ざふぁんじゃ!!!

Venere

文字の大きさ
上 下
4 / 13
第1章 the Mysterious World

#2 夢のはじまり

しおりを挟む
"ねぇ、あなたここが見えるの?わたしの声が聞こえるの?"

──こっ、ここはどこ?

 目を覚ました私の周りには、辺り一面、色とりどりの花が咲く草原が広がっていた。ふと空を見上げると、青い空がだんだん、ピンクというか、紫というか……不思議な色に変わっていった。ここは現実ではない……。そう感じた私は、おそるおそる後ろを振り返った。
「ちょっとそこのあんた、あたしの森で何してるの?」
 ぎゃあぁぁぁぁ〰️〰️空から女の子が降ってきたぁぁぁぁ〰️〰️!…………えっ、森?私は辺りを見渡した。さっきの花畑はなく、代わりに暗く不気味な森が私達2人を囲んでいた。
「あんた、すごいよ。瞬間移動魔法が使えるなんて。」
 一体何を言い出すの?私がそんなもの使えるわけが……と言おうとしたが、あまりにもびっくりしたため、声が出なかった。
「あっ、そうだ。あたしの魔法学校に入学してみない?」
 女の子はどこからか大きな宝石の付いた長い杖を取り出し、私の方へ杖の先を向けた。
「ヴェニーレ・ウニフォルム!」
 そのとたん、私の周りが光り出し、気がつくと胸に大きなリボンの付いた深紅色のセーラー服を着ていた。
「それがエリス魔法学校の制服だよ。じゃあー、その学校に来てね、待ってるよ!」
「あっ……、ちょっと……」
 間に合わなかった。私は急いで辺りを見渡したが、女の子はもうすでに消えていた。
「これが本物の瞬間移動なのか……。」
 私は何か幻でも見たのかという感覚だった。それより、どうやってこの暗い森を抜けて魔法学校へ行くのか…………と、そのとき!
「君、今迷ってるよね?」
 えっ何なに?あー、びっくりした……。だっていきなり目の前に煙が出てきてその中からヘンな生き物が出てくるからさ……。
「我はヘンな生き物じゃない!妖精ラクスフェルアだ!」
 黒猫の耳と尻尾が生え、背中には宝石のような6枚の羽を付けた金髪のおしゃれで不思議な妖精ラクスフェルアは真面目な表情に変え、続けて語り始めた。
「君は魔法学校に行かなければいけないんだ。でも、君1人じゃ分かんないだろうし、それに危ないから我が付いていく。魔王が復活したんだ。あれは大昔の2年前、魔王はこの世界を征服しようとたくらんだんだ。街は破壊された。そこへ1人の英雄、レグナークラと呼ばれる者が現れた。レグナークラ様は魔王を封印し、破壊された街を元通りにしたんだ。しかしつい最近の1週間前、その封印が解かれ魔王が再び世界を我が物にしようとし始めてるんだ。このままではレグナークラ様が危ない。君はその学校で魔法を学び、魔王を倒さねばならない。」
「そっ、そんなの、私には無理だよ〰️〰️」
「これは神様からのご命令だ。従わなければならない。」
 えっ……そんな…………。
「行くゾ」
 ラクスフェルアは人間の姿になった。私はラクスフェルアと手をつないだ。
「モーヴェレ・アッド・エリス!」
 ラクスフェルアがそう言うと、私の体がふわっと一瞬軽くなり、気がつくとピンク色をしたお城のような建物の前に私達2人は立っていた。
「この門の向こうで校長様が待っている。会って話をするんだ。話が終わったらまた会おう。君の幸運を祈る。」
 ラクスフェルアはそう言い、10cmくらいの小さな妖精に戻ってどこかへ行ってしまった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

余りモノ異世界人の自由生活~勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます~

藤森フクロウ
ファンタジー
 相良真一(サガラシンイチ)は社畜ブラックの企業戦士だった。  悪夢のような連勤を乗り越え、漸く帰れるとバスに乗り込んだらまさかの異世界転移。  そこには土下座する幼女女神がいた。 『ごめんなさあああい!!!』  最初っからギャン泣きクライマックス。  社畜が呼び出した国からサクッと逃げ出し、自由を求めて旅立ちます。  真一からシンに名前を改め、別の国に移り住みスローライフ……と思ったら馬鹿王子の世話をする羽目になったり、狩りや採取に精を出したり、馬鹿王子に暴言を吐いたり、冒険者ランクを上げたり、女神の愚痴を聞いたり、馬鹿王子を躾けたり、社会貢献したり……  そんなまったり異世界生活がはじまる――かも?    ブックマーク30000件突破ありがとうございます!!   第13回ファンタジー小説大賞にて、特別賞を頂き書籍化しております。  ♦お知らせ♦  余りモノ異世界人の自由生活、コミックス3巻が発売しました!  漫画は村松麻由先生が担当してくださっています。  よかったらお手に取っていただければ幸いです。    書籍のイラストは万冬しま先生が担当してくださっています。  7巻は6月17日に発送です。地域によって異なりますが、早ければ当日夕方、遅くても2~3日後に書店にお届けになるかと思います。  今回は夏休み帰郷編、ちょっとバトル入りです。  コミカライズの連載は毎月第二水曜に更新となります。  漫画は村松麻由先生が担当してくださいます。  ※基本予約投稿が多いです。  たまに失敗してトチ狂ったことになっています。  原稿作業中は、不規則になったり更新が遅れる可能性があります。  現在原稿作業と、私生活のいろいろで感想にはお返事しておりません。  

異世界がゾンビだらけってマジですか!?

ハヤブサ丸
ファンタジー
主人公、厨二病の「田中実」は、いつも変わらない日常が嫌いでずっと漫画やアニメのような異世界に憧れていた。ある時その気持ちが叶ってか異世界に飛ばされる。すると、そこには謎のマッチョの男がいた。そこは「ミール」と呼ばれる世界。そして、その異世界は彼の想像していた世界そのものだったが、ひとつだけ違うところが… それはゾンビだらけになっているということ

葬鐘

猫町氷柱
ホラー
とある心霊番組の心霊スポット巡り企画で訪れることになったとある廃墟。 中に入るなり起こる耳鳴り、おかしくなるスタッフ、腐臭。襲いかかる怪異。明らかにまずい状況に退散を命じるAD美空だが消息不明となってしまう。 行方不明になった姉を探しに一人訪れた美海。だが、その時、館内に鐘の音が鳴り響き絶望の歯車が回りだす。襲い掛かる脅威、戦慄の廃墟に姉を見つけ出し無事出られるのか。

愛されていないはずの婚約者に「貴方に愛されることなど望んでいませんわ」と申し上げたら溺愛されました

海咲雪
恋愛
「セレア、もう一度言う。私はセレアを愛している」 「どうやら、私の愛は伝わっていなかったらしい。これからは思う存分セレアを愛でることにしよう」 「他の男を愛することは婚約者の私が一切認めない。君が愛を注いでいいのも愛を注がれていいのも私だけだ」 貴方が愛しているのはあの男爵令嬢でしょう・・・? 何故、私を愛するふりをするのですか? [登場人物] セレア・シャルロット・・・伯爵令嬢。ノア・ヴィアーズの婚約者。ノアのことを建前ではなく本当に愛している。  × ノア・ヴィアーズ・・・王族。セレア・シャルロットの婚約者。 リア・セルナード・・・男爵令嬢。ノア・ヴィアーズと恋仲であると噂が立っている。 アレン・シールベルト・・・伯爵家の一人息子。セレアとは幼い頃から仲が良い友達。実はセレアのことを・・・?

追悼

アーエル
エッセイ・ノンフィクション
🌻🐰✨️🌻🐰✨️🌻🐰✨️🌻🐰✨️🌻🐰✨️🌻🐰✨️ 文字どおり追悼を投稿します ときどき 投稿するため 公開にしています 他社にも投稿します

「自重知らずの異世界転生者-膨大な魔力を引っさげて異世界デビューしたら、規格外過ぎて自重を求められています-」

mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
 ネットでみつけた『異世界に行ったかもしれないスレ』に書いてあった『異世界に転生する方法』をやってみたら本当に異世界に転生された。  チート能力で豊富な魔力を持っていた俺だったが、目立つのが嫌だったので周囲となんら変わらないよう生活していたが「目立ち過ぎだ!」とか「加減という言葉の意味をもっと勉強して!」と周囲からはなぜか自重を求められた。  なんだよ? それじゃあまるで、俺が自重をどっかに捨ててきたみたいじゃないか!  こうして俺の理不尽で前途多難?な異世界生活が始まりました。  ※注:すべてわかった上で自重してません。

短編ア・ラ・モード

ゆぶ
大衆娯楽
『あまく温かな香り』…  彼女のそれは、ぼくにはあまく温かな香りがした。

婚約も結婚も計画的に。

cyaru
恋愛
長年の婚約者だったルカシュとの関係が学園に入学してからおかしくなった。 忙しい、時間がないと学園に入って5年間はゆっくりと時間を取ることも出来なくなっていた。 原因はスピカという一人の女学生。 少し早めに貰った誕生日のプレゼントの髪留めのお礼を言おうと思ったのだが…。 「あ、もういい。無理だわ」 ベルルカ伯爵家のエステル17歳は空から落ちてきた鳩の糞に気持ちが切り替わった。 ついでに運命も切り替わった‥‥はずなのだが…。 ルカシュは婚約破棄になると知るや「アレは言葉のあやだ」「心を入れ替える」「愛しているのはエステルだけだ」と言い出し、「会ってくれるまで通い続ける」と屋敷にやって来る。 「こんなに足繁く来られるのにこの5年はなんだったの?!」エステルはルカシュの行動に更にキレる。 もうルカシュには気持ちもなく、どちらかと居言えば気持ち悪いとすら思うようになったエステルは父親に新しい婚約者を選んでくれと急かすがなかなか話が進まない。 そんな中「うちの息子、どうでしょう?」と声がかかった。 ルカシュと早く離れたいエステルはその話に飛びついた。 しかし…学園を退学してまで婚約した男性は隣国でも問題視されている自己肯定感が地を這う引き籠り侯爵子息だった。 ★↑例の如く恐ろしく省略してます。 ★8月22日投稿開始、完結は8月25日です。初日2話、2日目以降2時間おき公開(10:10~) ★コメントの返信は遅いです。 ★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません

処理中です...