奇談

hyui

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《体験談》首無しライダー

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父方の叔母を車で送っていた時の話。



大阪市内の夜の9時頃だろうか、信号に捕まって止まっていると、一台のスポーツタイプのバイクが横からスッとくぐり抜けてきた。 
……まあ、バイクのすり抜けなどよくある話。その時も、バイクに前に来られた、くらいに思っていた。
しかしそのバイクを見た時、私はギョッとした。

信号待ちをしているそのバイクのドライバーののである。

そんな馬鹿なとしばらく横目で見ていたが、何度見ても首が無い。異様な光景である。
それ以上に不思議なのが、一緒に座っている叔母も、周りにいる人も、誰一人としてその首の無いライダーに驚かないのだ。やはり見間違いなのだろうか?

(そうだ。前から見ればはっきりするじゃないか。)

そう思った私は、信号が切り替わってそのバイクを追い越す際に正体を見てやろうと発車した。
ところがそこはバイク。
前の車の横をどんどんとすり抜けてあっという間に見えなくなってしまった。



首無しライダーを見た!
恐ろしくなった私は、帰宅後にすぐに首無しライダーについて調べた。
首無しライダーのことは、人面犬や口裂け女が流行った時期に登場した都市伝説として名前は知っていたのだが、どうにも印象の薄いイメージで、遭遇した際の対処方や実害について何も知らなかったからである。
……まあ、結論からいうと大したことはなかった。
首無しライダーは見た人をビックリさせるだけで、見ると死ぬだとかそんな類の話はなかったのだ。道理で印象が薄いはずである。



それからその首無しライダーを見たことは無い。
まあ、今頃はヘルメット未着用で免停でもくらってるんじゃなかろうか。
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