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もう朝だ起きろ

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 まぁいいか。
 まぁいいよな?

 本物を知らんのだからどうしようもないだろうよ。

 少しでも近付いていたら、それで良しとしてくれよな。
 辺境伯は遠いから言葉訛りがあってもおかしくはないよな?な?


 んん?
 きらきらした瞳でこちらを見詰めているだと?

 なんだ、何を訴えている?
 やるか?

 ……あぁ、私の返事待ちか。

「他家の者でも家からの身元保証と許可があれば移住は可能だ。他国の者となると厳しいけれどな。だが最終判断は辺境伯だから、これは絶対とは言えないことだぞ。今の辺境伯なら深く考えずに了承してくれるだろうが……いや、今はもう姉がするのか?」

 手続き上の細かい話になると私にはよく分からない。
 だがひとつだけはっきりと分かることがある。

 父より姉の方が優れた辺境伯であるということだ。
 あいつはもうすべてを娘に譲って引退した方がいいな。

 おぅおぅ覚悟しておけ?
 そのときを待っていたんだからな?

「ご令嬢様は嫌ではありませんね?」

「ん?私か?あぁ、問題ないぞ」

「これですんなりと移住が出来そうで安心しました」

 何故私の答えで安心している?
 何だその嬉しそうな顔は?
 
 決定を下すのは姉だぞ、姉。

 護衛騎士は私の話したことを理解出来ているのか?

「ところでお願いをすれば手合わせを頂けるとお聞きしたのですが」

「手合わせだと!私とか?」

「はい。私のような外部の騎士が望んではいけなかったでしょうか」

「いやいや大歓迎だ!いつも相手探しに疲れていたからな!よし今からやるか?」

 というわけで私は朝から芋でも食べたようにほくほくと満たされた気持ちを味わうことが出来た。

 結果だと?
 分かり切ったことを聞くなよ。

 あぁお腹が空いたな!
 朝ごはんの時間だ。

 行くぞマイク!朝だ起きろ!



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