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5『冥々たる紅の運命』

5 第四章第六十三話「カイの帰還」

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 ジョーの突き出した拳へ、《冥力》を纏わせた大鎌を振るうトーデルの内に。

 変われ、トーデル!

 至極当然とばかりに突如湧いてきたのは、カイの魂だった。《冥界》にある生界へと送る門、《霊門》に触れたカイの魂は、身体との繋がりが断たれていなかったために、ケレアの推測通り身体に直通だったのである。

 カイの魂と声を聞いたトーデルは間髪入れずに身体を主へと返還した。ジョーと激突する直前、持っていた大鎌は青白く光るセインへと変わり、その様相も《ベルセイン》状態となる。

 そこへ、トーデルは纏わせていた《冥力》を付与することで、更に攻撃力を高めていた。借りていたカイの身体が《冥界》と繋がっていたからこそ、トーデルは《冥力》を行使で来ていた。しかし、カイが《冥界》から還ってきた今、トーデルが扱えるのは既に使用していた分だけ。

 その力をカイに、希望に託したのだ。

「さぁ、こっからは俺達の反撃と行こうじゃないか!」

 纏った《冥力》を放つように、カイがセインを振り切る。力の均衡は、セインの力と《冥力》によって崩されていた。

「っ」

 勢いよく吹き飛ばされるジョー。花々をまき散らしながらなんとか堪えるも、その目は驚いたようにカイを見つめていた。

「お前は……カイ・レイデンフォートか」

 突如として武器も装備も、雰囲気も変わった。何よりイデアが「カイ」と叫んでいた。それだけで今目の前の男がカイ・レイデンフォートなのだと理解することができる。

 理解はできるが、一方で理解できないこともあった。

「……死んだと、聞いていたが」

「お陰様でな。楽しかったぜ、《冥界》旅行は。良い出会いもあった」

 目の前にいるのは二十歳かそこらの青年であり、こちらは四十五歳。だが、どうしてかカイから放たれる雰囲気に、ジョーは飛び掛かることができずにいた。まるで歴戦の猛者を相手にしているような感覚。一挙手一投足が死を招くような、そんな感覚。

 ……いや、当然と言えば当然か。相手は魔王べグリフを討ち果たしているのだから。

 そんなジョーの意識を読み取ったのか、カイはジョーを一瞥した後、身体を振り返らせイデアへと対面した。イデアは脱力したように地面に座り込んでおり、ずっと泣きじゃくっていた。

「カイ、カイっ、カイぃ……!」

「黒髪もめっちゃ可愛いじゃん、イデア」

 そう言いながら、カイはイデアの傍に跪き、そのまま優しくイデアを抱きしめた。イデアを慰めたいとも思っていたし、なによりカイ自身イデアを抱きしめたかった。

 カイにもまるで不安がなかったわけではない。失敗したら自分が死ぬだけ。そう思って《絶白モルグル》の凶弾からイデアを庇ったカイだが、失敗の先に、死の先には「もう二度とイデアと会えない」という結末が待っていたのだ。

 その結末だけは回避しなければならない。イデアを想う力は、その決意はカイの魂に力をくれた。

「――っ」

 触れたカイの温かさにイデアは眼を見開いた。

 あぁ、私の大好きな温もりだ。ずっと、ずっと望んでいたものだ。

 イデアも両手を回して、ギュッと抱きしめる。もう二度と離さないように、力強く彼を自分に押し付ける。

 張り詰めていた心が解かれたからか、カイがいる安心感からか、《リベリオン》が解かれ、イデアの髪は純白に戻り、硬質化や瞳の色も元に戻っていく。

 そんな彼女の髪をカイは優しく溶いてあげる。

「悪い、本当に……心配かけただろ」

 見ればわかる。こちらの状況は良く分からないけれど、これだけイデアが感情を爆発させる瞬間を、カイは知らない。自分が死んでしまったという事実が、どれだけ彼女を苦しめたのか、想像に難くなかった。

「カイっ」

「んん……!?」

 イデアが顔を上げたかと思うと、押し付けるようにカイの唇に口づけをした。カイは一瞬、驚いたように身体を固くしたが、すぐさま目を閉じ、優しく唇を返した。

 離れていた時を取り戻すように、優しく甘く、好いた相手の唇を堪能していく。変わらずイデアの瞳からは涙が零れていく。重力に押されるように目尻の先へと流れていく雫はやがて首筋へと方向を変えていった。

 覆いかぶさるような体勢で交わされた接吻は、やがてどちらともなく離れていく。

 カイが嬉しそうに笑った。

「イデアからしてくれるなんて……もう、俺のこと大丈夫なのか?」

「……当たり前じゃないんだって、知ったから」

 第二次聖戦から好き避けという形で、カイのことを避けていたイデア。だが、カイの死を経て、自分の過ちに気づいたのだった。恥ずかしくて照れくさくて、それで自分の気持ちを伝えきれなくて。でも、それでもカイが居てくれるから、自分のことを好きでいてくれるから甘えていた。

 機会は刻一刻と減っていくというのに。

 人は死ぬ。その不変の事実を、イデアは今更ながら痛感したのだ。伝えられる機会は、一日ずつ減っていっている。だからこそ、伝えられるときに伝えないと、あの時の自分のように、後悔してしまう。

 イデアが大きな瞳を潤ませながら、カイの胸に顔を埋める。

「大好き、本当に大好きなの、カイ。どうしようもなく、あなたのことが愛おしいのっ」

「……ああ、俺もだよ、イデア」

「だから、もう私から離れないで。私を置いて行かないで……」

「ああ、悪かった。ごめん、ごめんな……」

 カイはイデアの背を優しく撫でた。カイも瞳を潤ませながら誓っていた。

 もう、彼女にこんな悲しい思いはさせないと。

 イデアを抱きしめながら、カイはトーデルへと視線を向けた。曇り模様だった空に青空が見え始める。日差しが、雲間から差し込んでおり、トーデルの半透明さを際立たせていた。

「トーデル、ありがとな。イデアを守ってくれて」

「《私は何もしていない。……こちらこそありがとうだ、カイ》」

「感謝こそすれど、される覚えはないけどな。俺だって、トーデルに助けてもらってばっかだっただろ」

「《……いや、お前は既に私の心を救ってくれている。……だから、ありがとう》」

 《冥界》は既に《女王》によって狂わされ、トーデルは力も失ってしまった。トーデルにとって最早希望など存在しなかった。けれど、フィグルが紡いで、イデアが出会って、カイが絶望を希望に変えていく。

 希望を、カイは見せてくれる。温かい光で包んでくれる。

 それだけで十分、これまで足掻いてきた意味があったのだと。

 生命と同じように抗ってきた意味があるのだと、思える。

「……そっか。じゃあ、持ちつ持たれつ、だな!」

 カイが屈託なく笑う。トーデルもまた微笑んだ。

「さて……随分待ってくれたじゃないか」

 イデアをお姫様抱っこの要領で抱きかかえながら、カイは立ち上がってジョーを見た。ジョーの周囲には夥しい数の《真鎖タフムーラス》がうねうねと蠢いていた。

「むしろ、準備時間をくれて感謝したいくらいさ」

「あんたの感謝は願い下げだね」

 力を溜めていたジョー。既に顕現させている《真鎖タフムーラス》の数は、これまでにないほど多く、込められている《冥力》も比にならない。

 カイを強敵認定したからこそ、ジョーは今ここで全力を尽くす。尽くさねばならない。

「……カイ・レイデンフォート。お前にも問おう。一度死んだお前ならば分かるはずだ。死ねば無であり、それまでの道程に意味などなくなる」

 やがて《真鎖タフムーラス》がジョーの身体全域に纏わりついていく。

「最期に迎えるものが死であり、無であるなら、それが不変の真実ならば……人が、世界が変わる必要などどこにある」

 ジョーの身体を象るように、だんだんと真紅の鎖が巻き付いていく。

 カイはジョーを見据え、そしてその問いに首を傾げた。

「……悪い、まず前提が分からん。何で死んだら無なんだよ」

「なに……?」

「まぁ、死んだことないから分かんないか。……別に無じゃなかったぞ。死んでもなお、《冥界》で確かに『生きている』魂がそこらかしこにあった」

 ケレアが、エルが、そして《霊門》前で救ってくれた彼らが。死の先で確かに生きていた魂が、《冥界》に存在していた。

 死んだから終わりではないのだと、教えてくれた。

「逆に聞こうか。そう思うんならなんで生きてんだよ、あんたは。どうせ何したって死ぬって思ってんだろ? 今死ぬのと、後で死ぬの、何が違うんだよ」

「……」

「確かに命はいずれ終わりを迎えるさ。でも、だからだろ。だから生きるんだろ?」

「……どういう意味だ」

「あんたは、何の為に生きているんだって話さ」

 レイニーともそんな話をしたなと、カイが苦笑する。

「生きるために生きているのか? 死にたくないから生きているのか?」

「……」

「俺は、人って『自分の生きた証を残し続ける』ために、生きているんじゃないかと思う。あんたの言う通り人は死ぬ。絶対だ。だからこそ人と関わって、繋がって自分の生きた証を誰かに覚えていてもらうんだ。自分の想いを、魂を、繋がった相手に託して死にたいんだよ」

 魂は分かつことができるのだと、《冥界》で知った。そして分けた先もオリジナルであり、魂の総量は元と何も変わりがないと。

 ならば、誰かに託した魂もまた、確かに変わらずオリジナルの魂なのだろう。その人そのものなのだろう。

 たとえ死んだとしても、託した魂は変わらず『生き続ける』のである。

「生命の生殖活動なんかが良い例だろ。子を成す、子孫を作るってのは、死してなお自分の魂を遥か先まで繋ぎたいと願う、生命が無意識の内に抱き続ける願いなんだ」

「……」

「たとえ自分自身が長く生きられないとしても、繋がっていく先、自分の魂を受け継いでくれた人は生きていく。その人の魂をまた別の人が受け継いで生きていくんだ。……世界ってきっと、そうやって託されながら、人が何回も変わりながらここまで進んできたし、これからも回っていくんだと思う」

 命には終わりがある。最初から死が決まっているからこそ、命は生きる。死ぬまでの間に、残せるものを探して。託せるものを生み出して。

 そうして残してきたものが世界であり、託されてきたものが世界だった。

「ならさ、たとえ自分の結末が死だと分かり切っていたとしても、その先で受け継いでくれた人が生きていくんだから、その人が平穏に過ごせるように願うのは当たり前だろ? たとえ死ぬんだとしても、世界を変えることに意味はあるんだよ。だって、世界は続いていくんだから。人は、託した魂は続いていくんだから」

「……」

「――ってのが《冥界》を知って、行って思ったこと。でも、こんなに話しておいて実はそんな難しく考えてない」 

 そう言ってカイはイデアを見る。相変わらず涙を流していたが、だんだん収まってきたようで、鼻をすんすん言わせている。

 そんな彼女へ微笑みながら、カイは言うのだ。

「俺は、イデアと幸せに過ごしたいからさ」

 レイニーに言った言葉を思い出す。

『生きるって、きっともっと身近にあるんじゃないかな。気づかないくらい、隣にあるような、さ』

 たとえ死ぬと分かっていても、死ぬからこそ、それまで幸せでいたいから。二人でしわくちゃの老体になったとしても、その願いは変わらない。

「その為に生きているし、その為なら世界だって変えてやる。……シンプルだろ?」

 言葉を並べに並べたが、結局それに尽きる。生きる理由に、難しい論理など必要ない。

 ジョーは一瞬目を丸くしたが、やがて鼻で笑うようにして。

「……ああ。馬鹿みたいにシンプルだな」

 言葉を返していた。

「んで、何であんたは生きるんだ」

「俺は……そうだなぁ」

 葉巻を口から飛ばすように捨てたジョーの顔にも《真鎖タフムーラス》が巻き付いていく。葉巻は地面を転がるが、やがて動きを止める。最早風前の灯火。あと僅かにしか残っていない。

「信じちゃもらえないかもしれないが、俺もお前と同じだ。ただ、地獄から抜け出して幸せになりたかったんだ」

 奴隷時代、悪魔族にこき使われ、おおよそ生活と呼べる生活を送ることは敵わなかった。そんな地獄を壊すために、ジョーは力を身に着け、知恵を振り絞った。

 言われてみれば、なるほど。イデアの言う通りだ。

 ゼノによって世界が変わる前に、地獄から抜け出そうとジョー自身が変わろうとしていた。

 人が変わるから、世界は変わる。

 初めに変わったのはジョーの方だった。

「傭兵稼業やって、金を儲けるのもそうだ。あの時享受できなかった幸せを手に入れるためだ」

 やがて、ジョーの身体は完全に《真鎖タフムーラス》に包まれていた。先程の右腕のように全身が真紅の鎖を鎧のように着込んでおり、真紅のオーラが溢れていた。更に、凝縮された鎖の束が周囲に何本も顕現していた。

 鎖で表情こそ分からないが、ジョーは不敵に笑って言うのだ。

「だからこそ、今ここでお前達を倒して、俺は報酬をもらわなければならない」

「そうか……お互い、幸せを手放すつもりは毛頭ないなら、ぶつかるしかないか!」

 そう言って、カイはイデアを見た。上目遣いでカイを見上げるイデア。

 彼女が頷くとともに、二人の身体が青白い光に包まれていく。

 光の中から青白い翼が飛び出した。次に見えてくるのは青い紋様が刻まれた白コートと四肢を守る黒い鎧装。その両手には白と黒の片刃の長剣が握りしめられている。《白刀イルグ》と《黒刀デフィア》。

 《ベルセイン・リング》。カイとイデアの想いの最高地点である。

「行くぞ、イデア!」

「《っずず、うん……!》」

 セインから聞こえてきたイデアの声に合わせてカイが駆けだす。同時にジョーが鎖の束を全てカイへと殺到させる。

 お互いの全力が今ぶつかろうとする。



 勝負は、一瞬だった。



 カイの片手から放たれる一振りが、鎖の束全てを断ち切る。真紅の鎖が降り注ぐ中をカイは一瞬で詰め、ジョーへと白刀を斬り上げた。カウンターのように繰り出していたジョーの右腕は、鎖ごと斬り上げられて宙を舞う。その切断面から鮮血が飛び出るよりも前に、ジョーは左腕をカイめがけて振るったが、黒刀が左腕も吹き飛ばす。

「おおおおおおおおお!」

 それでも真紅の鎖を纏った足で蹴り上げようとするも、間に合わない。

 今、目の前に対峙しているこの力は、魔王べグリフを倒した力なのである。

「俺達の、勝ちだ」

 次の瞬間、ジョーの胴体から十字に鮮血が迸った。

 ジョーの背後でカイが振り向く。鎖が断ち切られ、じゃらじゃら音を立てて落ちていく。

「は、はは、流石に、違うか……」

 胴体に刻まれた十字の切り傷から、両腕から血が溢れ、気を失いかけるジョーがそれでも足を踏ん張り、カイの方へと身体を向ける。

「若いってのは……理想を語り過ぎて、困るな……だが、大人も、いつからか本音が言えなくなっていく、もんだ……」

 やがて口から血を吐き出し、仰向けに倒れながらジョーは言った。

「お前の、幸せ……手放すんじゃ、ないぜ」

「言われるまでもないさ」

「あぁ……青くて、眩し、くて、眼を、瞑りたく、な、る……」

 そうして、倒れたジョーは意識を完全に手放していた。葉巻からは煙も上がらない。

「《カイ、このままだと……》」

「うん、死なせたら目覚めが悪いし、後で《冥界》行った時に面倒くさそうだ」

 ジョーに手をかざし、治癒魔法で素早く止血するカイの傍にトーデルが移動してくる。

「《……カイ》」

「分かってる、これで終わりじゃないんだろ。道中聞かせてくれ、こっちで何が起きているのかを」

「《もちろんだ。そして聞かせてくれ、《冥界》で何があったかを》」

「おう」

 ジョーの治療を終えたカイ達は中庭を囲う壁を上り、王都リバディの街並みを見下ろした。亡者達が跋扈し、ところどころから煙も立ち上り、ある区画は更地のようになっていた。

 まだ事態が終わったわけではない。

 けれど。

 青空が空の支配権を取り戻しつつあり、光がカイ達へと降り注いでいた。

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