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5章 迷宮の謎
15話 呪いと魔王?
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黒い絶対領域の中に入れ、小さくして回収した四匹の魔物をおとなしくさせる。
そしてこれまた絶対領域の中にある、以前回収していた精霊の泉の水を取り出すとドバドバとかけてみた。
すると魔物だった者たちの姿が少しずつ人の姿に戻っていく。
「やっぱりそうだわ! この娘たち、呪いが掛けられていたのよ」
アリエールが確信したように断言する。
しかし水の量が足りていないのか、完全に人には戻らないようだ。
「もうこれだけしか残ってない? あるだけ全部かけてあげて」
「わかったよ、まだあったような気が……あったこれだ」
泉の水はかなりストックしたつもりだったが、結構飲んだりしていたのでそんなに量は残ってなかった。
持っていた残りの水をかけ続けたあとで、アリエールが状態回復呪文と体力回復呪文をかけてみると、四人の冒険者は人間らしい姿に戻り、ついに呪いは解けたようだった。
しかし、ここで一つ、疑問がある。
なぜ完全に呪いが解けた、と分かったのか、だ。
それはもちろん、四人の娘を一度全裸にしてから、しっかりと触りまくって揉みまくったうえに、つまんで広げて匂いを嗅いだり、時にはなめたりして、しっかりと味も確かめてみたからだ。
もし呪いが解けてなければ、恐ろしいことになるからな。
本当にそこまでする必要があるのか、と言われればもちろんそれはわからない。
しかしアリエールのほうがノリノリでやっていたので、論理的には何も問題はないはずだ。
しばらくして、綺麗な状態に戻った四人が目を覚まして起き上がる。
「あれっ? 何してたんだっけ?」
「なんか、体が火照ってる気が……」
「うーん、なんか頭がボーっとするわ。あれっ? あなた達は……」
四人とも体は回復したようだが、まだ頭は回ってないようだ。
状況をハッキリとつかめていないような冒険者達の様子を見て、アリエールが確認する。
「あなた達、呪われていたのよ。もしかして魔族と戦ってたんじゃない? 紫色の肌をして角を生やした魔族にやられたんじゃないの?」
「そっそうよ! そうだわ、確か……【変化の魔王】とか言ってた奴に何かされたんだったわ!」
「そうそう、そうよ! 魔物に変えてやるって言われてバーンとなって……うん、それから記憶がないわ」
リーダーらしき彼女が思い出したように話すと、周りのメンバーも思い出したように話し合った。
魔物に変えられた後の記憶と、俺達にこねくりまわされた事の記憶は曖昧らしいが、やはり魔族に呪いをかけられたらしい。
それにしても【変化の魔王】か。
俺達が探している【進化の魔王】とは名前が少し違うようだが、やはり別物なのだろうか。
「なぁアリエール」
「やっぱり、あいつがここにいるんだわ、ケルビン、私を魔物に変えた奴が今度はこれをやったのよ!」
アリエールが怒ったような、少し怯えたような表情を見せる。
「おお! そいつがアリエールをワニに変えたのか、じゃあもしかして【進化の魔王】ってそいつの事だったのか?」
「いえ、それはどうかしら、あいつはもともと【変化の魔将軍】と名乗っていたはずよ、それに呪いの力からして、【進化の魔王】とはレベルが違う気がするわ」
アリエールは首をかしげながら否定した。
なるほど。
そもそも人間から魔物になってるだけで、まるで以前の魔物達のように、大きく【進化】はしてないな。
むしろ退化してるだろうから、【変化】の方が、確かにしっくりくるだろう。
しかし本当にアリエールをワニに変えた奴がそ い つだとしたら、アリエールからしたら絶対に許せないだろう。
よし、俺がギッタンギッタンにしてやる。
――いやまてよ。
でも、もしアリエールがワニになっていなかったら、そもそも俺と出会わなかったわけだし。
そうするとそいつは、俺達の出会いを演出した恩人って事になるのかもしれないぞ。
もし、披露宴を行うなら、必ず呼ばなければならない存在なはずだ。
うーん、困ったな。
こいつはいよいよ難しくなってきたぞ。
俺が何か変な所で悩んでいるときだった。
「ケルビン!」
驚いたようにアリエールが俺に大声をあげて警告する。
――ゾクリッ!
俺もすぐに振り向いた。
急に危険な気配が近づいてきたのだ。
「ああ、任せろ」
強者の雰囲気を感じ取った俺は、黒い領域から細い腕を出すと、四人の彼女達を一瞬にして領域内に入れ小さくして回収した。
そしてアリエールを抱き寄せると、俺達を囲う黒い絶対領域の障壁を厚くして空を見上げた。
すると、青い空の向こう側から、禍々しい気配を纏った怪しい何かが飛んで来た。
そしてこれまた絶対領域の中にある、以前回収していた精霊の泉の水を取り出すとドバドバとかけてみた。
すると魔物だった者たちの姿が少しずつ人の姿に戻っていく。
「やっぱりそうだわ! この娘たち、呪いが掛けられていたのよ」
アリエールが確信したように断言する。
しかし水の量が足りていないのか、完全に人には戻らないようだ。
「もうこれだけしか残ってない? あるだけ全部かけてあげて」
「わかったよ、まだあったような気が……あったこれだ」
泉の水はかなりストックしたつもりだったが、結構飲んだりしていたのでそんなに量は残ってなかった。
持っていた残りの水をかけ続けたあとで、アリエールが状態回復呪文と体力回復呪文をかけてみると、四人の冒険者は人間らしい姿に戻り、ついに呪いは解けたようだった。
しかし、ここで一つ、疑問がある。
なぜ完全に呪いが解けた、と分かったのか、だ。
それはもちろん、四人の娘を一度全裸にしてから、しっかりと触りまくって揉みまくったうえに、つまんで広げて匂いを嗅いだり、時にはなめたりして、しっかりと味も確かめてみたからだ。
もし呪いが解けてなければ、恐ろしいことになるからな。
本当にそこまでする必要があるのか、と言われればもちろんそれはわからない。
しかしアリエールのほうがノリノリでやっていたので、論理的には何も問題はないはずだ。
しばらくして、綺麗な状態に戻った四人が目を覚まして起き上がる。
「あれっ? 何してたんだっけ?」
「なんか、体が火照ってる気が……」
「うーん、なんか頭がボーっとするわ。あれっ? あなた達は……」
四人とも体は回復したようだが、まだ頭は回ってないようだ。
状況をハッキリとつかめていないような冒険者達の様子を見て、アリエールが確認する。
「あなた達、呪われていたのよ。もしかして魔族と戦ってたんじゃない? 紫色の肌をして角を生やした魔族にやられたんじゃないの?」
「そっそうよ! そうだわ、確か……【変化の魔王】とか言ってた奴に何かされたんだったわ!」
「そうそう、そうよ! 魔物に変えてやるって言われてバーンとなって……うん、それから記憶がないわ」
リーダーらしき彼女が思い出したように話すと、周りのメンバーも思い出したように話し合った。
魔物に変えられた後の記憶と、俺達にこねくりまわされた事の記憶は曖昧らしいが、やはり魔族に呪いをかけられたらしい。
それにしても【変化の魔王】か。
俺達が探している【進化の魔王】とは名前が少し違うようだが、やはり別物なのだろうか。
「なぁアリエール」
「やっぱり、あいつがここにいるんだわ、ケルビン、私を魔物に変えた奴が今度はこれをやったのよ!」
アリエールが怒ったような、少し怯えたような表情を見せる。
「おお! そいつがアリエールをワニに変えたのか、じゃあもしかして【進化の魔王】ってそいつの事だったのか?」
「いえ、それはどうかしら、あいつはもともと【変化の魔将軍】と名乗っていたはずよ、それに呪いの力からして、【進化の魔王】とはレベルが違う気がするわ」
アリエールは首をかしげながら否定した。
なるほど。
そもそも人間から魔物になってるだけで、まるで以前の魔物達のように、大きく【進化】はしてないな。
むしろ退化してるだろうから、【変化】の方が、確かにしっくりくるだろう。
しかし本当にアリエールをワニに変えた奴がそ い つだとしたら、アリエールからしたら絶対に許せないだろう。
よし、俺がギッタンギッタンにしてやる。
――いやまてよ。
でも、もしアリエールがワニになっていなかったら、そもそも俺と出会わなかったわけだし。
そうするとそいつは、俺達の出会いを演出した恩人って事になるのかもしれないぞ。
もし、披露宴を行うなら、必ず呼ばなければならない存在なはずだ。
うーん、困ったな。
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