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第七章:決戦は土曜0時
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「また、茉茉を傷つけようって言うの?」
アイスピックを持って現れた張果を厳しい目で見ながら、青葉五月は言った。
「……すっかり母親気取りか、なるほどな、茉茉を使う秘訣はどうやらそのあたりという事かよ」
張果は、五月の責める目など意に介さずに近づきながら、言う。そもそも、それが見える目など持ち合わせてもいない。
「まあ、安心するがよかろうよ。元々茉茉は生きてなどおらんでな、傷がつこうがいずれまた儂が修繕してやるでな」
その一言は、五月の心に疑惑を生む。五月は、茉茉の正体はいわゆる生き人形であると踏んでいた。茉茉の「母親」とされる莉莉という女の思念が生んだ、生物ではないが、魂に相当する何かを持った存在、そういうものであろうと考えていた。
だが、その茉茉を最も長く見てきているであろう張果のその一言は、その考えを否定するか、少なくとも答えとして完璧ではないと示唆するに等しい。
では、茉茉の正体は何?五月はあらためて疑問に思う。思いながらも、生い立ちに関係なく、この娘は、茉茉は今現在、生きている、そうも思う、感じる。そうでなければ、自分の体を支配されている現状の説明がつかない。あれだけ自己主張を、感情を表現するものが生きていない、単なる作り物の人形であるとは、到底信じられない。
だから、アイスピックを片手に近寄る張果から、反射的に茉茉をかばってしまう。
「そうさな。茉茉もお前も痛いのは嫌だろうよ。だがな」
その五月の右肩に手をかけ、強引に自分の方を向かせながら、張果は言葉を続ける。
「忌々しい、汚らわしい獣が来るでな、嫌でも働いてもらわねばならん」
言いながら、張果は茉茉の胴にアイスピックを、赶屍術の符籙の刺さったそれを突き立てる。
鳩尾のあたりに、内臓をえぐる猛烈な痛みを感じながら、五月は気付いた。
張果の術は、誰かに無理を強いる術だ。誰かを、決して幸せには出来ない術だ。そうか、だから。
今までで最大の痛みに気を失いつつ、五月は理解した。
だから。茉茉も莉莉も、不幸になったんだ……
「こっち、やっぱ居ないわよ」
手分けをして駐車エリアの車の中と、外置きのいくつかのコンテナの中を検めていた三姉妹プラス1が円と玲子、柾木の所に戻ってきて、代表して巴が結果を報告した。
行方の知れない自分の従者二人が心配なのだろう、声には出さないが、玲子は固く、手の中のスマホを、先ほどから従者達に連絡のつかないそれを握りしめている。
柾木は、どう声をかけたものか分からない。既にかなりなじみのあるセンチュリーがここにあり、玲子もここに居て、時田と袴田がここに居ないと言う事態が起こる理由が思いつかない……いや、思いつくが、それを口に出す勇気が、踏ん切りがつかない。
どうしたものか。柾木が逡巡していると、倉庫のドアが開いて酒井を先頭に警官達三人が出てくる。
「コンテナとか全部見ましたが、居ないですね」
酒井が、鍵束を見せながら言う。倉庫内と駐車エリアに数個ずつあったJRサイズのコンテナは一応みな施錠されていたが、事務棟入ってすぐのキーボックスに鍵があったおかげで支障なく内部の確認が行えている。勿論、キーボックス自体もダイヤル式ロックではあったが、そこはハラガンツールが威力を発揮している。
「そんな……」
酒井の答えを聞いた玲子は、文字通り白い顔を防犯灯の頼りない明かりの下でもはっきり分かる程青ざめさせ、一歩後じさる。
玲子さんも、俺と同じ事を想像している。柾木は、それが分かった。いや、恐らくここに居る全員が、似たような事を考えているだろう。ただ、口に出していないだけだ。
「……もしかして、ですけど。もしかしたら、俺、心当りあるかもです」
意を決して、柾木が、言った。
はっとして振り向き、柾木を見上げる玲子の肩に無意識に手を置いて、柾木は言葉を続ける。
「多分ですけど、五月さんと同じ所に居ると思います。それがどこかは分からないんですが……」
「五月様と同じ所、ですか?」
「そうです……夢で見たんです」
玲子を見ていた柾木は、口を出さずに聞いていた円に向き直り、続ける。
「どこだかはわかららないんですが、五月さんはどこかの事務所跡みたいなところに居ます。そこ、人形もいっぱいあるんで、多分、張果の本拠地はそこだと思います」
「……夢で見たって、どういう事?」
円が、質問する。
「エータを通して見えたんです……えっと」
話について来れてなさそうな面々を見て、柾木は説明する。
「そもそもは、俺が寝てる間にエータを通してよく分からない幼児が夢で接触して来たのが始まりなんです。それで色々あって、今日、あ、もう昨日か、葉法善とか言うあの大男、アイツに殴られて気絶した時、一瞬だったけど見えたんです、五月さんが、事務所っぽいところで椅子に座ってるのが」
一同の雰囲気が変わったのが、柾木にも分かった。
「それで、その時、五月さんがエータを抱き起こして「助けて」って言ったと思うんです。すぐ水かけられて起こされたんで、その時はそれだけだったんですが」
ああ、それで。酒井がつぶやく。柾木の服がずぶ濡れだった理由はそれか。玲子も、何かを納得した顔をしている。
「さっき、酒井さんと少し話をした後、もう一度試してみたんです。寝たらエータと繋がるんじゃないかって。そしたら」
「また見えた?」
円が、先読みして聞く。柾木は頷いて返す。
「俺たちが食べたのと同じ弁当とコンビニ袋があったから、すぐ近くのはずだと思います。張果も居ました。何か話してました、中国語が出来るかとか、船がどうとか」
「じゃあ、さっき休もうって言いだしたのは」
「そういう事です、すみません、ホントのこと言えなくて」
「いや、別にそれは。あの状況だし」
数時間前の柾木の言動の意味を理解した酒井に、柾木が詫び、酒井も了承する。
「……つまり、柾木君は、寝てる時ならエータを通じて周りを見れるって事?で、エータが五月ちゃんと同じ部屋にあって、そこに張果?だっけ?誰だか知らないけどそいつもいるって事?」
円が、情報を整理しようとする。
「多分。ただ、その時、すぐ戻って起きようと思ったんですけど、戻ったらしいんですけど、そのまま起きられなくて」
「そりゃまあ、普通の人ならそんなもんでしょうね……そのエータの体は動かせるの?」
何が普通の人ならなのかは分からなかったが、柾木はそれは置いておいて円の質問に答える。
「どうでしょう、バレたくないから動かないようしてたし、緒方さんが言うには、エータは機能停止状態らしいですから」
「フムン。積極的には使えないけど、情報だけはとれそう、か……どう思う?」
円は、孫達に振り向く。
「五月さんってあの人でしょ、ばーちゃんが首斬った」
鰍が即座に聞く。うっ。直球をぶち込まれて円が詰まる。
「あの人、相当使えるはずだけど、抑え込まれちゃってるって事?」
「そう思えるわよね、うん、確かにいい腕してたもの」
円も鰍に同意する。
「じゃあさ、時田さんと袴田さんってあの執事さん達でしょ?あの人達も抑え込まれてるって事?」
鰍は、信仁もだが、その三人の力を間近で見ている。それ故の質問だった。
「時田も袴田も、私を護る為に、その……」
言いにくそうに口ごもった玲子は、すぐに意を決したらしく、
「私のために、私を護る鬼になった者です。そう易々とこのような」
足下で昏倒し、後ろ手に縛られているヤクザ者共を見下ろして、
「不埒な者どもに後れを取るとは思えません」
「って事は、それを押さえ込める力量の持ち主がいるって事?」
鰍が、玲子の言葉を受け取って誰ともなく聞き返す。
「張果ってジジイなら、やりかねないと思います。あと、葉法善って言う大男もまともじゃなさそうでした」
柾木が答える。
「……じゃあ、そのジジイと大男をぶちのめせば良いわけ?」
「ばあちゃんの言ってた大物ってそいつら?」
「やりがいありそうじゃん?」
いかにも嬉しそうに、孫達が円に聞く。
「そおいう事だわね。力で抑え込む必要のあるのは手元に置いて、そうでもないのはこっちに置いたって事かしらね。つまりこっちはある意味ダミーって事よね」
「ダミーにしちゃ色々物証揃っちゃってますけど、はい」
これまたちょっと楽しそうに答えた円に、蒲田が突っ込む。
「……えっと、なんだか、これで終りじゃないって事、なんでしょうか?」
「安心して下さい。これから本番です」
心細げに聞いた熊川に、全然安心出来ない返答を信仁が返した。
アイスピックを持って現れた張果を厳しい目で見ながら、青葉五月は言った。
「……すっかり母親気取りか、なるほどな、茉茉を使う秘訣はどうやらそのあたりという事かよ」
張果は、五月の責める目など意に介さずに近づきながら、言う。そもそも、それが見える目など持ち合わせてもいない。
「まあ、安心するがよかろうよ。元々茉茉は生きてなどおらんでな、傷がつこうがいずれまた儂が修繕してやるでな」
その一言は、五月の心に疑惑を生む。五月は、茉茉の正体はいわゆる生き人形であると踏んでいた。茉茉の「母親」とされる莉莉という女の思念が生んだ、生物ではないが、魂に相当する何かを持った存在、そういうものであろうと考えていた。
だが、その茉茉を最も長く見てきているであろう張果のその一言は、その考えを否定するか、少なくとも答えとして完璧ではないと示唆するに等しい。
では、茉茉の正体は何?五月はあらためて疑問に思う。思いながらも、生い立ちに関係なく、この娘は、茉茉は今現在、生きている、そうも思う、感じる。そうでなければ、自分の体を支配されている現状の説明がつかない。あれだけ自己主張を、感情を表現するものが生きていない、単なる作り物の人形であるとは、到底信じられない。
だから、アイスピックを片手に近寄る張果から、反射的に茉茉をかばってしまう。
「そうさな。茉茉もお前も痛いのは嫌だろうよ。だがな」
その五月の右肩に手をかけ、強引に自分の方を向かせながら、張果は言葉を続ける。
「忌々しい、汚らわしい獣が来るでな、嫌でも働いてもらわねばならん」
言いながら、張果は茉茉の胴にアイスピックを、赶屍術の符籙の刺さったそれを突き立てる。
鳩尾のあたりに、内臓をえぐる猛烈な痛みを感じながら、五月は気付いた。
張果の術は、誰かに無理を強いる術だ。誰かを、決して幸せには出来ない術だ。そうか、だから。
今までで最大の痛みに気を失いつつ、五月は理解した。
だから。茉茉も莉莉も、不幸になったんだ……
「こっち、やっぱ居ないわよ」
手分けをして駐車エリアの車の中と、外置きのいくつかのコンテナの中を検めていた三姉妹プラス1が円と玲子、柾木の所に戻ってきて、代表して巴が結果を報告した。
行方の知れない自分の従者二人が心配なのだろう、声には出さないが、玲子は固く、手の中のスマホを、先ほどから従者達に連絡のつかないそれを握りしめている。
柾木は、どう声をかけたものか分からない。既にかなりなじみのあるセンチュリーがここにあり、玲子もここに居て、時田と袴田がここに居ないと言う事態が起こる理由が思いつかない……いや、思いつくが、それを口に出す勇気が、踏ん切りがつかない。
どうしたものか。柾木が逡巡していると、倉庫のドアが開いて酒井を先頭に警官達三人が出てくる。
「コンテナとか全部見ましたが、居ないですね」
酒井が、鍵束を見せながら言う。倉庫内と駐車エリアに数個ずつあったJRサイズのコンテナは一応みな施錠されていたが、事務棟入ってすぐのキーボックスに鍵があったおかげで支障なく内部の確認が行えている。勿論、キーボックス自体もダイヤル式ロックではあったが、そこはハラガンツールが威力を発揮している。
「そんな……」
酒井の答えを聞いた玲子は、文字通り白い顔を防犯灯の頼りない明かりの下でもはっきり分かる程青ざめさせ、一歩後じさる。
玲子さんも、俺と同じ事を想像している。柾木は、それが分かった。いや、恐らくここに居る全員が、似たような事を考えているだろう。ただ、口に出していないだけだ。
「……もしかして、ですけど。もしかしたら、俺、心当りあるかもです」
意を決して、柾木が、言った。
はっとして振り向き、柾木を見上げる玲子の肩に無意識に手を置いて、柾木は言葉を続ける。
「多分ですけど、五月さんと同じ所に居ると思います。それがどこかは分からないんですが……」
「五月様と同じ所、ですか?」
「そうです……夢で見たんです」
玲子を見ていた柾木は、口を出さずに聞いていた円に向き直り、続ける。
「どこだかはわかららないんですが、五月さんはどこかの事務所跡みたいなところに居ます。そこ、人形もいっぱいあるんで、多分、張果の本拠地はそこだと思います」
「……夢で見たって、どういう事?」
円が、質問する。
「エータを通して見えたんです……えっと」
話について来れてなさそうな面々を見て、柾木は説明する。
「そもそもは、俺が寝てる間にエータを通してよく分からない幼児が夢で接触して来たのが始まりなんです。それで色々あって、今日、あ、もう昨日か、葉法善とか言うあの大男、アイツに殴られて気絶した時、一瞬だったけど見えたんです、五月さんが、事務所っぽいところで椅子に座ってるのが」
一同の雰囲気が変わったのが、柾木にも分かった。
「それで、その時、五月さんがエータを抱き起こして「助けて」って言ったと思うんです。すぐ水かけられて起こされたんで、その時はそれだけだったんですが」
ああ、それで。酒井がつぶやく。柾木の服がずぶ濡れだった理由はそれか。玲子も、何かを納得した顔をしている。
「さっき、酒井さんと少し話をした後、もう一度試してみたんです。寝たらエータと繋がるんじゃないかって。そしたら」
「また見えた?」
円が、先読みして聞く。柾木は頷いて返す。
「俺たちが食べたのと同じ弁当とコンビニ袋があったから、すぐ近くのはずだと思います。張果も居ました。何か話してました、中国語が出来るかとか、船がどうとか」
「じゃあ、さっき休もうって言いだしたのは」
「そういう事です、すみません、ホントのこと言えなくて」
「いや、別にそれは。あの状況だし」
数時間前の柾木の言動の意味を理解した酒井に、柾木が詫び、酒井も了承する。
「……つまり、柾木君は、寝てる時ならエータを通じて周りを見れるって事?で、エータが五月ちゃんと同じ部屋にあって、そこに張果?だっけ?誰だか知らないけどそいつもいるって事?」
円が、情報を整理しようとする。
「多分。ただ、その時、すぐ戻って起きようと思ったんですけど、戻ったらしいんですけど、そのまま起きられなくて」
「そりゃまあ、普通の人ならそんなもんでしょうね……そのエータの体は動かせるの?」
何が普通の人ならなのかは分からなかったが、柾木はそれは置いておいて円の質問に答える。
「どうでしょう、バレたくないから動かないようしてたし、緒方さんが言うには、エータは機能停止状態らしいですから」
「フムン。積極的には使えないけど、情報だけはとれそう、か……どう思う?」
円は、孫達に振り向く。
「五月さんってあの人でしょ、ばーちゃんが首斬った」
鰍が即座に聞く。うっ。直球をぶち込まれて円が詰まる。
「あの人、相当使えるはずだけど、抑え込まれちゃってるって事?」
「そう思えるわよね、うん、確かにいい腕してたもの」
円も鰍に同意する。
「じゃあさ、時田さんと袴田さんってあの執事さん達でしょ?あの人達も抑え込まれてるって事?」
鰍は、信仁もだが、その三人の力を間近で見ている。それ故の質問だった。
「時田も袴田も、私を護る為に、その……」
言いにくそうに口ごもった玲子は、すぐに意を決したらしく、
「私のために、私を護る鬼になった者です。そう易々とこのような」
足下で昏倒し、後ろ手に縛られているヤクザ者共を見下ろして、
「不埒な者どもに後れを取るとは思えません」
「って事は、それを押さえ込める力量の持ち主がいるって事?」
鰍が、玲子の言葉を受け取って誰ともなく聞き返す。
「張果ってジジイなら、やりかねないと思います。あと、葉法善って言う大男もまともじゃなさそうでした」
柾木が答える。
「……じゃあ、そのジジイと大男をぶちのめせば良いわけ?」
「ばあちゃんの言ってた大物ってそいつら?」
「やりがいありそうじゃん?」
いかにも嬉しそうに、孫達が円に聞く。
「そおいう事だわね。力で抑え込む必要のあるのは手元に置いて、そうでもないのはこっちに置いたって事かしらね。つまりこっちはある意味ダミーって事よね」
「ダミーにしちゃ色々物証揃っちゃってますけど、はい」
これまたちょっと楽しそうに答えた円に、蒲田が突っ込む。
「……えっと、なんだか、これで終りじゃないって事、なんでしょうか?」
「安心して下さい。これから本番です」
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