6 / 7
第2話 初めての感触
②
しおりを挟む
年令は関係ない。
今、最前線に立っているのは、彼なのだ。
「敵の場所は!」
「8時方向です!神林中佐。」
「大地君、敵は8時方向よ!」
『左後ろか!』
大地は上に昇り、後ろを見た。
敵が2、3機、固まって見える。
大地は、銃を構えた。
『大地君、無理よ。撃つならもっと、近づいて!』
ヤマトの行動は、全てセンターのモニターに映し出されていた。
「はい。」
自分の行動が筒抜けになっているのは、正直嫌だが、今はそんな事も、言っていられない。
大地は、敵に向かって進んだ。
「明里さん、どのくらい近づけばいいですか?」
『ヤマトに装備されている銃の有効射程距離は、1万1千キロ。それまで近づけば…』
「1万1千キロ……確か照準器には、射程距離を測るスイッチがあるはずだ。どこだ?」
大地は、照準器の横にあるスイッチを、手当たりしだいに触った。
一番手前のスイッチを押した時、照準器の画面の右上に、数字が出てきた。
「もしかして…」
敵に照準線を合わせると、数字がだんだん、少なくなっていくのが見えた。
「これだ。」
敵までの距離は、2万キロあった。
「まだ2万キロか…」
大地はとにかく、1万1千キロまで走った。
『大地君、そろそろよ。』
「はい!」
大地は銃を構えた。
1万4千キロ、3千キロ、2千キロ………
「ここだ!」
ちょうど1万1千キロ。
大地は敵に向かって、銃を撃った。
前にいた敵の3機は、ふいをつかれて、煙を上げている。
「やった!」
大地は初めての体験に、ガッツポーズだ。
『その調子よ、大地君!』
「はい!明里さん!」
大地はまた、敵の塊を見つけた。
「次はあっちだ!」
大地がまた敵に向かって、走り出した時だ。
脇の方から、敵が1機、大地の前に現れた。
「え?」
射程距離は、5千キロを示した!
『大地君、逃げて!』
明里の声と共に、敵の銃が、自分に向けられる。
「わっっ!!」
ヤマトの頭の脇を、敵の弾がかすめた。
「……間一髪。」
そして尚も敵は、容赦なく撃ってくる。
「くっ…」
大地は、上に逃げた。
「明里!早く大地に戻ってくるように指示しろ!」
側で見ていた雷人は、明里に大声で、指示した。
「はい!」
今の大地には、かわしながら攻める事など、まだ無理だ。
「大地君。基地に戻って!」
『ええ?もう?』
「敵の数は、少なくなったわ。後は、他のパイロットに任せて。」
『…はい。』
大地が、逃げる為に銃を撃った時だ。
大地の目の前に、ポウッと光るモノが見えた。
「月……」
大地は、ハッとした。
あいつだ。
住良木さんを撃った、あいつだ。
大地は、一旦止まった。
そして、相手も大地を見て、振り返った。
相手にしてみれば、疑問に思っていることだろう。
「大地はどうしたんだ。」
雷人が、明里に聞く。
「分かりません。急に止まってしまって…」
「早く戻るように伝えろ。」
「はい。大地君、大地君。聞こえる?」
言われなくても聞こえている。
だが、目の前には、あのロボットがいる。
相手が、銃に手をかけた。
「明里、あれは敵の新型だ!」
「大地君、早く戻りなさい!」
そして、自分に銃口を向けた。
「大地!早く戻れ!!」
雷人は、明里の交信機を奪って、叫んだ。
今、最前線に立っているのは、彼なのだ。
「敵の場所は!」
「8時方向です!神林中佐。」
「大地君、敵は8時方向よ!」
『左後ろか!』
大地は上に昇り、後ろを見た。
敵が2、3機、固まって見える。
大地は、銃を構えた。
『大地君、無理よ。撃つならもっと、近づいて!』
ヤマトの行動は、全てセンターのモニターに映し出されていた。
「はい。」
自分の行動が筒抜けになっているのは、正直嫌だが、今はそんな事も、言っていられない。
大地は、敵に向かって進んだ。
「明里さん、どのくらい近づけばいいですか?」
『ヤマトに装備されている銃の有効射程距離は、1万1千キロ。それまで近づけば…』
「1万1千キロ……確か照準器には、射程距離を測るスイッチがあるはずだ。どこだ?」
大地は、照準器の横にあるスイッチを、手当たりしだいに触った。
一番手前のスイッチを押した時、照準器の画面の右上に、数字が出てきた。
「もしかして…」
敵に照準線を合わせると、数字がだんだん、少なくなっていくのが見えた。
「これだ。」
敵までの距離は、2万キロあった。
「まだ2万キロか…」
大地はとにかく、1万1千キロまで走った。
『大地君、そろそろよ。』
「はい!」
大地は銃を構えた。
1万4千キロ、3千キロ、2千キロ………
「ここだ!」
ちょうど1万1千キロ。
大地は敵に向かって、銃を撃った。
前にいた敵の3機は、ふいをつかれて、煙を上げている。
「やった!」
大地は初めての体験に、ガッツポーズだ。
『その調子よ、大地君!』
「はい!明里さん!」
大地はまた、敵の塊を見つけた。
「次はあっちだ!」
大地がまた敵に向かって、走り出した時だ。
脇の方から、敵が1機、大地の前に現れた。
「え?」
射程距離は、5千キロを示した!
『大地君、逃げて!』
明里の声と共に、敵の銃が、自分に向けられる。
「わっっ!!」
ヤマトの頭の脇を、敵の弾がかすめた。
「……間一髪。」
そして尚も敵は、容赦なく撃ってくる。
「くっ…」
大地は、上に逃げた。
「明里!早く大地に戻ってくるように指示しろ!」
側で見ていた雷人は、明里に大声で、指示した。
「はい!」
今の大地には、かわしながら攻める事など、まだ無理だ。
「大地君。基地に戻って!」
『ええ?もう?』
「敵の数は、少なくなったわ。後は、他のパイロットに任せて。」
『…はい。』
大地が、逃げる為に銃を撃った時だ。
大地の目の前に、ポウッと光るモノが見えた。
「月……」
大地は、ハッとした。
あいつだ。
住良木さんを撃った、あいつだ。
大地は、一旦止まった。
そして、相手も大地を見て、振り返った。
相手にしてみれば、疑問に思っていることだろう。
「大地はどうしたんだ。」
雷人が、明里に聞く。
「分かりません。急に止まってしまって…」
「早く戻るように伝えろ。」
「はい。大地君、大地君。聞こえる?」
言われなくても聞こえている。
だが、目の前には、あのロボットがいる。
相手が、銃に手をかけた。
「明里、あれは敵の新型だ!」
「大地君、早く戻りなさい!」
そして、自分に銃口を向けた。
「大地!早く戻れ!!」
雷人は、明里の交信機を奪って、叫んだ。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
深淵の星々
Semper Supra
SF
物語「深淵の星々」は、ケイロン-7という惑星を舞台にしたSFホラーの大作です。物語は2998年、銀河系全体に広がる人類文明が、ケイロン-7で謎の異常現象に遭遇するところから始まります。科学者リサ・グレイソンと異星生物学者ジョナサン・クインが、この異常現象の謎を解明しようとする中で、影のような未知の脅威に直面します。
物語は、リサとジョナサンが影の源を探し出し、それを消し去るために命を懸けた戦いを描きます。彼らの犠牲によって影の脅威は消滅しますが、物語はそれで終わりません。ケイロン-7に潜む真の謎が明らかになり、この惑星自体が知的存在であることが示唆されます。
ケイロン-7の守護者たちが姿を現し、彼らが人類との共存を求めて接触を試みる中で、エミリー・カーペンター博士がその対話に挑みます。エミリーは、守護者たちが脅威ではなく、共に生きるための調和を求めていることを知り、人類がこの惑星で新たな未来を築くための道を模索することを決意します。
物語は、恐怖と希望、未知の存在との共存というテーマを描きながら、登場人物たちが絶望を乗り越え、未知の未来に向かって歩む姿を追います。エミリーたちは、ケイロン-7の守護者たちとの共存のために調和を探り、新たな挑戦と希望に満ちた未来を築こうとするところで物語は展開していきます。
ヒトの世界にて
ぽぽたむ
SF
「Astronaut Peace Hope Seek……それが貴方(お主)の名前なのよ?(なんじゃろ?)」
西暦2132年、人々は道徳のタガが外れた戦争をしていた。
その時代の技術を全て集めたロボットが作られたがそのロボットは戦争に出ること無く封印された。
そのロボットが目覚めると世界は中世時代の様なファンタジーの世界になっており……
SFとファンタジー、その他諸々をごった煮にした冒険物語になります。
ありきたりだけどあまりに混ぜすぎた世界観でのお話です。
どうぞお楽しみ下さい。
NPCが俺の嫁~リアルに連れ帰る為に攻略す~
ゆる弥
SF
親友に誘われたVRMMOゲーム現天獄《げんてんごく》というゲームの中で俺は運命の人を見つける。
それは現地人(NPC)だった。
その子にいい所を見せるべく活躍し、そして最終目標はゲームクリアの報酬による願い事をなんでも一つ叶えてくれるというもの。
「人が作ったVR空間のNPCと結婚なんて出来るわけねーだろ!?」
「誰が不可能だと決めたんだ!? 俺はネムさんと結婚すると決めた!」
こんなヤバいやつの話。
スタートレック クロノ・コルセアーズ
阿部敏丈
SF
第一次ボーグ侵攻、ウルフ359の戦いの直前、アルベルト・フォン・ハイゼンベルク中佐率いるクロノ・コルセアーズはハンソン提督に秘密任務を与えられる。
これはスタートレックの二次作品です。
今でも新作が続いている歴史の深いSFシリーズですが、自分のオリジナルキャラクターで話を作り本家で出てくるキャラクターを使わせて頂いています。
新版はモリソンというキャラクターをもう少し踏み込んで書きました。
もうダメだ。俺の人生詰んでいる。
静馬⭐︎GTR
SF
『私小説』と、『機動兵士』的小説がゴッチャになっている小説です。百話完結だけは、約束できます。
(アメブロ「なつかしゲームブック館」にて投稿されております)
宇宙戦艦三笠
武者走走九郎or大橋むつお
SF
ブンケン(横須賀文化研究部)は廃部と決定され、部室を軽音に明け渡すことになった。
黎明の横須賀港には静かに記念艦三笠が鎮座している。
奇跡の三毛猫が現れ、ブンケンと三笠の物語が始まろうとしている。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる