奇談

《体験談？》変な幽霊の話

随分前に洒落怖というサイトで見た話だ。

ある日、投稿主がいつものように寝ていると、急に身動きが取れなくなったそうだ。
しかし意識ははっきりとしていて、投稿主は、
（ああ、これが金縛りというやつか…。）
と、ぼんやりと考えていたらしい。

金縛りというものには2種類ある。

一つは極度の疲労で筋肉が硬直してしまうパターン。
もう一つは心霊現象の前触れとして起こるパターン。

今回は後者の方だったらしく、程なくしてボサボサの長髪の女が、ヌウっと投稿主の顔を覗き込むように現れた。
投稿主は金縛りで逃げようにも身動き一つ取れない。戦慄する投稿主に、女の幽霊は彼に耳打ちする。



「餃子には……焼肉のタレが……あ……合う……。」



そうして幽霊は消えていった。
それからはそのような不思議な現象は起こらなかったそうだ。
投稿者曰く、
「彼女はあの部屋に住む人間にずっとあのことを伝え続けてきたんだろう。」
と彼女の行動にそう結論付けた。


幽霊……。
一般的にそれは死んでもなおこの世に未練を残して、あの世に行けずに留まるものとされている。
彼女が成仏する日は来るのだろうか。
そしてそんなにまでして伝えようとした、餃子と焼肉のタレとの相性とは一体……。