上 下
5 / 30
第一章 誰が為の新嫁娘(シンチャンニャン)

4

しおりを挟む
「…アンタ、確かアタシを帝の命令で連れてきたお役人だっけ?
…どっかで会ったこと……」

「街ではな。
会うのは初めてだ」

「街では…?

…嗚呼、なるほど」



燐燗はソコで気づき、虹色のオーラにニヤリと笑った。



「アンタ、本当は皇族だろ、ソノ滲み出る虹色のオーラ。
帝の兄弟と見た。
どうだい?」

「正解だ」



美麗な男はまとめ上げた髪を下ろしながら笑っていい、「仁光儀(ジンコウギ)だ。街の噂は本当のようだな」と言った。

ソレに燐燗は目を開いて、一瞬言葉を失うが、次いでニヤリと笑った。
そして簪を差し出す。
しおりを挟む

処理中です...