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第三章-月齢26.5-
第3章 第23話
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「あっちよ!」
乱暴にテントの入り口の横幕をまくり上げて、ユモは叫んだ。
出し抜けのその声にびくりとして、一斉に、雪風と、何事か雪風と相談していたらしい留守番二等兵を含む数名の当番兵が振り向く。
「えっと……」
展開について行けない兵達を代表して、留守番二等兵が口を開く。
「何が、どう……」
「見つけたのね?」
その留守番二等兵の言葉を遮って、雪風がユモに聞く。以心伝心、言葉を交わさなくても状況からユモが何を言いたいかは、雪風には伝わっている。
「ユモの銃剣です、待って、今方位測る」
雪風は、ペーター少尉の机を囲む当番兵達に一言言うと、机に広げられた地図の上に置かれていた軍用コンパスをひっつかんで小走りにユモの側に寄る。
「どっち?」
「あっち!」
「うーん……」
ユモの指差す方向とコンパスの方角を見比べ、
「方位百六十五度。わかった!」
雪風は、力強く言い放つと、小走りに机の、地図の傍に戻り、手に取った定規でユモが示した方角を地図上に現し、周りの兵に聞く。
「この方角!何かありません?」
「え?えーっと……」
「あの……」
まだイマイチ状況について行けていない留守番二等兵にかわり、昼食用意担当の当番二等兵がおずおずと雪風に聞く。
「……その、その方角ですが、どうやって……」
「ダウジングよ!」
いつの間にか机の横まで来ていたユモが、水晶玉のペンダントを手に持って、言う。
「こう見えてもあたしは古物商の娘よ、失せ物落とし物捜しから埋まってるお宝探しまで、あたしのダウジングは百発百中なんだから」
ウソは、言ってないよな。地図を見ながら、雪風は思う。ユモは、ウソは言っていない。古物商の娘なのは確かだ。ダウジングが百発百中である事も。ただ、その古物商の女店主が『月の魔女』で、ユモはその娘の『魔女見習い』だって事を言ってないだけ。
「それで?こっちの方になにか目印になるような物はあるの?」
「それが……」
当番二等兵が、重い口を開く。
「……この方向は、途中に我々の調査地の一つがあります。あなた方が保護された場所がそれですが、さらに先はこの土地の禁忌で、我々は立ち入りを禁じられています」
地図に示されたマーキングを指さしながら、当番二等兵が言う。宿営地から見て真南からわずかに西にずれた方向に調査地を示す赤鉛筆で描かれた丸があり、ユモと雪風が出現した地点もおおよそその円内にある。そこから今度は南南東に数キロ移動した地点に青鉛筆で描かれた丸があり、『Verbot』と殴り書きがしてある。『禁止』の意味だ。
「あたし達が現れた所の近くの谷筋を辿った所ね」
地図を読みながら、雪風が呟く。その谷は、宿営地の東にそびえるナムチャバルワ山の南麓に連なる山脈から出て、東北東から西南西に流れ下り、ヤルツァンポ河に合流する、おそらく流量はあまり多くない雪解け水主体の川筋に見えた。
「はい。なので、その谷筋を上ることは、我々は少尉から禁じられています」
「禁忌の土地って言ったわよね?」
地図から顔を上げて、ユモは当番二等兵に聞く。
「なにがどう禁忌なの?」
「詳しい事は聞いていません」
当番二等兵は首を横に振る。
「宗教的な何かであるらしい、とは伺っております。そのような他宗教の聖地的な何かであれば、我々キリスト教徒が土足で踏み込むのは互いに不幸をもたらすだろう、少尉はそうおっしゃって、我々にくれぐれもそこには行かないように釘を挿されました」
「宗教的な、何か……」
ユモは、顎に手を当てて考え込む。
「ありがちなとこだと墓場か、あるいは隠れ寺院的な何か、秘密の修行の場所、かな?」
雪風も、密教でありそうな可能性を脳裏に浮かべ、言う。
「……いいわ。行ってみりゃわかるもの。ユキ!」
「あいよ!」
自身を鼓舞するように呟いたユモはその勢いで雪風に声をかけ、雪風はユモの意思をくみ取って返事を返す。
「ちょ!ちょっと待って下さい!」
そのままテントを跳び出そうとした少女二人に、留守番二等兵が慌てて声をかける。
「まずいです!禁忌の場所で、行くなと少尉に言われて……」
「それは、あなた達のことでしょ?」
ユモが、振り向いて言う。
「あたし達には、関係ないわ」
「しかし……」
「傾聴!」
食い下がる留守番二等兵、及び当番二等兵を含むその他の兵士の耳を、凜としたユモの声が貫く。反射的に、兵達は直立不動になってしまう。
「これは、あんた達の失態を返上する為のものでもあるのよ?確かにあんた達がその場所に行くのはダメだろうけど、あたし達は親衛隊でも何でもないから問題無し、でしょ?。それに、その手の賊が潜むなら、これくらいおあつらえ向きな場所もないわ。だから、民間人のあたし達が追跡と威力偵察に行く。強奪された物も取り返したいところだけど、あたしの銃剣と少尉の書類はともかく化石は担いで戻るわけにいかなそうだし、そこはケースバイケースって事で。理解した?」
「は、はい」
上から目線の有無を言わさぬ口調で、ユモは兵達に畳み込む。
「早けりゃ昼過ぎ、遅くても今日中には少尉も戻ってくると思うわ。その時、あたしが言ったことをそっくりそのまま伝えなさい。それから後を追って来るも良し、待つもよし。三日してもあたし達が戻らなかったら、その時はあたし達の事はすっぱり忘れなさい……三日よね?」
ユモは、雪風に振り返って何事か確認する。
「まあ、猶予は三日ね。X-dayは四日後だから」
雪風の返事に、しかし兵達は要領を得ない。得ないが、畳みかけるユモの言葉には脊髄反射的に従ってしまう。
「そう言う事だから!すぐにでもあたし達は後を追うわ。きっと少尉さんはあたし達を追うだろうから、可能なら何か道しるべを置くようにするって伝えて。あくまで、可能なら、だけどね」
「は、はい!」
「あと!長丁場になりそうだから、食料を少し分けてもらえますか?装備も!」
言うが早いか跳び出しかねないユモの機先を制して、雪風は兵達に尋ねた。
「ライ麦パンが4斤、水筒四つ、ソーセージに、ジャガイモに……」
自分達に割り当てられたテントで、雪風は雑嚢と背嚢に用意してもらった食料――比較的日持ちするもの――を数えながら詰め込んでいる。
「なるたけ小さく包んでよ、あたし、あんまり背負えないわよ」
雪風の手元を見ながら、ユモがわがままを言う。
「わかってるわよ。おっきい荷物は、テントが見えなくなったら、あたしの背中に括り付けて。いくらあたしでも、獣の姿じゃ自分で出来ないから」
言うまでもなく、長距離移動は狼の姿になった雪風がユモと荷物を担いで走るのが最も効率がよい。しかし、その雪風に荷物を括り付けるのはユモの仕事である。
「……アレさえ完成してれば楽出来るに……」
ユモは、爪を噛む。
「そのアレも、あんたの銃剣とかも、きっちり取り返さなきゃね」
雑嚢に自分のガンベルトと弾薬――Gew71用弾薬は発掘隊のものをしこたま分けてもらった――を詰め込みながら、雪風が答える。どうせすぐ脱ぐことになるのだからと、雪風は最低限のもの以外は身につけず雑嚢に仕舞い込む。
「……ねえ、どう思う?」
低い声で、腕を組んだユモは雪風に問いかける。
「ペーター少尉殿の偽物の事?それとも、どうしていろんなもの盗み出したかって事?」
手を止めず振り向かず、雪風は問い返す。
「両方」
「兵隊さんがコロッと騙されるんだから、よっぽどそっくりさんだったって事よね?」
「一月どころじゃなく寝食を共にした士官さまよ?兵隊さん達がおいそれと見間違うと思う?」
「思わない」
「それが変装だとして、このチベットの、しかもこんな僻地でそれが可能だと思う?」
「無理ね。ハリウッドの特撮スタッフ連れてきたって、身長体格他諸々、CGでも使わなきゃごまかしようがないわ」
「CGがなんだか知らないけど、つまり、物理的には誰かが少尉さんになりすます事なんて不可能よね?でも、実際には兵隊さん達は見事に騙された」
「……言いたいこと分かってきた。実際、ママの友達にそういう『人を化かす』術が得意な人、居るわ」
雪風の答えに、我が意を得たりとユモは頷く。
「具体的にどうやったかはわからないけど。魔法か妖術か、とにかく賊はそういう『普通の変装』じゃない技を使った。だとすれば、あたしの銃剣や弾薬盒を持って行ったのも納得出来るわ」
「少尉殿の、鍵のかかった引き出しを開けたのも、ね。鍵開けの魔法か何か使えるなら、朝飯前ってか」
雑嚢のフラップを閉じて、ため息をついてから雪風はユモに振り向き、言う。
「面倒な相手ね。山羊女だけでも頭痛いのに……」
「山羊女の正体があんたの言うとおりなら、その辺まとめていずれ聞き出しましょ」
「そやね」
乱暴にテントの入り口の横幕をまくり上げて、ユモは叫んだ。
出し抜けのその声にびくりとして、一斉に、雪風と、何事か雪風と相談していたらしい留守番二等兵を含む数名の当番兵が振り向く。
「えっと……」
展開について行けない兵達を代表して、留守番二等兵が口を開く。
「何が、どう……」
「見つけたのね?」
その留守番二等兵の言葉を遮って、雪風がユモに聞く。以心伝心、言葉を交わさなくても状況からユモが何を言いたいかは、雪風には伝わっている。
「ユモの銃剣です、待って、今方位測る」
雪風は、ペーター少尉の机を囲む当番兵達に一言言うと、机に広げられた地図の上に置かれていた軍用コンパスをひっつかんで小走りにユモの側に寄る。
「どっち?」
「あっち!」
「うーん……」
ユモの指差す方向とコンパスの方角を見比べ、
「方位百六十五度。わかった!」
雪風は、力強く言い放つと、小走りに机の、地図の傍に戻り、手に取った定規でユモが示した方角を地図上に現し、周りの兵に聞く。
「この方角!何かありません?」
「え?えーっと……」
「あの……」
まだイマイチ状況について行けていない留守番二等兵にかわり、昼食用意担当の当番二等兵がおずおずと雪風に聞く。
「……その、その方角ですが、どうやって……」
「ダウジングよ!」
いつの間にか机の横まで来ていたユモが、水晶玉のペンダントを手に持って、言う。
「こう見えてもあたしは古物商の娘よ、失せ物落とし物捜しから埋まってるお宝探しまで、あたしのダウジングは百発百中なんだから」
ウソは、言ってないよな。地図を見ながら、雪風は思う。ユモは、ウソは言っていない。古物商の娘なのは確かだ。ダウジングが百発百中である事も。ただ、その古物商の女店主が『月の魔女』で、ユモはその娘の『魔女見習い』だって事を言ってないだけ。
「それで?こっちの方になにか目印になるような物はあるの?」
「それが……」
当番二等兵が、重い口を開く。
「……この方向は、途中に我々の調査地の一つがあります。あなた方が保護された場所がそれですが、さらに先はこの土地の禁忌で、我々は立ち入りを禁じられています」
地図に示されたマーキングを指さしながら、当番二等兵が言う。宿営地から見て真南からわずかに西にずれた方向に調査地を示す赤鉛筆で描かれた丸があり、ユモと雪風が出現した地点もおおよそその円内にある。そこから今度は南南東に数キロ移動した地点に青鉛筆で描かれた丸があり、『Verbot』と殴り書きがしてある。『禁止』の意味だ。
「あたし達が現れた所の近くの谷筋を辿った所ね」
地図を読みながら、雪風が呟く。その谷は、宿営地の東にそびえるナムチャバルワ山の南麓に連なる山脈から出て、東北東から西南西に流れ下り、ヤルツァンポ河に合流する、おそらく流量はあまり多くない雪解け水主体の川筋に見えた。
「はい。なので、その谷筋を上ることは、我々は少尉から禁じられています」
「禁忌の土地って言ったわよね?」
地図から顔を上げて、ユモは当番二等兵に聞く。
「なにがどう禁忌なの?」
「詳しい事は聞いていません」
当番二等兵は首を横に振る。
「宗教的な何かであるらしい、とは伺っております。そのような他宗教の聖地的な何かであれば、我々キリスト教徒が土足で踏み込むのは互いに不幸をもたらすだろう、少尉はそうおっしゃって、我々にくれぐれもそこには行かないように釘を挿されました」
「宗教的な、何か……」
ユモは、顎に手を当てて考え込む。
「ありがちなとこだと墓場か、あるいは隠れ寺院的な何か、秘密の修行の場所、かな?」
雪風も、密教でありそうな可能性を脳裏に浮かべ、言う。
「……いいわ。行ってみりゃわかるもの。ユキ!」
「あいよ!」
自身を鼓舞するように呟いたユモはその勢いで雪風に声をかけ、雪風はユモの意思をくみ取って返事を返す。
「ちょ!ちょっと待って下さい!」
そのままテントを跳び出そうとした少女二人に、留守番二等兵が慌てて声をかける。
「まずいです!禁忌の場所で、行くなと少尉に言われて……」
「それは、あなた達のことでしょ?」
ユモが、振り向いて言う。
「あたし達には、関係ないわ」
「しかし……」
「傾聴!」
食い下がる留守番二等兵、及び当番二等兵を含むその他の兵士の耳を、凜としたユモの声が貫く。反射的に、兵達は直立不動になってしまう。
「これは、あんた達の失態を返上する為のものでもあるのよ?確かにあんた達がその場所に行くのはダメだろうけど、あたし達は親衛隊でも何でもないから問題無し、でしょ?。それに、その手の賊が潜むなら、これくらいおあつらえ向きな場所もないわ。だから、民間人のあたし達が追跡と威力偵察に行く。強奪された物も取り返したいところだけど、あたしの銃剣と少尉の書類はともかく化石は担いで戻るわけにいかなそうだし、そこはケースバイケースって事で。理解した?」
「は、はい」
上から目線の有無を言わさぬ口調で、ユモは兵達に畳み込む。
「早けりゃ昼過ぎ、遅くても今日中には少尉も戻ってくると思うわ。その時、あたしが言ったことをそっくりそのまま伝えなさい。それから後を追って来るも良し、待つもよし。三日してもあたし達が戻らなかったら、その時はあたし達の事はすっぱり忘れなさい……三日よね?」
ユモは、雪風に振り返って何事か確認する。
「まあ、猶予は三日ね。X-dayは四日後だから」
雪風の返事に、しかし兵達は要領を得ない。得ないが、畳みかけるユモの言葉には脊髄反射的に従ってしまう。
「そう言う事だから!すぐにでもあたし達は後を追うわ。きっと少尉さんはあたし達を追うだろうから、可能なら何か道しるべを置くようにするって伝えて。あくまで、可能なら、だけどね」
「は、はい!」
「あと!長丁場になりそうだから、食料を少し分けてもらえますか?装備も!」
言うが早いか跳び出しかねないユモの機先を制して、雪風は兵達に尋ねた。
「ライ麦パンが4斤、水筒四つ、ソーセージに、ジャガイモに……」
自分達に割り当てられたテントで、雪風は雑嚢と背嚢に用意してもらった食料――比較的日持ちするもの――を数えながら詰め込んでいる。
「なるたけ小さく包んでよ、あたし、あんまり背負えないわよ」
雪風の手元を見ながら、ユモがわがままを言う。
「わかってるわよ。おっきい荷物は、テントが見えなくなったら、あたしの背中に括り付けて。いくらあたしでも、獣の姿じゃ自分で出来ないから」
言うまでもなく、長距離移動は狼の姿になった雪風がユモと荷物を担いで走るのが最も効率がよい。しかし、その雪風に荷物を括り付けるのはユモの仕事である。
「……アレさえ完成してれば楽出来るに……」
ユモは、爪を噛む。
「そのアレも、あんたの銃剣とかも、きっちり取り返さなきゃね」
雑嚢に自分のガンベルトと弾薬――Gew71用弾薬は発掘隊のものをしこたま分けてもらった――を詰め込みながら、雪風が答える。どうせすぐ脱ぐことになるのだからと、雪風は最低限のもの以外は身につけず雑嚢に仕舞い込む。
「……ねえ、どう思う?」
低い声で、腕を組んだユモは雪風に問いかける。
「ペーター少尉殿の偽物の事?それとも、どうしていろんなもの盗み出したかって事?」
手を止めず振り向かず、雪風は問い返す。
「両方」
「兵隊さんがコロッと騙されるんだから、よっぽどそっくりさんだったって事よね?」
「一月どころじゃなく寝食を共にした士官さまよ?兵隊さん達がおいそれと見間違うと思う?」
「思わない」
「それが変装だとして、このチベットの、しかもこんな僻地でそれが可能だと思う?」
「無理ね。ハリウッドの特撮スタッフ連れてきたって、身長体格他諸々、CGでも使わなきゃごまかしようがないわ」
「CGがなんだか知らないけど、つまり、物理的には誰かが少尉さんになりすます事なんて不可能よね?でも、実際には兵隊さん達は見事に騙された」
「……言いたいこと分かってきた。実際、ママの友達にそういう『人を化かす』術が得意な人、居るわ」
雪風の答えに、我が意を得たりとユモは頷く。
「具体的にどうやったかはわからないけど。魔法か妖術か、とにかく賊はそういう『普通の変装』じゃない技を使った。だとすれば、あたしの銃剣や弾薬盒を持って行ったのも納得出来るわ」
「少尉殿の、鍵のかかった引き出しを開けたのも、ね。鍵開けの魔法か何か使えるなら、朝飯前ってか」
雑嚢のフラップを閉じて、ため息をついてから雪風はユモに振り向き、言う。
「面倒な相手ね。山羊女だけでも頭痛いのに……」
「山羊女の正体があんたの言うとおりなら、その辺まとめていずれ聞き出しましょ」
「そやね」
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