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知らない贈り物
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ある日、帰宅したら玄関の前に段ボール箱が置かれていました。
送り主は見覚えのない会社名で、宛名は私の名前でした。
注文した覚えもないし、着払いでもないし、何だろうと思いつつ、部屋の中へ持ち込んで中を開けてみました。
中には、ぬいぐるみがひとつと雑貨やお菓子が入っていました。可愛らしい顔をしたクマのぬいぐるみに、落ち着いた雰囲気の花柄のケースや、可愛らしいチョコレートなんかの女の子が喜びそうなものでした。私は男ですが、正直ちょっと嬉しかったです。
でも、これは誰からの贈り物なんだろう? と思って箱の中を探ってみました。
すると、一枚の手紙を見つけました。手紙にはこう書かれていました。
「おめでとうございます! あなたは当社の抽選に当選されました! 当選品としてこの素敵なプレゼントをお送りします! このプレゼントはあなたにピッタリのものを選んでいますので、是非楽しんでください! また、このプレゼントには特別な力があります。あなたの願いを叶えてくれるかもしれませんよ! ただし、一つだけ注意事項があります。このプレゼントは絶対に他人に見せないでください。それだけはお守りください。それでは、素敵な日となりますように!」
手紙には署名も連絡先もありませんでした。どうやら手書きで書かれているということは分かりますが、鑑定士では無いのでどんな人が書いたのかは分かりません。
私は不思議に思いましたが、まあタダでプレゼントをもらったんだから、文句は言えないかと思ってそのまま受け取ることにしました。
でも、他人に見せないでくださいというのは何だろう? と思ってちょっと気になりました。
その日から私はそのプレゼントを部屋に飾ることにしました。お菓子はその日のうちに食べました。雑貨はテレビの横の物置として設置しました。ぬいぐるみはベッドの上の棚に置きました。
そして、不思議なことに、プレゼントを置いてから何やらいい事ばかりが起きるようになったのです。
友達と冗談で買ったクジが当たって数万程手に入ったり、懸賞に当たったり、偶然有名人と会ったり。
とても楽しい時間を過ごせていました。
ある時友達が家に遊びに来ることになりました。
そのとき、私はすっかりあの手紙のことを忘れていたんです。
「あ、ぬいぐるみ? 可愛い趣味じゃん」
友達が部屋に来た時、言われて気づきました。
誰にも見られたらいけないって書いてあったことをその瞬間思い出しましたが、まあ、いいだろうと諦めました。
「実はこのぬいぐるみ貰い物でさ、これが来てからなんだか運がいいんだよ」
「へえ、良かったじゃん」
「ただ、注意書きみたいなの書いてあってさ、誰にも見られたらダメだって」
「え、俺見ちゃってるけど?」
「まあ、イタズラみたいなもんだろうし、大丈夫だと思う」
そう言ってぬいぐるみの頭を触ろうとした時、ぬいぐるみがポトリと落ちました。
触ってないはずなのに。なんで?
疑問に思う間もなく、ぬいぐるみはゴロンと落ちたあと、ブルブルと震え始めました
「え、え、なにこれ!」
友達は驚いて騒ぎ始めました。私は驚きすぎて動くことが出来ず、ぬいぐるみをだまってみつづけていました。
「嘘つき、嘘つき」
ブルブルとふるえるぬいぐるみから、お腹に響く重い声が響いてきました。
「嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき」
どんどん声が大きくなって、耳を塞ぎたくなる程の音量になってきた時、ぬいぐるみがむくりと起き上がり私の方へと近づいてくるのです。
その顔は見慣れ始めたクマの顔ではなく、見知らぬ老人の顔でした。ぬいぐるみの体は燃えるように白いモヤに包まれ始めました。
「約束を守れないなら、ダメなやつだ」
その声とともに、私は意識を失いました。
気がつくと朝になっており、家に置いてあったぬいぐるみは消えていました。
あれからというもの、何かにつけて不幸が重なってしまい、今日も大学へ行く途中で事故に会い、今病室にいます。
あの老人の顔は、一体なんだったのでしょうか
目の前まで近ずいてきた老人
送り主は見覚えのない会社名で、宛名は私の名前でした。
注文した覚えもないし、着払いでもないし、何だろうと思いつつ、部屋の中へ持ち込んで中を開けてみました。
中には、ぬいぐるみがひとつと雑貨やお菓子が入っていました。可愛らしい顔をしたクマのぬいぐるみに、落ち着いた雰囲気の花柄のケースや、可愛らしいチョコレートなんかの女の子が喜びそうなものでした。私は男ですが、正直ちょっと嬉しかったです。
でも、これは誰からの贈り物なんだろう? と思って箱の中を探ってみました。
すると、一枚の手紙を見つけました。手紙にはこう書かれていました。
「おめでとうございます! あなたは当社の抽選に当選されました! 当選品としてこの素敵なプレゼントをお送りします! このプレゼントはあなたにピッタリのものを選んでいますので、是非楽しんでください! また、このプレゼントには特別な力があります。あなたの願いを叶えてくれるかもしれませんよ! ただし、一つだけ注意事項があります。このプレゼントは絶対に他人に見せないでください。それだけはお守りください。それでは、素敵な日となりますように!」
手紙には署名も連絡先もありませんでした。どうやら手書きで書かれているということは分かりますが、鑑定士では無いのでどんな人が書いたのかは分かりません。
私は不思議に思いましたが、まあタダでプレゼントをもらったんだから、文句は言えないかと思ってそのまま受け取ることにしました。
でも、他人に見せないでくださいというのは何だろう? と思ってちょっと気になりました。
その日から私はそのプレゼントを部屋に飾ることにしました。お菓子はその日のうちに食べました。雑貨はテレビの横の物置として設置しました。ぬいぐるみはベッドの上の棚に置きました。
そして、不思議なことに、プレゼントを置いてから何やらいい事ばかりが起きるようになったのです。
友達と冗談で買ったクジが当たって数万程手に入ったり、懸賞に当たったり、偶然有名人と会ったり。
とても楽しい時間を過ごせていました。
ある時友達が家に遊びに来ることになりました。
そのとき、私はすっかりあの手紙のことを忘れていたんです。
「あ、ぬいぐるみ? 可愛い趣味じゃん」
友達が部屋に来た時、言われて気づきました。
誰にも見られたらいけないって書いてあったことをその瞬間思い出しましたが、まあ、いいだろうと諦めました。
「実はこのぬいぐるみ貰い物でさ、これが来てからなんだか運がいいんだよ」
「へえ、良かったじゃん」
「ただ、注意書きみたいなの書いてあってさ、誰にも見られたらダメだって」
「え、俺見ちゃってるけど?」
「まあ、イタズラみたいなもんだろうし、大丈夫だと思う」
そう言ってぬいぐるみの頭を触ろうとした時、ぬいぐるみがポトリと落ちました。
触ってないはずなのに。なんで?
疑問に思う間もなく、ぬいぐるみはゴロンと落ちたあと、ブルブルと震え始めました
「え、え、なにこれ!」
友達は驚いて騒ぎ始めました。私は驚きすぎて動くことが出来ず、ぬいぐるみをだまってみつづけていました。
「嘘つき、嘘つき」
ブルブルとふるえるぬいぐるみから、お腹に響く重い声が響いてきました。
「嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき」
どんどん声が大きくなって、耳を塞ぎたくなる程の音量になってきた時、ぬいぐるみがむくりと起き上がり私の方へと近づいてくるのです。
その顔は見慣れ始めたクマの顔ではなく、見知らぬ老人の顔でした。ぬいぐるみの体は燃えるように白いモヤに包まれ始めました。
「約束を守れないなら、ダメなやつだ」
その声とともに、私は意識を失いました。
気がつくと朝になっており、家に置いてあったぬいぐるみは消えていました。
あれからというもの、何かにつけて不幸が重なってしまい、今日も大学へ行く途中で事故に会い、今病室にいます。
あの老人の顔は、一体なんだったのでしょうか
目の前まで近ずいてきた老人
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