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結婚活動開始!
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女性の好みを優先してくれている。
「池崎さんはどうして、そんなに女性の扱いに慣れてるんですか?」
思わず聞いてしまった。
「ははは。慣れてるんですかね。これでも若い頃は、ワンマンだったんですよ。」
「へえ。」
「今の方には古臭いかもしれませんが、俺に付いて来い的な感じの事を言っていました。」
それはそれで、池崎さんなら素敵だと思うけど。年代的にそうだし。
「でも気づいたんです。それでは人は付いて来ない。大切なのは相手を思いやる気持ちなのだと。」
「素敵な考えです。」
そしてお酒が運ばれてきた。
「ワインでよかったですか?」
「はい。大丈夫です。」
むしろカクテルやビールよりワインの方がいいわ。
店員さんに注がれたワインは、ルビー色に光る。
「では、恭香さんとの出会いに、乾杯。」
ワイングラスが重なった小さな音が、私達の運命の始まりに思えた。
こんな人、二度と現れないと思う。
どうしよう。もう結婚の事聞いてもいいのかな。
でも、初デートで結婚の話をするなんて、いくら何でも早すぎないかな。
「恭香さんは、結婚しても仕事は続けられますか。」
私の悩みを察してか、池崎さんの方から話題を振ってくれた。
「は、はい。今の仕事は続けたいと思っています。」
「素晴らしい。僕は料理が趣味なので、結婚してもたまに料理は作れますよ。」
「まあ、料理を……」
「今の時代、料理の一つくらいできないと、女性と一緒にいれませんから。」
きっと、池崎さんの年代だったら、家事もしないと思うし、結婚したら女性は専業主婦になってほしいって考えるのだろうけど、彼が私を大切にしてくれている気持ちが伝わってくる。
それが嬉しい。
「池崎さん。こんな事言ったら女のくせに思うかもしれませんが、私と……」
「おっと。その先は僕に言わせて下さい。」
池崎さんが、私の手を取る。
「先ほど、あなたと一緒に歩いて確信しました。あなたとこれから一緒に生きていけると。」
「池崎さん。」
「ぜひ、僕と結婚を前提に付き合って下さい。」
「はいっ!」
素直に返事ができた。
私、この人とこれからの人生、歩むのね。
それからの時間は、夢のような時間で。
私はもう、池崎さんをみつめっぱなしだった。
料理を全て食べ終え、お会計も池崎さんがしてくれた。
そして帰り道を、一緒に歩いている時だった。
池崎さんが、私の手を握ってくれた。
「恭香さん、今夜はまだ時間がありますか?」
「ええ。あります。」
もちろん、未来の旦那様との時間だったら、いくらでもありますとも。
「この近くのホテルにあるbarがあるんですが、そこに行ってみますか。」
「はい、ぜひ。」
ホテルのbarなんて、すごいオシャレ。
やっぱりイケオジのチョイスは、すごいな。
ホテルに入り、barに着くと私達はカクテルを注文した。
「ワインを飲んでる恭香さんも素敵だけど、カクテルも似合う。」
「ふふふ。池崎さんって、誉めるのが上手なんですね。」
「誰にでもじゃありませんよ。相手が恭香さんだからです。」
私はそっと、池崎さんの肩にもたれかかった。
「何だか今日は、帰りたくないな。」
このまま池崎さんの優しさに包まれていたい。
すると池崎さんの手から、カチャッという音が聞こえた。
見ると部屋の鍵だ。
「ゆっくりしていきますか。」
「はい。」
さすがは準備がいい。
私達は見つめ合いながら、barを後にしエレベーターに乗った。
「恭香さん。」
池崎さんが私を見つめる。これは、キスの合図?
ゆっくりと池崎さんの顔が近づいてきて、私達の唇が重なった。
もうこのまま、どうなってしまってもいい。
部屋に着くと、私達はまた口づけを交わした。
どちらからともなく唇が重なって、ずっと離れない。
そうしているうちに、私の服は脱がされ、池崎さんも裸になった。
いつもはシャワーを浴びるのに、今日はそれすらも惜しい。
キスしたままベッドに入り、私達は一つに繋がった。
スローテンポな池崎さんの腰の動きが、私を夢の世界に連れて行ってくれる。
「池崎さんはどうして、そんなに女性の扱いに慣れてるんですか?」
思わず聞いてしまった。
「ははは。慣れてるんですかね。これでも若い頃は、ワンマンだったんですよ。」
「へえ。」
「今の方には古臭いかもしれませんが、俺に付いて来い的な感じの事を言っていました。」
それはそれで、池崎さんなら素敵だと思うけど。年代的にそうだし。
「でも気づいたんです。それでは人は付いて来ない。大切なのは相手を思いやる気持ちなのだと。」
「素敵な考えです。」
そしてお酒が運ばれてきた。
「ワインでよかったですか?」
「はい。大丈夫です。」
むしろカクテルやビールよりワインの方がいいわ。
店員さんに注がれたワインは、ルビー色に光る。
「では、恭香さんとの出会いに、乾杯。」
ワイングラスが重なった小さな音が、私達の運命の始まりに思えた。
こんな人、二度と現れないと思う。
どうしよう。もう結婚の事聞いてもいいのかな。
でも、初デートで結婚の話をするなんて、いくら何でも早すぎないかな。
「恭香さんは、結婚しても仕事は続けられますか。」
私の悩みを察してか、池崎さんの方から話題を振ってくれた。
「は、はい。今の仕事は続けたいと思っています。」
「素晴らしい。僕は料理が趣味なので、結婚してもたまに料理は作れますよ。」
「まあ、料理を……」
「今の時代、料理の一つくらいできないと、女性と一緒にいれませんから。」
きっと、池崎さんの年代だったら、家事もしないと思うし、結婚したら女性は専業主婦になってほしいって考えるのだろうけど、彼が私を大切にしてくれている気持ちが伝わってくる。
それが嬉しい。
「池崎さん。こんな事言ったら女のくせに思うかもしれませんが、私と……」
「おっと。その先は僕に言わせて下さい。」
池崎さんが、私の手を取る。
「先ほど、あなたと一緒に歩いて確信しました。あなたとこれから一緒に生きていけると。」
「池崎さん。」
「ぜひ、僕と結婚を前提に付き合って下さい。」
「はいっ!」
素直に返事ができた。
私、この人とこれからの人生、歩むのね。
それからの時間は、夢のような時間で。
私はもう、池崎さんをみつめっぱなしだった。
料理を全て食べ終え、お会計も池崎さんがしてくれた。
そして帰り道を、一緒に歩いている時だった。
池崎さんが、私の手を握ってくれた。
「恭香さん、今夜はまだ時間がありますか?」
「ええ。あります。」
もちろん、未来の旦那様との時間だったら、いくらでもありますとも。
「この近くのホテルにあるbarがあるんですが、そこに行ってみますか。」
「はい、ぜひ。」
ホテルのbarなんて、すごいオシャレ。
やっぱりイケオジのチョイスは、すごいな。
ホテルに入り、barに着くと私達はカクテルを注文した。
「ワインを飲んでる恭香さんも素敵だけど、カクテルも似合う。」
「ふふふ。池崎さんって、誉めるのが上手なんですね。」
「誰にでもじゃありませんよ。相手が恭香さんだからです。」
私はそっと、池崎さんの肩にもたれかかった。
「何だか今日は、帰りたくないな。」
このまま池崎さんの優しさに包まれていたい。
すると池崎さんの手から、カチャッという音が聞こえた。
見ると部屋の鍵だ。
「ゆっくりしていきますか。」
「はい。」
さすがは準備がいい。
私達は見つめ合いながら、barを後にしエレベーターに乗った。
「恭香さん。」
池崎さんが私を見つめる。これは、キスの合図?
ゆっくりと池崎さんの顔が近づいてきて、私達の唇が重なった。
もうこのまま、どうなってしまってもいい。
部屋に着くと、私達はまた口づけを交わした。
どちらからともなく唇が重なって、ずっと離れない。
そうしているうちに、私の服は脱がされ、池崎さんも裸になった。
いつもはシャワーを浴びるのに、今日はそれすらも惜しい。
キスしたままベッドに入り、私達は一つに繋がった。
スローテンポな池崎さんの腰の動きが、私を夢の世界に連れて行ってくれる。
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