33 / 377
第二章 繰り返す時間軸
経験による予知
しおりを挟む
「オ、オリビア!?」
イセリナは大きな声を上げている。流石に驚きを隠せない様子ね。
いやまあ、良かった。一発で当てられたのは信用に足る出来事でしょ?
あとは二人に少しばかり話をしてもらいましょうかね。
「イセリナ様!?」
「貴方、どうしてラルクレイドにいるのです!?」
二人ともが驚いている妙な光景だけど、仕方ないよね。
オリビアはお忍びだし、イセリナは私の予知を聞いたばかりだし。
「実は大好きな劇団の公演がございまして、お恥ずかしながら昨日から滞在しております。お忙しいイセリナ様にお声かけするのも憚られまして……」
オリビアの返答にイセリナは唖然と頭を振っています。
予知が当たったこと。それにより暗殺という予知に真実味が加わってしまうこと。
真面目に私の話を聞く準備はできたことでしょう。
「お二人様、時間がありませんので雑談はそこまでに。オリビア様、私はスカーレット伯爵家の長女アナスタシアでございますわ。折り入ってオリビア様にお願い事があって参上いたしました。あと肩の竜は大人しいので気にしないでくださいね?」
同じ伯爵令嬢だけど、ドレスがドレスだからね。ここはへりくだっておきましょうか。
「オリビア、ワタクシの命が狙われているのです! 彼女の話を聞いてくださらない?」
困惑するオリビアでありましたが、イセリナの命令であれば従うだけ。
どうせ彼女は昨日も公演を見ているのだし、一度見たら充分でしょ?
「場所を変えましょう。流石に大きな声で話す内容でもありませんので……」
私たちは再び馬車に乗る。
常に間者が潜んでいる可能性が高いのです。計画は秘密裏に進めなきゃだからね。
馬車が走り始めるや、私はオリビアに指示を出す。
(オリビアが初日の公演を見た後なら……)
昨日からオリビアが滞在しているというのだから、全ての期日が明らかになる。
私は正確に命令を告げられることでしょう。
「オリビア様はこれよりデンバー侯爵領へと向かってください。今からですと夜中になってしまいますが、宿は公爵家が何とか手配してくれるでしょう。それで明日の昼頃にエクシリアの大通りへと向かいマイケルズダイナーというレストランで昼食を取ってもらえれば助かります」
頭の上にハテナマークを何個も並べるオリビア。
気持ちは分かるけど、今は言う通りにして欲しいな。毒殺に関しては貴方の活躍が鍵を握っているのだから。
「アナスタシア、どういうこと? オリビアが食事をしていたらどうなると言うの?」
「ええまあ、とある人物に出会うためですよ。彼を味方につけなければ、暗殺計画は阻止できません」
ゲームであればクソゲー認定間違いなし。たった一人を味方につけるだけで、大きく事態が好転するのだから。
しかしながら、その彼はキャサリンの誕生パーティーとは関係がない。
彼の働きに気付くまで、本当に長い時間をイセリナであった私は要していました。
「アナスタシア様、誰がいらっしゃるのでしょうか?」
オリビアは本当に可愛いらしいね。
悪役令嬢イセリナの取り巻きにしておくのは勿体ないくらい。家庭の事情がなければ、陽の当たるグループへ入れたでしょうに。
「マイケルズダイナーには攻略対象……ああいや、隣国の皇子殿下がいらっしゃるのですよ。彼と親密になってください」
「ええ!? 隣国の皇子様とか無理ですよ! 私は伯爵家の人間ですよ!?」
「できます。とりあえずマイケルズダイナーで食事をするだけで大丈夫。彼は異国の貴族だと身分を偽って近付いて来ますから。あとは勝手に話が進みますので心配ご無用ですわ」
事後的に聞いた話でしかないのだけど、悪役令嬢イセリナをも慕う心優しきオリビアです。
オリビアだからこそ可能なミッション。意図せずオリビアは隣国の皇太子カルロ・サルバディールに惚れられてしまうのですから。
(ゲーム内でカルロは攻略対象なんだけどね……)
東側に隣接するサルバディール皇国は小国でありましたけれど、豊富な鉱山資源があって産出される鉱物の多くがセントローゼス王国に輸出されているの。
そういう関係性もあって、ゲームの重要人物であるカルロ皇太子殿下とソフィア姫殿下はセントローゼス王国に留学されていたりするわけです。
「でも、何を話していいのか……」
「重要なのは四つだけです。一つは年齢を真っ先に伝えること。そしてイセリナ様に同行して、キャサリンの誕生パーティーへ行くこと。次にオリビア様に婚約者はいないという話。あとは何者かにつけ狙われているという嘘です」
「ううう、嘘ですか!?」
驚くのも無理はありません。
キャサリンの誕生パーティーでは完全に行き詰まっていたのよね。
毒殺だけでなく、刺殺されたりもする。累計で数百年は費やしたと思う。何しろパーティーの参加を止めたとして、死亡フラグは消えないのだから。
(そのうち私自身にできるとこがなくなったのよね……)
八方塞がりとなった私は、よく街で見かけたオリビアが鍵じゃないかと気付きました。
「その四つをカルロ殿下に話すだけで構いません。それだけで運命が動き始めます」
イセリナだった私はオリビアを使って色々な行動を試した。
基本的に何も変わらなかったのだけど、その世界線だけは明確に異なっていたのよ。
オリビアとカルロ皇子が面識を持ったその世界線だけは……。
「オリビア様は私たちが到着する日まで好きに過ごしてください。貴方の大好きな劇団は公爵家主催で追加公演をしてもらいますから。今はイセリナ様のために動いてもらえませんか?」
心残りは全公演を見るつもりだったことだけでしょう。
ランカスタ公爵家ならば、一つの劇団くらい足止め可能。また追加公演の話をしないと、オリビアは良い仕事をしなかったのよね。
「分かりました。ってよく分かっておりませんけれど……」
「オリビア、貴方はアナスタシアを信じなさい。ワタクシは誰かに命を狙われているのです。貴方の助けがアナスタシアは必要だと予知しました。このお店に貴方がいることすらアナスタシアは予知していたのよ?」
どうにも信じられないといったオリビアだけど、イセリナから言われてしまえば頷くしかできない。
加えてオリビアは暗殺について心当たりがあると言います。
「実はキャサリン様が王城でイセリナ様の悪口を言いふらしているようなのです。もしかするとキャサリン様が……」
全てを悟ったかのようなオリビアを私は手で制止し、作戦を告げます。
「オリビア様、真相は後日。イセリナ様は必ずパーティーに参加しなければなりません。それだけは確定しております。また貴方様が動かねば、イセリナ様はどう動こうとも暗殺されてしまいます。悪の根は深く、加えて大規模なのです。敵はキャサリン・デンバーの誕生パーティーこそが始末する場に相応しいと考えているようです」
嘘は言っていない。私の中で高難度イベントの三指に入っているんだ。
長雨による食糧難からの疫病蔓延イベントと、貴族院二年目の断罪イベント。キャサリン・デンバーの誕生パーティーは、二つのリセットフラグと変わらぬ難易度でした。
要した時間から言うと一番かかったかもしれません。
「そんな……?」
悲しい顔は似合わないね。
オリビアはモブだといっても、隣国の皇太子カルロルートにてライバル令嬢の一人となります。
完全なガヤでしかないモブ2号のアナスタシアとは根本的に違うのです。
「オリビア様、ご安心ください。私は犯人の目星を付けております。ただ決定的な証拠を見つけるまでは秘密裏に動くしかありません。まあしかし……」
まるでイセリナになったような気分だ。
私はファニーピッグであったことを忘れ、高鳴る鼓動のままに自然と悪役令嬢を演じていました。
「おいたが過ぎたご令嬢にはお仕置きが必要ですわね――」
イセリナは大きな声を上げている。流石に驚きを隠せない様子ね。
いやまあ、良かった。一発で当てられたのは信用に足る出来事でしょ?
あとは二人に少しばかり話をしてもらいましょうかね。
「イセリナ様!?」
「貴方、どうしてラルクレイドにいるのです!?」
二人ともが驚いている妙な光景だけど、仕方ないよね。
オリビアはお忍びだし、イセリナは私の予知を聞いたばかりだし。
「実は大好きな劇団の公演がございまして、お恥ずかしながら昨日から滞在しております。お忙しいイセリナ様にお声かけするのも憚られまして……」
オリビアの返答にイセリナは唖然と頭を振っています。
予知が当たったこと。それにより暗殺という予知に真実味が加わってしまうこと。
真面目に私の話を聞く準備はできたことでしょう。
「お二人様、時間がありませんので雑談はそこまでに。オリビア様、私はスカーレット伯爵家の長女アナスタシアでございますわ。折り入ってオリビア様にお願い事があって参上いたしました。あと肩の竜は大人しいので気にしないでくださいね?」
同じ伯爵令嬢だけど、ドレスがドレスだからね。ここはへりくだっておきましょうか。
「オリビア、ワタクシの命が狙われているのです! 彼女の話を聞いてくださらない?」
困惑するオリビアでありましたが、イセリナの命令であれば従うだけ。
どうせ彼女は昨日も公演を見ているのだし、一度見たら充分でしょ?
「場所を変えましょう。流石に大きな声で話す内容でもありませんので……」
私たちは再び馬車に乗る。
常に間者が潜んでいる可能性が高いのです。計画は秘密裏に進めなきゃだからね。
馬車が走り始めるや、私はオリビアに指示を出す。
(オリビアが初日の公演を見た後なら……)
昨日からオリビアが滞在しているというのだから、全ての期日が明らかになる。
私は正確に命令を告げられることでしょう。
「オリビア様はこれよりデンバー侯爵領へと向かってください。今からですと夜中になってしまいますが、宿は公爵家が何とか手配してくれるでしょう。それで明日の昼頃にエクシリアの大通りへと向かいマイケルズダイナーというレストランで昼食を取ってもらえれば助かります」
頭の上にハテナマークを何個も並べるオリビア。
気持ちは分かるけど、今は言う通りにして欲しいな。毒殺に関しては貴方の活躍が鍵を握っているのだから。
「アナスタシア、どういうこと? オリビアが食事をしていたらどうなると言うの?」
「ええまあ、とある人物に出会うためですよ。彼を味方につけなければ、暗殺計画は阻止できません」
ゲームであればクソゲー認定間違いなし。たった一人を味方につけるだけで、大きく事態が好転するのだから。
しかしながら、その彼はキャサリンの誕生パーティーとは関係がない。
彼の働きに気付くまで、本当に長い時間をイセリナであった私は要していました。
「アナスタシア様、誰がいらっしゃるのでしょうか?」
オリビアは本当に可愛いらしいね。
悪役令嬢イセリナの取り巻きにしておくのは勿体ないくらい。家庭の事情がなければ、陽の当たるグループへ入れたでしょうに。
「マイケルズダイナーには攻略対象……ああいや、隣国の皇子殿下がいらっしゃるのですよ。彼と親密になってください」
「ええ!? 隣国の皇子様とか無理ですよ! 私は伯爵家の人間ですよ!?」
「できます。とりあえずマイケルズダイナーで食事をするだけで大丈夫。彼は異国の貴族だと身分を偽って近付いて来ますから。あとは勝手に話が進みますので心配ご無用ですわ」
事後的に聞いた話でしかないのだけど、悪役令嬢イセリナをも慕う心優しきオリビアです。
オリビアだからこそ可能なミッション。意図せずオリビアは隣国の皇太子カルロ・サルバディールに惚れられてしまうのですから。
(ゲーム内でカルロは攻略対象なんだけどね……)
東側に隣接するサルバディール皇国は小国でありましたけれど、豊富な鉱山資源があって産出される鉱物の多くがセントローゼス王国に輸出されているの。
そういう関係性もあって、ゲームの重要人物であるカルロ皇太子殿下とソフィア姫殿下はセントローゼス王国に留学されていたりするわけです。
「でも、何を話していいのか……」
「重要なのは四つだけです。一つは年齢を真っ先に伝えること。そしてイセリナ様に同行して、キャサリンの誕生パーティーへ行くこと。次にオリビア様に婚約者はいないという話。あとは何者かにつけ狙われているという嘘です」
「ううう、嘘ですか!?」
驚くのも無理はありません。
キャサリンの誕生パーティーでは完全に行き詰まっていたのよね。
毒殺だけでなく、刺殺されたりもする。累計で数百年は費やしたと思う。何しろパーティーの参加を止めたとして、死亡フラグは消えないのだから。
(そのうち私自身にできるとこがなくなったのよね……)
八方塞がりとなった私は、よく街で見かけたオリビアが鍵じゃないかと気付きました。
「その四つをカルロ殿下に話すだけで構いません。それだけで運命が動き始めます」
イセリナだった私はオリビアを使って色々な行動を試した。
基本的に何も変わらなかったのだけど、その世界線だけは明確に異なっていたのよ。
オリビアとカルロ皇子が面識を持ったその世界線だけは……。
「オリビア様は私たちが到着する日まで好きに過ごしてください。貴方の大好きな劇団は公爵家主催で追加公演をしてもらいますから。今はイセリナ様のために動いてもらえませんか?」
心残りは全公演を見るつもりだったことだけでしょう。
ランカスタ公爵家ならば、一つの劇団くらい足止め可能。また追加公演の話をしないと、オリビアは良い仕事をしなかったのよね。
「分かりました。ってよく分かっておりませんけれど……」
「オリビア、貴方はアナスタシアを信じなさい。ワタクシは誰かに命を狙われているのです。貴方の助けがアナスタシアは必要だと予知しました。このお店に貴方がいることすらアナスタシアは予知していたのよ?」
どうにも信じられないといったオリビアだけど、イセリナから言われてしまえば頷くしかできない。
加えてオリビアは暗殺について心当たりがあると言います。
「実はキャサリン様が王城でイセリナ様の悪口を言いふらしているようなのです。もしかするとキャサリン様が……」
全てを悟ったかのようなオリビアを私は手で制止し、作戦を告げます。
「オリビア様、真相は後日。イセリナ様は必ずパーティーに参加しなければなりません。それだけは確定しております。また貴方様が動かねば、イセリナ様はどう動こうとも暗殺されてしまいます。悪の根は深く、加えて大規模なのです。敵はキャサリン・デンバーの誕生パーティーこそが始末する場に相応しいと考えているようです」
嘘は言っていない。私の中で高難度イベントの三指に入っているんだ。
長雨による食糧難からの疫病蔓延イベントと、貴族院二年目の断罪イベント。キャサリン・デンバーの誕生パーティーは、二つのリセットフラグと変わらぬ難易度でした。
要した時間から言うと一番かかったかもしれません。
「そんな……?」
悲しい顔は似合わないね。
オリビアはモブだといっても、隣国の皇太子カルロルートにてライバル令嬢の一人となります。
完全なガヤでしかないモブ2号のアナスタシアとは根本的に違うのです。
「オリビア様、ご安心ください。私は犯人の目星を付けております。ただ決定的な証拠を見つけるまでは秘密裏に動くしかありません。まあしかし……」
まるでイセリナになったような気分だ。
私はファニーピッグであったことを忘れ、高鳴る鼓動のままに自然と悪役令嬢を演じていました。
「おいたが過ぎたご令嬢にはお仕置きが必要ですわね――」
10
お気に入りに追加
78
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
悪役令嬢、猛省中!!
***あかしえ
恋愛
「君との婚約は破棄させてもらう!」
――この国の王妃となるべく、幼少の頃から悪事に悪事を重ねてきた公爵令嬢ミーシャは、狂おしいまでに愛していた己の婚約者である第二王子に、全ての罪を暴かれ断頭台へと送られてしまう。
処刑される寸前――己の前世とこの世界が少女漫画の世界であることを思い出すが、全ては遅すぎた。
今度生まれ変わるなら、ミーシャ以外のなにかがいい……と思っていたのに、気付いたら幼少期へと時間が巻き戻っていた!?
己の罪を悔い、今度こそ善行を積み、彼らとは関わらず静かにひっそりと生きていこうと決意を新たにしていた彼女の下に現れたのは……?!
襲い来るかもしれないシナリオの強制力、叶わない恋、
誰からも愛されるあの子に対する狂い出しそうな程の憎しみへの恐怖、
誰にもきっと分からない……でも、これの全ては自業自得。
今度こそ、私は私が傷つけてきた全ての人々を…………救うために頑張ります!
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
王子妃だった記憶はもう消えました。
cyaru
恋愛
記憶を失った第二王子妃シルヴェーヌ。シルヴェーヌに寄り添う騎士クロヴィス。
元々は王太子であるセレスタンの婚約者だったにも関わらず、嫁いだのは第二王子ディオンの元だった。
実家の公爵家にも疎まれ、夫となった第二王子ディオンには愛する人がいる。
記憶が戻っても自分に居場所はあるのだろうかと悩むシルヴェーヌだった。
記憶を取り戻そうと動き始めたシルヴェーヌを支えるものと、邪魔するものが居る。
記憶が戻った時、それは、それまでの日常が崩れる時だった。
★1話目の文末に時間的流れの追記をしました(7月26日)
●ゆっくりめの更新です(ちょっと本業とダブルヘッダーなので)
●ルビ多め。鬱陶しく感じる方もいるかも知れませんがご了承ください。
敢えて常用漢字などの読み方を変えている部分もあります。
●作中の通貨単位はケラ。1ケラ=1円くらいの感じです。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界の創作話です。時代設定、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
【完結】悪役令嬢の反撃の日々
アイアイ
恋愛
「ロゼリア、お茶会の準備はできていますか?」侍女のクラリスが部屋に入ってくる。
「ええ、ありがとう。今日も大勢の方々がいらっしゃるわね。」ロゼリアは微笑みながら答える。その微笑みは氷のように冷たく見えたが、心の中では別の計画を巡らせていた。
お茶会の席で、ロゼリアはいつものように優雅に振る舞い、貴族たちの陰口に耳を傾けた。その時、一人の男性が現れた。彼は王国の第一王子であり、ロゼリアの婚約者でもあるレオンハルトだった。
「ロゼリア、君の美しさは今日も輝いているね。」レオンハルトは優雅に頭を下げる。
記憶を失くした代わりに攻略対象の婚約者だったことを思い出しました
冬野月子
恋愛
ある日目覚めると記憶をなくしていた伯爵令嬢のアレクシア。
家族の事も思い出せず、けれどアレクシアではない別の人物らしき記憶がうっすらと残っている。
過保護な弟と仲が悪かったはずの婚約者に大事にされながら、やがて戻った学園である少女と出会い、ここが前世で遊んでいた「乙女ゲーム」の世界だと思い出し、自分は攻略対象の婚約者でありながらゲームにはほとんど出てこないモブだと知る。
関係のないはずのゲームとの関わり、そして自身への疑問。
記憶と共に隠された真実とは———
※小説家になろうでも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる