いただけのこと。ただし、格好良く書こうとした【なつみ】の文字は崩されており、一つに纏まっているようにも見える。
 アルカナの影響下にあるフレアは日本語が読めたに違いないけれど、彼女が紋章だと言った理由はそんなところであろう。

「それは勇者ナツの紋章であるはず。彼女の鎧はペンダム遺跡に眠っていたのか?」
 もしかすると騎士団には夏美のサインが残っているのかもしれない。書き換えられた記憶かもしれないが、サインを見て紋章だというのだから既知のものであるようだ。

「それでこれがグレートサンドワームの魔石です。アーシェの魔法陣に使えませんか?」
 脱線話を中断し、諒太は本題に入る。騎士団には魔石を届けに来ただけだ。諒太は直ぐさまレベリングを再開せねばならなかった。

「これは凄いな。治癒士も喜ぶだろう。とはいえグレートサンドワームは運良く倒せる魔物ではないはずだぞ? 存在自体が伝説であり、勇者ナツでさえ苦戦したと伝わっている」
 ここでもまた夏美の名がでてくる。三百年前の勇者はアップデート間もない歴史にもその名が刻み込まれているらしい。

「それで今からまた戦いに行くのか?」
「もちろんです。明日明後日と俺は戦いに明け暮れる予定ですから……」
「すまない。私も同行できれば良かったのだが……」
 言葉を濁すフレアだが、諒太は彼女の心情を理解しているつもり。本来なら同行くらいできるはずで、彼女が躊躇うのはアーシェの側についていたいと考えているからだろう。

「それは構いません。ですが少しお聞きしたいことがあります。魔道塔へはどうやって行けば良いのでしょうかね? 近くにアクラスフィア王国の街はないと仰ってましたけど」
 明確な目標を諒太は設定している。従ってその過程にある魔道塔への移動問題を解決したいと考えていた。

「ああ、それならワイバーンを用意しよう。乗った経験は?」
「いやあ、ないですよ! 見たこともないですし!」
 ゲームならばともかく諒太の世界にワイバーンはいない。人が乗り、空を飛ぶものといえば飛行機やヘリコプターくらいしか存在しないのだ。

「であれば、その決戦には私も参加すると約束しよう」
 凛々しい顔をしてフレアが言った。恐らく彼女は諒太ばかりに押し付けている現状を心苦しく感じているのだろう。

「有り難うございます。この三日で俺はLv95にまで上げるつもりです。ペンダム遺跡でレベルを上げて、必ずやアーシェを死の淵より救い出しますから」
 決意を語る以外にかける言葉はない。不死王リッチがどれほど強いか分からないけれど、剣術を始めたばかりの諒太には間違いなく脅威である。何しろリッチには魔法攻撃が効かないだけでなく明確な弱点がない。グレートサンドワームのように一属性特化なんて技は通用しないのだ。

 フレアと別れ、諒太は城下にある道具屋へと向かう。夏美の倉庫から拝借したポーションが残っているけれど、それだけでは間に合わない。MP用の回復ポーションは四本しかなかったし、グレートサンドワームに再度エンカウントしないとは言い切れないのだ。

「レベルがかなり上がったし、消費魔力半減がなくても発動できるだろうか?」
 これより諒太は剣のみで戦う。剣術の熟練度を上げておかねばリッチには勝てない。しかし、剣を装備すると杖にある魔力半減がなくなってしまうのだ。四分の一であった消費量は鎧にある半減分だけとなった。

「試しておかないと……」
 いざという時にはインフェルノ頼みである。よって危機が訪れるよりも前に試しておく必要があった。剣を装備した状態でも、きちんと発動するのかどうかを。

「すみません。ポーションをください」
「ああ、いらっしゃい。そこにあるのを好きなだけどうぞ」
 ギルドの依頼をかなりこなした諒太に資金の問題はない。とりあえずHPとMPの回復ポーションをそれぞれ三十個ずつ買っておこうと思う。

「じゃあ、ギルドカードの提示をお願いします」
 この世界は基本的にキャッシュレスだ。現金も幾分か持っていたけれど、依頼の報酬はほぼ全てギルドカードに入金している。だから支払いはカードを提示するだけでいい。

 スッとギルドカードを提示したのだが、店主はなぜか眉根を寄せる。ポーションくらいで尽きる残高ではなかったというのにもかかわらず……。

「悪いが、犯罪歴がある者への販売はできない」
 言われて諒太は気付く。そういえば盗人であったことを。犯罪行為はギルドカードに反映され、罪の重さによりペナルティが発生する。盗人も例外ではなく、商店の利用や売買行為に規制が入るようだ。

「俺は別に悪いことなどしていません!」
「とはいってもなぁ。お前さん、ケチな盗みでもしたんだろう? ギルドカードには犯罪歴ありと表示されている。主神様が決めた事だからウチでは扱えないよ。素直に罪を償うか、ギルドに訂正申請するしかないだろうね。あと暴れるのは御免だよ? その場合は騎士団に通報するからね」

 店主は聞く耳を持たない。職業までは分からないらしいが、実際に盗人行為を犯していたことは筒抜けであるようだ。しかし、困ったことになった。レベリングにポーションは不可欠。一日経過すれば体力等は回復するけれど、現実時間とリンクするセイクリッド世界において、その方法では時間がかかりすぎる。

「闇ギルドに入るしかねぇってのか……」
 現時点で諒太の選択肢は三つある。まずは闇ギルドへの登録。これは悪落ちしたプレイヤーに対する公式な救済処置であり、通常の流通よりも高めではあるが闇市を利用したり、依頼を受けたりできた。

 次に善行値が貯まるクエストの消化。悪落ちした場合、罪の重さにより元へ戻るために必要となる善行値が設定されている。しかし、ドブさらいなどを地道にこなす必要があり、時間のない諒太には選べない。

 最後は相手がいる場合に和解することだ。諒太の場合は夏美。盗んだものの対価を支払うか、相手との和解が成立したのなら犯罪歴は解除された。

 夏美は親友であるし、彼女なら諒太が持ち去ったとして許してくれるはず。もし夏美が了承してくれたのなら、諒太の犯罪歴は消去されるだろう。だが、生憎と彼女は異なる時間軸にいるし、世界線すら違うのだ。勇者ナツの了承を取り付けるなど諒太には不可能である。

「通報はマズい……」
 ここで騎士団と問題を起こしてはならない。良くしてもらっているフレアや入院中のアーシェにまで迷惑をかけられなかった。
 渋々と諒太は店をあとにし、リバレーションにてペンダム遺跡へ戻ろうとする。

「えっ……あれっ!?」
 間違いなく詠唱したはずなのに諒太は王都センフィスから移動できない。今もまだ道具屋の店先に立ったままだ。

「そういえば……」
 諒太はとんでもない過ちを犯したのかもしれない。
 夏美はリバレーションが勇者専用の呪文だと話していた。確か諒太は勇者となる前に発動させていたけれど、やはりあの発動はセイクリッド神との取引であったのかもしれない。世界を救うという対価によって。

 現状の諒太はジョブが盗人であり、もう勇者専用魔法を使えなくなっている。盗人である彼は世界の理に従い移動魔法を発動できなかった。

「これじゃ……間に合わない……?」
 それは絶望を覚えるのに十分すぎる現実だった。レベリングに移動時間は少しも考慮していない。それでも厳しいと考えていたのに、ログアウトするたび諒太はペナムまでの移動時間を無駄にしてしまう。

「どうすりゃいいんだ……」
 一度に強くなろうとズルをした結果、諒太は商店での売買禁止どころか移動魔法までもを失っていた。本当にもどかしい。馬鹿らしくて悔しくて思わず唇を噛んでしまう。

「ちくしょう……」
 だが、諒太は気持ちを切り替える。彼に残された道は一つ。こうなってしまえば徹底的に無茶をするしかない。
 こんな今も諦めてはいないのだ。アーシェを助けるってことだけは……。

「もうログアウトはしない……」
 ログアウトのたびにアクラスフィア王城まで戻ってしまうのなら、できる限りペンダム遺跡に留まるべきだ。月曜の朝まで一度も戻らないというのは不可能にしても、ログアウトは最小限にして戦えるだけ戦うのみである。

「そういや、食事や生理現象もこっちで済ませられるんじゃ……?」
 肉体が元の世界にないのであれば、セイクリッド世界で全てを賄うことができるはず。ただし、両親の目がある以上は、それなりに生活の痕跡を残さねばならない。

「徹底的に戦うだけだ。魔法は最小限にしてソニックスラッシュも温存。剣技の熟練度を上げるだけなら、体力消費がつきまとうスキルは使うべきじゃない」
 計画通りに進めば手持ちのポーションで何とかなりそうだ。グレートサンドワームがそうそう出てくるとは思わないし、雑魚であればLv69となった今ならスキルを使用しなくとも戦えるだろう。

 かなり遅い時間であるが馬車はきっとある。ゲームの設定が生きているならば、街道を行き来する馬車は夜中だろうと存在するはずだ。

 やはり乗り場には幾つもの馬車が停車していた。問題は利用できるか否かであったけれど、ゲームでは罪人であったとしても馬車を利用できる。移動手段にまでペナルティは課せられていないし、現金支払いである馬車では犯罪歴を追求されることもないだろう。

「移動魔法ならひとっ飛びなのに……」
 よもや再び馬車に乗るとは考えもしなかった。御者に運賃を支払い、諒太は荷台へと乗り込んでいく。

「お前さんは冒険者だろ? ひょっとして巨大な火柱についての調査かい? ペナムから戻った仲間がとんでもない火柱を見たと話していたんだ……」
 ふと御者はそんな話を口にする。その内容は身に覚えがありすぎた。恐らく巨大な火柱とはインフェルノのことだろう。ペナムでも確認できるほど巨大であったらしい。

「ええ、冒険者です。現地調査ですね……」
 ここは御者を不安にさせてはならない。どうしても欠便となってはならないのだ。明日まで立ち往生しないためにも、諒太は冒険者であると伝えた方が良い。
 移動時間は睡眠に当てることにした。実体であるのなら、どちらで寝ようが回復できるはず。ペンダム遺跡に到着したのなら、それこそ不眠不休となるのだから……。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。

町島航太
ファンタジー
 かつて日本最強投手と持て囃され、MLBでも大活躍した佐久間隼人。  しかし、老化による衰えと3度の靭帯損傷により、引退を余儀なくされてしまう。  失意の中、歩いていると球団の熱狂的ファンからポストシーズンに行けなかった理由と決めつけられ、刺し殺されてしまう。  だが、目を再び開くと、魔法が存在する世界『異世界』に転生していた。

アレキサンドライトの憂鬱。

雪月海桜
ファンタジー
桜木愛、二十五歳。王道のトラック事故により転生した先は、剣と魔法のこれまた王道の異世界だった。 アレキサンドライト帝国の公爵令嬢ミア・モルガナイトとして生まれたわたしは、五歳にして自身の属性が限りなく悪役令嬢に近いことを悟ってしまう。 どうせ生まれ変わったなら、悪役令嬢にありがちな処刑や追放バッドエンドは回避したい! 更正生活を送る中、ただひとつ、王道から異なるのが……『悪役令嬢』のライバルポジション『光の聖女』は、わたしの前世のお母さんだった……!? これは双子の皇子や聖女と共に、皇帝陛下の憂鬱を晴らすべく、各地の異変を解決しに向かうことになったわたしたちの、いろんな形の家族や愛の物語。 ★表紙イラスト……rin.rin様より。

なんでもアリな異世界は、なんだか楽しそうです!!

日向ぼっこ
ファンタジー
「異世界転生してみないか?」 見覚えのない部屋の中で神を自称する男は話を続ける。 神の暇つぶしに付き合う代わりに異世界チートしてみないか? ってことだよと。 特に悩むこともなくその話を受け入れたクロムは広大な草原の中で目を覚ます。 突如襲い掛かる魔物の群れに対してとっさに突き出した両手より光が輝き、この世界で生き抜くための力を自覚することとなる。 なんでもアリの世界として創造されたこの世界にて、様々な体験をすることとなる。 ・魔物に襲われている女の子との出会い ・勇者との出会い ・魔王との出会い ・他の転生者との出会い ・波長の合う仲間との出会い etc....... チート能力を駆使して異世界生活を楽しむ中、この世界の<異常性>に直面することとなる。 その時クロムは何を想い、何をするのか…… このお話は全てのキッカケとなった創造神の一言から始まることになる……

何者でもない僕は異世界で冒険者をはじめる

月風レイ
ファンタジー
 あらゆることを人より器用にこなす事ができても、何の長所にもなくただ日々を過ごす自分。  周りの友人は世界を羽ばたくスターになるのにも関わらず、自分はただのサラリーマン。  そんな平凡で退屈な日々に、革命が起こる。  それは突如現れた一枚の手紙だった。  その手紙の内容には、『異世界に行きますか?』と書かれていた。  どうせ、誰かの悪ふざけだろうと思い、適当に異世界にでもいけたら良いもんだよと、考えたところ。  突如、異世界の大草原に召喚される。  元の世界にも戻れ、無限の魔力と絶対不死身な体を手に入れた冒険が今始まる。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。 この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。 ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。 少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。 更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。 そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。 少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。 どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。 少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。 冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。 すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く… 果たして、その可能性とは⁉ HOTランキングは、最高は2位でした。 皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°. でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )

俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~

シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。 目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。 『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。 カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。 ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。 ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。

異世界着ぐるみ転生

こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生 どこにでもいる、普通のOLだった。 会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。 ある日気が付くと、森の中だった。 誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ! 自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。 幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り! 冒険者?そんな怖い事はしません! 目指せ、自給自足! *小説家になろう様でも掲載中です

処理中です...