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第2章 出会いは必然!?
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「水久保つむぎさん。」
「は、はい!」
いいタイミングで名前を呼ばれ、一人で診察室に向かった。
よかった。
あれ以上あそこにいたら、報われない恋をするところだった。
一通り検査が終わって、結果が出るまでしばらく待つ事になった。
検査室を出ると、診察室の前で、折橋さんが待っていてくれた。
私は、深呼吸をした。
「折橋さん。」
「つむぎさん、どうでしたか?」
私を心配してくれているその顔に、胸がキュンとなる。
あっ、ダメダメ。
「つむぎさん?」
「あっ、あははは。えっと……結果が出るまで、少し待って下さいだそうです。」
「そうですか。」
そして折橋さんは、また私を心配する顔に戻る。
「……会社に、戻って下さい。」
「えっ?」
「お仕事の途中だったんですよね。私はもう大丈夫ですから。」
「しかし、検査代が。」
「それなら、私が……」
カバンの中から財布を出し、中身を見て愕然とした。
残金、2,000円!?
た、足りない。
絶対足りない!!
ここ、ATMある!?
「気になさらないでください。元は、僕が悪いんです。僕に検査代を払わせて下さい。」
「折橋さん……」
ああ、いけないのに。
また胸が、キュンとなってしまった。
よく考えて私!
折橋さんみたいな、素敵な人。
きっと、私よりも素敵な女性がいるに、決まってるんだから。
でも、今の時間だけ。
折橋さんの、隣にいていいよね。
「じゃあ、お言葉に甘えて。」
「はい。」
私はロボットみたいに、カクカクしながら、折橋さんの隣に座った。
「あの……お仕事よかったんですか?」
「ああ……ちょうど、昼休憩を取っていたんです。少々遅くなっても、午後頑張ればいいので。」
私のせいで、仕事溜まっちゃうんだ。
「すみません。」
「いえ、大丈夫です。」
なんかさっきから、私は折橋さんに謝ってばっかりだし。
もっと楽しく会話できたら、いいのにな。
「つむぎさんは、お仕事大丈夫だったんですか?」
……きた。
仕事の話。
そりゃあ、そうだよね。
今、普通の人は仕事してる時間帯だし。
「私は、今仕事探していて……」
「……求職中なんですか?」
「はい。契約の仕事が、もう少しで終了になるので、ハローワークで仕事探してたんです。」
こんな話しても、折橋さんは楽しくないだろうなぁ。
だって、自分は責任ある仕事をバリバリやっているのに、片方は仕事探してるって。
「私、そこそこ勉強ができて、結構有名な大学も卒業したんです。でも、就職した先が、いわゆるブラック企業で。体壊しちゃって辞めたんです。その後に決まった仕事も、契約社員だし……」
あーあ。
本当はこんな暗い話、したくないのにな。
「例えブラック企業でも、契約社員でも、仕事は仕事。つむぎさんなら、一生懸命仕事されてたんじゃないですか?」
一生懸命。
その言葉に、私はウルッときた。
そうだ、私。
誰かに、一生懸命生きてる事を、認めても貰いたかった。
真面目に真面目にって、みんな言うけれど、それだけじゃない。
高い目標に向かって、懸命に懸命に、乗り越えようって……
努力して……
「ごめんなさい。」
いつの間にか、ボロボロ流れてきた涙を、次から次へと指で拭った。
「どうぞ。」
折橋さんから、ハンカチを手渡される。
アイロンが施された、綺麗なハンカチ。
「ありがとうございます。」
それで目頭を押さえて、なんとか涙を止めようとした。
「つむぎさん、こっちへ。」
「へっ……」
その瞬間、私は折橋さんの胸の中へ。
ええええ!
私、今、折橋さんに抱きしめられている!?
「女性一人泣いていると、周囲の目が気になるでしょう。こうしていれば、人の目も気になりませんから。」
いやいや。
その代り、私の心臓がヒートアップするって!
「で、でも!折橋さんが人に見られて、恥ずかしいんじゃ……」
「僕は男だから。それに男は、女を泣かせるくらいじゃないと。」
それを聞いて私は、思わず笑ってしまった。
「ふふふ。泣かせるの意味が、違いますよ。」
「本当だ。」
そして折橋さんも、クスクス笑いだす。
なんだか、折橋さんの明るい性格に、涙も引っ込んでしまった。
でもせっかくだから、もう少しだけこのほんのり香水の匂いがする折橋さんの胸の中に、いさせて貰おう。
その時だった。
「水久保さん。水久保つむぎさん。」
美人看護師の、私を呼ぶ声。
「あっ、検査結果が出たのかな。」
折橋さんも、私を自分の胸から、引き離す。
あーあ。
パラダイスから抜けちゃったよ。
お医者さんから告げられた結果は、異状なし。
不幸中の幸いだった。
これでどこか異常でもあったら、私は治療費で破産するところだった。
「よかったですね、つむぎさん。」
「はい。折橋さんが助けてくれたお陰です。」
私は、折橋さんに頭を下げた。
「ありがとう、ございました。」
やっと、すみません以外の言葉を、折橋さんに言えた。
「じゃあ、私はこれで。」
名残惜しくここで、別れようとした時だ。
「つむぎさん、家まで送りますよ。」
そう言って折橋さんが手を挙げると、さっきのリムジンが待合室の前までやってきた。
周りから、”おお、リムジンだ””誰の車だ?”と、騒ぎ始めた。
「さあ、乗っててください。僕は、会計を済ませてから、行きますから。」
「はい。」
素直に私は、車へ向かう。
その振りをして、会計を見てみた。
検査代 7500円。
検査代って、そんなにお高いの!?
「あれ?つむぎさん?」
戻ってきた折橋さんと、鉢合わせ。
「はははっ!なんだか、お会計が気になっちゃって。」
「そうでしたか。大した事、なかったですよ。」
大した事ない!?
だって、あなた7500円だよ?
風邪ひいたって、3000円で済むのに。
検査代だけだよ!
私は、ゴクンと息を飲んだ。
ああああ!
こんな時にもっと、お金があったら!
『お礼に、お食事なんてどうですか?』
『いいですね。和食がいいですか?中華がいいですか?それとも洋食?』
『いえ、高級焼き肉店……』
ダメだ。
考えが、庶民的過ぎる。
「つむぎさーん、何してるんですか?行きますよ!」
「はっ!」
気づいた時には、折橋さんはリムジンの中に。
「今!今、行きます。」
慌ててリムジンに乗った時だ。
「あの人が、リムジンに乗るの?」
「どうせ、持ち主のお友達かなんかでしょう?」
高級バッグを持ったご婦人が、私を見てヒソヒソ言っていた。
いいもん。
別に、一生に一度の経験だし。
私はツンと上を向きながら、運転手さんに後部座席のドアを閉めて貰った。
そしてスーッと、また滑るように、車は走り始めた。
さようなら、高級ホテルのような病院。
椅子もふかふか。
看護師さんも、お医者さんも優雅でよかったよ。
私は、病院が見えなくなるまで、見送った。
「いい病院でしょ。」
「えっ!?」
まさか名残惜しんでいたのが、バレた?
「父と兄が、働いてる病院なんです。」
「お父さんと、お兄さん、医者なんですか!?」
私の驚きように、折橋さんも驚く。
「え、ええ、まあ。」
医者の息子にして、IT会社の社長!?
どんなご身分なんですか?
「あの、折橋さんはお医者さんに、なろうと思わなかったんですか?」
「はははっ。そうですね。そう言われてみれば、何で僕医者にならなかったんだろう。」
「はあ……」
それを聞いてるんだけど、本人が分からないんだったら、私も分かりませんって。
「そうだな……別な道を、歩んでみたかったのかな。」
「別な道……」
折橋さんは、車から外の景色を見た。
「何だろう。世の中、いろんな仕事があるのに。小さい頃から医者になる事ばかり、刷り込まれてきました。でも、思ったんです。もっといろんな世界を見てみたいって。」
私は自然に、笑顔になった。
「私も……同じ事思ってました。」
「つむぎさんが?」
折橋さんが、私の方を向いてくれた。
「ハローワークで、『この職種の経験、ありますか?』って言われて。私、まだ24歳ですよ?そんなにいろんな仕事の経験してないって、心の中でツッコミ入れて。」
「はははっ。」
折橋さんは、思いっきり笑ってくれた。
それを見て、調子に乗っちゃう私。
「それに、応募した仕事、全部未経験だったんです。あっ、まだ私経験した事のない仕事、こんなにあるんだって思って。」
「うんうん。」
「だから、これからは経験した事のない仕事を、してみようってそう思ったんです。」
すると折橋さんは、ニコッと笑ってくれた。
「つむぎさんは、強いなぁ。」
「ええ?そうですか?」
「明るいし。頑張り屋さんだし。」
「それしか、取り柄がないからですよ。」
「そんな事ない。それに、優しいし。」
ドキンとした。
折橋さんの目が、急に変わったから。
「つむぎさん。両親が望んだ通りの人間じゃないって言ったら、そうじゃないって、言ってくれたでしょ。優しくて勇気があるって。」
「……はい。」
「僕、嬉しかった。そんな事、言われた事なかったから。」
折橋さんの目、柔らかで、じっと私を見つめてくれている。
「は、はい!」
いいタイミングで名前を呼ばれ、一人で診察室に向かった。
よかった。
あれ以上あそこにいたら、報われない恋をするところだった。
一通り検査が終わって、結果が出るまでしばらく待つ事になった。
検査室を出ると、診察室の前で、折橋さんが待っていてくれた。
私は、深呼吸をした。
「折橋さん。」
「つむぎさん、どうでしたか?」
私を心配してくれているその顔に、胸がキュンとなる。
あっ、ダメダメ。
「つむぎさん?」
「あっ、あははは。えっと……結果が出るまで、少し待って下さいだそうです。」
「そうですか。」
そして折橋さんは、また私を心配する顔に戻る。
「……会社に、戻って下さい。」
「えっ?」
「お仕事の途中だったんですよね。私はもう大丈夫ですから。」
「しかし、検査代が。」
「それなら、私が……」
カバンの中から財布を出し、中身を見て愕然とした。
残金、2,000円!?
た、足りない。
絶対足りない!!
ここ、ATMある!?
「気になさらないでください。元は、僕が悪いんです。僕に検査代を払わせて下さい。」
「折橋さん……」
ああ、いけないのに。
また胸が、キュンとなってしまった。
よく考えて私!
折橋さんみたいな、素敵な人。
きっと、私よりも素敵な女性がいるに、決まってるんだから。
でも、今の時間だけ。
折橋さんの、隣にいていいよね。
「じゃあ、お言葉に甘えて。」
「はい。」
私はロボットみたいに、カクカクしながら、折橋さんの隣に座った。
「あの……お仕事よかったんですか?」
「ああ……ちょうど、昼休憩を取っていたんです。少々遅くなっても、午後頑張ればいいので。」
私のせいで、仕事溜まっちゃうんだ。
「すみません。」
「いえ、大丈夫です。」
なんかさっきから、私は折橋さんに謝ってばっかりだし。
もっと楽しく会話できたら、いいのにな。
「つむぎさんは、お仕事大丈夫だったんですか?」
……きた。
仕事の話。
そりゃあ、そうだよね。
今、普通の人は仕事してる時間帯だし。
「私は、今仕事探していて……」
「……求職中なんですか?」
「はい。契約の仕事が、もう少しで終了になるので、ハローワークで仕事探してたんです。」
こんな話しても、折橋さんは楽しくないだろうなぁ。
だって、自分は責任ある仕事をバリバリやっているのに、片方は仕事探してるって。
「私、そこそこ勉強ができて、結構有名な大学も卒業したんです。でも、就職した先が、いわゆるブラック企業で。体壊しちゃって辞めたんです。その後に決まった仕事も、契約社員だし……」
あーあ。
本当はこんな暗い話、したくないのにな。
「例えブラック企業でも、契約社員でも、仕事は仕事。つむぎさんなら、一生懸命仕事されてたんじゃないですか?」
一生懸命。
その言葉に、私はウルッときた。
そうだ、私。
誰かに、一生懸命生きてる事を、認めても貰いたかった。
真面目に真面目にって、みんな言うけれど、それだけじゃない。
高い目標に向かって、懸命に懸命に、乗り越えようって……
努力して……
「ごめんなさい。」
いつの間にか、ボロボロ流れてきた涙を、次から次へと指で拭った。
「どうぞ。」
折橋さんから、ハンカチを手渡される。
アイロンが施された、綺麗なハンカチ。
「ありがとうございます。」
それで目頭を押さえて、なんとか涙を止めようとした。
「つむぎさん、こっちへ。」
「へっ……」
その瞬間、私は折橋さんの胸の中へ。
ええええ!
私、今、折橋さんに抱きしめられている!?
「女性一人泣いていると、周囲の目が気になるでしょう。こうしていれば、人の目も気になりませんから。」
いやいや。
その代り、私の心臓がヒートアップするって!
「で、でも!折橋さんが人に見られて、恥ずかしいんじゃ……」
「僕は男だから。それに男は、女を泣かせるくらいじゃないと。」
それを聞いて私は、思わず笑ってしまった。
「ふふふ。泣かせるの意味が、違いますよ。」
「本当だ。」
そして折橋さんも、クスクス笑いだす。
なんだか、折橋さんの明るい性格に、涙も引っ込んでしまった。
でもせっかくだから、もう少しだけこのほんのり香水の匂いがする折橋さんの胸の中に、いさせて貰おう。
その時だった。
「水久保さん。水久保つむぎさん。」
美人看護師の、私を呼ぶ声。
「あっ、検査結果が出たのかな。」
折橋さんも、私を自分の胸から、引き離す。
あーあ。
パラダイスから抜けちゃったよ。
お医者さんから告げられた結果は、異状なし。
不幸中の幸いだった。
これでどこか異常でもあったら、私は治療費で破産するところだった。
「よかったですね、つむぎさん。」
「はい。折橋さんが助けてくれたお陰です。」
私は、折橋さんに頭を下げた。
「ありがとう、ございました。」
やっと、すみません以外の言葉を、折橋さんに言えた。
「じゃあ、私はこれで。」
名残惜しくここで、別れようとした時だ。
「つむぎさん、家まで送りますよ。」
そう言って折橋さんが手を挙げると、さっきのリムジンが待合室の前までやってきた。
周りから、”おお、リムジンだ””誰の車だ?”と、騒ぎ始めた。
「さあ、乗っててください。僕は、会計を済ませてから、行きますから。」
「はい。」
素直に私は、車へ向かう。
その振りをして、会計を見てみた。
検査代 7500円。
検査代って、そんなにお高いの!?
「あれ?つむぎさん?」
戻ってきた折橋さんと、鉢合わせ。
「はははっ!なんだか、お会計が気になっちゃって。」
「そうでしたか。大した事、なかったですよ。」
大した事ない!?
だって、あなた7500円だよ?
風邪ひいたって、3000円で済むのに。
検査代だけだよ!
私は、ゴクンと息を飲んだ。
ああああ!
こんな時にもっと、お金があったら!
『お礼に、お食事なんてどうですか?』
『いいですね。和食がいいですか?中華がいいですか?それとも洋食?』
『いえ、高級焼き肉店……』
ダメだ。
考えが、庶民的過ぎる。
「つむぎさーん、何してるんですか?行きますよ!」
「はっ!」
気づいた時には、折橋さんはリムジンの中に。
「今!今、行きます。」
慌ててリムジンに乗った時だ。
「あの人が、リムジンに乗るの?」
「どうせ、持ち主のお友達かなんかでしょう?」
高級バッグを持ったご婦人が、私を見てヒソヒソ言っていた。
いいもん。
別に、一生に一度の経験だし。
私はツンと上を向きながら、運転手さんに後部座席のドアを閉めて貰った。
そしてスーッと、また滑るように、車は走り始めた。
さようなら、高級ホテルのような病院。
椅子もふかふか。
看護師さんも、お医者さんも優雅でよかったよ。
私は、病院が見えなくなるまで、見送った。
「いい病院でしょ。」
「えっ!?」
まさか名残惜しんでいたのが、バレた?
「父と兄が、働いてる病院なんです。」
「お父さんと、お兄さん、医者なんですか!?」
私の驚きように、折橋さんも驚く。
「え、ええ、まあ。」
医者の息子にして、IT会社の社長!?
どんなご身分なんですか?
「あの、折橋さんはお医者さんに、なろうと思わなかったんですか?」
「はははっ。そうですね。そう言われてみれば、何で僕医者にならなかったんだろう。」
「はあ……」
それを聞いてるんだけど、本人が分からないんだったら、私も分かりませんって。
「そうだな……別な道を、歩んでみたかったのかな。」
「別な道……」
折橋さんは、車から外の景色を見た。
「何だろう。世の中、いろんな仕事があるのに。小さい頃から医者になる事ばかり、刷り込まれてきました。でも、思ったんです。もっといろんな世界を見てみたいって。」
私は自然に、笑顔になった。
「私も……同じ事思ってました。」
「つむぎさんが?」
折橋さんが、私の方を向いてくれた。
「ハローワークで、『この職種の経験、ありますか?』って言われて。私、まだ24歳ですよ?そんなにいろんな仕事の経験してないって、心の中でツッコミ入れて。」
「はははっ。」
折橋さんは、思いっきり笑ってくれた。
それを見て、調子に乗っちゃう私。
「それに、応募した仕事、全部未経験だったんです。あっ、まだ私経験した事のない仕事、こんなにあるんだって思って。」
「うんうん。」
「だから、これからは経験した事のない仕事を、してみようってそう思ったんです。」
すると折橋さんは、ニコッと笑ってくれた。
「つむぎさんは、強いなぁ。」
「ええ?そうですか?」
「明るいし。頑張り屋さんだし。」
「それしか、取り柄がないからですよ。」
「そんな事ない。それに、優しいし。」
ドキンとした。
折橋さんの目が、急に変わったから。
「つむぎさん。両親が望んだ通りの人間じゃないって言ったら、そうじゃないって、言ってくれたでしょ。優しくて勇気があるって。」
「……はい。」
「僕、嬉しかった。そんな事、言われた事なかったから。」
折橋さんの目、柔らかで、じっと私を見つめてくれている。
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