129 / 307
3『過去の聖戦』
3 第三章第四十三話「時に願いを込めて」
しおりを挟むゼノ
セラは本当に心地良さそうにベッドの中で縮こまっていた。これまでにあった出来事が嘘みたいだ。本当に一切の懸念もなさそうに、幸せそうに瞳を閉じていた。というか一体全体どうなったのだろうか。
セラと家族はどうなった。全員無事だととりあえずはいいけれども。
全く状況が分からずに、セラの寝顔を見る。
「んんーっ……」
可愛らしくセラが吐息を漏らす。
どうやらしっかり寝ているようで目を覚ます気配がない。漏れた声もそのまま夢の世界へと誘われていた。
すやすやと眠るセラを見て。
何故だか俺も幸福感に浸っていた。
まるでこれまで起きていた彼女の苦痛や悲鳴が嘘のようにセラが眠るから。
その一切からセラが解放されたのなら、本当に良かった。
頑張ってよかったな。
眠るセラの綺麗な髪に優しく触れる。柔らかくてきめ細かなそれは、朝日に照らされて明るく輝いていた。
何だか起こすのも悪くて、というか俺がただセラの寝顔を見ていたかっただけだが。
彼女が起きるまでそっとしておくことにした。
セラの横に肘をついて横たわり、つい微笑みながらその寝顔を見る。
本当に可愛いなセラは。可愛いというか綺麗というべきか。最早両方を兼ね備えていると思う。
その横で添い寝出来るなんて名誉以外でも何物でもないな。
改めて幸福に思いながらセラを見つめていた。
何分、何時間経ったか分からないが、ずっと見ていても飽きない。俺とセラだけ時間が止まったみたいだ。
ただ、そんな自分の姿を一瞬顧みて変態かと思ったので、その間に少しだけ思考を整理してみた。
俺が気絶してからどれくらいの時間が経っているのか分からない。ただ、セラがここまで無警戒でいられるのは恐らく全てが上手くいったからだろう。
そう信じたい。
となれば、ここは王都ハートか。生憎と関心がなかったから窓の外から見える景色に心当たりはなかった。
アイは、どうなったのだろうか。
アイはメアに会いたがっていたが、会いに行ったのだろうか。でも不安だな。アイの事だからメアの為なら他人に何でもしそうだ。
会いに行くにも俺を待ってくれているとありがたい。
というか、俺の処遇も良く分からない。
あまり深く考えていなかったが、当然俺は人族だ。人族をこんな風に休ませて、というか人族解放派の俺やセラを受け入れて大丈夫なんだろうか。
仮にハート家間のわだかまりが無くなったとしても、人族と天使族のわだかまりは無くなったりしないだろう。アイも簡単に人族解放に乗るとは思えない。
となれば俺の扱いは、メアに会いやすくするための駒、か? そうだったら先程の懸念は消えるが、問題はハート家しか解決していない。
「……やめだ」
仰向けにベッドへ倒れ込む。ふかふかのベッドが触れるところ全てを優しく包み込んでくれた。
考えても仕方ないことは諦めよう。考えるよりも今は……。
セラへと視線を向ける。
「んー……」
すると、セラが縮こませていた身体を大きく伸ばした。
しまった。倒れこみの衝撃がセラを夢の世界から引きずり出してしまったようだ。
自分の過ちを後悔するがもう遅い。
「ふにゅー……」
可愛い声を出しながら重たそうに毛布から体を起こすセラ。服装はいつもの動きやすそうな格好と違って立派な純白色のドレスを着ていた。やはり服装からしても王都かもしれない。
そういえば、俺も前まで着ていた布とは違って上質なYシャツやズボンを着せられていた。まぁあんなに血だらけじゃな。ただ、上質すぎて少し着慣れない違和はあった。
目をこすりながらセラが大きく伸びをする。純白のドレスが身体にピッタリだからだろうか、伸びも相まって胸の形が強調されている気がする。いつもはなるべく意識しないようにしていたが、それぞれ綺麗な形で、それでいて神秘的な風に思えた。俺にはないからかもしれないが、或いはセラに相応しいように見えたのかもしれない。
大きすぎないのが俺としては……って何馬鹿なことを。
眠たいセラは気付かないだろうが、見続けるのも悪い気がしてすぐに視線を逸らした。
そして、すぐにまたもう少し見とけばよかったと後悔したが遅すぎる。
「……あれ、ゼノ?」
視線を戻すと、乱れた髪の間からセラの綺麗な碧眼が覗いていた。
目が合ったから優しく微笑む。
「おはよう、セラ」
最初は寝ぼけまなこだったセラの眼も、段々と焦点が合ってきたようだ。
「ぐっすり眠れたか?」
すると、焦点が合ったかと思えば今度は碧眼が潤み始め、遂には涙まで溜めていた。
な、何で!? 俺なんか悪いことしたか!?
突然の涙に困惑していると、
「それはこっちのセリフですよ、ゼノの馬鹿~~~~!!」
突然勢いよくセラが首元に抱きついてきた。
「うおおっ」
突然のことに対応しきれずに一緒にベッドへ倒れこむ。ふわりと優しくて心地よい香りが鼻孔をくすぐった。
倒れてなおセラは上から俺を抱きしめ続ける。なかなかに強い力だった。
「馬鹿って、俺なんかしたか!?」
「しましたよ、もう!」
泣きじゃくりながら、セラが顔を上げる。金髪で出来たカーテンが俺とセラを閉じ込める。涙で濡れた碧眼が糾弾するように俺を見つめていた。
「もう、本当にギリギリだったんですからね! もう少しでゼノ死んじゃうところだったんですから!」
「あー……やっぱり?」
「やっぱりじゃありません!」
セラに怒られながらも苦笑してしまう。俺自身今回は危ういと思っていた。死んでもおかしくないなと。だからあんな夢を見たんだろう。
でも、どうにかこうして生きている。
そしてまたセラに会えた。
生きていて良かった。
その時、セラがYシャツの首元辺りをギュッと握って、そこへ頭を埋める。
「ゼノが死んだら意味ないじゃないですか……。お母様方と仲直り出来たってゼノがいなきゃ意味ないじゃないですか……!」
「……!」
セラの悲鳴に似た声が直接心に届けられる。
俺が死んだら意味がないとセラは言ってくれた。俺がいなきゃ今回の戦いに意味なんてないと。
俺の存在が家族と同等以上に扱われているのが嬉しくて、だからこそ申し訳なかった。
悲痛さは十二分に伝わってきていた。
「……ごめん」
謝って済まされるものだとは思わないけれど、謝るべきだと思う。
自分の命を軽んじていた。
俺にはまだやり残したことが、役目があるんだ。
そして、その役目の一つとして俺はセラを……。
「ごめんな」
片手でギュッとセラを抱き寄せ、空いた手でぽんぽんとセラの頭を撫でる。
セラの涙が止まるまで、黙って頭を撫で続けた。
「あ」
「ぐすっ……」
十分ほどして、漸くセラの涙が勢いを止める。
セラは身体を起こし俺の上から移動した。
「乗っかってしまってごめんなさい、重たかったでしょう」
「ぜーんぜん。重たさなんて感じる余裕なかったさ」
主に幸せ過ぎて。抱きしめるだけで良い匂いと柔らかさなんて良い凶器だよ。
セラが何のことやらと首を傾げるが、聞かれる前にこちらから尋ねた。
「なぁセラ、ここはどこだ? やっぱ王都ハートか?」
俺の質問にセラは肯定の意を示した。
「はい、ここはハーティス城の一室です」
ということは、先程の俺の予想も当たりそうだな。
「なぁ、俺が倒れた後の事、詳しく教えてくれないか?」
「……少し長くなりますが、体調の方は大丈夫ですか」
心配そうにセラが胸のあちこちに触れてくる。別に触診しなくても。
「ああ、セラを乗せることが出来る程度には問題ないぞ」
「それってさり気なく私が重たかったってことですか?」
「だから重たさなんて感じる余裕なかったって」
ジーっとセラに見つめられるが、本当に重量なんて感じなかった。幸福感のせいでふわふわしていたくらいだ。
「というか、身体の調子は良い方だぞ。誰が治してくれたのか知らないけど」
何だったら前よりも良い気がする。最近戦い続きだったし。これはさぞ腕のいい人が治してくれたに違いない。
そこにセラの答え。
「お母様ですよ」
……え。
思わずセラを見つめてしまうが、彼女は頷いた。
「お母様が治してくれました」
それは……どういう状況なんだろうか。
あれほど戦ったのに。俺はともかくアイは殺す気だった。
アイは俺を、人族を受け入れたのだろうか。或いはやはりメアの為に俺を生かす必要があったか。にしては、この一室を貸してくれるのは随分気前がいいか。
何か気持ちに変化があったか?
やはり聞いてみないことには始まらない。
「セラ、教えてくれ。何があったんだ」
「そうですね。ゼノが倒れてからですが、あなたがあまりに血を――」
こうしてセラがこれまでの経緯を教えてくれた。
失血死寸前の俺をエイラが時魔法で助けてくれたこと。
セラ達三姉妹がアイに挑み、そしてどうにかこうにか辛勝したということ。
そして、アイに想いを伝えられたということ。漸く家族が一つになれたということを。
そっか……。良かったな。
セラは本当に嬉しそうに語っていた。涙混じりに優しい笑みを浮かべながら。
この時、セラは俺のお陰だと何度も言ってくれた。俺が死にかけてまで頑張ってくれたからだって。でも俺のお陰とかじゃなくて皆のお陰だって言ったらセラは笑って頷いていた。誰が欠けてもここまでは来れなかった。シェーンやアグレシアだってあんなに傷だらけになるまでセラを守ったのだ。二人は本当の騎士だと思う。
「そういえば、シェーンとアグレシアは? もう元気か?」
「はい、二人はあの時点である程度治療が行われていましたから。今は雑務で忙しいはずですよ」
「へー」
二人が雑務ということは、既に王都を飛び出して人族解放に手を貸した件についてはお咎めなしってことで良さそうだな。
それもこれもセラがアイ達と仲直りしたからだろう。
「その辺りの話は追々します。話を戻しますけど、戦いが終わったあとで私も倒れちゃって。その時はお母様もお姉様方も魔力が底を尽きていましたから、お城の医師がどうにか治してくれました。ただ、ゼノの傷は医師でも治せないって」
「……え?」
「エイラの時魔法を解除しなければ治療出来ないのですが、解除してから一分とゼノの命が持たないところまで来ていたみたいなんです」
つまり、時魔法を解除して治療しても途中で俺がぽっくり逝ってしまうということだろう。そんなギリギリまで俺は追い込まれていたようだ。
自分でも危ないとは思っていたがそこまで危なかったとは。
案外自分の身体の事なんて分からないのかもしれない。
「どうすればいいのか、このままではゼノが死んでしまう、そんな時にお母様が言ったのです。『そこの悪魔の娘、死ぬ気で魔法を維持したとして一週間持つかしら』って」
驚いた。まさかエイラとも会話をしていたなんて。悪魔族なんて人族以上に嫌ってそうなものなのに。
そうまでして俺を生かそうとしてくれたのか。
その時のことを思い出しているのか、セラが窓から覗く青空を見つめていた。
セラ
「そこの悪魔の娘、死ぬ気で魔法を維持したとして一週間持つかしら」
そのやり取りは、ハーティス城内の医務室で行われていた。
私自身は医師によって既に治療されベッドに横たわっていた。治療の間に意識も回復して、どうにかばっくり開いていた傷口も塞がってくれたらしい。流石城に雇われている医師だ。
ただ、その医師でもゼノの傷は治せないといったのだ。最初は人族であることに驚いていたが理由ではない。傷があまりに深すぎるのだ。
隣のベッドはその周りをエイラやシロ、シノ、エクセロに囲まれていた。その中心にゼノが時を止めたまま浮かんでいる。全身に貫通するほどの刺し傷、致命的な箇所もいくつか存在していた。
医師の宣告に医務室内が呆然とする中、アイがゆっくりと足を引きずりながら入ってきたのである。
先程の発言は、その際の第一声だった。
私達は驚いたようにアイを見た。アイはもう動けない程の疲労に襲われていた為に聖堂に残っていたはずなのだ。アイごと医務室へ連れてくる話もあったようだが、アイが何よりも倒れた私を優先したという。
どうやらアイは兵士の手を借りながらもゆっくりと医務室へ来たようだ。
アイの視線はエイラへと向けられている。相手が悪魔であろうと一切の嫌悪感など存在せず、ただただ答えを知りたがっているように見えた。
しかし、今でさえエイラは辛そうだ。時魔法はかなり体力と精神力を削るという。それをずっと維持し続けているのだから。
それなのに更に一週間だなんて。
だというのに。
エイラは弱弱しくも不敵に笑った。
「悪魔を舐めないでもらえますか。数十年は余裕ですよ」
エイラの相変わらずの態度はしっかりアイにも発揮するようだ。
数十年だなんて普通に無理だろうに。
その回答にアイも同じような笑みを返した。
「そう、なら死ぬまで頑張りなさい。そうすれば私の魔力も完全に回復する。助けてあげるわ」
そのままアイは振り向いて医務室を出て行ってしまった。退出際、私の事を一瞥して優しく笑ったように見えたのは気のせいだろうか。
慌てて追いかけるシノとエクセロ。
残されたシロはエイラに尋ねていた。
「……本当に数十年は余裕なのよね?」
「……」
不敵な笑みが貼り付いているように見えるのは気のせいではない気がする。
それでもアイの要求通り、エイラは確かに時魔法を一週間維持し続けた。寝ることも食べることもなく、ずっと意識を集中させながら死に物狂いで。見るからに衰弱しているというのに。
それ程までにエイラはゼノに生きてほしいと思っているのが分かった。
エイラはゼノの事が好きだから余計にそうだろう。
居られる間はずっと二人の傍に居たからこそ、エイラの愛情がとても伝わってくる。
だからこそ、胸が痛かった。
この胸の痛み、前までは分からなかったと思う。
でも、今はその名前を知っている。
きっとこれは罪悪感だ。
エイラがゼノの事を好きだと知っているから胸が痛む。知らなければ痛みなんて感じなかっただろう。
今回の一件、そしてこれまでに起きた出来事を含めて漸く私は確信した。
私はきっと……。
最後の一日、傍でエイラとゼノを見つめていた私の下にアイが訪れた。
集中していて気付かないエイラを他所に、アイが独り言のように話を始める。
「私があの子を地中に埋めた時、同じように時魔法をかけたわ。でもあの時にかけたのは時間の流れを遅らせる魔法。八十年近く経っても十年ほどしか経過しないくらいの。ま、私自身八十年も続くとは思っていなかったけれど」
「え?」
言われてみれば、時魔法を八十年も維持できるのは不思議な話だ。エイラですら一週間でこれ程辛そうなのに。
「私が死に物狂いで何度も込めた魔力では精々二十年三十年が限界だった。もしかすると、あの子自身が補強してくれたのかもしれないわ。私とあの人の子だもの。あり得る話だわ」
一人でアイが納得している。
どうやらアイは一回ではなく何度も魔力を込めたようだ。何度も何度も込めて、メアに無事会うために。ただ、それにも限界があった。
その限界をメアが無意識のうちに伸ばしていたのではないかということだ、それもアイが何度も魔力を込めて伸ばした倍以上の時間に。そんなことが出来るだろうか。或いはメアが秘めた力はそれほどまで強大なのかもしれない。
一人納得している様子が可笑しくて思わず笑ってしまった。
「きっとお母様に会いたかったのかもしれませんね」
そう言うと、少し驚いたように目を瞠ってから私へ微笑んだ。
「そうだといいわね」
アイは、かなり素直になった。
この一週間の間に一度家族で集まって話し合いをした。その時から素直に接してくれるようになった。感情を吐露してくれるようになった。
たくさんのことを共有してくれることになった。それがとても嬉しい。
漸くアイにとって私も娘になれたのだ。
アイはコホンと可愛らしく咳払いすると再びエイラへと視線を向けた。
「脱線したけれど、私の魔法はあくまで時間を遅くするだけ。対してあの娘は時間自体を断絶し止めている。あれは高難度の魔法よ。そうでもなければあの男を救えないもの」
ゼノは失血死しかけているのだ。いくら時間を遅くしたとしても血自体はゆっくり流れていることになる。時間自体を止めなければならなかったのだ。
「でも、戦ってる時はお母様も時を止めてましたよね?」
ゼノにもそう言われたような……。
「いいえ、あれは私の時間を加速しているだけよ。止めているわけではないからあなた達の時間もしっかり流れていたわ。ただ私の時が速すぎて止められているように思っただけ」
そういう理屈だったのか。
「加速させるのはまだ容易い方よ。時間の断絶は言ったように、更に時間の逆流は私でも難しいわ。出来てほんの少しかしら」
「お母様でも……!?」
アイの魔力量を持ってして尚時間を巻き戻すことは厳しいという。
「時間の流れに乗るのは容易いけれど、逆らうのはそれ程難しいのよ」
つまり通常の時の流れに対して、流れに乗った位置にあるのが時を加速させる魔法、逆に少し流れに逆らった位置にあるのが時を遅くする魔法。そして更に逆らった位置にあるのが時を止める魔法。最後に一番抗っているのが時を巻き戻す魔法ということだろう。
それを聞いてからエイラをもう一度見る。
目を細め、顔色を悪くさせながらも必死にエイラは魔法を維持し続けている。
その視線は優しそうでいて強い決意をもってゼノへ注がれていた。
聞いたから、エイラの苦労は想像を絶するものであると気付いてしまった。
「あの娘、一週間持たせるわね。もしかしたら数十年持たせる気で頑張っているのかもしれない。あんな苦行、私でも遠慮したいのに」
「エイラ……」
気付いたら涙が一筋眼から零れ落ちている。
エイラの頑張りを思うと心が動かされずにはいられなかった。
気付いた時には既にアイが拭ってくれた。
アイも、温かい視線をゼノとエイラに送っていた。
「悪魔族とか人族とか。種族の違いを超えてあそこまで想うことが出来るなんて、想われることが出来るなんて凄いわね」
「お母様……」
アイの口からそんな言葉が出てきてくれたことがとても嬉しい。
「全ての垣根を越えて誰もが誰かを愛して、又誰かに愛されているのね。それがこの世界なのね」
今まで愛すことを拒み、愛されることを拒んできた彼女が進もうとしている。
その姿に私はまた涙ぐんでしまった。
「大丈夫です、お母様も超えられます……!」
垣根を越えて、メアとまた一緒に。
「そう、ね。私も信じているわ」
アイが微笑む。
今なら大丈夫。愛し愛されることの大切さを知った彼女なら。
愛を知ったアイならば。
もう自分自身だって信じられるはずだ。
0
お気に入りに追加
62
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
妹に陥れられ処刑決定したのでブチギレることにします
リオール
恋愛
実の妹を殺そうとした罪で、私は処刑されることとなった。
違うと言っても、事実無根だとどれだけ訴えても。
真実を調べることもなく、私の処刑は決定となったのだ。
──あ、そう?じゃあもう我慢しなくていいですね。
大人しくしてたら随分なめられた事態になってしまったようで。
いいでしょう、それではご期待通りに悪女となってみせますよ!
淑女の時間は終わりました。
これからは──ブチギレタイムと致します!!
======
筆者定番の勢いだけで書いた小説。
主人公は大人しく、悲劇のヒロイン…ではありません。
処刑されたら時間が戻ってやり直し…なんて手間もかけません。とっととやっちゃいます。
矛盾点とか指摘したら負けです(?)
何でもオッケーな心の広い方向けです。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜
福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。
彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。
だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。
「お義姉さま!」 . .
「姉などと呼ばないでください、メリルさん」
しかし、今はまだ辛抱のとき。
セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。
──これは、20年前の断罪劇の続き。
喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。
※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。
旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』
※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。
※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
婚約者とその浮気相手の令嬢がウザイのでキレることにしました
リオール
恋愛
婚約者が浮気相手と共謀して、私を悪者にして婚約破棄を宣言してきました。
そうですか!いいですよ!
婚約破棄、お受けします。
別に悲しくないですって!
だから!婚約破棄でいいってば!
せっかくの申し出を喜んで受けたというのに何だか納得しない二人。
え、残念がらなくちゃいけないの?嫌だと駄々こねなくちゃスッキリしない?
そんなの知るか!
二人とも
いい加減にしないと
「キレますよ?」
※あまり深く考えないでお読み下さい。「ここおかしいよ?」なんてツッコミ入れたら負けです(何に)
※上品な令嬢をお求めの方は回れ右でお願いします。何でも受け入れられる心の広い方向けのお話です
伯爵夫人のお気に入り
つくも茄子
ファンタジー
プライド伯爵令嬢、ユースティティアは僅か二歳で大病を患い入院を余儀なくされた。悲しみにくれる伯爵夫人は、遠縁の少女を娘代わりに可愛がっていた。
数年後、全快した娘が屋敷に戻ってきた時。
喜ぶ伯爵夫人。
伯爵夫人を慕う少女。
静観する伯爵。
三者三様の想いが交差する。
歪な家族の形。
「この家族ごっこはいつまで続けるおつもりですか?お父様」
「お人形遊びはいい加減卒業なさってください、お母様」
「家族?いいえ、貴方は他所の子です」
ユースティティアは、そんな家族の形に呆れていた。
「可愛いあの子は、伯爵夫人のお気に入り」から「伯爵夫人のお気に入り」にタイトルを変更します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる