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4『理想のその先へ』

4 第三章第二十八話「ベグリフと夢」

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※4プロローグの内容から続きます。




ベグリフは夢を見ていた。誰もいない空間に一人、玉座にもたれながら。

懐かしい過去の記憶。遠い遠い、百年以上前の記憶。

風化していてもおかしくないその記憶を、彼は鮮明に覚えていた。

忘れることなど出来るはずがない。

全てはそこから始まったのだから。

まだ彼が「ベグリフ」と名乗らず。

 

彼女を護る、想一郎だった頃の記憶。

 

 

※※※※※

 

 

「はぁ、はぁ、急げ!」

「っ……!」

必死に彼女の手を引いて廊下を駆ける。あちこちで爆発音が鳴り響いていて、いつこの城が崩れてしまってもおかしくない。

廊下の窓から見える景色は地獄絵図だった。

火の手が青空を赤く染めている。まるで火の海。青を赤が飲み込まんとしている。

まだ日中だというのに、まるで夕暮れだ。

「きゃあっ」

突如轟音が近くで鳴り響き、衝撃で手が離れてしまった。想一郎に引かれるだけだった彼女はそのままその場に倒れ込んだ。

「っ、何をやっている!」

「ご、ごめんなさい……」

すぐに駆け寄って無理矢理起こす。

すると視線の先、廊下の曲がり角に武装した敵兵が移った。防弾服を身に纏いながら、その手には軽機関銃が握られている。

「くそっ」

先程の轟音は遂にここまで攻め込まれたという合図だったか。

敵兵がこちらに気付くの同時に、想一郎は彼女を連れてすぐ隣にあった部屋へと鍵を蹴破って転がり込んだ。

すんでの所で鳴る発砲音。

正気か、こっちには彼女が。

 

《言霊の代行者》がいるんだぞ。

 

《言霊の代行者》。それは言葉を具現化し、言葉だけで万物を創造できる力。

彼女が一言《炎》と言えば炎が出る。

言葉を具現化する、魔法など存在しないこの世界では絶対的な力だった。

ゆえに、《言霊の代行者》の存在は各国で重要視され、戦争の火種にもなる。彼女達さえいれば、戦争で負けることはないのだ。

今回この国を襲ってきた奴らも間違いない。

《言霊の代行者》である彼女が目当てだ。

なのに奴ら、構わず撃ってきやがった。

もしかすると誰が《言霊の代行者》なのか分かっていないのかもしれない。手当たり次第に襲って力の行使を確認次第確保する気なのか。

すぐさま部屋の入り口にもたれ、一瞬身体を出して拳銃を放つ。放った弾丸は誰にも当たることなく壁にめりこんだ。

相手も廊下の曲がり角を盾に隠れているらしい。防弾服を着ているとはいえ、万能ではない。顔面を射抜かれれば死は免れない。

命を奪い、奪われる感覚。死の気配。

どれだけ体験しても慣れることはない。

間違えることなど出来ない。

一瞬お互い様子見の段階に入る。と言っても、圧倒的に人数差で負けてしまっている為、状況は最悪だ。この様子じゃ増援も見込めないし、そもそもどれだけの戦力が残っているのか。

手榴弾で道を塞ぐ、か。

正直、ここまで攻め込まれている以上、殆ど逃げ場というものは存在しないだろう。どこへ行けばいいかも分からない。

唯一隠し通路がある。そこにさえ辿り着ければ国から出ることは可能だ。だが、そこはまだ先だった。

出来ることは限られている。その最善は何だ。

その時、思考していた為に想一郎は彼女の接近に気付かなかった。

「わ、私が出来ることは何ですか!」

「うおっ」

ぐいと身体を乗り出し、大きな黒目を彼女が向けてくる。揺れる栗色の髪から甘い香りが漂った。

突然の彼女に想一郎は驚いた。

だが、驚いたのはそれだけではない。

理由は分からない。

でも、想一郎の思考の中に、「彼女の力を使う」という選択肢は存在していなかった。

彼女が言うまで気付かなかった。荷物だと思っていたのだろうか。

荷物なわけがない。

《言霊の代行者》。唯一この世界にある魔法のような力。

それが彼女だった。

彼女の身体は震えていた。彼女だって分かっている。狙われているのは彼女だ。捕まったが最後、人間としての生を全うすることなど永遠に叶わない。

当然の恐怖と絶望。

だが、彼女の瞳は揺れていなかった。そこには覚悟が映っている。

そして、想一郎への絶対的信頼も。

その瞳に促されるように、想一郎は言った。

「……よし、ここから隠し通路のある場所まで向かう。だが、当然敵がうじゃうじゃといる。メインは俺だ。お前は言霊で俺をサポートしろ。前には出なくていい」

「っ、分かりました!」

何故か嬉しそうに笑顔を見せる彼女。この命懸けの場面でその顔は何だ。

えへへ、と言いながら彼女は呟いた。

「貴方に初めて頼られた気がします……」

「……馬鹿、もうこれっきりだ」

「っ、はい!」

いつも交わしていたやり取り。

結局、これまで「これっきりだ」と言ってその通りになった事はなかったな。

不思議と希望が見えてきた気がした。

「よし、行くぞ!」

言下、部屋から飛び出し、廊下に立つ。そのまま腰に提げている手榴弾を手に取った。

ピンを抜いている間に、当然相手が見ているだけのわけがない。

俺へと放たれる無数の弾丸。人が避けられる速さを遥かに超えた凶弾。

だが、放たれる前に彼女は言っていた。

 

 

「《盾》」

 

 

いつの間にか目の前に薄橙色のシールドが張られていた。全ての弾丸がそれに受け止められて地に落ちていく。

彼女の言葉が盾を作ってくれたのだ。

これが、《言霊の代行者》の力。目にするのは久しぶりだ。

「っ、まさかアイツが――」

驚く敵兵だったが、こちらとしては大変助かる。《言霊の代行者》の存在に釣られて動きが鈍っているぞ。

全力で投げた手榴弾。遅れて敵兵達が引こうとするももう遅い。

これ程までに安心して狙いを定められるとは思わなかった。

狙いすまして打った弾丸はシールドをすり抜け、敵兵達の近くで手榴弾を射抜き大爆発を引き起こした。

轟音と共に床が揺れる。廊下を埋め尽くすように爆風が吹き荒れるが、シールドが防いでくれた。

やがて煙が消え、後には飛び散った血と肉塊だけが残っている。

想一郎はその光景に感じるものはない。だが、彼女は違う。

彼女は口元を両手で隠してそれを見ていた。

言葉なく、凄惨な光景をその両眼に移している。

何故か彼女の瞳にそれを焼き付かせたくなくて。

「行くぞ!」

「え、あ……」

すぐさま彼女の手を取って、その場を後にした。

 

 

※※※※※

 

 

何とか隠し通路のある広間まで抜け出すことが出来た。途中何度も敵に襲われたが、その度彼女の力を行使しながら、何とか切り抜けた。

だが、力の行使は《言霊の代行者》にとってリスクなしで行えるものではない。

「はぁ、はぁ……」

彼女は苦しそうに息を切らせていた。

力の行使は、それだけで体力を奪う。そして、行き過ぎた行使は、命にすら影響を与えてしまう。

これ以上力を行使すれば、彼女の命が危ない。

幸いにも、もう逃げることが出来る。この広間の四角に置いてある台座の一つが、隠し通路の入り口になっているのだ。

息も絶え絶えな彼女へと手を差し伸べる。

「ほら、あと少しだ」

「は、はい、ありがとうございます……」

その手を彼女が取ろうとした瞬間。

想一郎は気付いた。

 

「っ、夢!」

 

ふとした拍子に彼女の名前が口から出た。

夢。

彼女はこの名前が嫌いだと言っていたっけ。

「私の夢は、全部叶いませんから」

今寂しそうな彼女の笑顔を思い出すのは何故なのだろう。

夢を突き飛ばした直後、想一郎の右肺を弾丸が貫いた。

「っ……!」

全身を激痛が襲う。全ての感覚が痛みに支配されてまともに機能しない。喉元には血が込み上げてきて苦しい。四肢は痺れたように使い物にならず、そのまま想一郎は床に倒れ込んだ。

「っ、想一郎!!」

夢の悲痛な叫びが聞こえてくる。だが、それもくぐもって聞こえるのは痛みのせいだろうか。

すぐに彼女が駆け寄ってくる。

「《治れ!》《治れ!》《治れ!》」

そのまま言霊を具現化しようとするが、どれだけ彼女が唱えようと、想一郎の傷が治ることはない。だんだんと血溜まりが想一郎を飲み込もうとしていく。

「《治れ!》《治れ!》《治して!》《治してよ!》 ……お願い、《治ってよぉ!》」

夢の言霊が想一郎を救うことはない。それは想一郎も分かっていた。

きっと彼女も分かっている。分かっていて、理解したくないのだ。

想一郎の死が少しずつ近づいていく。

言霊は万能というわけではない。

「言霊が直接人へ干渉することは基本的に不可能です。分かっているはずです」

「っ!?」

突如降って来た言葉に、夢が顔を上げる。いつの間にか想一郎と夢は大量の敵兵の前にいた。その中から一人指揮官のような男が姿を見せる。眼鏡をかけたその男は、表情から狡猾さが滲み出ていた。

「どう、して、ここが……!?」

血を吐きながら想一郎が振り絞る。それを男は鼻で笑った。

「あなた達が分かりやすく暴れてくれたお陰で、ある程度の目的地は推測できていたのですよ。後はその推測を元に拷問すればこの通り、隠し通路の場所も把握できるというわけです」

「っ、《盾!》」

すぐに夢が想一郎と自分を包み込むシールドを張る。これで弾丸を通すことはない。

だが、それで解決するわけでもない事は分かっていた。

「無駄ですよ。言霊は永久的に持続するわけではありません。やがて消えます。それに、あなたの体力ももう限界でしょう。言霊の使用も殆ど不可能なはず。これで終わりです。シールドが消えたその瞬間が、あなた達のフィナーレです」

言下、敵兵達が一斉に銃を構え、二人を狙う。正確には、想一郎一人だけを、だ。

「間違っても《言霊の代行者》は殺さない事。狙うのは男だけです。と言っても、とどめを刺すまでもなく死ぬかもしれませんがね。貴方が《言霊の代行者》の忠実なボディーガードで助かりました。庇ってくれることを前提で撃ったのでね」

指揮官であるその男は勝利を確信していた。

言霊は人へ干渉することは出来ない。誰かに向けて《死ね》と言っても発動しない。命に対して言霊を実行することは出来ないのだ。

この人数相手に、最早二人が勝つ方法など存在しないのだ。

だが、男は一つだけ可能性を排除してしまっていた。

人への干渉は基本的に不可能なだけ。

絶対的に不可能なわけではない。

例外が一つ存在していることを、男は見落としていた。

想一郎の身体から徐々に生気と力が抜けていく。貫かれた部分が悪かった。肺に血が溜まってしまい、呼吸もままならず、血が失われていく。

このまま死んでしまうのだろう。

いざ死ぬとなるとあっという間だ。受け入れる暇も死にたくないと拒絶する暇もない。淡々とただ命が潰えるだけ。

段々と視界が霞んでいく。本当に終わりなんだ。

後悔なら山程ある。選択を何度間違ったことか。

ただ不思議と悪くない人生だったと思う。

振り回されてばかりだと思っていたが、存外楽しかったよ。

夢。

「……私、自分の名前が嫌いだって話したの、覚えていますか」

手放しそうになった意識が、彼女の言葉に引き戻される。

「《言霊の代行者》として生まれた私に自由なんてないのですから。どれだけやりたい事があっても出来ません。夢があったって叶えられる程生きられません。何一つ夢を叶えられるわけがないのです。だから、私はこの名前が嫌いでした」

薄橙のシールドが段々と色褪せていく。今にも消えかかりそうな勢いだった。

夢は涙を零しながら、彼へと声を掛けた。

「でも、実は一つだけ夢が叶ったんですよ? 貴方のお陰で。何だと思いますか?」

想一郎の頬へと手を伸ばす。最早応える気力もない想一郎に、彼女は笑いかけた。

「それはですね。好きな人と沢山の時間を共有して、幸せに過ごすって夢です。一緒にコッソリ外へ抜け出して遊んでくれたり、ハンバーガーを買って来てくれて一緒に食べたり。あの時間が私にとってはかけがえのない時間でした。あの時間が私の夢を叶えてくれたのです。……そして、今も」

想一郎の口元を夢は拭った。血の跡が残ってしまっているが構わない。

優しく、そしてたどたどしく。

夢は想一郎へと口づけをした。ほんの少し、触れるだけの口づけ。

顔を上げた夢は照れたように笑った。

「えへへ、初めてのキスは血の味ですね」

「ゆ、め……」

漏れ出る声。既に想一郎の命は限界を迎えようとしていた。

その彼の手を夢は両手で包み込む。

「貴方は私の夢を叶えてくれました。だから、私も貴方の夢を叶えたい」

夢が何をしようとしているのか、想一郎は分かった。

止めなくちゃ。最初に思ったのはそれだった。

叫びたい、叫びたいのにもう声が出ない。

動けない。

伝えたいのに、伝えられない。

「昔、どういう力が欲しいのかって聞いたら言ってましたよね。魔法が使えるようになりたいって。想一郎にしては随分子供っぽい理由だなって笑って怒られたのを覚えています」

夢にとってそれもまた幸せな記憶だった。

その幸せがあるから、大丈夫。

怖くない。

《言霊の代行者》が基本的に人へ直接干渉することは出来ない。

 

 

だが、代行者の「命」を代償にして力を行使した時のみ、その条件から外れることが出来る。

 

 

そして、代行者の「命」を代償に力を得たものを。

 

人々は《紋章使い》というのだ。

 

「や、め……」

想一郎の視線の先で。

「想一郎のお陰で、私の人生はとっても楽しいものでした。これまで本当にありがとう」

夢は笑って。

「貴方の事が大好きです」

命を籠めて、口を開いた。

 

 

「《魔――》」

 

 

そして彼女が頭を撃ち抜かれたのは同時だった。

 

 

笑顔のまま、彼女の身体が傾げる。

「ちっ、ふざけた真似をしやがって!」

撃ったのは指揮官の男だった。彼もまた夢が何をしようとしたのか遅れて理解したのである。

「命」を代償にした力の行使は、想像を絶するほどの力を持つ。人を炎そのものへと変えることも、剣を人に、人を剣に変えることも。

ただの人間が相手できるものではない。

ならばいっそ、行使される前に殺してしまえばいい。本来ならば生け捕りが絶対条件だが、どうせ死ぬのであれば被害を最小限に抑えた方がいいに決まっている。

そして、すんでの所でシールドが解けた。

一瞬の勝負の世界。

彼女が言い切る前に、殺す。

結果として、男は。

 

 

敗北した。



 

気付けば倒れた彼女の横に、死にかけだったはずの想一郎が立っていた。

俯いている表情が良く見えない。視線の先には新たに血溜まりを作る夢だったもの。

「っ、撃て!」

男の号令と共に、前方から想一郎へと射撃が行われる。

頭、胸、心臓、腰、脚、腕、首。

想一郎の身体を次々と貫いていく。

だが、想一郎は倒れない。

それどころか、撃たれ続けながら想一郎は彼らを見た。

そして一振り。

「死ね」

彼が腕を薙いだ瞬間、指揮官の男を含め全ての敵が首を飛ばしていた。残るは黒い軌跡。

一瞬の出来事過ぎて彼らは自分の視界が何故ぐるぐる回っているのかも分からない。そして、床に落ちた瞬間に絶命した。

やがて、血の雨が降り注ぐ。

赤色に身体を染めながら、想一郎は倒れ伏す夢の傍へと跪いた。

笑顔が張り付いたまま、彼女は絶命している。

幸せそうな表情のまま、彼女は……。

彼女を殺したのは弾丸か。

それとも、俺か。

元々望んでいたはずだった。

いずれ彼女から命を代償にした力を貰う為、俺は傍に居たに過ぎない。

彼女の命を犠牲に、力を手に入れるはずだった。

だから、これは俺が望んだ結末のはずだ。

はずなのに。

何故こんなにも。

 

 

心は真っ黒なのだろう。

 

 

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」

彼女の亡骸を抱きながら、想一郎は叫んだ。叫びと共に、彼の身体から闇が溢れ出す。その闇に底はなく、周囲のものを次々と飲み込んでいく。味方だった人も、敵も、ただの無関係な一般人も、この国の全てを闇が引きずり込んでいく。

絶望の闇に。

虚無の世界に。

 

願ったはずの結末と乖離する心情。

 

もしかしたら夢は言葉を続けようとしていたのかもしれない。

だが、途絶えてしまった言葉は。

 

 

想一郎を《魔》の紋章使いにした。

 

 

そしてその日、想一郎は壊れた。

 

 

※※※※※

 

 

ベグリフは目を覚ました。

薄暗い王の間。誰もいない広々とした空間。ここに戻ってきて不思議と安らぎすら感じてしまう。

随分と最悪な気分だった。

悪夢を永遠と見せ続けられていたかのようだ。実際悪夢だっただろう。

 

最近この夢をよく見るのは、きっと全てを成す日が近いからに違いない。

 

ふと、自分の瞳から涙が零れていることに気が付いた。涙なぞいつぶりだ。間違いなくこの世界で泣いた覚えなどない。

グリゼンドがいれば間違いなく面倒なことになっていただろうが、今はそのグリゼンドもいない。

随分と静かになったものだ。

四魔将も今ではアッシュとウルだけ。存外人族、天使族も良くやる。

だが、所詮その程度。俺に勝つことなど出来やしない。

あのゼノ・レイデンフォートですら不可能だったのだから。

……だが、奴の息子には一戦の価値はあるかもしれん。

奴には、ゼノ以上の実力を感じた。

この世界で最後に楽しませてくれるといいが。

すると扉が叩かれ、中に諜報員が入って来た。

「報告します。東南方面にてレジスタンスと名乗る革命軍の情報が入っています。どうやら悪魔族でありながら、こちらに反旗を翻しているようで。如何いたしますか」

「放っておけ、これまでもあった所詮羽虫程度の存在だ。奴らがどう出ようと対処など容易いだろう。それよりも準備は進んでいるな」

「はっ、もう間もなく魔石の設置も完了する頃です」

「……そうか。下がれ」

「はっ」

すぐに諜報員が姿を消す。

レジスタンスを名乗る革命軍などこれまでだって数多くあった。だが、一つでも歴史に残る行いをしたものはいない。相手にするだけ無駄なのである。

ただ力で捻じ伏せればいい。

 

この世は力が全てだ。

それ以外のものに、意味などない。

 

「漸くだ。この時を待ち望んでいた」

ベグリフが冷ややかに笑う。

さぁ、始めよう。

この世界最期の戦いを。
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