54 / 75
8章 二人の病気と看病
アースの書~病気・2~
しおりを挟む
しかも、俺が落ちた向きが悪い。
これだとラティアの姿がまったく見えない。
つくづく運がないな俺。
「アイリスさん!?」
「お嬢さん! 大丈夫かい?」
「お客さん!」
俺の頭の後ろでバタバタと足音が聞こえる。
多分だけどソフィーナさん、お婆さん、店員がラティアの傍に駆け寄っているのだろう。
うーむ、ラティアがすごく気になる。
何とかしてこの頭を動かしたいが、倒れた状態でアーメットを動かすのは流石に不自然だよな……何かいい手はないものか。
(――大変だよ! ラティが倒れちゃった! アース、どうしよう!?)
耳元から慌てた感じのエイラの声が聞こえてきた。
良かった、取り乱して姿を現していたら、ますますこの場が混乱する羽目になっていたからな。
そうだ! 自分で動かせないのならエイラに動かせてもらえばいいじゃないか。
とはいえ、下手に動かしてしまうとそれはそれで怪しまれてしまうから、まずは……。
『落ち着くんだ。まずは、今の状態を教えてくれ』
(う、うん、わかった……今、みんなラティの傍に近寄って声を掛けているよ)
全員ラティアに目がいっている状態か。
それなら動かしても大丈夫だろう。
『なら、俺の頭をラティアのいる方向に向けてくれ』
(ラティの向ければいいんだね。よっ)
俺の視界に横たわったラティア、そして傍で声を掛けている3人の姿が見えた。
エイラの言う通り、ラティアの顔は赤く染まっている。
それに朦朧とした感じにも見える。
これは予想以上にまずいな。
「だっ大丈夫……でス……」
誰がどう見ても大丈夫じゃない。
どうにかして病院に行かないと……。
「全然大丈夫じゃないですよ……これは危険だわ。あの、病院の場所を教えてください! アタシが病院まで運びます!」
そう言って、ソフィーナさんがラティアを背負った。
なんてありがたい! 助かります!
「ああ、病院ならこの店を出て……」
「ちょっと待った。この辺りはややこしいから俺が道案内をするよ」
店員さんまで。
今は無理だけど、事が収まったらここで何か買い物をさせて頂きます。
「ありがとうございます! アイリスさん、もう少しの辛抱ですからね!」
「こっちです!」
ソフィーナさんと店員が店から出て行った。
おっと、ぼーっとしている場合じゃない。
『エイラ! ラティアの後を追ってくれ!』
俺は動けないし、ここは姿が見えないエイラに任せるのが一番だ。
『…………って、あれ?』
何の反応もないぞ。
『おーい、エイラー?』
やっぱり反応がない。
『…………』
もしかして、これはもう2人の後を追いかけて行ったのかな。
まぁあの状況なら言われなくれもそうするか。
それはそれでいいんだが……。
『残された俺の頭はどうすればいいんだろうか……』
店の中で転がったまま。
この状態はすごく惨めだ。
「……やれやれ、流石に店を空けたままは良くないの」
ああ、そういえば黒いお婆さんが居たんだっけ。
「坊主が戻ってくるまで店番を……ん? これはあのお嬢さんの兜か」
お婆さんが俺の頭を手に取り拾い上げた。
「こんな凹んだ物をよく使い続けられるの」
うるさいよ。
というか、この頭を直す事を忘れていた。
いい加減に直さないと。
「……む?」
ん? どうしたんだ。
いきなりジロジロと俺の頭を見出したぞ。
「……何かこの兜から生命力を感じるような……」
『――っ!?』
そんな事がわかるのか。
まずい、バレると厄介な事になりそうだ。
「……」
『……』
いっ息が詰まる。
元々呼吸はしていない状態だけど、なんか詰まる。
「……ふむ、呪いの類……ではなさそうじゃな。問題はなさそうじゃし大丈夫かの」
お婆さんは俺から目線を外し、カウンターの上へ置いた。
ふぅ良かった……にしてもこのお婆さんは一体何者なんだ?
※
どのくらい時間が経っただろう。
外もすっかり暗くなったな……ラティアは大丈夫なんだろうか。
「くぅ~……くぅ~……」
カウンターの後ろから寝息が聞こえる。
どうも、あのお婆さんは寝てしまったらしい。
店番をしているのにいいのだろうか。
――キィ
『……ん?』
今、店の扉が開いたけど誰も入ってこないな。
風で開いたのかな?
(お~い、アース)
そう思っていると耳元からエイラの声が聞こえてきた。
なるほど、姿を消したエイラが入って来たのか。
『エイラ! ラティアは!?』
(大丈夫、今は落ち着いて眠っているよ)
『そうか、それは良かった……一体何があったんだ? やっぱり虫か?』
(うん。話を聞くとサソリノミって言うノミに刺されたせいみたい)
『ノミ?』
通りでラティアが刺された時に見つけられなかったわけだ。
ノミなんて小さい上に素早いからな。
(ただ毒の力は弱くて刺された後は痒み程度ですむらしいんだけど、体質によっては高熱とかを出しちゃうらしいよ)
ラティアはその体質だったわけか。
(あと、疲労もあるって言ってたよ)
『あー……』
それはそうだよな。
慣れない旅をしていれば、疲れが溜まるのは当たり前だ。
なのに、俺の体は疲れないからラティアの大丈夫という言葉に危機感を持っていなかった。
一番気を付けない事なのに……これは反省だ。
(で、約5日は入院だってさ)
『そうか……わかった。エイラはラティアの傍にいてやってくれ』
姿は見えなくても、誰か近くにいた方が気持ちの支えになるからな。
(それはもちろんだけど、アースの頭は持って行かなくていいの?)
『ああ……後ろで寝ているであろうお婆さんが俺をここに置いたんだ。それが無くなっていたら騒ぎになってしまう。出来る限りトラブルは避けておきたいんだ』
(わかった。じゃあ、何かあったらまた来るね)
『頼む』
となると、しばらくは動けない状態が続くな。
仕方がないとはいえ辛いな……。
(あ、そうそう。あの仮面の女もラティの看病をしてくれるってさ)
『……そうなの……えっ!?』
仮面の女ってソフィーナさんの事だよな!?
それはまずい! まだ、ソフィーナさんがレインかも疑惑が残っているのに!
これはラティアに伝えておかないと!
『エイラ! ラティアに伝えてほしい事があるんだ!』
……あれ? エイラの声が聞こえない。
聞こえるのはキィキィと店の扉が揺れる音のみ。
エイラの奴、もう行っちゃったのかよ!
『エイラー! 戻ってこい! エイラー! エイラアアアアアアアアアア!!』
俺の叫びもむなしく、エイラが戻って来る事は無かった。
これだとラティアの姿がまったく見えない。
つくづく運がないな俺。
「アイリスさん!?」
「お嬢さん! 大丈夫かい?」
「お客さん!」
俺の頭の後ろでバタバタと足音が聞こえる。
多分だけどソフィーナさん、お婆さん、店員がラティアの傍に駆け寄っているのだろう。
うーむ、ラティアがすごく気になる。
何とかしてこの頭を動かしたいが、倒れた状態でアーメットを動かすのは流石に不自然だよな……何かいい手はないものか。
(――大変だよ! ラティが倒れちゃった! アース、どうしよう!?)
耳元から慌てた感じのエイラの声が聞こえてきた。
良かった、取り乱して姿を現していたら、ますますこの場が混乱する羽目になっていたからな。
そうだ! 自分で動かせないのならエイラに動かせてもらえばいいじゃないか。
とはいえ、下手に動かしてしまうとそれはそれで怪しまれてしまうから、まずは……。
『落ち着くんだ。まずは、今の状態を教えてくれ』
(う、うん、わかった……今、みんなラティの傍に近寄って声を掛けているよ)
全員ラティアに目がいっている状態か。
それなら動かしても大丈夫だろう。
『なら、俺の頭をラティアのいる方向に向けてくれ』
(ラティの向ければいいんだね。よっ)
俺の視界に横たわったラティア、そして傍で声を掛けている3人の姿が見えた。
エイラの言う通り、ラティアの顔は赤く染まっている。
それに朦朧とした感じにも見える。
これは予想以上にまずいな。
「だっ大丈夫……でス……」
誰がどう見ても大丈夫じゃない。
どうにかして病院に行かないと……。
「全然大丈夫じゃないですよ……これは危険だわ。あの、病院の場所を教えてください! アタシが病院まで運びます!」
そう言って、ソフィーナさんがラティアを背負った。
なんてありがたい! 助かります!
「ああ、病院ならこの店を出て……」
「ちょっと待った。この辺りはややこしいから俺が道案内をするよ」
店員さんまで。
今は無理だけど、事が収まったらここで何か買い物をさせて頂きます。
「ありがとうございます! アイリスさん、もう少しの辛抱ですからね!」
「こっちです!」
ソフィーナさんと店員が店から出て行った。
おっと、ぼーっとしている場合じゃない。
『エイラ! ラティアの後を追ってくれ!』
俺は動けないし、ここは姿が見えないエイラに任せるのが一番だ。
『…………って、あれ?』
何の反応もないぞ。
『おーい、エイラー?』
やっぱり反応がない。
『…………』
もしかして、これはもう2人の後を追いかけて行ったのかな。
まぁあの状況なら言われなくれもそうするか。
それはそれでいいんだが……。
『残された俺の頭はどうすればいいんだろうか……』
店の中で転がったまま。
この状態はすごく惨めだ。
「……やれやれ、流石に店を空けたままは良くないの」
ああ、そういえば黒いお婆さんが居たんだっけ。
「坊主が戻ってくるまで店番を……ん? これはあのお嬢さんの兜か」
お婆さんが俺の頭を手に取り拾い上げた。
「こんな凹んだ物をよく使い続けられるの」
うるさいよ。
というか、この頭を直す事を忘れていた。
いい加減に直さないと。
「……む?」
ん? どうしたんだ。
いきなりジロジロと俺の頭を見出したぞ。
「……何かこの兜から生命力を感じるような……」
『――っ!?』
そんな事がわかるのか。
まずい、バレると厄介な事になりそうだ。
「……」
『……』
いっ息が詰まる。
元々呼吸はしていない状態だけど、なんか詰まる。
「……ふむ、呪いの類……ではなさそうじゃな。問題はなさそうじゃし大丈夫かの」
お婆さんは俺から目線を外し、カウンターの上へ置いた。
ふぅ良かった……にしてもこのお婆さんは一体何者なんだ?
※
どのくらい時間が経っただろう。
外もすっかり暗くなったな……ラティアは大丈夫なんだろうか。
「くぅ~……くぅ~……」
カウンターの後ろから寝息が聞こえる。
どうも、あのお婆さんは寝てしまったらしい。
店番をしているのにいいのだろうか。
――キィ
『……ん?』
今、店の扉が開いたけど誰も入ってこないな。
風で開いたのかな?
(お~い、アース)
そう思っていると耳元からエイラの声が聞こえてきた。
なるほど、姿を消したエイラが入って来たのか。
『エイラ! ラティアは!?』
(大丈夫、今は落ち着いて眠っているよ)
『そうか、それは良かった……一体何があったんだ? やっぱり虫か?』
(うん。話を聞くとサソリノミって言うノミに刺されたせいみたい)
『ノミ?』
通りでラティアが刺された時に見つけられなかったわけだ。
ノミなんて小さい上に素早いからな。
(ただ毒の力は弱くて刺された後は痒み程度ですむらしいんだけど、体質によっては高熱とかを出しちゃうらしいよ)
ラティアはその体質だったわけか。
(あと、疲労もあるって言ってたよ)
『あー……』
それはそうだよな。
慣れない旅をしていれば、疲れが溜まるのは当たり前だ。
なのに、俺の体は疲れないからラティアの大丈夫という言葉に危機感を持っていなかった。
一番気を付けない事なのに……これは反省だ。
(で、約5日は入院だってさ)
『そうか……わかった。エイラはラティアの傍にいてやってくれ』
姿は見えなくても、誰か近くにいた方が気持ちの支えになるからな。
(それはもちろんだけど、アースの頭は持って行かなくていいの?)
『ああ……後ろで寝ているであろうお婆さんが俺をここに置いたんだ。それが無くなっていたら騒ぎになってしまう。出来る限りトラブルは避けておきたいんだ』
(わかった。じゃあ、何かあったらまた来るね)
『頼む』
となると、しばらくは動けない状態が続くな。
仕方がないとはいえ辛いな……。
(あ、そうそう。あの仮面の女もラティの看病をしてくれるってさ)
『……そうなの……えっ!?』
仮面の女ってソフィーナさんの事だよな!?
それはまずい! まだ、ソフィーナさんがレインかも疑惑が残っているのに!
これはラティアに伝えておかないと!
『エイラ! ラティアに伝えてほしい事があるんだ!』
……あれ? エイラの声が聞こえない。
聞こえるのはキィキィと店の扉が揺れる音のみ。
エイラの奴、もう行っちゃったのかよ!
『エイラー! 戻ってこい! エイラー! エイラアアアアアアアアアア!!』
俺の叫びもむなしく、エイラが戻って来る事は無かった。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!
芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️
ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。
嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる!
転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。
新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか??
更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!
悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~
こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。
それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。
かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。
果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!?
※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
キャンピングカーで往く異世界徒然紀行
タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》
【書籍化!】
コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。
早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。
そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。
道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが…
※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜
※カクヨム様でも投稿をしております
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
娘と二人、異世界に来たようです……頑張る母娘の異世界生活……ラブ少し!
十夜海
ファンタジー
母一人、子一人。
天涯孤独でたった二人の家族。
でも、高校の入学式へ向かう途中に居眠り運転のダンプカーに突っ込まれて二人仲良く死亡……。
私はどーでもいい、だって娘まで生まれた。でも、娘はまだ16歳なりかけ。なんで?なんで死ななきゃならない。
厳しい受験を乗り越えて、ようやくキャピキャピ楽しい高校生活だ。彼氏だってできるかもしれない。
頑張ったのに。私だって大学までやるために身を粉にして頑張ったのだ。
大学どころか、高校生活までできないなんて!
ひどい。
願ったのは、娘の幸せと恋愛!
気づけば異世界に……。
生きてる?やったね!
ん?でも高校ないじゃん!
え?魔法?あ、使える。
あれ?私がちっさい?
あれ?私……若い???
あれぇ?
なんとか娘を幸せな玉の輿に乗せるために頑張る母。
そんな母娘の異世界生活。
でも……おかしいな?なんで私が子供なんですか?
##R18で『なろう』で投稿中です。
ラブ少なめなので、R15でファンタジー系で手直ししつつ、こちらに投稿させていただきます。
【異世界ショップ】無双 ~廃絶直前の貴族からの成り上がり~
クロン
ファンタジー
転生したら貴族の長男だった。
ラッキーと思いきや、未開地の領地で貧乏生活。
下手すれば飢死するレベル……毎日食べることすら危ういほどだ。
幸いにも転生特典で地球の物を手に入れる力を得ているので、何とかするしかない!
「大変です! 魔物が大暴れしています! 兵士では歯が立ちません!」
「兵士の武器の質を向上させる!」
「まだ勝てません!」
「ならば兵士に薬物投与するしか」
「いけません! 他の案を!」
くっ、貴族には制約が多すぎる!
貴族の制約に縛られ悪戦苦闘しつつ、領地を開発していくのだ!
「薬物投与は貴族関係なく、人道的にどうかと思います」
「勝てば正義。死ななきゃ安い」
これは地球の物を駆使して、領内を発展させる物語である。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる