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6章:「アカネ」ドラゴン討伐に行く

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「一体と対戦中に、70㎞離れていた同じ種類の赤竜が2体来たんだよ」
「3体を一人で相手にしたのか?それで倒した?」
「うん、ちょっと焦って大分破損させてしまったけど倒して、収納に入れてあるよ」
「!龍を収納に?収納力は魔力量に準ずる!どれだけ魔力あるんだよ!もしかして3体とも?」

驚愕するバジリスク達だった

「ああ、1体は木端微塵にしていまったので2体のみだけど、売れるかね~
売れると思って破片も拾って来たんだけど・・・」
「高く売れる、竜なんてめったに狩られないからな・・・今回も数年ぶりの討伐隊だ」

そうギンガットが言った
ロベールはアカネを信用して戦闘能力がSランク以上の者とすることにした
フィンセントはまだ玉(ぎょく)が気になるようだが、討伐後にまた話を聞こうと思っていた

冒険者Aランク、Bランクの者は水晶で判定したがSランクの攻撃力持つ者は居なかった
出発前日までに集まったSランク上は招集Bランク以上200人集めた中でアカネ以外でたった25人だった
それでもSランク以上と言うアカネの言葉を優先するロベール
冒険者の中には怪訝な顔をするものは居たが、王家に逆らう者は居なかった
冒険者25人、騎士5人(戦闘能力がSランク以上)アカネとロベールとフィンセントの総勢33人で行くことになった

「収納使えるのでどんどん言ってね、入れちゃいますよ~大きなテント組み立てたままでも入るから~」

荷運びの人間が要らないのも人数が少ない原因でもあった
アカネの前に食糧やテント予備の武器や治療具、回復薬等の薬など、どんどん運ばれてくる

「えーと行きの分だけでいいのでこんなにいらないと思うよ~帰りは移転魔法で全員ひとっとびだからさ」
「!!なっに~移転魔法?全員?」

準備の手が止まる冒険者や騎士達

「転移魔石で魔法陣施した所ならどんなに遠くても移転出来きるからね~
王都の壁外に施しといたので一瞬で帰れるよ」

あっけに捕られる討伐隊だった
一人なら行ったところなら移転魔法石は無で移動出来るが、
大人数だと必要だった、王都城壁から少し離れた所に土を固めてスペースを作り、
魔石を配置して陣を作っていた200人くらいまでなら一気に移転できる
魔力がかなり必要なので今はアカネしか出来ない。

「行きは頑張って行きましょう~・・・あっ・・・馬に乗れない~・・・飛んでいくかなぁ」





山道を行軍していく討伐隊
アカネは皆の上を飛んでいる、警戒も方向確認も出来るので一石二鳥だった

「桁が違いすぎるよな・・・」

馬と徒歩で行軍している討伐隊の面々は、上空を見てつくづく思った

「休憩だ、アカネ!降りて来い」

ギンガットに呼ばれ地上に降りたアカネ
ギンガットの元に行こうとするといつもロベールに

「話がある」

と呼ばれ横に座らされていた、聞かれるのは警戒中の様子や討伐の手順の確認なのだがなにせ近い、体を寄せてくるのだ

(う~また魔力でなでられた~)

【ルナ】:すこし気持ちよさそうでしたが大丈夫ですか?

(うっ落ちそうだわ・・・生娘でもあるまいに私ったら)

【ルナ】:アカネ様は生娘でしょう?

(あっ!そうか生娘か私は・・・記憶は生娘じゃないけど)

魔力で撫でてくるのと同時にあの心地いい風の魔力も放ってくるから、
気持ちよくなっているアカネだった

(なまじ顔が好みだから尚更よね、あの整った顔とさらさらの緑がかった銀髪、綺麗な碧眼で見つめられるとまずいわ落ちそうだわ、心臓バクバク!)

ドラゴン生息地までは王都から1000㎞
警戒しながら道のない山を行った為4日かかって緑竜の生息地に着いた

その日は警戒しながら再度討伐手順の打ち合わせをした

「不測の事態が起こった時、必ず私の指示にしたがってね、プライドも体裁も無しだよ!命あっての物種だからね!」

そこだけは何度も言っているアカネだった

翌日、戦闘態勢に入る討伐対
防御力の高い剣士系を前に攻撃力の高い物を左右に配置
補助魔法系と遠隔攻撃系を後ろに、指揮官と護衛が最後尾につけている
アカネは前衛の真ん中だ

「攻撃開始!」

ロベールが号令をかけると
補助魔法系が前衛に強化と防御魔法を展開
遠隔魔法系が弱体の魔法と重力魔法で竜を動けなくしようとした
が、あっけなく弾かれた、
直ぐに遠隔攻撃魔法に切り替えて、炎系の魔法を放い続けた
竜が少しよろけた所に前衛が攻撃をかける
うろこが硬いため刃物がほとんど立たない

「うろこの下は弱い!うろこの向こうを攻撃するつもりで叩きつけろ!」

アカネが叫んだ
竜は奇声を上げた、手を振り回し、尾を振り回して攻撃を掛けてくる
ぎりぎりの所を冒険者や騎士達は避けている、氷のブレスも障壁を張ってぎりぎり防いでいた

攻防は30分以上続いた
かなり弱ってきた緑竜、そこに恐れていたものが現れた
新たな竜、それも上位種になる黒竜が3体も現れた

「黒竜だと!」

叫んだのはバジリスク、
黒竜は上空から前衛のバジリスク達めがけて飛来した

「全員後方に退避!」

叫んだのはもちろんアカネだった
バジリスクはもうだめだと思ったその時、体が浮いた気がした
気が付くと指揮官陣地に全員移動していた
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