【R18】僕とあいつのいちゃラブな日々

第１部

第３１話 ある朝の風景 その１

　僕らの寝ているベッドは最近はやりのエアベッドだ。もちろんダブル。本当はキングサイズくらいのが欲しかったんだけど、そういうのは日本では入手困難。なので、ダブルで我慢。エアベッドにしたのは、大きすぎてドアから入らない、ってことがないのでこれにした。

　エアマットなんてどうかなと思ったけど、これが意外に快適で。クッションもちょうどよく（もちろん、眠りだけでなく僕らの活動に）重宝している。

「佐山、朝だよ」

　昨夜もそのクッションの良さを十分に感じて眠りに落ち、爆睡した僕らは朝を迎えている。今朝はサポートに入る仕事があるので、少し早起きだ。僕はシーツに包まりながら佐山を起こす。

「ん……まだ起きたくない」
「起きたくないとか言わない。ほら……」

　僕は佐山の頬にキスをする。すると嬉しそうな顔をしながら笑みを浮かべ、黒目勝ちの瞳を開ける。

「もっとしろ」

　僕の後ろ頭を片手で掴むと強引に自分の顔のところに持っていく。僕は『仕方ないなあ』なんて言いながら、今度は唇にキスをした。何度もそれを繰り返すと、ようやく佐山は目を覚ます。
　寝覚めの悪い佐山を起こすには、こんな儀式がたまには必要だ。大抵は放置するんだけど、今朝は大甘な目覚めをサービス。

「仕事かぁ。このままあんたを抱きたいんだけど」
「だめ」

　甘やかすとすぐこれだ。いや、僕だって、もし今日が休みなら、自分から襲っちゃうけど、そうもいかない。

「ちぇっ！　うちのマネさんは厳しい」
「おいこらっ！」

　言ってることとやってることが違う。佐山は僕の上に乗り上げ、キスしようとする。

「どうせ裸じゃないか……あんたの肌、綺麗だ」

　佐山は僕の首筋からデコルテにかけて頬ずりをする。うっかりその手に乗っかってしまうと、あいつは留まるところを知らない。大きな手を僕の感じるところに持っていくと誘うように動かし始める。あいつは僕のそういうところを熟知しているから厄介だ。

「ううっ……待て。待てったら」
「俺は犬じゃないぞ」

　似たようなものじゃないか。盛りのついた犬。あ、僕も盛りのついた猫か。

「まったく……シャワー浴びるから。もう放せ」
「うーん、じゃあ、一緒にシャワー浴びよう。それならいいだろ？」

　僕の上で、佐山が哀願するような表情を向ける。首を少し傾げて、一体何狙いなんだ。

「いいよ。その代わり浴びたらシャキッとしてくれ」
「もちろん。でも浴びながらもシャキッとすると思うよ」

　どこがシャキッとするんだよ……。僕らはのそのそと二人してシャワーに向かう。そこで何が行われるかは、ご想像にお任せするね。