5 / 47
第2話 真夜中の恋人
③
しおりを挟む
「明日も来るよ。」
信志は、黄杏にそう告げた。
「明日も、月明かりが綺麗だといいね。」
「えっ……」
そう言って信志は、大広間へ続く廊下へ。
「王、どちらに。」
心配した忠仁が、駆け寄って来た。
「心配するな。子供でもあるまいし。」
「しかし、王に何かあっては、私は国民に顔を合わせる事ができません。」
「はははっ!」
「笑い事ではありません!」
信志が振り返ると、忠仁は真顔でこっちを見ている。
「分かった。危ない事はしない。」
「当たり前です。この前のように、池に落ちるような事は、なさらないように。」
信志は、子供みたいに心配されている自分に、呆れてきた。
ふと台所の方を見ると、遠くに黄杏の姿が見えた。
「あの者達にも会って、お礼を言いたいものだ。」
「それならば、私から伝えておきます。妃になれない者には、近づかぬように願います。」
信志は、ぎゅっと拳を握りしめた。
台所にいる黄杏はと言うと、今日も配膳の準備だ。
「終わり!美麗、お願い!」
「はーい。今日もお疲れさま。」
美麗が王のお膳を持って行くと、台所には一息つく時間ができる。
「はぁーあ。」
慌ただしく配膳の用意をした黄杏も、床に腰を降ろした。
「そう言えば黄杏。最近、客人と逢い引きしてるんだって?」
「えー!うっそー!!」
黄杏の周りに、女達が集まってくる。
「どんな人?」
「うん。王様の家来みたい。」
黄杏は、恥ずかしそうに答えた。
「いいなぁ。上手くいけば玉の輿じゃん。」
女達は、途端にお腹を空かせた動物のような顔になる。
「王様の妃にはなれないけど、中央の役人の愛人にでもなれないかね。」
「愛人……」
黄杏は、女達の変わりように、呆れる。
「だってさ。見た?あの男達。村の男とは違って、むさ苦しくないし。何より高貴な顔立ちしてるじゃない!」
黄杏は、信志の顔を思い浮かべた。
端正な顔立ち、いい香りがしそうな雰囲気。
何より物腰が、柔らかい。
「そうね。」
「でしょう!黄杏、頑張りなさいよ!」
女の一人は、黄杏の背中を叩いて、励ました。
するともう一人、近くにいた女が、黄杏の耳元で囁いた。
「まだ、身体を許すんじゃないよ。」
「えっ?」
驚く黄杏に、女は話を続けた。
「散々体だけ弄んで、帰る時には知らない顔って言うのも、多く聞くからね。ちゃんと、連れて行って貰ってから、関係を結ぶんだよ。」
突然黄杏に振ってわいた、男と女の事情。
そんな事を信志が、するようには見えないけれど。
黄杏の胸の中では、ざわざわと何かが、うごめく。
信志の気持ちを、確かめた訳でもないのに。
ー 明日も、月が綺麗だといいね ー
黄杏は、明日が満月だと言う事を、思い出した。
その次の日の夜。
宴が終わるのも、明日で終わりだ。
もしかしたら、信志に会えるのは、今夜が最後かもしれない。
そんな事を思ったら、黄杏は泣けてきた。
「どうして、泣いているの?」
月明かりの下に現れたのは、信志だった。
「ううん。何でもない。」
涙を拭った黄杏を、信志は抱き締めた。
「信志?」
「黄杏。何でも話してほしい。君の事、もっと知りたいんだ。」
黄杏は信志の手を、そっと握った。
「私もです。私も信志の事、もっと知りたい。」
「黄杏……」
信志の腕の中で、見つめ合う二人。
月明かりが雲に隠れたのを見計らって、二人は唇を重ねた。
「このまま、時が止まってしまえばいいのに……」
「悲しそうに言うね。」
「だって、時が流れてしまえば、宴もやがて終わってしまって、信志は都に帰ってしまうもの。」
俯いた黄杏の顎を指で上げ、信志は黄杏と見つめ合う。
「あなたが、都に帰ってしまうのは、悲しくて堪りません……」
信志は、また流れ落ちる黄杏の涙を、指で拭った。
「私も、同じ気持ちだ。都に帰りたくない……そなたと毎晩、こうして会っていたい……」
「信志……」
「黄杏……」
二人は、お互いの名を呼び合うと、また熱く唇を重ねた。
何度も何度も、唇を重ねる度に、信志は黄杏を、きつく抱き締める。
「もう、我慢できないよ、黄杏。」
黄杏を抱き締めながら、庭先に通じる廊下の戸を、右手で開ける信志。
「信志?」
「気持ちを確かめ合ったんだ。君を抱いてもいいだろう?」
すると黄杏は、廊下を通り越して、側にある部屋の中に押し倒された。
月夜に照らされた信志の、熱に帯びた顔が、浮かび上がる。
その男らしさに、黄杏の心臓も早くなる。
「黄杏。私のものになってくれ。一生、大切にするから。」
掬われた手の甲に、信志の舌が当たる。
その柔らかな舌の動きに、思わず声が漏れた。
「甘い声だ。もっと聞きたいよ。」
すると信志の荒い息使いが、今度は耳元で聞こえる。
「待って……」
「えっ?」
信志は、そっと黄杏の顔を見た。
「こんな事聞くのは、無粋だって分かっているんだけど……」
「黄杏?」
「私は……あなたの妻に、なれるの?」
胸を射ぬかれたような信志は、身体を起き上がらせた。
「ごめんなさい、違うの。」
黄杏も身体を起こして、信志にしがみついた。
「周りの人に恋しい人がいるって言ったら、体だけは許すなって……」
「えっ?」
「その人が都に帰る時に、連れて行ってもらえなかったら、ただ身体を弄ばれるだけだって!私、私!そんな事、嫌なの!あなたと離れたくない!」
黄杏が叫ぶと、信志は再び、黄杏をきつく抱き締めた。
「信じてほしい。」
「信志……」
「私は何があっても、君を離さない。」
信志は身体を離すと、黄杏の頬を両手で覆った。
「私は、そなたを妻に迎えたい。そなたは?」
「私も、あなたの妻になりたい……」
「黄杏。約束できる?何があっても、私から離れないと。」
「はい。何があっても、信志を離さない。」
そして二人は、ゆっくりと唇を合わせた。
後ろに身体を倒しながら、着ている服を、一枚一枚脱いでいく信志と黄杏。
「君の肌は、白くて綺麗だな。」
「あまり見ないで、恥ずかしいから。」
黄杏が顔を覆うと、信志はその手を顔の脇に、持って行った。
信志の顔も、ほんのり赤く染まっている。
「信志?」
「不思議だな。こんなにも、心を通わせる相手が、いるなんて。今まで知らなかった。」
そして黄杏と信志の体は、ゆっくりと繋がった。
「信志……私、もうダメみたい……」
「私もだ……心も体も、一緒に溶けていく気がするよ。」
こうして、黄杏と信志の蜜月は、密やかに甘く始まりを迎えたのだった。
信志は、黄杏にそう告げた。
「明日も、月明かりが綺麗だといいね。」
「えっ……」
そう言って信志は、大広間へ続く廊下へ。
「王、どちらに。」
心配した忠仁が、駆け寄って来た。
「心配するな。子供でもあるまいし。」
「しかし、王に何かあっては、私は国民に顔を合わせる事ができません。」
「はははっ!」
「笑い事ではありません!」
信志が振り返ると、忠仁は真顔でこっちを見ている。
「分かった。危ない事はしない。」
「当たり前です。この前のように、池に落ちるような事は、なさらないように。」
信志は、子供みたいに心配されている自分に、呆れてきた。
ふと台所の方を見ると、遠くに黄杏の姿が見えた。
「あの者達にも会って、お礼を言いたいものだ。」
「それならば、私から伝えておきます。妃になれない者には、近づかぬように願います。」
信志は、ぎゅっと拳を握りしめた。
台所にいる黄杏はと言うと、今日も配膳の準備だ。
「終わり!美麗、お願い!」
「はーい。今日もお疲れさま。」
美麗が王のお膳を持って行くと、台所には一息つく時間ができる。
「はぁーあ。」
慌ただしく配膳の用意をした黄杏も、床に腰を降ろした。
「そう言えば黄杏。最近、客人と逢い引きしてるんだって?」
「えー!うっそー!!」
黄杏の周りに、女達が集まってくる。
「どんな人?」
「うん。王様の家来みたい。」
黄杏は、恥ずかしそうに答えた。
「いいなぁ。上手くいけば玉の輿じゃん。」
女達は、途端にお腹を空かせた動物のような顔になる。
「王様の妃にはなれないけど、中央の役人の愛人にでもなれないかね。」
「愛人……」
黄杏は、女達の変わりように、呆れる。
「だってさ。見た?あの男達。村の男とは違って、むさ苦しくないし。何より高貴な顔立ちしてるじゃない!」
黄杏は、信志の顔を思い浮かべた。
端正な顔立ち、いい香りがしそうな雰囲気。
何より物腰が、柔らかい。
「そうね。」
「でしょう!黄杏、頑張りなさいよ!」
女の一人は、黄杏の背中を叩いて、励ました。
するともう一人、近くにいた女が、黄杏の耳元で囁いた。
「まだ、身体を許すんじゃないよ。」
「えっ?」
驚く黄杏に、女は話を続けた。
「散々体だけ弄んで、帰る時には知らない顔って言うのも、多く聞くからね。ちゃんと、連れて行って貰ってから、関係を結ぶんだよ。」
突然黄杏に振ってわいた、男と女の事情。
そんな事を信志が、するようには見えないけれど。
黄杏の胸の中では、ざわざわと何かが、うごめく。
信志の気持ちを、確かめた訳でもないのに。
ー 明日も、月が綺麗だといいね ー
黄杏は、明日が満月だと言う事を、思い出した。
その次の日の夜。
宴が終わるのも、明日で終わりだ。
もしかしたら、信志に会えるのは、今夜が最後かもしれない。
そんな事を思ったら、黄杏は泣けてきた。
「どうして、泣いているの?」
月明かりの下に現れたのは、信志だった。
「ううん。何でもない。」
涙を拭った黄杏を、信志は抱き締めた。
「信志?」
「黄杏。何でも話してほしい。君の事、もっと知りたいんだ。」
黄杏は信志の手を、そっと握った。
「私もです。私も信志の事、もっと知りたい。」
「黄杏……」
信志の腕の中で、見つめ合う二人。
月明かりが雲に隠れたのを見計らって、二人は唇を重ねた。
「このまま、時が止まってしまえばいいのに……」
「悲しそうに言うね。」
「だって、時が流れてしまえば、宴もやがて終わってしまって、信志は都に帰ってしまうもの。」
俯いた黄杏の顎を指で上げ、信志は黄杏と見つめ合う。
「あなたが、都に帰ってしまうのは、悲しくて堪りません……」
信志は、また流れ落ちる黄杏の涙を、指で拭った。
「私も、同じ気持ちだ。都に帰りたくない……そなたと毎晩、こうして会っていたい……」
「信志……」
「黄杏……」
二人は、お互いの名を呼び合うと、また熱く唇を重ねた。
何度も何度も、唇を重ねる度に、信志は黄杏を、きつく抱き締める。
「もう、我慢できないよ、黄杏。」
黄杏を抱き締めながら、庭先に通じる廊下の戸を、右手で開ける信志。
「信志?」
「気持ちを確かめ合ったんだ。君を抱いてもいいだろう?」
すると黄杏は、廊下を通り越して、側にある部屋の中に押し倒された。
月夜に照らされた信志の、熱に帯びた顔が、浮かび上がる。
その男らしさに、黄杏の心臓も早くなる。
「黄杏。私のものになってくれ。一生、大切にするから。」
掬われた手の甲に、信志の舌が当たる。
その柔らかな舌の動きに、思わず声が漏れた。
「甘い声だ。もっと聞きたいよ。」
すると信志の荒い息使いが、今度は耳元で聞こえる。
「待って……」
「えっ?」
信志は、そっと黄杏の顔を見た。
「こんな事聞くのは、無粋だって分かっているんだけど……」
「黄杏?」
「私は……あなたの妻に、なれるの?」
胸を射ぬかれたような信志は、身体を起き上がらせた。
「ごめんなさい、違うの。」
黄杏も身体を起こして、信志にしがみついた。
「周りの人に恋しい人がいるって言ったら、体だけは許すなって……」
「えっ?」
「その人が都に帰る時に、連れて行ってもらえなかったら、ただ身体を弄ばれるだけだって!私、私!そんな事、嫌なの!あなたと離れたくない!」
黄杏が叫ぶと、信志は再び、黄杏をきつく抱き締めた。
「信じてほしい。」
「信志……」
「私は何があっても、君を離さない。」
信志は身体を離すと、黄杏の頬を両手で覆った。
「私は、そなたを妻に迎えたい。そなたは?」
「私も、あなたの妻になりたい……」
「黄杏。約束できる?何があっても、私から離れないと。」
「はい。何があっても、信志を離さない。」
そして二人は、ゆっくりと唇を合わせた。
後ろに身体を倒しながら、着ている服を、一枚一枚脱いでいく信志と黄杏。
「君の肌は、白くて綺麗だな。」
「あまり見ないで、恥ずかしいから。」
黄杏が顔を覆うと、信志はその手を顔の脇に、持って行った。
信志の顔も、ほんのり赤く染まっている。
「信志?」
「不思議だな。こんなにも、心を通わせる相手が、いるなんて。今まで知らなかった。」
そして黄杏と信志の体は、ゆっくりと繋がった。
「信志……私、もうダメみたい……」
「私もだ……心も体も、一緒に溶けていく気がするよ。」
こうして、黄杏と信志の蜜月は、密やかに甘く始まりを迎えたのだった。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
ラストグリーン
桜庭かなめ
恋愛
「つばさくん、だいすき」
蓮見翼は10年前に転校した少女・有村咲希の夢を何度も見ていた。それは幼なじみの朝霧明日香も同じだった。いつか咲希とまた会いたいと思い続けながらも会うことはなく、2人は高校3年生に。
しかし、夏の始まりに突如、咲希が翼と明日香のクラスに転入してきたのだ。そして、咲希は10年前と同じく、再会してすぐに翼に好きだと伝え頬にキスをした。それをきっかけに、彼らの物語が動き始める。
20世紀最後の年度に生まれた彼らの高校最後の夏は、平成最後の夏。
恋、進路、夢。そして、未来。様々なことに悩みながらも前へと進む甘く、切なく、そして爽やかな学園青春ラブストーリー。
※完結しました!(2020.8.25)
※お気に入り登録や感想をお待ちしています。
伏して君に愛を冀(こいねが)う
鳩子
恋愛
貧乏皇帝×黄金姫の、すれ違いラブストーリー。
堋《ほう》国王女・燕琇華(えん・しゅうか)は、隣国、游《ゆう》帝国の皇帝から熱烈な求愛を受けて皇后として入宮する。
しかし、皇帝には既に想い人との間に、皇子まで居るという。
「皇帝陛下は、黄金の為に、意に沿わぬ結婚をすることになったのよ」
女官達の言葉で、真実を知る琇華。
祖国から遠く離れた後宮に取り残された琇華の恋の行方は?
お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~
ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。
2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
粗暴で優しい幼馴染彼氏はおっとり系彼女を好きすぎる
春音優月
恋愛
おっとりふわふわ大学生の一色のどかは、中学生の時から付き合っている幼馴染彼氏の黒瀬逸希と同棲中。態度や口は荒っぽい逸希だけど、のどかへの愛は大きすぎるほど。
幸せいっぱいなはずなのに、逸希から一度も「好き」と言われてないことに気がついてしまって……?
幼馴染大学生の糖度高めなショートストーリー。
2024.03.06
イラスト:雪緒さま
大書楼の司書姫と謎めく甜食
鳩子
恋愛
『結婚か、昇進か。どちらか選びなさい』
『心に決めた相手が居る』と縁談を断り続けていたアラサー公主・娃琳に
兄王から突きつけられたのは、究極の選択だった……。
来月に控えた大茶会には、隣国の皇太子が来るという。
その、饗応の為に、『珍奇で美味なる菓子を用意すること』。
それが出来れば、昇進。出来なければ結婚となる!
公主とはいえ、嫁き遅れの為、大書楼で司書として働いている娃琳は、
知識には自信が有ったが、一つ問題があった。
それは、彼女が、全く味覚を感じないと言うこと。
困っていた彼女が、街で出逢ったのは、西域から来たという謎の男、鴻。
彼は、故郷を助ける為に、『真実を告げる菓子』を探していると言う……?
大茶会と娃琳の将来の行方。
謎の男、鴻が守るべき故郷の秘密・・・。
後宮大書楼を舞台に、数多の書物と、
とびきりの甜食(スイーツ)と、陰謀が描く、中華後宮ラブミステリ。
人違いラブレターに慣れていたので今回の手紙もスルーしたら、片思いしていた男の子に告白されました。この手紙が、間違いじゃないって本当ですか?
石河 翠
恋愛
クラス内に「ワタナベ」がふたりいるため、「可愛いほうのワタナベさん」宛のラブレターをしょっちゅう受け取ってしまう「そうじゃないほうのワタナベさん」こと主人公の「わたし」。
ある日「わたし」は下駄箱で、万年筆で丁寧に宛名を書いたラブレターを見つける。またかとがっかりした「わたし」は、その手紙をもうひとりの「ワタナベ」の下駄箱へ入れる。
ところが、その話を聞いた隣のクラスのサイトウくんは、「わたし」が驚くほど動揺してしまう。 実はその手紙は本当に彼女宛だったことが判明する。そしてその手紙を書いた「地味なほうのサイトウくん」にも大きな秘密があって……。
「真面目」以外にとりえがないと思っている「わたし」と、そんな彼女を見守るサイトウくんの少女マンガのような恋のおはなし。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しています。
扉絵は汐の音さまに描いていただきました。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる