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第一章-月齢24.5-
第1章 第1話
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「ひどいよ……兄さん……」
鉈で斬りつけられた左腕をおさえ、後じさりながら、ケシュカルは呟く。彼を取り囲む六人の大人、数歩ほどの距離で遠巻きにする彼らと、特にその中で一人だけ一歩前に出ている青年を見るケシュカルの目は、悲しみに溢れている。
「……そうか、ケシュカル、お前……白人の呪いにかかって……」
一歩前に出た男は、震える手に握った鉈をケシュカルに突きつける。
「……ラマの言うとおりだ。白人にかかわると、悪霊に憑かれる……やはり、谷に降りて死体をバラバラにしてしまうのだったよ」
「死体?誰の?……まさか……」
「……そうだ、お前は、崖から落ちて死んだ、そのはずだったんだ!」
言うなり、苦悶の表情で、男は右手の鉈を振りかぶった。後ろに下がろうにも一歩後は崖、ケシュカルは無意識に両手を顔と頭の前にかざす。
男が、鉈を振り下ろさんとしたまさにその時。
だしぬけに、耳をつんざき、全身をひっぱたくような破裂音が、男達の頭上から響いた。
高原の大気に破裂音を響かせて、『獣魔女』は空中に出現した。
「っつ!」
何度やっても慣れない、時間と空間を超越する際の衝撃は、まるで全身の素肌を鞭打たれたかれたよう。のみならず今回は、『出口』を抜けた途端に肺の中の濃い空気が爆発的に膨張し、鼓膜も、破れんばかりの激痛で脳をさいなむ。
「……ぐはっ!」
たまらず、獣魔女は息を吐き出す。そのまま、獣のような顎を大きく開けて耳管を開き、中耳内の空気を抜く。三箇所三種類の激痛に意識が薄れ、無意識に体を丸めた獣魔女は、そのままゆっくりと前転しつつ、中空から落下する。地表、砂漠とも瓦礫の荒野ともつかない乾いた茶色の大地に向かって。
――んもう!だらしのない!――
獣魔女の頭の中で、声が響く。
――精霊の導きにより糾われた力と体、今、我らは元に戻さんと欲す。精霊よ、疾く疾く現れ出でて友情の糾いを解きたまえ!――
声なき声が、獣魔女の周囲のエーテルを振動させる。一瞬、獣魔女の体がぼやけ、ゆっくり前転するその体から外套――旧ドイツ軍のM36オーバーコート――が、ひらりと離れる。よく見ればその外套には、長い金髪を風になびかせ、黒いロングのワンピースを纏った少女が包まれている。その少女は、先ほどの声なき声と同じ声色で、今度はキチンと耳に聞こえる声で、別な呪文を唱えた。
「……が命ずる!精霊よ!己が翼をもって我が示す先にかりそめの大地を現せ!」
周囲に開放され、開放されたが故に片端から消滅してゆく、獣魔女の体を構成していた胞衣に残されていた源始力が少女の唱えた呪文に反応し、少女は淡い光をまとう。その光は、少女の指さす先に集結し、直径2m程の光る円盤、魔法陣が描かれ、三対六枚の羽根に支えられたかりそめの大地、魔法陣による盆が具現化する。
魔法陣で描かれたかりそめの大地にふわりと着地した少女は、まだ体を丸めて落下中の、獣魔女だった自分の片割れ、黒いセーラー服を着た黒髪の少女と落下速度を合せ、その手を取って自分の足下に軟着陸させる。
一息でここまでの事を成した少女は、満足げにため息をつくと、続いて大きく息を吸おうとして、気付いた。
「――空気、薄っ!」
男達は、見た。
虚空に、『悪霊』が出現したのを。
その『悪霊』は、空中で二つに分かれ、ゆっくりと降りてくる――こちらに、向かって。
「……終わりだ」
男達の誰かが、呟いた。
それをきっかけに、男達は一斉に逃げ出す。少しでも悪霊から遠ざかる方へ。
「あっ!」
破裂音に気を取られ、思わず天空を振り仰いでいたケシュカルは、『悪霊』の動きにつれてつい一歩あとじさり、崖を踏み外す。
「ケシュカル!」
悲鳴をききつけ、鉈を持った男は逃げ出すのを一瞬ためらい、振り向く。その視線の中、ほんの一瞬、ケシュカルの顔が崖の端から見え、消える。それを追うように、何か黒いものが逆落としに視界を駆け抜ける。
「……あっ」
『悪霊』の、片割れだ。男は、刹那、今見た光景を理解する。『悪霊』が、ケシュカルを追ったのだ、と。
その男の視線を塞ぐように、もう一つの『悪霊』が大地に降り立つ。見れば、濡れた土の色をした上着をまとい、日の光にきらめく金の髪をなびかせる、そして、抜けるような白い肌の、白人の少女の姿をした『悪霊』。
ああ、ラマ僧の言うことは本当だった。白人は、怖ろしい怪物なのだ。醜くて、不気味で、酷い悪臭がして……ほら、あの瞳だ。なんと怖ろしい青緑色、人の目では、有り得ない。あの口の動きは、きっと、何か禍々しい呪いの言葉を吐いているに違いない。
眉間に皺を寄せて顔を上げた、何かを呟いているその『悪霊』を見て、男は、胴震いが止まらなくなっていた。その男の耳に、何か重いものが大地を蹴る地響きが、どうやら崖の下の方から聞こえた。
「……オロ ウト スピリトゥム アイシム デ ガブリエル オルディネ ミッタス……」
金髪の少女の囁くがごとくの呟きは、男の耳には届いていなかった。薄い大気のもとで、それほどまでに呼吸すら辛く、呪文を唱えるのも一苦労どころではなかったから。
しかし。少女の呪文は確かにエーテルを振動させ、精霊を呼び起こした。男の目には、耳にはそれは届かなかったが、体は確かに、凜とした波動が打ち寄せたことを感じ取っていた。
「……崇高なるアイシムたるガブリエルよ!我は汝を至高の御名において呼び出すなり!願わくば、我に……」
少女は、何を思ったか一旦そこで呪文を途切れさせ、改めて言い直す。
「……もとい。我と我が分身に、この地に相応しき肺腑を与えたまえ。願わくば、我と我が分身の身を痛みをもってさいなむ悪魔を退けたまえ。エル エロヒム……」
一連の呪文を唱え終えた少女は、白銀に輝く銃剣を胸元に構え、大きく息を吸い、吐く。
「……よし」
うつ伏せていた視線を上げ、少女は一言呟くと、誰にともなく、言った。
「……で?ここはどこで、今はいつよ?ニーマント?」
鉈を持つ男は、聞いた。ここに居るはずのない者の声を。『悪霊』の少女の胸元から聞こえる、男の声を。
「何度も言いますが、申し訳ありませんが私にもそれは分かりかねるのです。何しろ私は、もっとも引きつけられる場所に引き寄せられているだけなのでして」
「わかってるけどさ、もうちょっとどうにかならないものかしら?」
「残念ながら。この輝かない多面体の一面が焼き付いているおかげで、こうして日の光の下で見聞きできるだけでも、私にとっては大変な僥倖でして」
「まったく……どいつもこいつも、役に立ちゃしないんだから」
「……よく言うわよ、『時空跳躍』のダメージ、全部あたしにおしつけておいて」
目の前の『悪霊』の少女の声に答えるように、男の背後から別の少女の声がした。ぎょっとして、慌てて振り向いた男の目に、ケシュカルを肩にかかえたもう一つの『悪霊』、これこそ悪霊という獣の顔、ちょうど崖から顔を出したらしいそれが写る。
「ひ……」
思わず腰を抜かした男には目もくれず、その『悪霊』はひょいと崖の上に飛び上がる。ひらりと男の近くに舞い降りたその『悪霊』は、見たこともない黒い服を着た、黒髪の、もう一つの『悪霊』程ではないがチベット人では有り得ない、最前に見た獣の顔は見間違いかと思うような顔色、肌色をした少女の姿であり、そしてその『悪霊』は、肩に担いでいたケシュカルをそっと、優しく大地に寝かせた。
「おまけに崖を垂直に駆け下りて最後は平泳ぎでアプローチ、お姫様抱っこのまま垂直着地、あたしはどっかの大泥棒でも、強力無双の未来少年でもないんだから」
ふんすと鼻息も荒く、立ち上がって腰にを当てて胸を張ってその『悪霊』は息巻く。
「何が何だか知らないけど、その子担いで崖を駆け上ってこれるんだから、余裕で強力無双じゃない。あんた、種族まるごとフィジカルエリートなんでしょ?あんたは肉体労働、あたしは頭脳労働でいいじゃない」
「これでギャラはおんなじでございます、ってか?」
「何よそれ」
「知らない。パパが時たまこういう冗談言うから覚えちゃっただけ」
「……あたしが言うのも何だけどさ、あんたのパパ、色々変よね」
「否定できないけどさ。他人に言われると腹立わね」
「いやはや、お二人の掛け合いは、何度聞いても飽きませんなあ」
「もう。次からお金取りますよ、ニーマントさん」
「それは御容赦を。私、逆さに振っても何も出ません」
「バカはそれくらいにして。なし崩しに現地人1号2号と接触しちゃったけど、とにかく現状確認しなきゃ!」
白人の『悪霊』は、そう言い切ると、男に向かって、言った。凜としたソプラノで。
「ねえ、そこのあなた。ここはどこで、今日は何年の何月何日?」
鉈で斬りつけられた左腕をおさえ、後じさりながら、ケシュカルは呟く。彼を取り囲む六人の大人、数歩ほどの距離で遠巻きにする彼らと、特にその中で一人だけ一歩前に出ている青年を見るケシュカルの目は、悲しみに溢れている。
「……そうか、ケシュカル、お前……白人の呪いにかかって……」
一歩前に出た男は、震える手に握った鉈をケシュカルに突きつける。
「……ラマの言うとおりだ。白人にかかわると、悪霊に憑かれる……やはり、谷に降りて死体をバラバラにしてしまうのだったよ」
「死体?誰の?……まさか……」
「……そうだ、お前は、崖から落ちて死んだ、そのはずだったんだ!」
言うなり、苦悶の表情で、男は右手の鉈を振りかぶった。後ろに下がろうにも一歩後は崖、ケシュカルは無意識に両手を顔と頭の前にかざす。
男が、鉈を振り下ろさんとしたまさにその時。
だしぬけに、耳をつんざき、全身をひっぱたくような破裂音が、男達の頭上から響いた。
高原の大気に破裂音を響かせて、『獣魔女』は空中に出現した。
「っつ!」
何度やっても慣れない、時間と空間を超越する際の衝撃は、まるで全身の素肌を鞭打たれたかれたよう。のみならず今回は、『出口』を抜けた途端に肺の中の濃い空気が爆発的に膨張し、鼓膜も、破れんばかりの激痛で脳をさいなむ。
「……ぐはっ!」
たまらず、獣魔女は息を吐き出す。そのまま、獣のような顎を大きく開けて耳管を開き、中耳内の空気を抜く。三箇所三種類の激痛に意識が薄れ、無意識に体を丸めた獣魔女は、そのままゆっくりと前転しつつ、中空から落下する。地表、砂漠とも瓦礫の荒野ともつかない乾いた茶色の大地に向かって。
――んもう!だらしのない!――
獣魔女の頭の中で、声が響く。
――精霊の導きにより糾われた力と体、今、我らは元に戻さんと欲す。精霊よ、疾く疾く現れ出でて友情の糾いを解きたまえ!――
声なき声が、獣魔女の周囲のエーテルを振動させる。一瞬、獣魔女の体がぼやけ、ゆっくり前転するその体から外套――旧ドイツ軍のM36オーバーコート――が、ひらりと離れる。よく見ればその外套には、長い金髪を風になびかせ、黒いロングのワンピースを纏った少女が包まれている。その少女は、先ほどの声なき声と同じ声色で、今度はキチンと耳に聞こえる声で、別な呪文を唱えた。
「……が命ずる!精霊よ!己が翼をもって我が示す先にかりそめの大地を現せ!」
周囲に開放され、開放されたが故に片端から消滅してゆく、獣魔女の体を構成していた胞衣に残されていた源始力が少女の唱えた呪文に反応し、少女は淡い光をまとう。その光は、少女の指さす先に集結し、直径2m程の光る円盤、魔法陣が描かれ、三対六枚の羽根に支えられたかりそめの大地、魔法陣による盆が具現化する。
魔法陣で描かれたかりそめの大地にふわりと着地した少女は、まだ体を丸めて落下中の、獣魔女だった自分の片割れ、黒いセーラー服を着た黒髪の少女と落下速度を合せ、その手を取って自分の足下に軟着陸させる。
一息でここまでの事を成した少女は、満足げにため息をつくと、続いて大きく息を吸おうとして、気付いた。
「――空気、薄っ!」
男達は、見た。
虚空に、『悪霊』が出現したのを。
その『悪霊』は、空中で二つに分かれ、ゆっくりと降りてくる――こちらに、向かって。
「……終わりだ」
男達の誰かが、呟いた。
それをきっかけに、男達は一斉に逃げ出す。少しでも悪霊から遠ざかる方へ。
「あっ!」
破裂音に気を取られ、思わず天空を振り仰いでいたケシュカルは、『悪霊』の動きにつれてつい一歩あとじさり、崖を踏み外す。
「ケシュカル!」
悲鳴をききつけ、鉈を持った男は逃げ出すのを一瞬ためらい、振り向く。その視線の中、ほんの一瞬、ケシュカルの顔が崖の端から見え、消える。それを追うように、何か黒いものが逆落としに視界を駆け抜ける。
「……あっ」
『悪霊』の、片割れだ。男は、刹那、今見た光景を理解する。『悪霊』が、ケシュカルを追ったのだ、と。
その男の視線を塞ぐように、もう一つの『悪霊』が大地に降り立つ。見れば、濡れた土の色をした上着をまとい、日の光にきらめく金の髪をなびかせる、そして、抜けるような白い肌の、白人の少女の姿をした『悪霊』。
ああ、ラマ僧の言うことは本当だった。白人は、怖ろしい怪物なのだ。醜くて、不気味で、酷い悪臭がして……ほら、あの瞳だ。なんと怖ろしい青緑色、人の目では、有り得ない。あの口の動きは、きっと、何か禍々しい呪いの言葉を吐いているに違いない。
眉間に皺を寄せて顔を上げた、何かを呟いているその『悪霊』を見て、男は、胴震いが止まらなくなっていた。その男の耳に、何か重いものが大地を蹴る地響きが、どうやら崖の下の方から聞こえた。
「……オロ ウト スピリトゥム アイシム デ ガブリエル オルディネ ミッタス……」
金髪の少女の囁くがごとくの呟きは、男の耳には届いていなかった。薄い大気のもとで、それほどまでに呼吸すら辛く、呪文を唱えるのも一苦労どころではなかったから。
しかし。少女の呪文は確かにエーテルを振動させ、精霊を呼び起こした。男の目には、耳にはそれは届かなかったが、体は確かに、凜とした波動が打ち寄せたことを感じ取っていた。
「……崇高なるアイシムたるガブリエルよ!我は汝を至高の御名において呼び出すなり!願わくば、我に……」
少女は、何を思ったか一旦そこで呪文を途切れさせ、改めて言い直す。
「……もとい。我と我が分身に、この地に相応しき肺腑を与えたまえ。願わくば、我と我が分身の身を痛みをもってさいなむ悪魔を退けたまえ。エル エロヒム……」
一連の呪文を唱え終えた少女は、白銀に輝く銃剣を胸元に構え、大きく息を吸い、吐く。
「……よし」
うつ伏せていた視線を上げ、少女は一言呟くと、誰にともなく、言った。
「……で?ここはどこで、今はいつよ?ニーマント?」
鉈を持つ男は、聞いた。ここに居るはずのない者の声を。『悪霊』の少女の胸元から聞こえる、男の声を。
「何度も言いますが、申し訳ありませんが私にもそれは分かりかねるのです。何しろ私は、もっとも引きつけられる場所に引き寄せられているだけなのでして」
「わかってるけどさ、もうちょっとどうにかならないものかしら?」
「残念ながら。この輝かない多面体の一面が焼き付いているおかげで、こうして日の光の下で見聞きできるだけでも、私にとっては大変な僥倖でして」
「まったく……どいつもこいつも、役に立ちゃしないんだから」
「……よく言うわよ、『時空跳躍』のダメージ、全部あたしにおしつけておいて」
目の前の『悪霊』の少女の声に答えるように、男の背後から別の少女の声がした。ぎょっとして、慌てて振り向いた男の目に、ケシュカルを肩にかかえたもう一つの『悪霊』、これこそ悪霊という獣の顔、ちょうど崖から顔を出したらしいそれが写る。
「ひ……」
思わず腰を抜かした男には目もくれず、その『悪霊』はひょいと崖の上に飛び上がる。ひらりと男の近くに舞い降りたその『悪霊』は、見たこともない黒い服を着た、黒髪の、もう一つの『悪霊』程ではないがチベット人では有り得ない、最前に見た獣の顔は見間違いかと思うような顔色、肌色をした少女の姿であり、そしてその『悪霊』は、肩に担いでいたケシュカルをそっと、優しく大地に寝かせた。
「おまけに崖を垂直に駆け下りて最後は平泳ぎでアプローチ、お姫様抱っこのまま垂直着地、あたしはどっかの大泥棒でも、強力無双の未来少年でもないんだから」
ふんすと鼻息も荒く、立ち上がって腰にを当てて胸を張ってその『悪霊』は息巻く。
「何が何だか知らないけど、その子担いで崖を駆け上ってこれるんだから、余裕で強力無双じゃない。あんた、種族まるごとフィジカルエリートなんでしょ?あんたは肉体労働、あたしは頭脳労働でいいじゃない」
「これでギャラはおんなじでございます、ってか?」
「何よそれ」
「知らない。パパが時たまこういう冗談言うから覚えちゃっただけ」
「……あたしが言うのも何だけどさ、あんたのパパ、色々変よね」
「否定できないけどさ。他人に言われると腹立わね」
「いやはや、お二人の掛け合いは、何度聞いても飽きませんなあ」
「もう。次からお金取りますよ、ニーマントさん」
「それは御容赦を。私、逆さに振っても何も出ません」
「バカはそれくらいにして。なし崩しに現地人1号2号と接触しちゃったけど、とにかく現状確認しなきゃ!」
白人の『悪霊』は、そう言い切ると、男に向かって、言った。凜としたソプラノで。
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