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第二章 心 梨华妃(リーファヒ)の公主 と 帝の弟

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「う…、これは…」
「灯台下暗しとはまさにこのことでございますな、大丈夫ですか、殿下」
「光儀でいい、しかしコレは…、なんと」



仁光儀は目の前の光景と匂いに服の袖で鼻をおおった。
武官の高雷は低い声で言うと、光儀の背を撫でた。
高雷は小さい頃はよく遊んでもらったものだ。
もう今年で齢五十近くにもなるといういのに、筋骨隆々で武官としては近衛隊の隊長も務めていた。


「!」


ふと、反対側の袖を引っ張る弱い力を感じ、光儀はソチラを見た。



「お兄ちゃん綺麗な服着てる…、ね、食べ物ちょうだい?」
「食べ物」
「お腹すいたよぉ」


薄汚れた服の子供達が集まってくる。
職業どころか食物に困っている状態…、ソレによく見ると小蠅が子供達の周りを飛んでいた。



「高雷」
「御意」



光儀は高雷に炊き出しと衣服と外風呂の者を呼ぶよう命じようとしたが、ソレをくみ取ったのか、高雷はすぐに返事をし、同じく護衛としてついてきた二人の武官の内、一人に指示を出すと、武官は走って宮殿へと向かった。
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