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ゆっくりと王子の方に向かって歩き出す女性、そして王子の前にひざまづく

『わが主《あるじ》の召喚に応じ参りました、魔人のエリザベートと申します』
「うんっ・・よろしくね、ネームド魔獣なんだね・・・ステータス・・・いいねぇ、僕より強い人はじめてだ・・・さすがSSランクの魔人だね」

「ロバートさまぁ~すごいです!魔人!それもSSランク・・・でも何処かで見たことあるような」
「ヘイゼル!私の召喚獣の方がすごいだろ」
「まだ根に持ってたんですか、私がSランクの神獣のフェンリルを召喚したこと、器が小さいですよ」
侯爵家三男のヘイゼルはロバートの一つ上で先に召喚の儀を昨年にもう終えていたのだった

ロバートが平気で不正を行っている貴族の首を切り落としていることを知っても、ほかの皆は、おびえるのに
魔道バカのヘイゼルは、変わらずずけずけと文句やため口を言う唯一の人間である
王子が魔法を使うたびキラキラと目を輝かしてみている、魔道バカ・・・魔道オタクである

「でもさすがです魔法陣のあの美しさ、MPはどうです?かなり減ったんじゃぁ」
キラキラの目で王子に迫る

「はぁ・・・相変わらず魔法のことばかりだな、半分以上減った」
「王子の魔法はどれも美しいですからね、あいかわらず膨大な魔力ですね,SSランク召喚して半分ですか、好きです(王子の魔力)」
「私はその気はないぞ」
「なっそういう意味じゃ」
「はっはっは冗談だ」
王子がケタケタと笑っていた

「あれが、作り笑いじゃなく笑うのはヘイゼルの前だけじゃな」
王がそう言って学園長を見る
「あの召喚獣はどう思う・・・」
「・・・・目の色と角以外そっくりです・・・」
二人は声を震わせて、ぎゅっと握りこぶしに力を入れた


「あー思い出した、悪役令嬢にそっくりなんだ」
かなり大きな声で叫んだヘイゼルだった
悪役令嬢の姿は普通に貴族図鑑に載っているので、見たことのあるものは多い
そしてそのヘイゼルの言葉を聞いた王子の目がキランと光った

会場はざわつく、生徒の両親や祖父母がかなりの数見学に来ていたからだった
王子の桁外れの観察力で青ざめている人間を確認していた
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