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第5章 首都へ帰還
第40話 気分が悪い理由は……
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首都に戻ってきたその足で、私はブレイズ公爵邸に向かった。
「メイベル、お帰りなさい」
先に手紙で連絡していたのもあって、お母様が出迎えてくれた。それも婚約破棄されて戻ってきた時と同じように、玄関から出て待ってくれていたのだ。
あの時とは違うのは、温かい表情と立ち方。騎士団の訓練から帰って来た時と、同じような雰囲気を纏っていた。
うるさいことを言う割に、こういうところは律儀なんだから。
「あら、一人なの?」
馬車から降りてきたのが私だけだったのが、ご不満だと謂わんばかりの口調。手紙にもアリスター様と帰ることは伝えていたため、お母様は露骨に怪訝な表情をした。
「アリスター様はシオドーラの、聖女の護送があるので、私は先にこっちへ。エヴァレット辺境伯のタウンハウスでは気が休まらないだろうから、と」
「どうやら、その判断は間違っていなかったようね。顔色が悪いわ。どうしたの? 何かあって?」
「大丈夫です。ちょっと転移魔法陣に当てられて気持ち悪くなっただけですから」
そう。首都に着いた途端、私は気持ち悪くなり、動けなくなってしまったのだ。
しばらくの間、休んだのだが、アリスター様が心配をして、サミーと共にブレイズ公爵邸へ送り出してくれた、というわけである。
勿論、首都にあるエヴァレット辺境伯のタウンハウスに、という選択肢もあった。しかし一度しか行ったことのない場所に、さすがのアリスター様も、行けとは言えなかったのだ。
それどころか、私に同行したいと言い張る始末。けれど、シオドーラの護送を他の者に託すわけにはいかないため、説得したのだが、それでも渋々……いや、泣く泣く私を馬車に。
サミーには「何かあったらすぐに連絡してくれ」と念入りに言っていた。それはもう、恥ずかしいくらい。
「まぁ、メイベルは遠出をしたことが、あまりなかったから。何度も転移魔法陣で移動すれば、確かにそうなってしまうかもしれないわね」
「……面目次第もないです」
「何を言っているの。そういう時のために私が、いえこの家があるのだから、いつでも頼ってくれていいのよ。何でも大変そうだったらしいじゃない」
早く詳細を聞かせなさい、という圧力を感じた。その前の優しい言葉は何だったのか、というほどに。しかし、それは嘘ではなかったようだ。
「一先ず、部屋でゆっくり休みなさい。そのままにしてあるから」
「っ! ありがとうございます、お母様」
帰って来たことと、お母様の温かさに触れたこと。その両方に涙ぐんでしまった。
***
うるさい。誰かが言い争っている声がする。
「……――が何で!」
「それはメイ…………だから仕方がな……――」
うるさい。静かにしてくれないかな。
「やだよ、そんなの!」
「うるさい!」
言い争いなら他所でやって、とばかりに私は手近にある物を投げた。と同時に、起き上がった上半身を、そのまま倒れるようにベッドへ横たわらせる。
けれどマットレスに背中が当たったような感触がしない。
「メイベルっ!」
代わりに感じるのは温もりだった。でも、まだ布団にくるまっていない。私はその不思議な感覚に、閉じていた瞼を開けた。
「だ、んな、さま?」
逆光になっていても、美しい銀髪。その奥にある赤い瞳が、何故か私を心配そうに見詰めてくる。
しかし、私の声に安堵したからなのか、表情が柔らかくなった。が、逆に私は眉間に皺を寄せる。
「邪魔、しないで!」
まだ眠いんだから、とアリスター様の腕から逃れようと、その体を叩いた。けれど案の定というべきか、ビクともしない。それでも、私は止めなかった。
「分かった。分かったから、大人しくしてくれ」
「嫌!」
邪魔している側の意見を何で私が。逆に私の意見を聞くべきでしょう! 理不尽なことを言わないで!
「サミー、枕を取ってくれ」
「はい」
「いくらマットレスが柔らかくても、危ないだろう」
大袈裟な。いつもこうして寝ているじゃない。それに……。
「平気で人のことを押し倒す人が、何を言っているんですか」
「それは我慢できなくて、じゃなくてだな。今は大事な体だから」
「……これまでは違うと?」
「本当に寝起きは質が悪いな」
枕に頭を乗せられ、そのまま体を「ふんっ!」と横に向ける。寝起きにお小言は聞きたくないからだ。
しかし、アリスター様は許してくれなかった。いや、爆弾発言を聞いてしまったために、できなかった、というのが正しい。
「こう言えば目が覚めるか。子どもができたんだよ」
「え? だ、誰に?」
いや、誰の? と聞くべきだったかな。私は仰向けになって、アリスター様の顔を見た。
「メイベルのお腹に、俺たちの子どもが」
「ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーー!!」
「だから、大声を出すな。お腹に響くだろうが」
「そ、そんなことを言われても……」
急に子どもができたと言われて、すぐに実感できるとでも言うの? すぐに母性が目覚めて、母親になれると思っているの? 自覚だってまだしていないのに。
「はぁ。これだから、男どもは」
唐突にお母様の声が聞こえてきた。それも呆れた声が。
「クリフ。エヴァレット辺境伯を連れて部屋の外に出て行ってちょうだい」
「え! 何で僕まで」
「寝ているメイベルの部屋で騒いだ罰よ。口論なら別室でやりなさい。それとも叩き出されたいのかしら」
え? クリフまでいるの?
私は咄嗟に起き上がろうとした。けれどアリスター様に止められてしまう。
「俺まで出て行く必要があるんですか?」
「夫であっても、順序を間違えてメイベルに負担をかければ同じことよ。貴方も罰を受けるべきでしょう。違うかしら? ねぇ、メイベル」
「今回はお母様に同意します」
「め、メイベル!?」
今のアリスター様とはゆっくり話ができるとは思えない。妊婦だからという理由で、ベッドから出さないこともあり得るからだ。
同じ過保護でも、お母様は違うだろう。何と言っても、大先輩。ここは言うことを聞くべきだ。
「そういうことだから、サミー。二人が出ていかないのなら、叩き出しなさい。許可をするわ。一人では無理そうなら、誰か呼んでも構わないから」
「畏まりました」
「いいよ、そこまでしなくても。エヴァレット辺境伯、行くよ。ここは逆らわない方がいい」
「……分かった」
渋々そう言いながら離れていくアリスター様。代わりに傍にやってくるお母様のお陰で、私は上半身を起き上がらせることができた。
「さすがはお母様。ありがとうございます」
「ここにいる間は助けてあげられるけど、今後は貴女がやるのよ。そうでなかったら――……」
「分かっています」
身動きが取れなくなることくらい……。
私はアリスター様とクリフが出て行った扉を見ながら、遠くなりそうになった気を、グッと堪えた。
「メイベル、お帰りなさい」
先に手紙で連絡していたのもあって、お母様が出迎えてくれた。それも婚約破棄されて戻ってきた時と同じように、玄関から出て待ってくれていたのだ。
あの時とは違うのは、温かい表情と立ち方。騎士団の訓練から帰って来た時と、同じような雰囲気を纏っていた。
うるさいことを言う割に、こういうところは律儀なんだから。
「あら、一人なの?」
馬車から降りてきたのが私だけだったのが、ご不満だと謂わんばかりの口調。手紙にもアリスター様と帰ることは伝えていたため、お母様は露骨に怪訝な表情をした。
「アリスター様はシオドーラの、聖女の護送があるので、私は先にこっちへ。エヴァレット辺境伯のタウンハウスでは気が休まらないだろうから、と」
「どうやら、その判断は間違っていなかったようね。顔色が悪いわ。どうしたの? 何かあって?」
「大丈夫です。ちょっと転移魔法陣に当てられて気持ち悪くなっただけですから」
そう。首都に着いた途端、私は気持ち悪くなり、動けなくなってしまったのだ。
しばらくの間、休んだのだが、アリスター様が心配をして、サミーと共にブレイズ公爵邸へ送り出してくれた、というわけである。
勿論、首都にあるエヴァレット辺境伯のタウンハウスに、という選択肢もあった。しかし一度しか行ったことのない場所に、さすがのアリスター様も、行けとは言えなかったのだ。
それどころか、私に同行したいと言い張る始末。けれど、シオドーラの護送を他の者に託すわけにはいかないため、説得したのだが、それでも渋々……いや、泣く泣く私を馬車に。
サミーには「何かあったらすぐに連絡してくれ」と念入りに言っていた。それはもう、恥ずかしいくらい。
「まぁ、メイベルは遠出をしたことが、あまりなかったから。何度も転移魔法陣で移動すれば、確かにそうなってしまうかもしれないわね」
「……面目次第もないです」
「何を言っているの。そういう時のために私が、いえこの家があるのだから、いつでも頼ってくれていいのよ。何でも大変そうだったらしいじゃない」
早く詳細を聞かせなさい、という圧力を感じた。その前の優しい言葉は何だったのか、というほどに。しかし、それは嘘ではなかったようだ。
「一先ず、部屋でゆっくり休みなさい。そのままにしてあるから」
「っ! ありがとうございます、お母様」
帰って来たことと、お母様の温かさに触れたこと。その両方に涙ぐんでしまった。
***
うるさい。誰かが言い争っている声がする。
「……――が何で!」
「それはメイ…………だから仕方がな……――」
うるさい。静かにしてくれないかな。
「やだよ、そんなの!」
「うるさい!」
言い争いなら他所でやって、とばかりに私は手近にある物を投げた。と同時に、起き上がった上半身を、そのまま倒れるようにベッドへ横たわらせる。
けれどマットレスに背中が当たったような感触がしない。
「メイベルっ!」
代わりに感じるのは温もりだった。でも、まだ布団にくるまっていない。私はその不思議な感覚に、閉じていた瞼を開けた。
「だ、んな、さま?」
逆光になっていても、美しい銀髪。その奥にある赤い瞳が、何故か私を心配そうに見詰めてくる。
しかし、私の声に安堵したからなのか、表情が柔らかくなった。が、逆に私は眉間に皺を寄せる。
「邪魔、しないで!」
まだ眠いんだから、とアリスター様の腕から逃れようと、その体を叩いた。けれど案の定というべきか、ビクともしない。それでも、私は止めなかった。
「分かった。分かったから、大人しくしてくれ」
「嫌!」
邪魔している側の意見を何で私が。逆に私の意見を聞くべきでしょう! 理不尽なことを言わないで!
「サミー、枕を取ってくれ」
「はい」
「いくらマットレスが柔らかくても、危ないだろう」
大袈裟な。いつもこうして寝ているじゃない。それに……。
「平気で人のことを押し倒す人が、何を言っているんですか」
「それは我慢できなくて、じゃなくてだな。今は大事な体だから」
「……これまでは違うと?」
「本当に寝起きは質が悪いな」
枕に頭を乗せられ、そのまま体を「ふんっ!」と横に向ける。寝起きにお小言は聞きたくないからだ。
しかし、アリスター様は許してくれなかった。いや、爆弾発言を聞いてしまったために、できなかった、というのが正しい。
「こう言えば目が覚めるか。子どもができたんだよ」
「え? だ、誰に?」
いや、誰の? と聞くべきだったかな。私は仰向けになって、アリスター様の顔を見た。
「メイベルのお腹に、俺たちの子どもが」
「ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーー!!」
「だから、大声を出すな。お腹に響くだろうが」
「そ、そんなことを言われても……」
急に子どもができたと言われて、すぐに実感できるとでも言うの? すぐに母性が目覚めて、母親になれると思っているの? 自覚だってまだしていないのに。
「はぁ。これだから、男どもは」
唐突にお母様の声が聞こえてきた。それも呆れた声が。
「クリフ。エヴァレット辺境伯を連れて部屋の外に出て行ってちょうだい」
「え! 何で僕まで」
「寝ているメイベルの部屋で騒いだ罰よ。口論なら別室でやりなさい。それとも叩き出されたいのかしら」
え? クリフまでいるの?
私は咄嗟に起き上がろうとした。けれどアリスター様に止められてしまう。
「俺まで出て行く必要があるんですか?」
「夫であっても、順序を間違えてメイベルに負担をかければ同じことよ。貴方も罰を受けるべきでしょう。違うかしら? ねぇ、メイベル」
「今回はお母様に同意します」
「め、メイベル!?」
今のアリスター様とはゆっくり話ができるとは思えない。妊婦だからという理由で、ベッドから出さないこともあり得るからだ。
同じ過保護でも、お母様は違うだろう。何と言っても、大先輩。ここは言うことを聞くべきだ。
「そういうことだから、サミー。二人が出ていかないのなら、叩き出しなさい。許可をするわ。一人では無理そうなら、誰か呼んでも構わないから」
「畏まりました」
「いいよ、そこまでしなくても。エヴァレット辺境伯、行くよ。ここは逆らわない方がいい」
「……分かった」
渋々そう言いながら離れていくアリスター様。代わりに傍にやってくるお母様のお陰で、私は上半身を起き上がらせることができた。
「さすがはお母様。ありがとうございます」
「ここにいる間は助けてあげられるけど、今後は貴女がやるのよ。そうでなかったら――……」
「分かっています」
身動きが取れなくなることくらい……。
私はアリスター様とクリフが出て行った扉を見ながら、遠くなりそうになった気を、グッと堪えた。
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