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釣り合わない
②
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「落ち着いて。私は大丈夫だから。」
アムジャドは、片手で私を抱き寄せた。
「ごめん。チナに寂しい思いをさせたくないんだ。」
「うん。解ってる。でも焦らずに、一つ一つ乗り越えていきましょう。」
するとアムジャドは、クスッと笑った。
「チナの方が年下なのに、僕の方が励まされている。」
「励ますのに、年齢なんて関係ないわよ。」
額にキスを落とされて幸せに浸っていると、側にいた女中の人達がキャーキャー言っていた。
「さすが、皇太子様の選んだお方。未来の王妃に相応しい方だわ。」
「ちょっと!」
「なあに?日本人だからダメだって言うの?私はいいなぁって思うわ。だって皇太子様、日本が好きだもの。」
私は嬉しくなって、その人達に近づいた。
「ありがとう。」
お礼を言うと彼女達の瞳はキラキラしていた。
「私、絶対王妃様付きの女中に立候補します。」
「やだ、私も!」
「私もよ!」
少なくてもここにいる人達には、私は受け入れられているようだ。
「あっ……」
「あらら……」
勝手に涙が溢れてきた。
「未来の王妃、泣かないで下さい。」
「ううん。泣いてしまう程嬉しいの。皆に歓迎されている事が。」
するとアムジャドが私の涙を拭ってくれた。
「皆、この者はチナと言うのだ。宜しく頼む。」
「チナ様!私達の方こそ、宜しくお願いします。」
みんな、初対面の私に頭を下げてくれる。
私は改めて、嬉しくなった。
「こちらこそ。」
私は何度も何度も頭を下げた。
日本人の私を、迎えてくれてありがとう。
そしてイマードさんが現れた。
「アムジャド皇太子、チナ様。昼食会のご準備が整いました。」
「分かった。」
心なしか、アムジャドも緊張しているように見えた。
「昼食会って、誰が来るの?」
「普段は父の友人とか、親戚とかが多いよ。でも今日は誰が来るのだろう。親戚も来ていないし。父の友人が訪ねて来ているとも知らされていない。」
アムジャドの難しい表情に、私も不安になる。
「まあいい。どんな相手が来たって、僕はチナとの結婚を父王に認めて貰う。」
「うん。」
そして私達は、イマードさんと共に、昼食会の会場へと足を運んだ。
「アムジャド皇太子は、この席へ。チナ様は隣にお座り下さい。」
「なぜチナは向かい側の席ではないのだ。」
「アムジャド皇太子の隣の席がよろしいかと思いまして。」
椅子を引かれ、私はその通りにアムジャドの隣の席へ。
「向かい側の席に座るのが、そんなに意味のある事なの?」
私はアムジャドに尋ねた。
「ああ。普段はパートナーが座る席だ。」
私の胸に不安が過る。
という事は、私はアムジャドのパートナーではないと言う事?
そしてアムジャドのお父さんが登場した。
「待たせたか。」
「いえ。我々も今、来たところです。」
そしてお父さんの後ろを見て、身体が凍り付いた。
ジャミレトさんが、家族らしき人を連れて、やって来たからだ。
「ジャミレト様、こちらへ。」
正に座った席は、アムジャドの向かい側の席。
「これは一体!?」
アムジャドは立ち上がった。
「何を驚いている。ジャミレトはおまえの婚約者だろ。」
お父さんの言葉に、唇を噛み締めるアムジャドがいた。
「アムジャド皇太子。どうかお座り下さい。」
ジャミレトさんのお父さんに促され、アムジャドは仕方なさそうに席へ座った。
「さあ、今日はアムジャドとジャミレトの結婚を決める会だ。」
お父さんが優雅に両手を広げる。
「それと併せて、東洋の花を妾妃に迎えるとは。我が息子ながらよくやった。」
えっ……妾妃?
やっぱり私達の結婚は、鼻から認められないの?
「待って下さい。」
アムジャドが、手を挙げた。
「この場を借りて、申し上げたい事があります。」
アムジャドは私を一緒に立ち上がらせた。
「僕はジャミレトとの婚約を破棄します。」
アムジャドは、片手で私を抱き寄せた。
「ごめん。チナに寂しい思いをさせたくないんだ。」
「うん。解ってる。でも焦らずに、一つ一つ乗り越えていきましょう。」
するとアムジャドは、クスッと笑った。
「チナの方が年下なのに、僕の方が励まされている。」
「励ますのに、年齢なんて関係ないわよ。」
額にキスを落とされて幸せに浸っていると、側にいた女中の人達がキャーキャー言っていた。
「さすが、皇太子様の選んだお方。未来の王妃に相応しい方だわ。」
「ちょっと!」
「なあに?日本人だからダメだって言うの?私はいいなぁって思うわ。だって皇太子様、日本が好きだもの。」
私は嬉しくなって、その人達に近づいた。
「ありがとう。」
お礼を言うと彼女達の瞳はキラキラしていた。
「私、絶対王妃様付きの女中に立候補します。」
「やだ、私も!」
「私もよ!」
少なくてもここにいる人達には、私は受け入れられているようだ。
「あっ……」
「あらら……」
勝手に涙が溢れてきた。
「未来の王妃、泣かないで下さい。」
「ううん。泣いてしまう程嬉しいの。皆に歓迎されている事が。」
するとアムジャドが私の涙を拭ってくれた。
「皆、この者はチナと言うのだ。宜しく頼む。」
「チナ様!私達の方こそ、宜しくお願いします。」
みんな、初対面の私に頭を下げてくれる。
私は改めて、嬉しくなった。
「こちらこそ。」
私は何度も何度も頭を下げた。
日本人の私を、迎えてくれてありがとう。
そしてイマードさんが現れた。
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「分かった。」
心なしか、アムジャドも緊張しているように見えた。
「昼食会って、誰が来るの?」
「普段は父の友人とか、親戚とかが多いよ。でも今日は誰が来るのだろう。親戚も来ていないし。父の友人が訪ねて来ているとも知らされていない。」
アムジャドの難しい表情に、私も不安になる。
「まあいい。どんな相手が来たって、僕はチナとの結婚を父王に認めて貰う。」
「うん。」
そして私達は、イマードさんと共に、昼食会の会場へと足を運んだ。
「アムジャド皇太子は、この席へ。チナ様は隣にお座り下さい。」
「なぜチナは向かい側の席ではないのだ。」
「アムジャド皇太子の隣の席がよろしいかと思いまして。」
椅子を引かれ、私はその通りにアムジャドの隣の席へ。
「向かい側の席に座るのが、そんなに意味のある事なの?」
私はアムジャドに尋ねた。
「ああ。普段はパートナーが座る席だ。」
私の胸に不安が過る。
という事は、私はアムジャドのパートナーではないと言う事?
そしてアムジャドのお父さんが登場した。
「待たせたか。」
「いえ。我々も今、来たところです。」
そしてお父さんの後ろを見て、身体が凍り付いた。
ジャミレトさんが、家族らしき人を連れて、やって来たからだ。
「ジャミレト様、こちらへ。」
正に座った席は、アムジャドの向かい側の席。
「これは一体!?」
アムジャドは立ち上がった。
「何を驚いている。ジャミレトはおまえの婚約者だろ。」
お父さんの言葉に、唇を噛み締めるアムジャドがいた。
「アムジャド皇太子。どうかお座り下さい。」
ジャミレトさんのお父さんに促され、アムジャドは仕方なさそうに席へ座った。
「さあ、今日はアムジャドとジャミレトの結婚を決める会だ。」
お父さんが優雅に両手を広げる。
「それと併せて、東洋の花を妾妃に迎えるとは。我が息子ながらよくやった。」
えっ……妾妃?
やっぱり私達の結婚は、鼻から認められないの?
「待って下さい。」
アムジャドが、手を挙げた。
「この場を借りて、申し上げたい事があります。」
アムジャドは私を一緒に立ち上がらせた。
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