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第四章-月齢27.5-
第4章 第54話
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「神は、様々な奇跡を我らに示されました」
聖書に示されている奇跡の数々、拙僧はその全てを諳んじています。
「今も、その奇跡とやらを示しているのかしら?」
「神は、その嬰児を我らの前に使わし、その言葉を伝えました。今はその嬰児、イエス・キリストは神の御許に戻られ、最後の審判の日、再び我らの前に来臨され、神の救いという奇跡をお示しになります。今、神はあえて奇跡を示さず、我ら信者が善く生きるか否かを見極めていらっしゃる。今は、そのような時なのです」
「つまり、今は何もしていないのね?」
その物言いは、信徒として業腹ではありましたが、拙僧は努めてそれを表に出さないように心掛けました。
「我ら信者の行いを、見ていらっしゃるのです」
「ふうん……」
一呼吸ほどの間、告解室の小窓の向こうから、何かしらよからぬ雰囲気がしました。
「……じゃあ、貴方の神は、『外なる神』に対しては、何もする気がないという事かしら?」
「……何の事、ですか?」
拙僧は、その彼女の一言の意味を、その時は何一つ理解する事が出来ておりませんでした。
「あら、ごめんなさい。貴方の神、貴方の宗教は一神教、貴方の信奉する神以外は存在しない、だったかしら?」
「……もちろん我らの神は唯一絶対の存在です。しかしながら、異教徒には異教徒の神が有る事も、もちろん存じています」
拙僧は、慎重に答えました。
「なら、分かるでしょう?この世界には、いろんな神が居る。目に見えて、手で触れられる神も居る。今まさに、あなた達人間に、あるいは他の種族に、なんらかの恵みを与え、あるいは何らかの生け贄を要求している神も……」
「生け贄などと!」
拙僧は、思わず声を荒げました。
「そのような!いかがわしい、未開な宗教など……」
「それが未開でいかがわしいと、誰が何を基準に決めるのかしら?」
「それは……」
拙僧は、言葉を詰まらせました。我らが主イエス・キリストの言葉を聞かないものは不幸な事であり、だから我々宣教師が導かねばならない、そう答えるのは簡単でしたし、このような質問に対してはそう答えるのが常でもありました。もちろん、そのような質問をする異教徒に対し、貴方の宗教は低俗でいかがわしい、などと直接言うことは普通はしませんでしたが。
しかし、この時は、そう答えてはいけない、そう答えるべきではないと、何故か拙僧の中に押しとどめるものがあったのです。
「異なる神を信奉するものは殺せ。貴方達もかつてそうしてきた、そうでしょう?でもそれは、異なる神を信奉するものが居る、つまりは異なる神が存在する、その証左でもある。違うかしら?」
「……」
拙僧は、沈黙をもって答えました。
「そして、私にとって、私の愛する子供達が殺し合うのは、哀しいこと。私は、等しく全てのヒトを愛し、育み、祝福したい……これのどこが罪なのか、私には分からないのだけれど、貴方達は私のそれが罪だと言う。ねえ、教えて下さらない?一体、私の何が、罪だと言うのかしら?」
「それは……」
拙僧には、答えられませんでした。確かに、彼女の言うことは一面としては全く罪ではない、むしろ博愛主義、慈愛に満ちた言葉であると言えます。
しかし、全ての人を愛する、それこそは神の言葉、神の偉業に等しく、不遜であり、何なら、神と自分を同一視する、許されざる思い上がりである、そうも言えるのです。
そして……ああ、拙僧は気付きました。彼女は、宗教、宗派、信奉する神の違いを超えて、全ての人を愛する、そう言っているのだ、と。
「……あなたは、全ての人を愛するという、あなたは、一体……」
その時の拙僧は、その彼女の言葉に、並々ならぬ自信、いえ、確信を感じてもいました。
当たり前のように今までそれを行ってきて、これからも行い続けるという信念。
言うなれば、母が我が子に乳を含ませる、それと全く同等の、ごく自然であり、当たり前の行為としてそれを行ってきた、今も行い、これからも行うという矜持のようなもの。
拙僧は、簡単に言うならば、その母性に圧倒されていました。
「私は、私の子供達が喜び、昂ぶるのを見たいだけ、そうあって欲しいだけ。物事の道理をわきまえ、理解を深めて欲しいだけ……貴方に声をかけたのは、貴方ならそれが出来そうだと、私の声が届きそうだと、私の助けになりそうだと感じたから」
拙僧には、その時、視線の通らない小窓の向こう、壁の向こうの彼女の姿が見えた気がしました。
ビクトリア朝風の深紅のドレスを纏い、やはり深紅の大きな帽子を被り、その隙間からわずかに覗く黒耀のように黒い肌と、なまめかしい紅い唇を。
「これは、私の愛。でも、貴方達はこれを私の罪と呼ぶのでしょう?私は、貴方に知識を、新しい世界を、真の世界の姿を知って欲しいけれど、きっとそれこそが、貴方達が言う私の罪、悪魔の囁き。それでも」
彼女は、壁に頬を寄せ、呟くように、しかし熱く、言ったのです。
「貴方が真理を望むなら、北へ、ラサへ向かうと良いわ。ラサは出発点に過ぎないけれど……貴方の神の戒律を守り、ここでこのまま殻に閉じこもるか。あえて貴方達の『罪』を侵し、殻を破って『外なる神々の世界』を知るか……選んで。私のかわいい嬰児……」
彼女が既に立ち去っていたことを拙僧が知ったのは、優にそれから十分以上後のことでした。
その後、その日は一日、拙僧は仕事が手につきませんでした。さすがに司祭に見とがめられ、思い切って拙僧は昼間のその一件を司祭に打ち明けました。当たり前の事ですが、司祭は彼女を異教徒の邪悪な誘惑者と断定し、付近の教会にも回状を回す手配をすると共に、拙僧にも己の未熟さを恥じ、さらに精進するよう強く訓戒しました。拙僧ももっともなことだと思い、それからはより一層布教活動に励もうと思いを新たにしました。
しかし、です。布教活動の傍ら、拙僧は、他の宗教に関する情報収集、勉強にも力を入れるようになりました。彼女の言った『外なる神』『外なる神々の世界』と言う言葉が、頭の片隅にこびりついてしまっていたのです。とはいえ、他の宗教について理解を深める事は、布教の助けにもなりました。一神教であるキリスト教に対し、宗教学的には同じ系統と言えるイスラム教はともかく、このインドの地に根付くヒンドゥ教と仏教は多神教で、しかも複雑に互いに影響しあっており、なかなか理解の及ばない所があったからです。
拙僧は、一心不乱でありました。何故なら、我が主イエス・キリストの教えを広めることこそ世界に福音をもたらす唯一の方法だと信じていましたし、他の宗教について勉強すればするほど、異教では人は救済出来ないと思うようになっていましたから。そして何より、彼女の言った『外なる神』とは非キリスト的な神のことである、その時はそう信じていました。そしてある時、思ったのです。こうして布教活動の傍らに異教について勉強を進めるだけでは、所詮は生半可な知識しか得られない。もっと、深く異教を理解しなければ、正しく主の教えを広める事も出来ないのではないか、と。
その考えを司祭に相談したところ、最初は司祭は渋い顔をされていました。それはそうでしょう、配下の宣教師の一人が、形の上とはいえ異教徒の門を叩きに行く、そういう意味のことを言っているのですから。ですが、最終的には司祭は根負けして拙僧の提案を認めてくれました。必ず主の御許に戻り、研究の成果を生かすという約束を条件に。
インドの北方、ラサは、チベットの政治的中心であり、宗教的中心でもあります。拙僧は、ヒンディー語での日常会話には苦労はありませんでしたが、チベット語はこの時はまだ殆ど話せませんでした。そのチベット語と、途中必要になるであろうネパールやブータンの言葉を習いつつ、イギリス大使館から出国許可を得るのに半年、言葉の勉強を続けながらカトマンドゥに入ったのがその半年後。ヒマラヤを越えるのに半年、ラサに着くまでにさらに半年、ラサに落ち着き、西洋人でも受け入れてくれる寺院を見つけ、そこの沙弥に取り上げてもらうのにさらに一年。正式に僧になるのにさらに三年。異例の事だとは僧正様はおっしゃっていましたが、どうにか拙僧も、チベット密教の僧籍を得る事が出来たのです。
聖書に示されている奇跡の数々、拙僧はその全てを諳んじています。
「今も、その奇跡とやらを示しているのかしら?」
「神は、その嬰児を我らの前に使わし、その言葉を伝えました。今はその嬰児、イエス・キリストは神の御許に戻られ、最後の審判の日、再び我らの前に来臨され、神の救いという奇跡をお示しになります。今、神はあえて奇跡を示さず、我ら信者が善く生きるか否かを見極めていらっしゃる。今は、そのような時なのです」
「つまり、今は何もしていないのね?」
その物言いは、信徒として業腹ではありましたが、拙僧は努めてそれを表に出さないように心掛けました。
「我ら信者の行いを、見ていらっしゃるのです」
「ふうん……」
一呼吸ほどの間、告解室の小窓の向こうから、何かしらよからぬ雰囲気がしました。
「……じゃあ、貴方の神は、『外なる神』に対しては、何もする気がないという事かしら?」
「……何の事、ですか?」
拙僧は、その彼女の一言の意味を、その時は何一つ理解する事が出来ておりませんでした。
「あら、ごめんなさい。貴方の神、貴方の宗教は一神教、貴方の信奉する神以外は存在しない、だったかしら?」
「……もちろん我らの神は唯一絶対の存在です。しかしながら、異教徒には異教徒の神が有る事も、もちろん存じています」
拙僧は、慎重に答えました。
「なら、分かるでしょう?この世界には、いろんな神が居る。目に見えて、手で触れられる神も居る。今まさに、あなた達人間に、あるいは他の種族に、なんらかの恵みを与え、あるいは何らかの生け贄を要求している神も……」
「生け贄などと!」
拙僧は、思わず声を荒げました。
「そのような!いかがわしい、未開な宗教など……」
「それが未開でいかがわしいと、誰が何を基準に決めるのかしら?」
「それは……」
拙僧は、言葉を詰まらせました。我らが主イエス・キリストの言葉を聞かないものは不幸な事であり、だから我々宣教師が導かねばならない、そう答えるのは簡単でしたし、このような質問に対してはそう答えるのが常でもありました。もちろん、そのような質問をする異教徒に対し、貴方の宗教は低俗でいかがわしい、などと直接言うことは普通はしませんでしたが。
しかし、この時は、そう答えてはいけない、そう答えるべきではないと、何故か拙僧の中に押しとどめるものがあったのです。
「異なる神を信奉するものは殺せ。貴方達もかつてそうしてきた、そうでしょう?でもそれは、異なる神を信奉するものが居る、つまりは異なる神が存在する、その証左でもある。違うかしら?」
「……」
拙僧は、沈黙をもって答えました。
「そして、私にとって、私の愛する子供達が殺し合うのは、哀しいこと。私は、等しく全てのヒトを愛し、育み、祝福したい……これのどこが罪なのか、私には分からないのだけれど、貴方達は私のそれが罪だと言う。ねえ、教えて下さらない?一体、私の何が、罪だと言うのかしら?」
「それは……」
拙僧には、答えられませんでした。確かに、彼女の言うことは一面としては全く罪ではない、むしろ博愛主義、慈愛に満ちた言葉であると言えます。
しかし、全ての人を愛する、それこそは神の言葉、神の偉業に等しく、不遜であり、何なら、神と自分を同一視する、許されざる思い上がりである、そうも言えるのです。
そして……ああ、拙僧は気付きました。彼女は、宗教、宗派、信奉する神の違いを超えて、全ての人を愛する、そう言っているのだ、と。
「……あなたは、全ての人を愛するという、あなたは、一体……」
その時の拙僧は、その彼女の言葉に、並々ならぬ自信、いえ、確信を感じてもいました。
当たり前のように今までそれを行ってきて、これからも行い続けるという信念。
言うなれば、母が我が子に乳を含ませる、それと全く同等の、ごく自然であり、当たり前の行為としてそれを行ってきた、今も行い、これからも行うという矜持のようなもの。
拙僧は、簡単に言うならば、その母性に圧倒されていました。
「私は、私の子供達が喜び、昂ぶるのを見たいだけ、そうあって欲しいだけ。物事の道理をわきまえ、理解を深めて欲しいだけ……貴方に声をかけたのは、貴方ならそれが出来そうだと、私の声が届きそうだと、私の助けになりそうだと感じたから」
拙僧には、その時、視線の通らない小窓の向こう、壁の向こうの彼女の姿が見えた気がしました。
ビクトリア朝風の深紅のドレスを纏い、やはり深紅の大きな帽子を被り、その隙間からわずかに覗く黒耀のように黒い肌と、なまめかしい紅い唇を。
「これは、私の愛。でも、貴方達はこれを私の罪と呼ぶのでしょう?私は、貴方に知識を、新しい世界を、真の世界の姿を知って欲しいけれど、きっとそれこそが、貴方達が言う私の罪、悪魔の囁き。それでも」
彼女は、壁に頬を寄せ、呟くように、しかし熱く、言ったのです。
「貴方が真理を望むなら、北へ、ラサへ向かうと良いわ。ラサは出発点に過ぎないけれど……貴方の神の戒律を守り、ここでこのまま殻に閉じこもるか。あえて貴方達の『罪』を侵し、殻を破って『外なる神々の世界』を知るか……選んで。私のかわいい嬰児……」
彼女が既に立ち去っていたことを拙僧が知ったのは、優にそれから十分以上後のことでした。
その後、その日は一日、拙僧は仕事が手につきませんでした。さすがに司祭に見とがめられ、思い切って拙僧は昼間のその一件を司祭に打ち明けました。当たり前の事ですが、司祭は彼女を異教徒の邪悪な誘惑者と断定し、付近の教会にも回状を回す手配をすると共に、拙僧にも己の未熟さを恥じ、さらに精進するよう強く訓戒しました。拙僧ももっともなことだと思い、それからはより一層布教活動に励もうと思いを新たにしました。
しかし、です。布教活動の傍ら、拙僧は、他の宗教に関する情報収集、勉強にも力を入れるようになりました。彼女の言った『外なる神』『外なる神々の世界』と言う言葉が、頭の片隅にこびりついてしまっていたのです。とはいえ、他の宗教について理解を深める事は、布教の助けにもなりました。一神教であるキリスト教に対し、宗教学的には同じ系統と言えるイスラム教はともかく、このインドの地に根付くヒンドゥ教と仏教は多神教で、しかも複雑に互いに影響しあっており、なかなか理解の及ばない所があったからです。
拙僧は、一心不乱でありました。何故なら、我が主イエス・キリストの教えを広めることこそ世界に福音をもたらす唯一の方法だと信じていましたし、他の宗教について勉強すればするほど、異教では人は救済出来ないと思うようになっていましたから。そして何より、彼女の言った『外なる神』とは非キリスト的な神のことである、その時はそう信じていました。そしてある時、思ったのです。こうして布教活動の傍らに異教について勉強を進めるだけでは、所詮は生半可な知識しか得られない。もっと、深く異教を理解しなければ、正しく主の教えを広める事も出来ないのではないか、と。
その考えを司祭に相談したところ、最初は司祭は渋い顔をされていました。それはそうでしょう、配下の宣教師の一人が、形の上とはいえ異教徒の門を叩きに行く、そういう意味のことを言っているのですから。ですが、最終的には司祭は根負けして拙僧の提案を認めてくれました。必ず主の御許に戻り、研究の成果を生かすという約束を条件に。
インドの北方、ラサは、チベットの政治的中心であり、宗教的中心でもあります。拙僧は、ヒンディー語での日常会話には苦労はありませんでしたが、チベット語はこの時はまだ殆ど話せませんでした。そのチベット語と、途中必要になるであろうネパールやブータンの言葉を習いつつ、イギリス大使館から出国許可を得るのに半年、言葉の勉強を続けながらカトマンドゥに入ったのがその半年後。ヒマラヤを越えるのに半年、ラサに着くまでにさらに半年、ラサに落ち着き、西洋人でも受け入れてくれる寺院を見つけ、そこの沙弥に取り上げてもらうのにさらに一年。正式に僧になるのにさらに三年。異例の事だとは僧正様はおっしゃっていましたが、どうにか拙僧も、チベット密教の僧籍を得る事が出来たのです。
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