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第六章-朔日-
第6章 第89話
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「『ユゴスキノコ』は、種としての違いが人類とは大きすぎるのです。個体単位で活動出来る知的生命体である、程度の共通点しかありません。それに比べて『古の支配者』は外見はともかく生活の形態などは遥かに人類に近いのですが……まあ、それは置いておきまして、『ユゴスキノコ』もそれなりに人類を研究していますが、社会としての概略はともかく、個人の何たるかはまるで分かっていないようです。その上で、操り人形というのは言い得て妙ですが、そのやり方はどうもあまりよくない、その事は理解出来たようで、最近になってやり方を変えてきたそうです。最近と言っても、昨日今日ではなく、産業革命以前の話だそうですが……『元君』が生誕されたのも、その頃だと聞いています。人類の活動が爆発的に活発になった時期、と考えて良いでしょう」
モーセスの言葉は、説法をする時のような落ち着きを取りもどしている。
「『ユゴスキノコ』は、実の所世界中に拠点を持っています。ですから、いつ、どこでそのやり方が開発されたのかは拙僧も分からないのですが、彼らは新しい方法を、この『都』にも導入しました」
――世界中に拠点、って――
――そっちの方が問題じゃない?――
顔を見合わせこそしないが、ユモも雪風も、同じ事を思う。
「考え方は単純です。脳を抜いた肉体に、別の脳をあてがう。それだけの事です」
「……って、え?」
「別の、脳?」
「それは、技術的には大変興味深いですが、ありていに言って別人になってしまうのでは?」
オーガストが、軍医としての興味と職業意識からだろう、質問をする。
「他人の脳をもってくるのであれば、そうでしょう。しかし、本人の脳のコピーであるならば?」
「あ!」
ユモと雪風は、同時に声を上げ、同時にモーセスを指差す。
その意図を汲み、頷く。
「そうです。拙僧も、そうなのです」
「どこで、どのようにしてそれを手に入れ、手懐けたのかは拙僧も知りません。もしかしたら、この『都』が発祥なのかも知れませんが、『ユゴスキノコ』はそれについて発表していませんし、拙僧から聞く事も、残念ながら立場上出来かねます。ですが、それは今はどうでもよいことです。大事なのは、『ユゴスキノコ』が、『奉仕種族』の組織から脳を作り出し、人の体に移植し活動させる技術を手にしたという事です」
「待って。ちょっと待って」
「今、『奉仕種族』って言いました?」
さすがに、ユモと雪風が突っ込む。
「あんた、何かって言うと自分の事『奉仕種族』って言うから、そこはスルーしてたけど、え?」
「モーセスさん以外にも、『奉仕種族』の脳を持っている人が居るって事ですか?」
「まあ、先に伺った話から、ケシュカル少年をはじめとする死体の再生に『奉仕種族』の組織が使われているというお話しでしたから、あっても不思議はない理屈ですが」
論理的に、ニーマントが切り返す。
「つまり、その『ユゴスキノコ』、『ミ=ゴ』は、脳のコピーを量産する方法を持っている、という事ですか?」
オーガストが、微妙に期待に満ちた目で、モーセスに聞く。
「量産と言うのかどうか、それは分かりませんが。作り出す方法を持っている、というのは確かです……『奉仕種族』の組織から分化した『奉仕種族の脳』を。先にお話ししましたとおり、拙僧の脳そのものも、そうです」
「ああ……」
二つ三つ先読みしたのだろう、オーガストが少し落胆した声を出す。
「それですと、『奉仕種族』を手元に置かない限り、量産は難しいですね」
「……オーガストさん、なんかとんでもないこと考えてました?」
「いえ、障害を負った兵士の治療に役立てば、と思ったまでですが」
「……まあ、それならいいですけど」
「往々にして手に余る技術は暴走するから、用心すべきよね」
オーガストに突っ込んだ雪風の意を汲んで、ユモが付け足す。
「人助けの為であれば、拙僧も協力を惜しまないところですが」
やや苦笑気味に微笑みつつ、モーセスが話しを引き取る。
「とにかく、真理を求める者は己の脳を肉体から切り離し、残った肉体には本人の人格をコピーした脳をあてがい、『都』の運営を行う。『同胞団』の高位の構成員は、現在、ほぼこのような者で占められております」
「うわ」
「マジ?」
「ほう?」
「なるほど、それは興味深い」
四者四様に、返事が返ってくる。
「この『都』においては、木綿の外套を着たものは下働き、白い絹の外套を着たものは上位の同胞団員だと聞いた覚えがあります。それ以外の、我々のような雑多な服装の者はほとんどの場合で来訪者であり、同胞団に属していないか、属するに値するかを見定めている最中である、とも。つまり、絹の外套を来ている方は、全て、そのような者である、という事でしょうか?」
ニーマントが、モーセスに確認する。
「絹の外套を着る同胞団員のうち、金糸銀糸による縫い取りのある外套を着る者、がこれに当たります。縫い取りのない外套を着る者は、まだその段階にはないと同胞団が評価、判断しているのです」
「なるほど、それで合点がいきました」
あくまで冷静なニーマントの声が、モーセスの答えを吟味する。
「私は、人間が持つところの視覚や嗅覚、触覚を持ちません。その代わりに、万物の発する放射閃によって周囲を観ています。御存知でしたか?」
ニーマントは、モーセスに聞き返し、ユモは、それを止めない。
モーセスは、首を横に振る。
「存じ上げませんでした。そもそも、拙僧はその、『おど』なるものをよく存じません」
「これは失礼。長くなるので端折りますが、生きとし生けるものが発する、そのもの固有の波長と思ってください。私以外では、程度の差はありますがユモさんにも観えているはずですし、ユキカゼさんも感覚としてはある程度感じていらっしゃるはずです」
言われて、ユモと雪風はモーセスに頷いてみせる。
「その上で、私は、この『都』の住人の一部が、似た波長の放射閃を発していることに気付いていました。裏付けが得られないので公にはしていませんでしたが」
「……あんたね」
「だから、ニーマントさん、そういうところ」
「今のミスタ・グースのお話で、その半分程度には裏付けがつきました。しかし……」
ユモと雪風が呈した苦言をものともせず言葉を続けたニーマントは、一拍、間を置いてから、モーセスに聞く。
「先ほどミスタ・グースがおっしゃった、木綿の外套を着る者達。彼らもまた、似た波長の放射閃を持つ事の裏付けが得られていません。ミスタ・グース、御存知であれば、教えていただけませんか?」
「……脱帽です」
モーセスは、頭を垂れる。
「そこまで見抜いていらしたとは」
「まあ、確かに気になってはいたけど」
ユモも、尻馬に乗る。
「こういう宗教施設って、思考が単純化して画一化することが多いから、あんまり気にしてなかったけど」
「どっちかっていうと、下働きの人達にまるで生気が感じられなかった方が気になってたんですけどね」
雪風も言って、ユモと目を合わせる。
「つまりそれって、下働きの人達も……って事です?」
「その通りです」
雪風の問いに、モーセスは頷いて答える。
「ただし、下働きの者達は、宇宙的深淵の英智を求めてそうなったわけではありません。信仰と貧困によるもの、と言えるでしょう」
「えっと……」
「ごめん、よくわかんない」
雪風とユモは、即座にギブアップする。
「これは、拙僧が『都』に入るよりかなり以前から行われていたそうです……ユモさん、ユキさん、鳥葬については、覚えてらっしゃいますね?」
聞かれて、ユモと雪風は、頷く、苦い顔で。
「他の文化圏から見れば、鳥葬は残虐で怖ろしい行為として見える、それはイギリス人であったオリジナルの人格を引き継ぐ拙僧にも分かります。ですが同時に、鳥葬はチベットにおいては神聖であり……重労働で、そして高価なのです」
「……へ?」
意外な一言に、ユモと雪風は気の抜けた相槌を打ってしまう。
「為に。ナルブ閣下の治めるこの地域は比較的裕福ですからともかく、この周辺や、離れた所に点在する集落、あるいはそれこそケシュカル君の生家のように孤立した住居などでは、僧侶を呼ぶにも葬儀を行うにも先立つものが無い、そんな事もままあります。そのような事情を持つ御遺体の受け皿としても、『都』は機能しているのです」
一旦言葉を切り、モーセスは一同を見まわす。
「先に申し上げておきますが、拙僧自身は、これからお話しする事を、必ずしも全てを是とは思っておりません。しかし、長年の慣習でもあり、拙僧以外の『都』の僧侶の総意としては肯定的でありますれば、拙僧一人が異を唱えるものではない、そう思っています」
「つまり、後ろ暗いところがある、って事ね?」
ユモが、突っ込む。
「世の中、タダより高いものはないって、お婆ちゃんよく言ってるわ」
「真理だわね、それ」
雪風の感想に、ユモも同意する。
「後ろ暗いと言えば、そうかも知れません」
モーセスも、苦笑気味に、言う。
「御遺体を、ただ働きさせていると言っても良いのですから」
モーセスの言葉は、説法をする時のような落ち着きを取りもどしている。
「『ユゴスキノコ』は、実の所世界中に拠点を持っています。ですから、いつ、どこでそのやり方が開発されたのかは拙僧も分からないのですが、彼らは新しい方法を、この『都』にも導入しました」
――世界中に拠点、って――
――そっちの方が問題じゃない?――
顔を見合わせこそしないが、ユモも雪風も、同じ事を思う。
「考え方は単純です。脳を抜いた肉体に、別の脳をあてがう。それだけの事です」
「……って、え?」
「別の、脳?」
「それは、技術的には大変興味深いですが、ありていに言って別人になってしまうのでは?」
オーガストが、軍医としての興味と職業意識からだろう、質問をする。
「他人の脳をもってくるのであれば、そうでしょう。しかし、本人の脳のコピーであるならば?」
「あ!」
ユモと雪風は、同時に声を上げ、同時にモーセスを指差す。
その意図を汲み、頷く。
「そうです。拙僧も、そうなのです」
「どこで、どのようにしてそれを手に入れ、手懐けたのかは拙僧も知りません。もしかしたら、この『都』が発祥なのかも知れませんが、『ユゴスキノコ』はそれについて発表していませんし、拙僧から聞く事も、残念ながら立場上出来かねます。ですが、それは今はどうでもよいことです。大事なのは、『ユゴスキノコ』が、『奉仕種族』の組織から脳を作り出し、人の体に移植し活動させる技術を手にしたという事です」
「待って。ちょっと待って」
「今、『奉仕種族』って言いました?」
さすがに、ユモと雪風が突っ込む。
「あんた、何かって言うと自分の事『奉仕種族』って言うから、そこはスルーしてたけど、え?」
「モーセスさん以外にも、『奉仕種族』の脳を持っている人が居るって事ですか?」
「まあ、先に伺った話から、ケシュカル少年をはじめとする死体の再生に『奉仕種族』の組織が使われているというお話しでしたから、あっても不思議はない理屈ですが」
論理的に、ニーマントが切り返す。
「つまり、その『ユゴスキノコ』、『ミ=ゴ』は、脳のコピーを量産する方法を持っている、という事ですか?」
オーガストが、微妙に期待に満ちた目で、モーセスに聞く。
「量産と言うのかどうか、それは分かりませんが。作り出す方法を持っている、というのは確かです……『奉仕種族』の組織から分化した『奉仕種族の脳』を。先にお話ししましたとおり、拙僧の脳そのものも、そうです」
「ああ……」
二つ三つ先読みしたのだろう、オーガストが少し落胆した声を出す。
「それですと、『奉仕種族』を手元に置かない限り、量産は難しいですね」
「……オーガストさん、なんかとんでもないこと考えてました?」
「いえ、障害を負った兵士の治療に役立てば、と思ったまでですが」
「……まあ、それならいいですけど」
「往々にして手に余る技術は暴走するから、用心すべきよね」
オーガストに突っ込んだ雪風の意を汲んで、ユモが付け足す。
「人助けの為であれば、拙僧も協力を惜しまないところですが」
やや苦笑気味に微笑みつつ、モーセスが話しを引き取る。
「とにかく、真理を求める者は己の脳を肉体から切り離し、残った肉体には本人の人格をコピーした脳をあてがい、『都』の運営を行う。『同胞団』の高位の構成員は、現在、ほぼこのような者で占められております」
「うわ」
「マジ?」
「ほう?」
「なるほど、それは興味深い」
四者四様に、返事が返ってくる。
「この『都』においては、木綿の外套を着たものは下働き、白い絹の外套を着たものは上位の同胞団員だと聞いた覚えがあります。それ以外の、我々のような雑多な服装の者はほとんどの場合で来訪者であり、同胞団に属していないか、属するに値するかを見定めている最中である、とも。つまり、絹の外套を来ている方は、全て、そのような者である、という事でしょうか?」
ニーマントが、モーセスに確認する。
「絹の外套を着る同胞団員のうち、金糸銀糸による縫い取りのある外套を着る者、がこれに当たります。縫い取りのない外套を着る者は、まだその段階にはないと同胞団が評価、判断しているのです」
「なるほど、それで合点がいきました」
あくまで冷静なニーマントの声が、モーセスの答えを吟味する。
「私は、人間が持つところの視覚や嗅覚、触覚を持ちません。その代わりに、万物の発する放射閃によって周囲を観ています。御存知でしたか?」
ニーマントは、モーセスに聞き返し、ユモは、それを止めない。
モーセスは、首を横に振る。
「存じ上げませんでした。そもそも、拙僧はその、『おど』なるものをよく存じません」
「これは失礼。長くなるので端折りますが、生きとし生けるものが発する、そのもの固有の波長と思ってください。私以外では、程度の差はありますがユモさんにも観えているはずですし、ユキカゼさんも感覚としてはある程度感じていらっしゃるはずです」
言われて、ユモと雪風はモーセスに頷いてみせる。
「その上で、私は、この『都』の住人の一部が、似た波長の放射閃を発していることに気付いていました。裏付けが得られないので公にはしていませんでしたが」
「……あんたね」
「だから、ニーマントさん、そういうところ」
「今のミスタ・グースのお話で、その半分程度には裏付けがつきました。しかし……」
ユモと雪風が呈した苦言をものともせず言葉を続けたニーマントは、一拍、間を置いてから、モーセスに聞く。
「先ほどミスタ・グースがおっしゃった、木綿の外套を着る者達。彼らもまた、似た波長の放射閃を持つ事の裏付けが得られていません。ミスタ・グース、御存知であれば、教えていただけませんか?」
「……脱帽です」
モーセスは、頭を垂れる。
「そこまで見抜いていらしたとは」
「まあ、確かに気になってはいたけど」
ユモも、尻馬に乗る。
「こういう宗教施設って、思考が単純化して画一化することが多いから、あんまり気にしてなかったけど」
「どっちかっていうと、下働きの人達にまるで生気が感じられなかった方が気になってたんですけどね」
雪風も言って、ユモと目を合わせる。
「つまりそれって、下働きの人達も……って事です?」
「その通りです」
雪風の問いに、モーセスは頷いて答える。
「ただし、下働きの者達は、宇宙的深淵の英智を求めてそうなったわけではありません。信仰と貧困によるもの、と言えるでしょう」
「えっと……」
「ごめん、よくわかんない」
雪風とユモは、即座にギブアップする。
「これは、拙僧が『都』に入るよりかなり以前から行われていたそうです……ユモさん、ユキさん、鳥葬については、覚えてらっしゃいますね?」
聞かれて、ユモと雪風は、頷く、苦い顔で。
「他の文化圏から見れば、鳥葬は残虐で怖ろしい行為として見える、それはイギリス人であったオリジナルの人格を引き継ぐ拙僧にも分かります。ですが同時に、鳥葬はチベットにおいては神聖であり……重労働で、そして高価なのです」
「……へ?」
意外な一言に、ユモと雪風は気の抜けた相槌を打ってしまう。
「為に。ナルブ閣下の治めるこの地域は比較的裕福ですからともかく、この周辺や、離れた所に点在する集落、あるいはそれこそケシュカル君の生家のように孤立した住居などでは、僧侶を呼ぶにも葬儀を行うにも先立つものが無い、そんな事もままあります。そのような事情を持つ御遺体の受け皿としても、『都』は機能しているのです」
一旦言葉を切り、モーセスは一同を見まわす。
「先に申し上げておきますが、拙僧自身は、これからお話しする事を、必ずしも全てを是とは思っておりません。しかし、長年の慣習でもあり、拙僧以外の『都』の僧侶の総意としては肯定的でありますれば、拙僧一人が異を唱えるものではない、そう思っています」
「つまり、後ろ暗いところがある、って事ね?」
ユモが、突っ込む。
「世の中、タダより高いものはないって、お婆ちゃんよく言ってるわ」
「真理だわね、それ」
雪風の感想に、ユモも同意する。
「後ろ暗いと言えば、そうかも知れません」
モーセスも、苦笑気味に、言う。
「御遺体を、ただ働きさせていると言っても良いのですから」
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