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第6章 家族になろう
第40話 本当のお別れ
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「お久しぶりです、ヴィクトル様」
私は雪を被った灰色の墓石に話しかけた。その雪を払うことはせずに、一定の距離を置いて。ゆっくりと、静かに言葉を続けた。
「あれからおよそ百年経ってしまいました。けれどどんな形であれ、再びお会いできて……」
嬉しいです、と言っていいものか悩んでしまった。
私を探すように遺言を残したヴィクトル様。それにより、さらにバラバラになってしまった家族。私がその言葉を発するのは烏滸がましいと思ったのだ。けれど……。
「感謝しています」
この言葉だけは伝えたかった。
「お陰でユベールに、ヴィクトル様のお孫様に会えました」
それがどれだけ幸運だっただろうか。
ユベールに見つけてもらうまで、私は見世物小屋にいたと聞く。
具体的なことは教えてもらえなかったけれど、けしていい環境ではなかったのだろう。ユベールが口を噤むくらいだから。
「時々、もしもあのままだったら、と思うことがあります。人間のまま、サビーナ先生の元に行っていたら、と」
ヴィクトル様の手紙で生きることを選択した、あり得たかもしれない未来の話。
あの時も魔術師協会に所属していたのなら、サビーナ先生はきっと、私をそこに置こうとするだろう。
そう、今回のように。
「けれどあの時代にいたら、やっぱり生き辛かったと思います。サビーナ先生の前任の先生もいますし、私の噂も……」
魔力量が多いという噂。それによってヴィクトル様の婚約者になったこと。
「さらに婚約破棄が知られたら、どんな目に遭っていたでしょうか。嫌がらせの他に、誹謗中傷まで加わっていたのではないか、と思うんです。家にも帰れない、落ちこぼれの魔術師。それを考えただけでも怖いです。あの時はもう、それに耐えられるだけの精神を持ち合わせていませんでしたから」
今はユベールのお陰で精神的に安定している。気力も体力も。復活しているから、受け流せた。一方的にあることないことをシビルに言われても、傍にユベールがいたから。
でも、疲弊した状態だったら?
「結局、どこへいっても死を望み、自ら命を絶っていたと思います」
私は目を閉じて、訪れることのなかった未来を偲んだ。その悲しい未来と結末を。
「だから、ヴィクトル様の下した決断は、間違っていないと思います。現に私はヴィクトル様を恨んでいません。ユベールに会わせてくれて、ありがとうございます」
ユベールをこの世に誕生させてくれて。
「この時代に私を連れて来てくれて。本当に感謝しています。それなのに私は、ヴィクトル様のお気持ちに、想いに気づけず、身勝手な判断をしました」
意に反して、自ら命を絶とうと。
「そんな私を人形になっても守ってくださったこと。大事にしてくれたことを思うと、本当に私はなんてことをしたのだと、申し訳なさでいっぱいになりました」
私は胸に手を当てて、ギュっと掴んだ。
「こんな私を愛してくれてありがとうございます。私もまた、愛していました。けれど今は……」
この胸に抱いているのは、別の人。もう、ヴィクトル様じゃない。だから……。
「ごめんなさい」
頭を下げて謝罪した。
せめて今の私を見て、ヴィクトル様の望む形だったら、どれだけいいだろうか。けれどそれを確かめる術を、持ち合わせていないのが残念だった。
人形になる前にいただいた、最後の手紙には何て書いてあっただろう。
『リゼットには生きていてほしい。どんな形でも……』
そうだ。こんな文面だった。少しはヴィクトル様の望みを叶えられただろうか。
私はゆっくりと体を上げた。途端、後ろから抱き締められた。
「ゆ、ユベールっ!」
どうしたの? と聞くよりも早く顎を取られ、横を向いたまま、ユベールの顔が近づいてきて……。
「んっ……」
「どう? 目が覚めた?」
唇が離れた瞬間、さも何でもないように話しかけられた。私はというと、何が起こったのか、瞬時に判断できずに呆然となってしまった。
「リゼット? まだダメなら、もう一回――……」
「だ、大丈夫! それに目なら覚めているからっ!」
私は必死にユベールから離れようと、もがいた。
「ごめん! 怒った? お祖父様の前でキスしたから」
「~~~っ!」
「でも、俯いたまま動かなくなっていたから……僕……」
「違うの! そうじゃなくて……初めてだったから……ビックリして……」
しかも突然、後ろからなんて……!
「初めて?」
「うん」
「リゼットはお祖父様の婚約者だったのに?」
「……幼なじみみたいなものだったから」
「それでも好きなら……」
お願い。それ以上、言わないで。私が情けなくなるから……。
「身分が違うのだから、私からなんてできないわ」
「そっちじゃなくて、お祖父様の方」
「ヴィクトル様の?」
「不器用だと思ったら、奥手でもあったんだね」
ユベールはそう言うと体を離してくれた。
「でも、今はそれが有り難いかな。リゼットの初めてをもらえるんだから」
「い、言い方!」
すでに人形の時に裸を見られているから、何とも言えなかった。あと、火事の時も……。ユベールの話だと、見ていないらしいけど……どこまで信用していいものか……。
「どうですか? お祖父様。今のリゼットを見て。羨ましくても、化けて出て来ないでくださいね。もう、僕のものなんですから。リゼットの夢にまで出て来たら許しませんよ」
「ユベール。最後のは無理があるんじゃないかしら」
どんな夢を見るのかは、私も決められない。ヴィクトル様が出てくることだって……。
「いいんだよ。これは決意表明みたいなものだから。あと、牽制」
「死者に牽制?」
「そうだよ。いつまでもリゼットの思い出に居続けるんだから、ちゃんと言っておかないとね」
つまり、これはヴィクトル様への牽制ではなく、私への当て付けだ。
「ごめんなさい」
「……これからは僕だけを見て。お祖父様を思い出す度に、傷つく顔を見たくないんだ」
「うん。それに、新しい土地に行ったら、思い出している暇もないと思うから、大丈夫」
「僕も気をつけるよ。仕事のことで、もうリゼットを蔑ろにしないって」
あっ、もしかして、あの時のことを気にしているのかな。ラシンナ商会から帰った日。火事になる前、声をかけたのに無視されたことを。
「そうしてもらえると嬉しいわ。結構、ショックだったから」
「えっ! ごめん! もうしないから許して!」
「それじゃ、さっきのも謝って。ファーストキスがあんなのって、ないと思うの」
「ごめん、なさい」
私も言い過ぎたかな、と思っていたけれど、ユベールの表情はさらに酷かった。まるでこの世の終わり、かのような表情。
だから私は、ユベールに近づき、さらに腕を伸ばした。首に抱きついて顔を引き寄せる。そしてユベールが驚いている隙に、唇を重ねた。
「私こそ。今はこれで許して。なるべく早く、ヴィクトル様のことを忘れるようにするから」
「……別に、これで仲直りしてくれるんだったら、構わないよ」
「ユベール?」
「何でもない!」
上手く聞き取れなかったから尋ねただけなのに、ユベールは踵を返して走っていってしまった。
積もった雪の上は危ないというのに……。
「ヴィクトル様。私は今、このような感じですが、幸せです。なので、安心してください。それでは、ユベールが行ってしまったので、私も」
また来ます、とは言えなかった。すると、空から雪が降って来た。まるで、早く行きなさい、と言われているかのように、感じた。
私は雪を被った灰色の墓石に話しかけた。その雪を払うことはせずに、一定の距離を置いて。ゆっくりと、静かに言葉を続けた。
「あれからおよそ百年経ってしまいました。けれどどんな形であれ、再びお会いできて……」
嬉しいです、と言っていいものか悩んでしまった。
私を探すように遺言を残したヴィクトル様。それにより、さらにバラバラになってしまった家族。私がその言葉を発するのは烏滸がましいと思ったのだ。けれど……。
「感謝しています」
この言葉だけは伝えたかった。
「お陰でユベールに、ヴィクトル様のお孫様に会えました」
それがどれだけ幸運だっただろうか。
ユベールに見つけてもらうまで、私は見世物小屋にいたと聞く。
具体的なことは教えてもらえなかったけれど、けしていい環境ではなかったのだろう。ユベールが口を噤むくらいだから。
「時々、もしもあのままだったら、と思うことがあります。人間のまま、サビーナ先生の元に行っていたら、と」
ヴィクトル様の手紙で生きることを選択した、あり得たかもしれない未来の話。
あの時も魔術師協会に所属していたのなら、サビーナ先生はきっと、私をそこに置こうとするだろう。
そう、今回のように。
「けれどあの時代にいたら、やっぱり生き辛かったと思います。サビーナ先生の前任の先生もいますし、私の噂も……」
魔力量が多いという噂。それによってヴィクトル様の婚約者になったこと。
「さらに婚約破棄が知られたら、どんな目に遭っていたでしょうか。嫌がらせの他に、誹謗中傷まで加わっていたのではないか、と思うんです。家にも帰れない、落ちこぼれの魔術師。それを考えただけでも怖いです。あの時はもう、それに耐えられるだけの精神を持ち合わせていませんでしたから」
今はユベールのお陰で精神的に安定している。気力も体力も。復活しているから、受け流せた。一方的にあることないことをシビルに言われても、傍にユベールがいたから。
でも、疲弊した状態だったら?
「結局、どこへいっても死を望み、自ら命を絶っていたと思います」
私は目を閉じて、訪れることのなかった未来を偲んだ。その悲しい未来と結末を。
「だから、ヴィクトル様の下した決断は、間違っていないと思います。現に私はヴィクトル様を恨んでいません。ユベールに会わせてくれて、ありがとうございます」
ユベールをこの世に誕生させてくれて。
「この時代に私を連れて来てくれて。本当に感謝しています。それなのに私は、ヴィクトル様のお気持ちに、想いに気づけず、身勝手な判断をしました」
意に反して、自ら命を絶とうと。
「そんな私を人形になっても守ってくださったこと。大事にしてくれたことを思うと、本当に私はなんてことをしたのだと、申し訳なさでいっぱいになりました」
私は胸に手を当てて、ギュっと掴んだ。
「こんな私を愛してくれてありがとうございます。私もまた、愛していました。けれど今は……」
この胸に抱いているのは、別の人。もう、ヴィクトル様じゃない。だから……。
「ごめんなさい」
頭を下げて謝罪した。
せめて今の私を見て、ヴィクトル様の望む形だったら、どれだけいいだろうか。けれどそれを確かめる術を、持ち合わせていないのが残念だった。
人形になる前にいただいた、最後の手紙には何て書いてあっただろう。
『リゼットには生きていてほしい。どんな形でも……』
そうだ。こんな文面だった。少しはヴィクトル様の望みを叶えられただろうか。
私はゆっくりと体を上げた。途端、後ろから抱き締められた。
「ゆ、ユベールっ!」
どうしたの? と聞くよりも早く顎を取られ、横を向いたまま、ユベールの顔が近づいてきて……。
「んっ……」
「どう? 目が覚めた?」
唇が離れた瞬間、さも何でもないように話しかけられた。私はというと、何が起こったのか、瞬時に判断できずに呆然となってしまった。
「リゼット? まだダメなら、もう一回――……」
「だ、大丈夫! それに目なら覚めているからっ!」
私は必死にユベールから離れようと、もがいた。
「ごめん! 怒った? お祖父様の前でキスしたから」
「~~~っ!」
「でも、俯いたまま動かなくなっていたから……僕……」
「違うの! そうじゃなくて……初めてだったから……ビックリして……」
しかも突然、後ろからなんて……!
「初めて?」
「うん」
「リゼットはお祖父様の婚約者だったのに?」
「……幼なじみみたいなものだったから」
「それでも好きなら……」
お願い。それ以上、言わないで。私が情けなくなるから……。
「身分が違うのだから、私からなんてできないわ」
「そっちじゃなくて、お祖父様の方」
「ヴィクトル様の?」
「不器用だと思ったら、奥手でもあったんだね」
ユベールはそう言うと体を離してくれた。
「でも、今はそれが有り難いかな。リゼットの初めてをもらえるんだから」
「い、言い方!」
すでに人形の時に裸を見られているから、何とも言えなかった。あと、火事の時も……。ユベールの話だと、見ていないらしいけど……どこまで信用していいものか……。
「どうですか? お祖父様。今のリゼットを見て。羨ましくても、化けて出て来ないでくださいね。もう、僕のものなんですから。リゼットの夢にまで出て来たら許しませんよ」
「ユベール。最後のは無理があるんじゃないかしら」
どんな夢を見るのかは、私も決められない。ヴィクトル様が出てくることだって……。
「いいんだよ。これは決意表明みたいなものだから。あと、牽制」
「死者に牽制?」
「そうだよ。いつまでもリゼットの思い出に居続けるんだから、ちゃんと言っておかないとね」
つまり、これはヴィクトル様への牽制ではなく、私への当て付けだ。
「ごめんなさい」
「……これからは僕だけを見て。お祖父様を思い出す度に、傷つく顔を見たくないんだ」
「うん。それに、新しい土地に行ったら、思い出している暇もないと思うから、大丈夫」
「僕も気をつけるよ。仕事のことで、もうリゼットを蔑ろにしないって」
あっ、もしかして、あの時のことを気にしているのかな。ラシンナ商会から帰った日。火事になる前、声をかけたのに無視されたことを。
「そうしてもらえると嬉しいわ。結構、ショックだったから」
「えっ! ごめん! もうしないから許して!」
「それじゃ、さっきのも謝って。ファーストキスがあんなのって、ないと思うの」
「ごめん、なさい」
私も言い過ぎたかな、と思っていたけれど、ユベールの表情はさらに酷かった。まるでこの世の終わり、かのような表情。
だから私は、ユベールに近づき、さらに腕を伸ばした。首に抱きついて顔を引き寄せる。そしてユベールが驚いている隙に、唇を重ねた。
「私こそ。今はこれで許して。なるべく早く、ヴィクトル様のことを忘れるようにするから」
「……別に、これで仲直りしてくれるんだったら、構わないよ」
「ユベール?」
「何でもない!」
上手く聞き取れなかったから尋ねただけなのに、ユベールは踵を返して走っていってしまった。
積もった雪の上は危ないというのに……。
「ヴィクトル様。私は今、このような感じですが、幸せです。なので、安心してください。それでは、ユベールが行ってしまったので、私も」
また来ます、とは言えなかった。すると、空から雪が降って来た。まるで、早く行きなさい、と言われているかのように、感じた。
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