転生勇者は連まない。

sorasoudou

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6 旅行く勇者と外の人

第16話 些細な日常

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 窓からの日差しに手にした服をかざし、セオ・センゾーリオは満足げにうなずいた。

 洋服かけハンガー外套コートを吊るし、簡素な衣装箪笥だんすに仕舞う。その隣には仕立ての良い背広。破れは綺麗につくろってある。
 外套と背広に合わせたシャツに、帽子や革靴その他の小物も磨かれて、部屋にひとつきりしかない箪笥の中に必要な物が揃えられていた。

 中の棚には、きっちりと畳まれた、縫い目のない特別な作りの白と黒の上下の服が念のため、三着ずつ収められている。黒い長靴と肩掛け鞄、間に合わせでない革の鞘など、新品であつらえた品も掛けられた服の下に並ぶ。

「よし」

 主がお気に入りにしている作業用の外套も衣装箪笥に掛かっていることを確認し、勇者の世話役は扉を閉めた。作りはいいが地味な木の家具を背に、部屋を見回す。


「これでよし!」


 満足げではあるが、まなざしは厳しい。主の出立を早めてしまったのは自分の失態であると、従者のなりそこないは知っている。
 豪奢な部屋は落ち着かない。そんな主人の好みを見抜けなかった自身の責任だ。救世主様を不眠にするなど、本来なら言語道断である。


 人違いで異世界へとやって来た主のため、セオは新たに部屋を用意していた。ただし、主にならって費用は掛けない。神殿内で余った物、今まで使っていた家具や雑貨から良いものを見繕みつくろって集めた。

 衣装箪笥はこの部屋のものを、古びた書き物机と椅子は倉庫から、寝台はさすがに、一度でも使ったもので寝ていただくのは忍びない。新古品が未使用の客間で見つかっていなければ、この部屋に合わせた大きさのものを手頃な価格で新しく買い直すしかなかったところだ。

 地味な家具と無地の布、どれだけ磨いても滑ることも甲高い靴音も立てない温かみのある木の床に、ほどほどの広さ。今度こそ、落ち着ける空間に仕立てたつもりだ。


 いつ何時、勇者バイロ様が、お戻りになってもいいように。
 それに備えるのもまた、お払い箱でも従者の務めだ。


「修繕は上手く出来たとみえるな」


 完成を近くで待ってでもいたのか、静かに開けた戸から顔をのぞかせ、主席神官長は笑みを浮かべた。白い口ひげが、ゆったりとしたうなずきに合わせて動く。

 セオは衣装箪笥の扉を開け、仕舞ったばかりの外套を取り出した。


「どうでしょうか? 旅には不必要とのことですが、またいつ必要となるかは分かりません。その時に費用のことなど、お気遣いなさらぬようにと思ったのですが」


 日射しの中に再び差し出された外套は、新品のように輝いていた。背面の焦げた部分は、その面影もない。元の生地も活かし、切り取らざる負えなかったところを、わざと、少し薄い色味の別の布地で補ってある。
 裾へと向けて雪が降り積もっていくようにも、波がしらが散り、水面みなもが白っぽく輝いているようにも見える補修の跡は、跡とは感じさせない見事な仕上がりだった。


「ほう。元から、そのような意向のものであったかに見えるよ。見事なものだ」


 勇者がどう思うのかについて、ネフェル・イルジュツは言葉にはしなかった。救世主様の思うことはその口から聞いて確かになるもので、推測であれこれと語ってはならぬというのが、神殿に所属する彼らの信条である。

 しかし、主席神官長の常に微笑んでいるような表情と穏やかな口調からでも分かるほど、セオの手仕事をこのご老人が買っているのは明らかだった。
 そして、その出来ならば勇者様も納得してくださるだろうと、ネフェル神官長が考えていることも伝わってくる。
 セオは深々と頭を下げた。


「ありがとうございます。検証や調査で忙しい中、こうして集中できる時間を設けて下さったおかげです。こちらをお届けしてくださった方にも改めて、感謝を伝える機会があると良いのですが……難しいとのことで残念です。何かお礼に差し上げるものがあれば、よろしいのですが」


 ネフェル神官長は、速達便で勇者の不用品を送って来たその知り合いに代わって、首を振った。


「いや、それを渡した時にも話したが、礼は不要とのことだ。バイロ様が、もったいないと、あまりにも破れや何かを気にしておられるので、古着屋に出す以外にもどうにかならないかと思ったらしい。無理を言って申し訳ないとすら言っておったからな」


 良い出来だということを礼の代わりに伝えようと主席神官長は言って、部屋を後にして行った。


 外套をもう一度、衣装箪笥に仕舞う。その前にまた、それを日の光にかざして見回したセオは、ため息を吐いた。


「そろそろ、あちらの方の修繕もいるかと思うのですが」


 一度繕った、くたびれた作業着のことが気がかりだ。
 替えを渡してあるとはいえ、路銀や修繕費用を気にするあの勇者様が、ちょっとやそっとの破れで新品に取り換えているとは思えない。今すぐにも行って様子を見たいところではあるが、主不在の神殿でも世話係にはやることがある。


「まずは、しばらく滞っている、バイロ様の足跡を綴らねば。それから、今の所在地とその周辺状況を把握し、その辺りの屋台や宿泊所の衛生面を……」


 何やらつぶやきながら、セオは遠く離れても出来る勇者の世話についての計画を頭の中へ浮かべつつ、主の新たな寝室を出た。


 救世主降臨神殿は、貧乏性を自覚する勇者が持て余す広々とした部屋ばかりがあるわけではない。客間以外にも使用人部屋や神官たちの住まいなど、細々と区切られた生活感のある場所も、ちゃんと用意されている。

 しかし、新たに費用が掛からずに済むくらいに洗面などの設備が整い、ほどよく内装をしつらえてあって無駄に広くもなく、さりとて狭すぎない落ち着いた色味の部屋は、神殿の最深部ではここ以外に見つけることが出来なかった。


 勇者の寝室として仕立て直した部屋から出て、そのすぐ隣に、セオは一度立ち寄った。


 小さな洗面所が付いた使用人見習い用の部屋は、救世主が権力を振るったかつてなら、勇者の世話役になった者が使うには狭いと文句を言われていただろう。
 そこの机へ置かれた裁縫箱を、セオは壁際の棚の上に片付けた。自身の部屋にも不備がないかを確かめ、側の鏡で桃色の髪と身だしなみを整えて、勇者様世話役兼神官長補佐官の仕事に向かう。


「はっ! 私としたことが!」


 裁縫の腕前をほめられたことに舞い上がっていたと反省し、セオは廊下を引き返す。

 自身の部屋の前を通って、主人の部屋の扉へ。
 鍵をかけ忘れた扉を入り、もう一度、箪笥や棚の中身に変わったことはないかと、入念に見て回る。この部屋に入ることが出来る彼以外には疑うことすらない盗難の確認も済ませて、セオはまた部屋を出た。

 今度こそ、勇者のために用意した部屋の扉へきちんと鍵をかけて、セオはそこを後にした。
 勇者様出立の日まで自身の住まいであった部屋を背に、意気揚々とセオ・センゾーリオは神殿の廊下を歩んで行った。






 しとしと、そう鳴っているとしか思えない優雅な雨音に、焚き火台で薪の弾ける小さな音。

 雨の森は静かだ。

 と、思ったとたん、即席の雨除けで大粒のしずくが盛大に弾ける。梢の葉に雨が溜まり、大きくなったしずくが落ちてきたんだろう。
 雨除けを見上げる。それにするには惜しいのかもしれないが、雨を防ぐ以外にも用途があるし、木の合間に張って屋根にしたものは新品を使った。


「不思議。水を吸ってる感じもあるけど、裏側まではなぜか染み込まないんだよな、この外套がいとう


 今着ているくたびれたやつでも、そうだ。
 洗っても、しぼって広げてぱたぱたやれば、結構早く乾く。着るとほんのり暖かいし、日射しからはやんわりと身を守ってくれている感じがする。

 さては、これも、良いものなんだな。

 救世主降臨神殿で使用するという時点で、作業服であってもあなどれない性能が隠されているのだろう。それか、こちらの世界の技術が魔法も使うものだけあって、ありふれているものでも実は高性能ってことなのかもしれない。


「あ、もう焼けたかな」


 片手鍋から、お昼ご飯を取り出す。香ばしく焼けた下側に、そーっと木のフォークを差し込み、持ち上げる。包み紙にのっけたそれは、焼きおにぎりだ。

 塩おにぎりそのままで二個だけ食べて、最後のひとつを焼いてみた。

 そう、この世界にもお米があることは、もちろん知っている。一番最初に食事代わりに食べたものは、ぼたもちとおはぎだ。あんこの中は、もち米。この異世界には当然、もちもある。
 もち米があるなら、お米もあるのだ。これまでも屋台で、ちょくちょくご飯ものは見かけていた。だからいつか落ち着いた頃に、おにぎりを食べようと思っていた。

 歩きの遠出に、おにぎり。一応、地球の日本の出だ。慣れ親しんでいたはずのものを記憶がなくても食べたくはなる。


「その前に、温かいものを」


 熱せられたままの片手鍋に、水筒から水を注ぐ。焦げ付かないように薄く引いた油の残りが水に浮いた。
 気にしない。鞄から取り出した小さな紙の包みの、端をねじって留めた部分を広げて、中の粉を鍋に入れる。


 間違った。コーンスープの粉入れた。


 街で見つけた粉末の出汁入り味噌汁の素は、黄色味がかなり強い麦みそから出来ていた。粉にした時、とうもろこしの色に、そっくりになってしまうらしい。
 少し透けた紙を通してみると余計に見間違えてしまう。購入の際に、同時にコーンの方にも手を出した欲張りな自分の失態である。

 気にしない。香ばしさと甘さが合うであろうと、記憶にない自分が厳かに語る。何ならスープの中に焼きおにぎりを入れてリゾットにするがいい、チーズと粗びき黒コショウがあればなお良しと、頭の中から余計な声がした。


 しないよ。焼きおにぎりが食べたいんだよ!


 空っぽにした水筒を持って、椅子にしていた石から腰を上げる。焚き火台を置いた反対端へ、斜めにした屋根に頭をぶつけないように身を低くして近付く。


「うん、溜まってる」


 頭巾フードの端っこに結び付けて横へと引っ張っておいた紐を枝から片手で取り、そこから慎重に、水筒の中へと雨水を注いだ。浄化するまでと、ふたをする。


 沢を探して水を汲んでも良かったのだが、これ以上森をうろうろすると本格的に迷子になる。海沿いをあのまま進んでいれば良かったのにと思ったが、南に向かってやって来る人の波に負けた。

 数日後かに慰問巡業団が都市の近郊で公演を始めるらしく、多くの人が自分の住む所まで回って来るのを待ちきれずに、後にしてきた南部の街を目指していた。
 それもどうやら、街道が以前より、さらに安全になったことが関係しているようだ。人買いや違法な武器所持を見逃すまいと保安兵や警ら兵隊が見回りを強化してくれたおかげか、わざわざ護衛まで雇わなくても旅をするなら今だと、王国の全土で観光客が増えているらしい。


 いいけど、良いんだけどね、良いことではあるんだよ。


 すれ違う人たちが話題にするのは、今度の件も勇者様がという、うわさだった。
 素知らぬ顔でやり過ごしてはみたが、次から次へと通りすがりにその話題を小耳に挟むと、かくれんぼ的な緊張感も限界である。
 こちらは今や、公然の秘密の身だ。どこから正体がばれるか分かったものではない。

 そこで、人ごみを避けて、大きな街道の脇道へと入ってみた。その辺りから先は水田が多くあるという。棚田が道の側に見えていて、ついふらふらと、懐かしく感じる景色をながめに足を向けた。
 のどかな集落。そこから続く峠道。田畑が広がる光景と、まばらな人通りに気が楽になる。細く古い街道を通り、海沿いの山を越えた。


 鹿がいた。道を横切った後の、お尻だけ見えた。ナレジカかアカシカか。気になって、獣道に入ってしまった。


 で、森の中だ。


 地図帳を買い忘れた。動物図鑑は買ったのに。
 粉末の飲み物と調味料を売る店を、地図の買い忘れに気付く前に見つけてしまったのが運の尽きだ。


 大都市の外れの商店街に、その店はあった。白いペンキ塗りの外観と内装の、洒落た建物。凍結乾燥フリーズドライ食品の専門店だ。


 まずは様子見を、と思った。でも結局、窓からこぼれる香りを無視できずに立ち寄ってみることにした。中に入ったら最後、やっぱり様子見では終われなかった。

 製造元でもある魔術師の店主が工夫を怠らない勉強家であったらしく、品ぞろえがすごい。自慢の品の説明がとうとうと続き、その合間に試食もどうぞと勧められ、断れない。

 商品は粉末だけではない。
 お湯を注ぐと出汁にも具にもなる魚や肉、きのこに、それらが加わった野菜のスープ。じゃがいもとハムのポタージュとか軽食として一杯分あれば大丈夫なものや、水を加えるとカスタード、チョコレート、きな粉やあんこなどクリーム状になるものまで揃っていた。
 しかも、どれも美味しい。

 ひとさじずつの試食のお礼も兼ねて、いくつか買ったら、おまけしてくれた。王都などで買うよりも、お得な価格にしているというにも関わらずである。
 おかげで色々欲しいものが揃えられた。お得分で、ケチャップ代わりにも使えそうだからと、トマトスープの素を濃厚なやつにしてもらった。


 散財である。魔法での工程が加わる保存食品の一種だ。液体個体の品物より結構、高い。でも前から旅にあるといいなと思っていた。粉だから軽いし、かさ張らない。
 予定していたよりもお金を使い、先に動物図鑑を古本屋で見つけて手に入れていたせいで、最新の地図帳だけ買いに本屋や雑貨屋に寄るのを忘れた。浮かれた己の自業自得だ。


「まあ、いいか。おにぎり美味しいし」


 雨の森で、お昼をいただく。
 ただ焼いただけのおにぎりに、コーンスープ。おにぎりが塩味のみなのは貧乏性が止めに入ったわけではない。香ばしく焼けたお米の味が好きだと分かったからだ。粉の醤油をけちっているのではない、と思いたい。

 形が違うだけで同じようなもの食べてるな。いいや、おにぎりは、おにぎり。あれは、あれだ。

 街道の宿泊所にあった屋台で買った、炊いたお米を軽くつぶし、ひとくち大の団子のように丸めて、周りを炭火でしっかりと焼いた食べ物。鍋に入れた汁物にしても売られていた、串に刺さったそれが美味しかった。
 中に、おかかのような味の具が入っていたが、お米だけのそれに似たものは地球の日本にもあったと思う。
 飯団子めしだんごって、こっちでは呼ばれているそれは、だまっことか言うんじゃなかったっけ?


 ちゃんとした情報が思い出せない。でもこれは記憶喪失が関係しているわけではないようだ。きちんと知らないことの場合、頭の引き出しからは正確な状態では出て来ない。


 知っている、知らない、たぶんそう。そういうところから自分が何に興味があり、何者であったのかを推察している。
 ただし、景色や食べ物を懐かしいと思うのだって、故郷や国から遠く離れた日本人ならそう感じるものだという知識が、そんな風に思わせているだけなのかもしれない。

 実際にそう思うし、感じる。それでいい、不自由もない。

 だから、前の自分が本当はどんなやつだったかなんて、世界を救うのに必要じゃないなら分からなくてもいいし、知らないままでも今は大丈夫だ。


 今、集中するべきは、焼きおにぎりとコーンスープだ。
 冷えたおにぎりもいいけど、かじったところから、ほわっと湯気が上がる温かいのもいい。黙々とお昼を平らげ、からにした片手鍋は雨の中に出しておく。後で洗って拭いておこう。


 雨が上がるまで、ひとりぽっちを楽しんだ。
 動物図鑑を開く。子どもにも分かるようにと書かれた絵入りの図鑑をめくり、あのお尻は何鹿だったのかを、まずは探してみることにした。






 
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