上 下
10 / 20

令嬢はお友だちの反応が気になる

しおりを挟む
 お友だちが楽しく聞いてくださるものだから。
 彼女たちから聞いたお話を余すことなくお伝えすることになりましたの。

 中でもとっておきの話題は、最後まで取っておいたわ。


「今までのお話のすべての原因はね、恋にあるというのよ。恋は盲目なのですって」


 うふふ。
 お友だちも興味津々よ。


「恋はね、頭を良くないようにも出来るの。それもね、カーティス様もそうだと言うのよ。面白いでしょう?」

「それは否定しにくいですね」


 間を空けずにお友だちの一人が小声で何かを囁いたような気がいたしましたわ。

 …………。

 ふふ。気のせいだったみたい。
 目が合うと、いつものように微笑んで教えてくれましたもの。


「あの方の話は別として。実際にそのような方々はいるそうですよ」

「恋を理由に愚かな言動をする人たちのことですね」

「ずっと盲目的でいられる人は少ないと聞くわね。一過性の熱に浮かれてしまう人が多いみたい」

「そうそう。一時のことだから。あとで冷静になって頭を抱えて後悔するのですって」

「後悔するくらいで済むならまだいいわ。噂の方々のお話が本当ならば、一時だけの問題で済まないわよ」

「えぇ、一時の気の迷いではゆるされないわ」

「そういう意味では先日リリーシア様にご迷惑をおかけした令嬢たちもそうですよね」


 わたくしは、正直なところもうあの彼女たちのことはどうでもよろしくてよ。
 こうして話題に出来てお友だちとの有意義な時間をちょうだいしましたし?
 お勉強にもなりましたでしょう?

 だからね。
 それよりも今は気になることがあるわ。

 この子たちも恋をする人たちのことをまるでよく知っている様子なの。
 一体どこで知り合っているのかしら?

 わたくしにも紹介していただけないかしらね?


「リリーシア様。どうかご安心くださいね。例の男爵令嬢の相手としての話であれば、あの方は含まれておりませんから」

 安心も何も。
 気にしてはおりませんでしたのよ?

 けれども素直にお返事はしておきましょうね。


「あら、そうなの?」

「そうですとも」

「えぇ、そうですね。間違いなく」

「すべて理由あってのことだと想像いたします」


 皆様のお返事がいつもより早いような気がしましたの。
 でもこれも気のせい……よね?


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】恋人との子を我が家の跡取りにする? 冗談も大概にして下さいませ

水月 潮
恋愛
侯爵家令嬢アイリーン・エヴァンスは遠縁の伯爵家令息のシリル・マイソンと婚約している。 ある日、シリルの恋人と名乗る女性・エイダ・バーク男爵家令嬢がエヴァンス侯爵邸を訪れた。 なんでも彼の子供が出来たから、シリルと別れてくれとのこと。 アイリーンはそれを承諾し、二人を追い返そうとするが、シリルとエイダはこの子を侯爵家の跡取りにして、アイリーンは侯爵家から出て行けというとんでもないことを主張する。 ※設定は緩いので物語としてお楽しみ頂けたらと思います ☆HOTランキング20位(2021.6.21) 感謝です*.* HOTランキング5位(2021.6.22)

【完結】妹が旦那様とキスしていたのを見たのが十日前

地鶏
恋愛
私、アリシア・ブルームは順風満帆な人生を送っていた。 あの日、私の婚約者であるライア様と私の妹が濃厚なキスを交わすあの場面をみるまでは……。 私の気持ちを裏切り、弄んだ二人を、私は許さない。 アリシア・ブルームの復讐が始まる。

【完結】妹にあげるわ。

たろ
恋愛
なんでも欲しがる妹。だったら要らないからあげるわ。 婚約者だったケリーと妹のキャサリンが我が家で逢瀬をしていた時、妹の紅茶の味がおかしかった。 それだけでわたしが殺そうとしたと両親に責められた。 いやいやわたし出かけていたから!知らないわ。 それに婚約は半年前に解消しているのよ!書類すら見ていないのね?お父様。 なんでも欲しがる妹。可愛い妹が大切な両親。 浮気症のケリーなんて喜んで妹にあげるわ。ついでにわたしのドレスも宝石もどうぞ。 家を追い出されて意気揚々と一人で暮らし始めたアリスティア。 もともと家を出る計画を立てていたので、ここから幸せに………と思ったらまた妹がやってきて、今度はアリスティアの今の生活を欲しがった。 だったら、この生活もあげるわ。 だけどね、キャサリン……わたしの本当に愛する人たちだけはあげられないの。 キャサリン達に痛い目に遭わせて……アリスティアは幸せになります!

公爵令嬢を虐げた自称ヒロインの末路

八代奏多
恋愛
 公爵令嬢のレシアはヒロインを自称する伯爵令嬢のセラフィから毎日のように嫌がらせを受けていた。  王子殿下の婚約者はレシアではなく私が相応しいとセラフィは言うが……  ……そんなこと、絶対にさせませんわよ?

どうやら私は不必要な令嬢だったようです

かのん
恋愛
 私はいらない存在だと、ふと気づいた。  さようなら。大好きなお姉様。

【完結】奪われたものを取り戻したかった

白崎りか
恋愛
「妹を虐げて殺した君は、聖女にふさわしくない。婚姻の約束はなかったことにする」  アルフレッド王子が宣言した。その隣には、悲し気な顔を作った聖女オディットがいた。  リリアーヌに愛を語った優しい王子は、もういない。  全て、聖女オディットに奪われてしまった。  リリアーヌは生まれつき、魔力を生み出す魔力核に欠陥があった。そのため、妹から魔力を奪って生きてきた。アルフレッド王子の隣に立つために、妹の魔力核を奪って聖女になろうとした。  しかし、移植手術が終わった後、リリアーヌとして目覚めたのは妹だった。 他のサイトにも投稿しています。

ごめんなさい、お姉様の旦那様と結婚します

秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
しがない伯爵令嬢のエーファには、三つ歳の離れた姉がいる。姉のブリュンヒルデは、女神と比喩される程美しく完璧な女性だった。端麗な顔立ちに陶器の様に白い肌。ミルクティー色のふわふわな長い髪。立ち居振る舞い、勉学、ダンスから演奏と全てが完璧で、非の打ち所がない。正に淑女の鑑と呼ぶに相応しく誰もが憧れ一目置くそんな人だ。  一方で妹のエーファは、一言で言えば普通。容姿も頭も、芸術的センスもなく秀でたものはない。無論両親は、エーファが物心ついた時から姉を溺愛しエーファには全く関心はなかった。周囲も姉とエーファを比較しては笑いの種にしていた。  そんな姉は公爵令息であるマンフレットと結婚をした。彼もまた姉と同様眉目秀麗、文武両道と完璧な人物だった。また周囲からは冷笑の貴公子などとも呼ばれているが、令嬢等からはかなり人気がある。かく言うエーファも彼が初恋の人だった。ただ姉と婚約し結婚した事で彼への想いは断念をした。だが、姉が結婚して二年後。姉が事故に遭い急死をした。社交界ではおしどり夫婦、愛妻家として有名だった夫のマンフレットは憔悴しているらしくーーその僅か半年後、何故か妹のエーファが後妻としてマンフレットに嫁ぐ事が決まってしまう。そして迎えた初夜、彼からは「私は君を愛さない」と冷たく突き放され、彼が家督を継ぐ一年後に離縁すると告げられた。

【完結】ずっと大好きでした。

猫石
恋愛
私、クローディア・ナジェリィは婚約者がいる。 それは、学年一モテると持て囃されているサローイン・レダン様。 10歳の時に婚約者になり、それから少しづつ愛を育んできた。 少なくとも私はそのつもりだった。 でも彼は違った。 運命の人と結婚したい、と、婚約の保留を申し出たのだ。 あなたの瞳には私が映らなくて、悲しくて、寂しくて、辛い。 だから、私は賭けに出た。 運命の人が、あなたかどうか、知るために。 ★息抜き作品です ☆このお話は完全フィクションです、創作です、妄想の作り話です。現実世界と混同せず、あぁ、ファンタジーだもんな、と、念頭に置いてお読みください。 ☆作者の趣味嗜好作品です。イラッとしたり、ムカッとしたりした時には、そっと別の素敵な作家さんの作品を検索してお読みください。(自己防衛大事!) ☆誤字脱字、誤変換が多いのは、作者のせいです。頑張って音読してチェックして!頑張ってますが、ごめんなさい、許してください。 小説家になろう様にも投稿しています なろうさんにて 日別総合ランキング3位 日別恋愛ランキング3位 ありがとうございますm(*_ _)m

処理中です...