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第7話
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「それは確かなのですか?」
「ジュスタンは、今世でも不穏な動きがあると言っているわ。」
オリアは、まだ話が飲み込めていない様子。
「お願い、オリア。私に協力してほしいの。暗殺が起こってからでは、遅いのよ。」
必死にお願いしてみる。
ジュスタンと二人きりで会えない限り、私には一緒に調べてくれる仲間が必要なのよ。
「分かりました。アリーヌ様がそうおっしゃるのなら、協力しましょう。」
「ありがとう、オリア。」
私は、オリアの両手を握った。
「ところで、今一番怪しい人は誰ですか?」
「まだ、分からないの。候補は何人か上がっているのだけれど。」
「教えて下さい。私も一緒に調べます。」
「ええ、信頼しているわ。オリア。」
そして私は、今まで感じた中で、ジュスタン、王妃、フランシス様、そして王妃の実家であるオードラン伯爵が怪しいと、オリアに話した。
「難しいですね。どの方も、王太子殿下に近い方ですし。」
「そうなのよ。怪しいからと言って、直ぐに疑えって言うのもできないわ。」
「分かりました。注意して見ておきますね。」
「ええ、頼んだわよ。オリア。」
何とかオリアを味方に引き入れて、まずは、王妃達と仲良くなろうと思った。
でも、王妃は公務があるし、フランシス様と仲良くなるきっかけもないし、どうしたらいいのかしら。
その時、オリアが近くにいない事に気づいた。
「オリア?」
廊下を少しずつ見て行くと、曲がり角で誰かが話しているのが見えた。
「オリア?」
見てみると、オリアが誰かと話している。
相手を見ると、ジュスタンだ。
何を話しているのだろう。
壁に潜んで、二人の声に聴き耳を立てた。
「そう言えば、アリーヌ様。不思議な方ですね。」
「どういうところが?」
「何でも、前世の記憶がおありだとか。」
「前世の記憶?」
まずい。ジュスタンには黙っていたのに。
オリアったら、おしゃべりだったのね。
「ええ、それで王太子殿下の暗殺が行われるって。」
「何⁉詳しく話してくれ、オリア。」
ジュスタンは、オリアの肩を握った。
オリアは少し、頬を赤くしている。
もしかしてオリアは、ジュスタンの事が好きなの?
だから、彼にとって有意義な情報は、知らせようとしたのね。
「私も詳しい話は聞いてないけれど。ジュスタン、あなたにも疑いがかかっているわよ。」
「俺に?だから、あんなに俺の事を不審に思っていたのか。」
ああ、もうこんなところまで、ジュスタンに知られたら、元もこうもなくなってしまう。
「オリア、話してくれて有難う。また何かあったら、教えてくれ。」
「え、ええ。」
するとジュスタンは、どこかに向かって歩いて行く。
オリアは、それを見届けている。
「はぁー。ジュスタンと話せてよかった。」
オリアは、機嫌よくこちらに向かってくる。
まあ、よくもペラペラとしゃべってくれたわね。
私はオリアが近づいてくるのを見計らって、彼女の前に出た。
「アリーヌ様⁉」
「オリア。ちょっとおしゃべりが過ぎたんじゃない?」
「聞いてらしたんですか?」
「聞こえてきたのよ。」
オリアは、一歩後ろに下がった。
「誰にも言わないでと、言ったわよね。なのにジュスタンに話すなんて!」
「お許しください!」
オリアは深く頭を下げた。
「こうもペラペラとしゃべられたら、付き人の交代もあり得るわよ!」
「お許し下さい、お許し下さい。」
謝るだけで、理由も話さないなんて。
「どうして、ジュスタンにしゃべったの?」
「それは……」
オリアは身体を震わせて、それ以上言えない。
「言えない理由なの⁉」
あまりにもイラついて、私が右手を振り上げた時だ。
「そこまでです。」
声のする方を見ると、オリアの隣にジュスタンが立っていた。
「ジュスタン!」
いつの間に!
「今回の事は、アリーヌ様のお話を軽く口にしたオリアが悪い。しかし、話した相手は俺だ。しかもこんなに謝っているではないですか。」
「誰にも話さないでと言ったのです。」
「俺にもですか?」
「その通りです。」
だけど、もうジュスタンにも知られてしまった。
私に前世の記憶があるのと、王太子殿下の暗殺の恐れがあることを。
「オリア、もう行け。」
「ダメです!」
私はジュスタンに迫った。
「もうオリアに用はないでしょう。」
「オリアは私の付き人です。私の側にいるのが仕事です!」
ジュスタンは困った顔をしている。
「では、オリアをお許し下さるんですね。」
これには私も困った。
よくよく考えれば、私の秘密を知っているオリアを、軽々しく手放す事はできない。
この城の女中だから、主人の秘密は守ってくれるだろうと、勝手に考えていた私が馬鹿だった。
「今回だけです。見逃すのは。」
「有難うございます、アリーヌ様!」
私は二人に背中を向けて、歩き出した。
「お待ち下さい。」
なのに、ジュスタンが私を追ってくる。
「アリーヌ様には、お聞きしたい事があるのです。」
「後で聞きます。」
「いえ、今しかありません。」
あっという間に、広い廊下に出てしまった。
これでは、王太子殿下に見つかってしまう。
「こちらへ。」
私は二人を、自分の部屋の中に連れて行った。
「短めにお話なさい。」
またジュスタンと二人でいたと、王太子殿下に言われるかもしれない。
「王太子殿下の、暗殺とはどういう事ですか。」
「うっ……」
芯をついてくるなぁ、この人。
「何でもありません。」
「そんな事はないでしょう。」
ジュスタンは私の前にやってきた。
「王太子殿下が狙われているのならば、俺が出ないでどうするのですか。」
それはそうだけど。
その犯人が、あなたかもしれないのよ!
その時、オリアが小さな声で話した。
「先ほど、アリーヌ様はジュスタンが怪しいと言っておりました。」
「そうだ。俺が怪しいと言うのも、気になる。」
まさかここで、前世の記憶がと話したところで、ジュスタンは信じてくれるかしら。
ううん。
ここは思い切って、ジュスタンが犯人だと、詰めてみようか。
「ジュスタン。」
「はい、アリーヌ様。」
「これから私が言うことに、正直に答えてくれますか?」
「王太子殿下の暗殺の件、お話頂けるのですね。」
「そうです。」
するとジュスタンは、頭を下げた。
「これからアリーヌ様がおっしゃる事、俺は信じます。」
「有難う。」
まさか、自分が犯人かもしれないと思ったら、この人はどうなるのだろう。
慎重に話していかなければ。
「まずは、私に前世の記憶があることは、オリアから話を聞いていますね。」
「はい。」
「私は、前世で王太子殿下の妻だったのです。でも、王太子殿下は何者かに暗殺されてしまった。私はその後、湖に身を投げて命を絶ったのです。」
「それほどまでに、王太子殿下の事を、愛していらしたのですね。」
オリアは、感動のあまり目に涙を貯めている。
「私は、王太子殿下にお会いした時、この方だと分かったのです。そして、王太子殿下が、暗殺されたことも思い出したのです。」
「このことは、殿下は知っているのですか?」
「王太子殿下も、自分の命は短いと感じていらっしゃいます。」
「うーん。」
ジュスタンは難しい顔をして、考え込んでいる。
「暗殺は、夜中か朝方に行われた。ジュスタン。あなたが、王太子殿下暗殺の、第一発見者なのよ!」
「えっ……」
その時急に雷が鳴って、大雨が降ってきた。
「俺が?第一発見者?」
「どうなの?はっきり言って!あなたは王太子殿下をどう思っているの⁉」
するとジュスタンは、胸に手を当てた。
「俺は、王太子殿下に忠誠を誓っています。殿下に剣を向けるなど、あり得ない!」
私とジュスタンは、真剣に見つめ合った。
その揺るがない瞳に、私はジュスタンを信じてみようと思った。
「だが問題は、あなただ。アリーヌ様。」
「えっ?私?」
ジュスタンは、私の前に来た。
「一人で問題を抱えないで欲しい。あなたを危ない目に遭わせたくないのだ。」
「ジュスタン……」
そしてジュスタンは、私の手を取ると、手の甲にキスをした。
「俺にあなたを守らせてくれ。」
「ジュスタンは、今世でも不穏な動きがあると言っているわ。」
オリアは、まだ話が飲み込めていない様子。
「お願い、オリア。私に協力してほしいの。暗殺が起こってからでは、遅いのよ。」
必死にお願いしてみる。
ジュスタンと二人きりで会えない限り、私には一緒に調べてくれる仲間が必要なのよ。
「分かりました。アリーヌ様がそうおっしゃるのなら、協力しましょう。」
「ありがとう、オリア。」
私は、オリアの両手を握った。
「ところで、今一番怪しい人は誰ですか?」
「まだ、分からないの。候補は何人か上がっているのだけれど。」
「教えて下さい。私も一緒に調べます。」
「ええ、信頼しているわ。オリア。」
そして私は、今まで感じた中で、ジュスタン、王妃、フランシス様、そして王妃の実家であるオードラン伯爵が怪しいと、オリアに話した。
「難しいですね。どの方も、王太子殿下に近い方ですし。」
「そうなのよ。怪しいからと言って、直ぐに疑えって言うのもできないわ。」
「分かりました。注意して見ておきますね。」
「ええ、頼んだわよ。オリア。」
何とかオリアを味方に引き入れて、まずは、王妃達と仲良くなろうと思った。
でも、王妃は公務があるし、フランシス様と仲良くなるきっかけもないし、どうしたらいいのかしら。
その時、オリアが近くにいない事に気づいた。
「オリア?」
廊下を少しずつ見て行くと、曲がり角で誰かが話しているのが見えた。
「オリア?」
見てみると、オリアが誰かと話している。
相手を見ると、ジュスタンだ。
何を話しているのだろう。
壁に潜んで、二人の声に聴き耳を立てた。
「そう言えば、アリーヌ様。不思議な方ですね。」
「どういうところが?」
「何でも、前世の記憶がおありだとか。」
「前世の記憶?」
まずい。ジュスタンには黙っていたのに。
オリアったら、おしゃべりだったのね。
「ええ、それで王太子殿下の暗殺が行われるって。」
「何⁉詳しく話してくれ、オリア。」
ジュスタンは、オリアの肩を握った。
オリアは少し、頬を赤くしている。
もしかしてオリアは、ジュスタンの事が好きなの?
だから、彼にとって有意義な情報は、知らせようとしたのね。
「私も詳しい話は聞いてないけれど。ジュスタン、あなたにも疑いがかかっているわよ。」
「俺に?だから、あんなに俺の事を不審に思っていたのか。」
ああ、もうこんなところまで、ジュスタンに知られたら、元もこうもなくなってしまう。
「オリア、話してくれて有難う。また何かあったら、教えてくれ。」
「え、ええ。」
するとジュスタンは、どこかに向かって歩いて行く。
オリアは、それを見届けている。
「はぁー。ジュスタンと話せてよかった。」
オリアは、機嫌よくこちらに向かってくる。
まあ、よくもペラペラとしゃべってくれたわね。
私はオリアが近づいてくるのを見計らって、彼女の前に出た。
「アリーヌ様⁉」
「オリア。ちょっとおしゃべりが過ぎたんじゃない?」
「聞いてらしたんですか?」
「聞こえてきたのよ。」
オリアは、一歩後ろに下がった。
「誰にも言わないでと、言ったわよね。なのにジュスタンに話すなんて!」
「お許しください!」
オリアは深く頭を下げた。
「こうもペラペラとしゃべられたら、付き人の交代もあり得るわよ!」
「お許し下さい、お許し下さい。」
謝るだけで、理由も話さないなんて。
「どうして、ジュスタンにしゃべったの?」
「それは……」
オリアは身体を震わせて、それ以上言えない。
「言えない理由なの⁉」
あまりにもイラついて、私が右手を振り上げた時だ。
「そこまでです。」
声のする方を見ると、オリアの隣にジュスタンが立っていた。
「ジュスタン!」
いつの間に!
「今回の事は、アリーヌ様のお話を軽く口にしたオリアが悪い。しかし、話した相手は俺だ。しかもこんなに謝っているではないですか。」
「誰にも話さないでと言ったのです。」
「俺にもですか?」
「その通りです。」
だけど、もうジュスタンにも知られてしまった。
私に前世の記憶があるのと、王太子殿下の暗殺の恐れがあることを。
「オリア、もう行け。」
「ダメです!」
私はジュスタンに迫った。
「もうオリアに用はないでしょう。」
「オリアは私の付き人です。私の側にいるのが仕事です!」
ジュスタンは困った顔をしている。
「では、オリアをお許し下さるんですね。」
これには私も困った。
よくよく考えれば、私の秘密を知っているオリアを、軽々しく手放す事はできない。
この城の女中だから、主人の秘密は守ってくれるだろうと、勝手に考えていた私が馬鹿だった。
「今回だけです。見逃すのは。」
「有難うございます、アリーヌ様!」
私は二人に背中を向けて、歩き出した。
「お待ち下さい。」
なのに、ジュスタンが私を追ってくる。
「アリーヌ様には、お聞きしたい事があるのです。」
「後で聞きます。」
「いえ、今しかありません。」
あっという間に、広い廊下に出てしまった。
これでは、王太子殿下に見つかってしまう。
「こちらへ。」
私は二人を、自分の部屋の中に連れて行った。
「短めにお話なさい。」
またジュスタンと二人でいたと、王太子殿下に言われるかもしれない。
「王太子殿下の、暗殺とはどういう事ですか。」
「うっ……」
芯をついてくるなぁ、この人。
「何でもありません。」
「そんな事はないでしょう。」
ジュスタンは私の前にやってきた。
「王太子殿下が狙われているのならば、俺が出ないでどうするのですか。」
それはそうだけど。
その犯人が、あなたかもしれないのよ!
その時、オリアが小さな声で話した。
「先ほど、アリーヌ様はジュスタンが怪しいと言っておりました。」
「そうだ。俺が怪しいと言うのも、気になる。」
まさかここで、前世の記憶がと話したところで、ジュスタンは信じてくれるかしら。
ううん。
ここは思い切って、ジュスタンが犯人だと、詰めてみようか。
「ジュスタン。」
「はい、アリーヌ様。」
「これから私が言うことに、正直に答えてくれますか?」
「王太子殿下の暗殺の件、お話頂けるのですね。」
「そうです。」
するとジュスタンは、頭を下げた。
「これからアリーヌ様がおっしゃる事、俺は信じます。」
「有難う。」
まさか、自分が犯人かもしれないと思ったら、この人はどうなるのだろう。
慎重に話していかなければ。
「まずは、私に前世の記憶があることは、オリアから話を聞いていますね。」
「はい。」
「私は、前世で王太子殿下の妻だったのです。でも、王太子殿下は何者かに暗殺されてしまった。私はその後、湖に身を投げて命を絶ったのです。」
「それほどまでに、王太子殿下の事を、愛していらしたのですね。」
オリアは、感動のあまり目に涙を貯めている。
「私は、王太子殿下にお会いした時、この方だと分かったのです。そして、王太子殿下が、暗殺されたことも思い出したのです。」
「このことは、殿下は知っているのですか?」
「王太子殿下も、自分の命は短いと感じていらっしゃいます。」
「うーん。」
ジュスタンは難しい顔をして、考え込んでいる。
「暗殺は、夜中か朝方に行われた。ジュスタン。あなたが、王太子殿下暗殺の、第一発見者なのよ!」
「えっ……」
その時急に雷が鳴って、大雨が降ってきた。
「俺が?第一発見者?」
「どうなの?はっきり言って!あなたは王太子殿下をどう思っているの⁉」
するとジュスタンは、胸に手を当てた。
「俺は、王太子殿下に忠誠を誓っています。殿下に剣を向けるなど、あり得ない!」
私とジュスタンは、真剣に見つめ合った。
その揺るがない瞳に、私はジュスタンを信じてみようと思った。
「だが問題は、あなただ。アリーヌ様。」
「えっ?私?」
ジュスタンは、私の前に来た。
「一人で問題を抱えないで欲しい。あなたを危ない目に遭わせたくないのだ。」
「ジュスタン……」
そしてジュスタンは、私の手を取ると、手の甲にキスをした。
「俺にあなたを守らせてくれ。」
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