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その136.「CM」を略さずに言うと?

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   テレビやラジオのCM、 正式名称は「コマーシャル・メッセージ」。 

 広告宣伝の惹句を意味します。

 1990年代後半、 深夜の生放送バラエティ番組で、うっかり「トイレに行くならCMのうちに!」という発言をしたタレントが、レギュラーを降板させられ、テレビ業界を数年間干された事件がありました。
 放送したテレビ局の上層部や制作スタッフなど、関係者も減給や謹慎などの処分を受けたそうです。

 それほどまでに、テレビ局側は「CMを見てほしい」ものですし、番組制作に出資しているスポンサーも「CMを見てくれないと困る」のです。

 テレビの番組というのは、もちろんテレビ局も製作費を出しますが、主な製作費は協賛企業の出資です。

 番組を見ていて「この番組の提供は~~~ご覧のスポンサーでお送りしています」と流れる、いわゆる「提供バック」をよく見かけます。
 
 あれだけの企業がメインとして出資し、番組を作っているのです。

(提供バックの最中は、気が散るために他の文字を表示しないという暗黙のルールがあり、背景の看板や、Tシャツの柄の英語に至るまで、ヘンな部分にボカシがかかっていたりして、逆に気になります)

 面白い番組を作れば、視聴率が上がる。視聴率が上がれば、合間に放送するコマーシャルも見てもらえる。コマーシャルを見た視聴者が商品を買う。売上が伸びる。だからスポンサーは制作費を出す……という流れです。

 番組を見る層によって、宣伝するスポンサーも変わります。

 子供向けの特撮番組だったら、玩具会社とお菓子メーカーのCMばかりですし、主婦層メインの番組では、洗剤や化粧品といった具合。
 日曜の朝に放送している、パパ向けのゴルフ番組や釣り番組で、ゴルフ用品や釣り用品「以外」のCMを何度流しても、購入には繋がらないのは目に見えています。

 スポンサーCMとは別に、タイムCMやスポットCMというのもあります。 

 番組に製作費を出している企業とは別に、企業が「CMの放送枠をテレビ局から買っている」パターン。

 指定した番組の放送時間内に狙って流すのが 「タイムCM」。

 番組の視聴者層やニーズが読みやすく、効果が期待できるのが特徴です。
 ちなみに、タイムCMの中でも、番組放送直前に流れるのが「カウキャッチャー」、番組放送中のスキマに流れるのが「ステーションブレイク」、番組放送直後に流れるのが「ヒッチハイク」という呼び方があるそうです。

 早朝や深夜に、地方色豊かなローカルなお店のCMを多く放送していたりするのが「スポットCM」です。

 早朝、日中、夕方、夜、深夜といったザックリ区分した「時間帯」、5秒・10秒・15秒・30秒といった 「時間」、一週間のうちに何曜日に流すか「曜日指定」、 一定の期間内に「何回」放送するかで、金額は変動するようです。

 こちらは、「タイムCM」と比較して、指定する時間帯が漠然としているので、特定の視聴者層に見てもらえるかどうかは分かりにくいというデメリットはありますが、 本来のニーズ枠の範疇から外れた多くの視聴者にも届くので、世間での知名度アップに貢献することもあるようです。

(昔のVHSのビデオデッキには、機種によっては「CMカット」という機能があって、番組を予約すると自動的にCMだけ飛ばして録画してくれるのがあったけど……今考えると、アレってアリなのか? いいの?)
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