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婚約者
③
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「それがどうした?」
「結婚できないと言うのに、ここまで惚れさせるのは、罪深い事です。」
胸が痛くなった。
結婚できない?どういう事?
アムジャドは、ずっと一緒にいるって、側から離れないでくれって言ってくれたのに。
「結婚はする。チナは、俺の未来の花嫁だ。」
ジャミレトさんは、ちらっとアムジャドを見ると、また私をじーっと見た。
「あなたも、同じように思っているの?」
「えっ?」
何て答えればいいの?
結婚!?アムジャドと!?
急に国際結婚の話?
「チナ。正直に答えてくれ。」
「アムジャド……」
アムジャドに繋がれた手が、彼のぬくもりを伝えてくれる。
「ジャミレトさん。私まだ学生で、今は勉強しか考えられないけれど……」
でも、ずっと遠くにある未来の中でも、アムジャドと一緒にいたい。
「……私の身にどんな世界が迷い込んだとしても、アムジャドと一緒にそれを乗り越えたいと、思っています。」
「回りくどいいい方ね。それは、将来アムジャド様と結婚したいって言う事?」
「はい!」
自信を持って言った。
私はアムジャドの為に、強くなるんだから。
「そう。お互い、結婚したいと思っているのね。」
「ああ、そうだ。」
繋いだ手が熱くなって、アムジャドを見ると、顔がほんの少し赤くなっていた。
「では、私はどうなるのでしょう。アムジャド様。」
アムジャドとジャミレトさんは、見つめ合った。
「君には申し訳ないが、婚約を破棄したい。」
私は、目を大きくした。
「婚約!?」
アムジャドと結婚を約束しているの?
「そうよ。私がアムジャド様の婚約者よ。お互いの家が認めるね。」
「そんな……」
血の気が引いていくような気がした。
お互いの家が認めている婚約者だなんて、どう考えても、私に勝てる訳ないじゃない。
「チナ……違うんだ。」
「何が違うと言うの?」
「彼女は、親が決めた婚約者だ。僕が選んだ訳じゃない。」
「それでも!」
私の頭の中は、もうグチャグチャだった。
「アムジャドのご両親は、ジャミレトさんがいる限り、私を受け入れてくれないわ!」
「チナ!」
大きな声を出したアムジャドは、頭を押さえた。
それをジャミレトさんが、支える。
「チナさん。あまりアムジャド様を興奮させないでくれる?」
「あっ……」
「そう言うところが、あなたが選ばれない理由なのよ。」
その言葉が胸にグサッと刺さって、私は病室を出て行った。
「チナ!チナ!!」
後ろから、アムジャドの呼ぶ声が聞こえる。
ごめんなさい、アムジャド。
私、強くなるって、誓ったのに。
廊下を茫然と歩いて、2階の待合室に座っていると、目の前にイマードさんが現れた。
「……何ですか?また説教ですか?」
「いいえ。あなたが戻って来ないと、アムジャド様が落ち着いて下さらないんですよ。ここは一旦、病室に戻ってくれますか?」
「私じゃなくても、ジャミレトさんがいるわ。」
「アムジャド様も言ったでしょう。ジャミレト様は、親が決めた婚約者だと。」
胸が苦しくなる。
「今は……放っておいてください。」
「はぁー。またですか。」
イマードさんのその呆れた言葉に、私は彼を睨みつけた。
「だからジャミレト様にも、隙をつかれるんですよ。」
「悪かったわね。」
「ここで自分を抑えて、アムジャド様の元に戻られないのなら、あなたやっぱり、恋人失格だ。」
私は立ち上がった。
「分かったわよ。行くわよ。」
「まずは、あなたが落ち着いてからですね。」
そう言ってイマードさんは、病室に向かって行ってしまった。
頭にくる。
でも、イマードさんの言う通りだ。
きっとアムジャドは、社長さんや御曹司さんとか呼ばれる人達の中でも、上の人なんだわ。
そうでなければ、親が婚約者を決めるだなんて、有り得ないもの。
そんなアムジャドを、今の私のままで、支える事ができる?
ううん。支える事なんてできない。
もっともっと、強くならなきゃ。
「よし!何を言われても、受けて立ってやろうじゃないの。」
「結婚できないと言うのに、ここまで惚れさせるのは、罪深い事です。」
胸が痛くなった。
結婚できない?どういう事?
アムジャドは、ずっと一緒にいるって、側から離れないでくれって言ってくれたのに。
「結婚はする。チナは、俺の未来の花嫁だ。」
ジャミレトさんは、ちらっとアムジャドを見ると、また私をじーっと見た。
「あなたも、同じように思っているの?」
「えっ?」
何て答えればいいの?
結婚!?アムジャドと!?
急に国際結婚の話?
「チナ。正直に答えてくれ。」
「アムジャド……」
アムジャドに繋がれた手が、彼のぬくもりを伝えてくれる。
「ジャミレトさん。私まだ学生で、今は勉強しか考えられないけれど……」
でも、ずっと遠くにある未来の中でも、アムジャドと一緒にいたい。
「……私の身にどんな世界が迷い込んだとしても、アムジャドと一緒にそれを乗り越えたいと、思っています。」
「回りくどいいい方ね。それは、将来アムジャド様と結婚したいって言う事?」
「はい!」
自信を持って言った。
私はアムジャドの為に、強くなるんだから。
「そう。お互い、結婚したいと思っているのね。」
「ああ、そうだ。」
繋いだ手が熱くなって、アムジャドを見ると、顔がほんの少し赤くなっていた。
「では、私はどうなるのでしょう。アムジャド様。」
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私は、目を大きくした。
「婚約!?」
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「そんな……」
血の気が引いていくような気がした。
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「チナ……違うんだ。」
「何が違うと言うの?」
「彼女は、親が決めた婚約者だ。僕が選んだ訳じゃない。」
「それでも!」
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「アムジャドのご両親は、ジャミレトさんがいる限り、私を受け入れてくれないわ!」
「チナ!」
大きな声を出したアムジャドは、頭を押さえた。
それをジャミレトさんが、支える。
「チナさん。あまりアムジャド様を興奮させないでくれる?」
「あっ……」
「そう言うところが、あなたが選ばれない理由なのよ。」
その言葉が胸にグサッと刺さって、私は病室を出て行った。
「チナ!チナ!!」
後ろから、アムジャドの呼ぶ声が聞こえる。
ごめんなさい、アムジャド。
私、強くなるって、誓ったのに。
廊下を茫然と歩いて、2階の待合室に座っていると、目の前にイマードさんが現れた。
「……何ですか?また説教ですか?」
「いいえ。あなたが戻って来ないと、アムジャド様が落ち着いて下さらないんですよ。ここは一旦、病室に戻ってくれますか?」
「私じゃなくても、ジャミレトさんがいるわ。」
「アムジャド様も言ったでしょう。ジャミレト様は、親が決めた婚約者だと。」
胸が苦しくなる。
「今は……放っておいてください。」
「はぁー。またですか。」
イマードさんのその呆れた言葉に、私は彼を睨みつけた。
「だからジャミレト様にも、隙をつかれるんですよ。」
「悪かったわね。」
「ここで自分を抑えて、アムジャド様の元に戻られないのなら、あなたやっぱり、恋人失格だ。」
私は立ち上がった。
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「まずは、あなたが落ち着いてからですね。」
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頭にくる。
でも、イマードさんの言う通りだ。
きっとアムジャドは、社長さんや御曹司さんとか呼ばれる人達の中でも、上の人なんだわ。
そうでなければ、親が婚約者を決めるだなんて、有り得ないもの。
そんなアムジャドを、今の私のままで、支える事ができる?
ううん。支える事なんてできない。
もっともっと、強くならなきゃ。
「よし!何を言われても、受けて立ってやろうじゃないの。」
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