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第三章 存亡を懸けて
元トウカイ王国ナゴヤ
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元トウカイ王国ナゴヤ。難攻不落とまで言われた要塞都市であったものの、現在は天軍の前線基地となっている。またトウカイ王国内のシズオカは陥落と同時に破壊尽くされており、現存する都市は北の街ギフと首都であったナゴヤだけであった。
「ガブリエル、貴様まで逃げ戻るとはな。おかげで降格処分だ……」
「それはウリエル、貴方もでしょう? 一度奪った砦を失うとは情けない……」
四天将からの降格が告げられた天主。ガブリエルとウリエルはナゴヤを任されていた。ただし、後任であるミカエルが配備されるまでの期間だけだ。
「今度は逃げられませんよ? ミカエルがやって来たのなら、我らは雑兵。恐らく死ぬまで戦えと命令されるはず」
「ガブリエル、俺にはどうしようもなかったんだ。長剣を持つ大男が強すぎた。何しろカイザーを投げ飛ばすほどの猛者だ。まったくツイてねぇ。楽な任務であるお前の失態で俺まで降格させられるとは……」
「ふん、笑わせますね? 連合の剣士は最高傑作といわれるディザスターの腕を斬り落としました。あの大男も長剣でしたが、格を上げたディザスターをも斬ってしまったのです。あの大男こそ人族最強でしょう。私の任務は貴方よりも高難度だった。貴方さえ砦を守り切っておれば、このような事態にはならなかったというのに……」
互いが互いを責める。降格処分は自分のせいではないのだと。同列にされてしまったことに不満を隠せない。
「機会さえあれば、俺は四天将に復帰できる。より多く人族の魂を手に入れられるのに……」
「ふはは、笑わせないでください! 長く生きてきましたが、貴方の無能さしか私は見ていないですよ? 次なる戦争で私が四天将としての器を見せつけてあげましょう。貴方はそれを見て学びなさい……」
どうにも反りが合わない二人である。長く同じ立場でいたはずが、認め合うようなことはなかった。
次の瞬間、上空を飛ぶ飛竜がどうしてか雑兵であるオークに襲いかかる。ひいては氷塊を吐き出し、攻撃し始めた。
「おいガブリエル、マズいぞ!? まただ!?」
「ウリエル、貴方が宥めてくるのです!」
「無茶いうなよ!?」
怒り狂うような飛竜にオークたちは食い殺されていく。二人は飛竜を宥める必要があったというのに立ち尽くすだけだ。
「ちくしょう、降格したからか?」
「まあそうでしょうね。この地に縛り付けてはおりますが、天将でなければいうことを聞きません。ミカエルが来るまで私たちにはどうしようもありませんね」
どうやら使役術は立場が設定されているようだ。降格となってしまった二人は既に飛竜の支配権を失っており、為す術なく食べられてしまうオークを眺めるしかない。
「ガブリエル、これは俺たちのせいじゃないな?」
「ええ、その通りです。私どもは飛竜を宥めようとしましたが、支配権がなかったためにオークが食べられただけ。何も悪くありません」
ひょんなことで二人は連帯感を得ている。ここは責任を押し付け合うことなく、互いが互いの利益のために口裏を合わせるらしい。
暴れ回る飛竜を眺めるだけ。飛竜が腹を満たすのを待つだけであった。
しかしながら、彼らの受難は続く。一体のセイレーンが二人の元へと降りてきた。
「天将様、ご報告致します」
セイレーンは二人が降格したことを知らないのかもしれない。息を切らせて戻った彼女は緊急的な報告があるという。
「人族が山を越え、大挙押し寄せています!」
その報告には二人共が目を丸くする。今は飛竜が暴れ回っていたというのに。とてもじゃないが戦争ができる状況ではなかった。
「山を越えてきた? どこの山だ?」
ウリエルが聞いた。未だかつて人族が攻め入ったことなど一度もない。滅ぼしたトウカイ王国から今に至るまでただの一度も。
「タテヤマ連邦です! もう目と鼻の先なのです!」
「何だと!?」
まるで想定していないことであった。山を越えてまで人族が進軍してくるなんて。
「タテヤマ連邦といえば、共和国ですか。ウリエル、貴方が担当した方ではないですか?」
「るせぇよ。今は責任を押し付け合う場合じゃねぇって! 何とかここを守らねぇと、俺たち今度こそ処刑されっぞ!」
ウリエルは現状の立場を理解していた。既にアザエル天王の信頼を失っているのだ。ここでまたも敗戦に終わろうものなら、ギフまで逃げたとして処刑されてしまうのではないかと。
「なるほど、一理あります。ならば戦うしかないようですね。それで敵軍の数はどれくらいでしょう?」
ガブリエルが問う。別にセイレーンは見張りでもなかったけれど、侵攻を知るのは彼女だけなのだ。
「分からないです。地平線一杯に人族がいました……」
まったく使えませんねとガブリエル。次の瞬間にはセイレーンの首を刎ねていた。
「ウリエル、恐らく敵軍は我々よりも大軍を率いています。共和国の情報を教えてください」
「ああ、恐らくそいつらは川瀬という将官に率いられている。そいつの部下は練度が高くてな。奇襲をマイバラに仕掛けたのもそれが理由だ」
「しかし、貴方はマイバラの軍隊にも負けたのでしょう?」
「あれは奇襲を想定していなかっただけだ! 奇襲部隊にあの大男がいたからだ! 俺はあの男のせいで全てを失った……」
ウリエルが語る。状況が明確に変わったのはマイバラに現れた大男のせいだと。
「なるほど、気持ちは分かります。私もあの大男のせいで……」
今度は分かり合っている。共に同じような経験をしたのだ。降格させられた現状であり、人族が攻めてきたというのであれば共に戦うだけである。
「セイレーンの報告を鵜呑みにはできませんが、恐らく我々よりも大編成でしょう。しかも、オークたちに命令する進化級オークがいません。劣勢と分かればオークたちは戦力にならないでしょう」
「ま、そりゃそうだな。オークがここに残ってんのは天軍が強いと考えているだけ。豚畜生は戦況次第で逃げていくだろう」
ウリエルも同意見であるらしい。オークには支配する上位種が必要なのだ。ナゴヤには術式進化をしたオークしかおらず、それは身体が巨大なだけであり、オークキングとは呼べないものである。
「ガブリエル、先陣を切って戦う覚悟はあるか?」
「もはや我ら二人はこの戦いに勝つしか未来がないのですよ? 逃げ戻って処刑されるより、戦いの果てに失われる方が美しいではありませんか……」
二人は交戦を決めた。思えば侵攻時からこの覚悟があれば違ったかもしれない。さりとて今さらである。現状は全ての結果から導かれているのだから。
二人の天主は徹底抗戦を誓っている……。
「ガブリエル、貴様まで逃げ戻るとはな。おかげで降格処分だ……」
「それはウリエル、貴方もでしょう? 一度奪った砦を失うとは情けない……」
四天将からの降格が告げられた天主。ガブリエルとウリエルはナゴヤを任されていた。ただし、後任であるミカエルが配備されるまでの期間だけだ。
「今度は逃げられませんよ? ミカエルがやって来たのなら、我らは雑兵。恐らく死ぬまで戦えと命令されるはず」
「ガブリエル、俺にはどうしようもなかったんだ。長剣を持つ大男が強すぎた。何しろカイザーを投げ飛ばすほどの猛者だ。まったくツイてねぇ。楽な任務であるお前の失態で俺まで降格させられるとは……」
「ふん、笑わせますね? 連合の剣士は最高傑作といわれるディザスターの腕を斬り落としました。あの大男も長剣でしたが、格を上げたディザスターをも斬ってしまったのです。あの大男こそ人族最強でしょう。私の任務は貴方よりも高難度だった。貴方さえ砦を守り切っておれば、このような事態にはならなかったというのに……」
互いが互いを責める。降格処分は自分のせいではないのだと。同列にされてしまったことに不満を隠せない。
「機会さえあれば、俺は四天将に復帰できる。より多く人族の魂を手に入れられるのに……」
「ふはは、笑わせないでください! 長く生きてきましたが、貴方の無能さしか私は見ていないですよ? 次なる戦争で私が四天将としての器を見せつけてあげましょう。貴方はそれを見て学びなさい……」
どうにも反りが合わない二人である。長く同じ立場でいたはずが、認め合うようなことはなかった。
次の瞬間、上空を飛ぶ飛竜がどうしてか雑兵であるオークに襲いかかる。ひいては氷塊を吐き出し、攻撃し始めた。
「おいガブリエル、マズいぞ!? まただ!?」
「ウリエル、貴方が宥めてくるのです!」
「無茶いうなよ!?」
怒り狂うような飛竜にオークたちは食い殺されていく。二人は飛竜を宥める必要があったというのに立ち尽くすだけだ。
「ちくしょう、降格したからか?」
「まあそうでしょうね。この地に縛り付けてはおりますが、天将でなければいうことを聞きません。ミカエルが来るまで私たちにはどうしようもありませんね」
どうやら使役術は立場が設定されているようだ。降格となってしまった二人は既に飛竜の支配権を失っており、為す術なく食べられてしまうオークを眺めるしかない。
「ガブリエル、これは俺たちのせいじゃないな?」
「ええ、その通りです。私どもは飛竜を宥めようとしましたが、支配権がなかったためにオークが食べられただけ。何も悪くありません」
ひょんなことで二人は連帯感を得ている。ここは責任を押し付け合うことなく、互いが互いの利益のために口裏を合わせるらしい。
暴れ回る飛竜を眺めるだけ。飛竜が腹を満たすのを待つだけであった。
しかしながら、彼らの受難は続く。一体のセイレーンが二人の元へと降りてきた。
「天将様、ご報告致します」
セイレーンは二人が降格したことを知らないのかもしれない。息を切らせて戻った彼女は緊急的な報告があるという。
「人族が山を越え、大挙押し寄せています!」
その報告には二人共が目を丸くする。今は飛竜が暴れ回っていたというのに。とてもじゃないが戦争ができる状況ではなかった。
「山を越えてきた? どこの山だ?」
ウリエルが聞いた。未だかつて人族が攻め入ったことなど一度もない。滅ぼしたトウカイ王国から今に至るまでただの一度も。
「タテヤマ連邦です! もう目と鼻の先なのです!」
「何だと!?」
まるで想定していないことであった。山を越えてまで人族が進軍してくるなんて。
「タテヤマ連邦といえば、共和国ですか。ウリエル、貴方が担当した方ではないですか?」
「るせぇよ。今は責任を押し付け合う場合じゃねぇって! 何とかここを守らねぇと、俺たち今度こそ処刑されっぞ!」
ウリエルは現状の立場を理解していた。既にアザエル天王の信頼を失っているのだ。ここでまたも敗戦に終わろうものなら、ギフまで逃げたとして処刑されてしまうのではないかと。
「なるほど、一理あります。ならば戦うしかないようですね。それで敵軍の数はどれくらいでしょう?」
ガブリエルが問う。別にセイレーンは見張りでもなかったけれど、侵攻を知るのは彼女だけなのだ。
「分からないです。地平線一杯に人族がいました……」
まったく使えませんねとガブリエル。次の瞬間にはセイレーンの首を刎ねていた。
「ウリエル、恐らく敵軍は我々よりも大軍を率いています。共和国の情報を教えてください」
「ああ、恐らくそいつらは川瀬という将官に率いられている。そいつの部下は練度が高くてな。奇襲をマイバラに仕掛けたのもそれが理由だ」
「しかし、貴方はマイバラの軍隊にも負けたのでしょう?」
「あれは奇襲を想定していなかっただけだ! 奇襲部隊にあの大男がいたからだ! 俺はあの男のせいで全てを失った……」
ウリエルが語る。状況が明確に変わったのはマイバラに現れた大男のせいだと。
「なるほど、気持ちは分かります。私もあの大男のせいで……」
今度は分かり合っている。共に同じような経験をしたのだ。降格させられた現状であり、人族が攻めてきたというのであれば共に戦うだけである。
「セイレーンの報告を鵜呑みにはできませんが、恐らく我々よりも大編成でしょう。しかも、オークたちに命令する進化級オークがいません。劣勢と分かればオークたちは戦力にならないでしょう」
「ま、そりゃそうだな。オークがここに残ってんのは天軍が強いと考えているだけ。豚畜生は戦況次第で逃げていくだろう」
ウリエルも同意見であるらしい。オークには支配する上位種が必要なのだ。ナゴヤには術式進化をしたオークしかおらず、それは身体が巨大なだけであり、オークキングとは呼べないものである。
「ガブリエル、先陣を切って戦う覚悟はあるか?」
「もはや我ら二人はこの戦いに勝つしか未来がないのですよ? 逃げ戻って処刑されるより、戦いの果てに失われる方が美しいではありませんか……」
二人は交戦を決めた。思えば侵攻時からこの覚悟があれば違ったかもしれない。さりとて今さらである。現状は全ての結果から導かれているのだから。
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