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ファーストコンタクト
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「UFO様。UFO様。おいでください。」
大学のオカルトサークルのメンバー達が、公園で円を組んでなにか叫んでいた。彼ら曰く、UFOを呼ぶ儀式らしい。
「…なあ、やっぱ辞めようぜ。今時こんなんでUFO来ないよ。」
「何を情けない!まだ始めたばかりじゃないか!」
「もっと熱くなれよ!」
メンバーのぼやきにリーダーとM岡君が喝を入れた。彼らは真剣なのだ。
(やれやれ。小学生じゃあるまいし…。)
先ほどのメンバーがげんなりし始めた頃、突如空に不規則に動く光が見えた。
「あ、あれUFOじゃない!?」
「まさか、本当にきたんだ…。」
「スクープだよ!スクープ!」
「しじみがとぅるる!(?)」
メンバーが口々に感想を漏らす内に、徐々に光が大きくなってきていた。
「お、おい。なんか近づいて来てないか?」
「え?まさか…。」
そのまさかだった。光はやがて型を成し、巨大な円盤が彼らの頭上に現れた。
「や、ヤバい!キャトルミュートレーションだ!」
「連れ去られるぞ!みんな、逃げろ!」
リーダーを筆頭に、皆散り散りに逃げ出した。が、一人逃げ遅れてしまった。先ほどぼやいていたメンバーだ。
「お、おい。みんな…待ってくれよぅ…。足がすくんで…。」
嘆くメンバーの頭上で円盤が開き、一条の光が降りて来た。その光から、乗組員らしき人影が共に降りて来た。
「!!…っ!!」
彼は驚愕した。目の前に立っている者は紛れもなく宇宙人だった。いつも雑誌の中でしか見ない宇宙人が今、目と鼻の先にいるのだ。
「@#/&'?!_..」
宇宙人が何事かをつぶやき、こちらに手を差し伸べた。
(た、多分、あの手を取ったら連れていかれるんだ…!冗談じゃない!連れてかれてたまるか!)
彼は近場にあった石を持ち、宇宙人に殴りかかった。
「うおおぉ!地球人舐めんなーー!」
不意を突かれた宇宙人は2、3発くらい、慌てて円盤に戻っていった。やがてその円盤も光速でいずこかへと消え去った。
「はぁ、はぁ!やったぞ!ちくしょうめ!追い返してやったぞ…!ざまあみろ!」
へなへなとその場に座り込んだメンバーは、明日この事を武勇伝としてサークル内に言いふらしてやろう、なんて考えていた。
円盤内…。
「大丈夫か?」
「…ああ、多少クラクラするが問題ない。」
先ほど襲われた宇宙人が手当を受けていた。
「まったく野蛮な連中ですね。地球人というのは…。」
「彼らの礼儀にのっとって挨拶をしようとした隊長に襲いかかるなんて…。」
「我々は彼らを勘違いしていたようだ。もっと知的で有効的なものと思っていたがとんでもない。彼らは野蛮そのものだ。」
「しかし…同時に文明も進んでいるのも確かです。調べによれば、近々宇宙進出も狙っているとか。」
「隊長!あんな野蛮な連中が宇宙に進出すれば何をするかわかったもんじゃありませんよ!」
「そうだな…。彼らとコンタクトを取り、友好を結ぼうとしたのが間違いだった。彼らには早急に手を打たねば。」
そういうと、隊長は母星にある本部に連絡を取った。
「こちらパトロール隊。地球に向け、至急攻撃命令を頼む!地球を第一級危険惑星に認定する!繰り返す!地球に向け、至急攻撃命令を…!」
大学のオカルトサークルのメンバー達が、公園で円を組んでなにか叫んでいた。彼ら曰く、UFOを呼ぶ儀式らしい。
「…なあ、やっぱ辞めようぜ。今時こんなんでUFO来ないよ。」
「何を情けない!まだ始めたばかりじゃないか!」
「もっと熱くなれよ!」
メンバーのぼやきにリーダーとM岡君が喝を入れた。彼らは真剣なのだ。
(やれやれ。小学生じゃあるまいし…。)
先ほどのメンバーがげんなりし始めた頃、突如空に不規則に動く光が見えた。
「あ、あれUFOじゃない!?」
「まさか、本当にきたんだ…。」
「スクープだよ!スクープ!」
「しじみがとぅるる!(?)」
メンバーが口々に感想を漏らす内に、徐々に光が大きくなってきていた。
「お、おい。なんか近づいて来てないか?」
「え?まさか…。」
そのまさかだった。光はやがて型を成し、巨大な円盤が彼らの頭上に現れた。
「や、ヤバい!キャトルミュートレーションだ!」
「連れ去られるぞ!みんな、逃げろ!」
リーダーを筆頭に、皆散り散りに逃げ出した。が、一人逃げ遅れてしまった。先ほどぼやいていたメンバーだ。
「お、おい。みんな…待ってくれよぅ…。足がすくんで…。」
嘆くメンバーの頭上で円盤が開き、一条の光が降りて来た。その光から、乗組員らしき人影が共に降りて来た。
「!!…っ!!」
彼は驚愕した。目の前に立っている者は紛れもなく宇宙人だった。いつも雑誌の中でしか見ない宇宙人が今、目と鼻の先にいるのだ。
「@#/&'?!_..」
宇宙人が何事かをつぶやき、こちらに手を差し伸べた。
(た、多分、あの手を取ったら連れていかれるんだ…!冗談じゃない!連れてかれてたまるか!)
彼は近場にあった石を持ち、宇宙人に殴りかかった。
「うおおぉ!地球人舐めんなーー!」
不意を突かれた宇宙人は2、3発くらい、慌てて円盤に戻っていった。やがてその円盤も光速でいずこかへと消え去った。
「はぁ、はぁ!やったぞ!ちくしょうめ!追い返してやったぞ…!ざまあみろ!」
へなへなとその場に座り込んだメンバーは、明日この事を武勇伝としてサークル内に言いふらしてやろう、なんて考えていた。
円盤内…。
「大丈夫か?」
「…ああ、多少クラクラするが問題ない。」
先ほど襲われた宇宙人が手当を受けていた。
「まったく野蛮な連中ですね。地球人というのは…。」
「彼らの礼儀にのっとって挨拶をしようとした隊長に襲いかかるなんて…。」
「我々は彼らを勘違いしていたようだ。もっと知的で有効的なものと思っていたがとんでもない。彼らは野蛮そのものだ。」
「しかし…同時に文明も進んでいるのも確かです。調べによれば、近々宇宙進出も狙っているとか。」
「隊長!あんな野蛮な連中が宇宙に進出すれば何をするかわかったもんじゃありませんよ!」
「そうだな…。彼らとコンタクトを取り、友好を結ぼうとしたのが間違いだった。彼らには早急に手を打たねば。」
そういうと、隊長は母星にある本部に連絡を取った。
「こちらパトロール隊。地球に向け、至急攻撃命令を頼む!地球を第一級危険惑星に認定する!繰り返す!地球に向け、至急攻撃命令を…!」
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