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第一話 鬼達の幼き日々
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夜亜芽(ヨツメ)と現(うつつ)との出会いは、母─翠桜(スイオウ)が連れて来た”許嫁”というモノだった。
彼女はボロボロの姿だった。
曰く、親から虐待を受けていたようだ。
夜亜芽の母親は、現(うつつ)の母─翠桜の妹らしい。
最初は妹の茜という少女を許嫁に差し出したそうだが、「姉が居るでしょう?」と言ったら、翠桜の妹は表情を強張らせて言葉を失ったらしい。
そして「娘はこの茜だけよ」と言い張ったらしい。
そんな中、姉である翠桜の側に居た父─九蓋(クガイ)が出て来たらしい。
希少さが赤恋玖より少ない青鬼の青瑠璃玖の長が出てきたら、隠し通せるものも隠し通せない。
翠桜が側の物置小屋に行くと、物音がかすかにしたのを九蓋と翠桜は聞き逃さなかった。
「開けるな!」という翠桜の妹の声を無視して物置小屋を開けると、ソコには怯えた赤い髪に金色の瞳の”角の無い鬼”が居た。
ソノ小さな小鬼は、髪は長くてボロボロで、やせ細ろえていて、とても健康幼児とは想えなかった。
また顔や肌には殴られたであろう跡があり、虐待されているのが明らかに見てとれた。
「コノ子を現(うつつ)の許嫁にもらいます」
「勝手なことを…」
「私が親になろう」
「…っ、青瑠璃玖長(アオルリクオサ)…」
翠桜が赤い髪の”角の無い鬼”を抱き上げるとハッキリと言い放つ。
するとソノ妹が睨みつけて言い、九蓋が前に出て翠桜をかばった。
ソレに赤い髪の”角の無い鬼”の母親は憎々し気に言った。
「ふんっ!好きにするといいわ!姉さんにはお似合いの産物よ!!
ソイツは五歳になっても角が生えなかった。
出来損ない、憎たらしい、まるで人間みたいだわ!
そんな奴くれてやるわ!
…さぁ、茜?
これからは幸せな日々が待っているからね」
ソノ時、母は見逃さなかったという。
翠桜の妹である茜の母の見えないところ、茜の背中で、茜が指文字を示したことを。
「お姉ちゃん、会いに行く」と。
ソレに翠桜が微笑むと、ソレを自分に向けられたと翠桜の妹は受け取ったみたいでチッと舌打ちをした。
そして怯える夜亜芽という赤い髪に金の瞳の”角の無い鬼”を、二人は連れ帰ってきた。
彼女はボロボロの姿だった。
曰く、親から虐待を受けていたようだ。
夜亜芽の母親は、現(うつつ)の母─翠桜の妹らしい。
最初は妹の茜という少女を許嫁に差し出したそうだが、「姉が居るでしょう?」と言ったら、翠桜の妹は表情を強張らせて言葉を失ったらしい。
そして「娘はこの茜だけよ」と言い張ったらしい。
そんな中、姉である翠桜の側に居た父─九蓋(クガイ)が出て来たらしい。
希少さが赤恋玖より少ない青鬼の青瑠璃玖の長が出てきたら、隠し通せるものも隠し通せない。
翠桜が側の物置小屋に行くと、物音がかすかにしたのを九蓋と翠桜は聞き逃さなかった。
「開けるな!」という翠桜の妹の声を無視して物置小屋を開けると、ソコには怯えた赤い髪に金色の瞳の”角の無い鬼”が居た。
ソノ小さな小鬼は、髪は長くてボロボロで、やせ細ろえていて、とても健康幼児とは想えなかった。
また顔や肌には殴られたであろう跡があり、虐待されているのが明らかに見てとれた。
「コノ子を現(うつつ)の許嫁にもらいます」
「勝手なことを…」
「私が親になろう」
「…っ、青瑠璃玖長(アオルリクオサ)…」
翠桜が赤い髪の”角の無い鬼”を抱き上げるとハッキリと言い放つ。
するとソノ妹が睨みつけて言い、九蓋が前に出て翠桜をかばった。
ソレに赤い髪の”角の無い鬼”の母親は憎々し気に言った。
「ふんっ!好きにするといいわ!姉さんにはお似合いの産物よ!!
ソイツは五歳になっても角が生えなかった。
出来損ない、憎たらしい、まるで人間みたいだわ!
そんな奴くれてやるわ!
…さぁ、茜?
これからは幸せな日々が待っているからね」
ソノ時、母は見逃さなかったという。
翠桜の妹である茜の母の見えないところ、茜の背中で、茜が指文字を示したことを。
「お姉ちゃん、会いに行く」と。
ソレに翠桜が微笑むと、ソレを自分に向けられたと翠桜の妹は受け取ったみたいでチッと舌打ちをした。
そして怯える夜亜芽という赤い髪に金の瞳の”角の無い鬼”を、二人は連れ帰ってきた。
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