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3『過去の聖戦』

3 第三章第三十八話「愛情と恐怖」

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ゼノ

夕日はもうほとんど落ち、聖堂内は一層光を失っていく。

その中で雷大剣と光剣だけが光を放ち、辺りを照らしていた。

アイは雷大剣を警戒して攻撃をしてこない。或いは先程までの時魔法の連発が体に来ているか。

しかし、それはこちらも同じだった。息が予想以上にあがってしまっている。

《風陣・雷刃》の命令式自体はとても単純。風による結界の範囲を決め、その範囲内に侵入したものを雷大剣が斬り伏せるというもの。風と雷による加速によって雷大剣は目にもとまらぬ速さになる。

これであれば時を止められようと風の結界が攻撃の接近を防ぎ、時が戻り攻撃が向かってきても雷大剣が全てを打ち滅ぼす。

ただ、魔法を即興で作るためには想像を具現化する必要があり、一度でも魔法式が構築すればある程度魔力の消費量を抑えられるが、初めての具現化にはかなりの魔力が必要となる。

だから、セラに見せるための大花火を使った時も初めてゆえに疲労感は拭えなかった。

それはシロのセインを借りて魔力量自体も増えて疲労感も一蹴出来たはずだったが、今回でまた魔力を消費しすぎてしまったようだ。

セインを使用してなおこの疲労感は、《風陣・雷刃》が命令式の単純さとは別に精巧さや風陣と雷刃の質といった点で魔力の消費が激しいということなのだろう。

それでも、ここが踏ん張りどころだ。どうにか痛む体を起き上がらせる。力が入らないが、やるしかない。

何が何でもアイのプライドをへし折る。力があるから周りをおざなりにしてしまうのなら、それ以上の力を見せるしかない。

元々の実力はアイの方が上だろうが、こちらにはセインがある。諦めるわけにはいかない。

無言でお互い睨み合う。

動かないのなら都合がいい。その間に風陣へ手をかざす。

すると、可視化出来ていた風が段々と見えなくなっていった。

見えない方がアイも距離をはかれない。こちらの方が戦いやすいだろう。攻撃自体は変わらず弾いてくれる。臆することはない。

こちらから行かせてもらうっ。

痛みをこらえて、一気にアイへと飛び出す。

「……!」

すぐさまアイが光剣を幾つも放ったが、俺に近づいた途端雷大剣が宙を高速で駆け、全てが打ち砕かれてしまう。

もう攻撃は俺に効かない。近づけば詰みだ。

それはアイも分かっていたようだ。

いつの間にか目の前からアイの姿が消える。同時に背後で先程同様に光剣が砕ける音がした。

振り向くと雷大剣が光剣を叩き割っており、それを遠くでアイが見ていた。

「面倒ね……!」

顔をしかめ、本当に面倒そうに舌打ちをしていた。

面倒なのはこちらも同じなのだが。

時を止められる以上、上手く接近が出来ない。ただ、時を止めるためには溜めが必要なはず。

溜める余裕すら与えない!

風陣の形を変える。俺を囲んでいたそれをまるで道のようにアイへ伸ばす。そして、その風陣に入った瞬間、勢いよく体が加速してアイへ飛び出していた。

「っ」

アイには風陣が見えていない。急に加速した俺に驚いていた。

一気にセインを振り下ろす。アイは錫杖でそれを防いでいた。それでも攻撃を止めない。何度も何度もセインを振るう。一秒も暇は与えない。

アイは必死にその全てを防ぎながら、疑問を抱いているようだった。

今度はこれ程接近しているというのに雷大剣が襲ってこないことに。

実は、風陣の操作にはメリットデメリットがある。

メリットはその陣の形を自在に操ることが出来るということ。円を描くことも直線にすることも可能だ。

しかし直線にした場合、まず俺を守る結界としての機能は働かない。そして、同時に雷大剣も俺を守ることはないのである。

風陣において重要なのは循環だった。縦横無尽に荒れ狂う風が循環することでそれは密度を増して結界としての機能を有する。そして、循環することで雷大剣は幾度となく範囲内を駆け回るのである。

これが直線となると風の向きは一方向。攻撃を守ることもなく、雷大剣は一度しか風陣内を進まない。

風陣を元に戻せばいいだけの話だが、生憎風陣の操作は意外と集中を必要とする。アイとの攻防の中で戻すのは難しい。

このカラクリに気付かれてしまえば、無理やりにでも時を止めて無防備な俺を光剣で串刺しにすることだろう。

気付かれる前に、ぶっ飛ばす。

雷大剣は風陣内に入ることなく、風陣の入り口前で待機していた。

タイミングを見計らう。

アイと斬りあいながら、風陣の直線と俺達二人が綺麗に並ぶ瞬間を。

斬りあっているのも大変だ。アイの怪力と振るわれる二本の錫杖は対処しづらい。

加えて脇腹と肩、足の怪我が酷く痛む。セインを振るえば振るうほど血が噴き出していく。

気付けば防戦一方になっていた。アイも俺の状況を理解しているようだ。猛攻を止めることはない。

だが、それでも時魔法を使わせないように必死にセインを振り続ける。

その時だった。

斬り合いの中で、確かに俺達二人と風陣の直線が綺麗に並んだ。

俺の背後で、雷大剣が光を放っている。

行くぞ……!

アイが錫杖を薙ぐ。それに合わせて俺は屈んだ。今度は脳天を割るべくもう片方の錫杖をアイが振り上げる。

そして、目を見張った。

雷大剣が遂に風陣の入口へと足を踏み入れた。瞬間、雷大剣が目にもとまらぬ速さまで加速する。あまりの速さに視界の中に雷大剣の形はなく。

次の瞬間、雷大剣はアイに到達していた。

すんでのところでアイは振り上げていた錫杖で防いだようだが、威力までは殺せなかった。雷大剣の勢いそのままにアイが吹き飛んでいく。容易く壁を貫いて外へと消えていった。

「はぁ、はぁ……」

思わず片膝をついてしまう。血が床を染めていく。

体がだんだんと言うことを聞かなくなってきている。血を無くしすぎたか。

アイがいなくなったタイミングですぐさま風陣を元に戻す。

やられていないだろうが、それなりの威力を叩き込んだ。雷で身体が痺れて上手く動かせないはずだ。

そんなことを考えていると、突然俺を包むように無数の光剣が出現していた。すぐさま風陣が反応して雷大剣が打ち払っていく。

もし後少しでも風陣を戻すのが遅かったら完全に串刺しになっていた。

恐らくアイはだんだんこの魔法を理解している。先程まで俺が風陣に守られていなかったと分かるや否や攻撃してきたのだ。

いつの間にか、アイが遠く祭壇の前に立っていた。肩で息をし、頭から血を流している。よく見ると体が少し痙攣しているようだった。雷が効いている。

アイは怒りを覚えていた。

「何故そこまで私の前に立ちはだかるのよ! 私は、私はあの子に会いたいだけなのに!」

アイからしてみれば、俺は本当に邪魔者なのだろう。それでも行かせるわけにはいかない。

「あんたに、会わせたい奴がいるからだ……」

息も絶え絶えでどうにか返す。それをアイは鼻で笑った。

「ふっ、それってセラのことかしら? 馬鹿ね、もうセラとは会ったわ。役に立たなかったけれどね。これ以上会う価値も――」

「セラだけじゃない」

俺の言葉に、アイが眉を顰める。全く見当がつかない表情だ。

だから、行かせられないんだよ。

「あんたには向き合うべき奴らがいるはずだ。ずっとあんたが逃げてきた奴らがいるはずだ」

「私が、逃げてきた? 何を言っているのかしら……!」

更にアイが怒りを露わにする。可視化できるほどの魔力が周囲に迸っていた。

それでも俺は止めることなく話しかける。

「分からないのか? あんたは、親であることから逃げたんだよ。子供達と向き合うことから逃げた。怖くなったからだ、また失うのが」

「……めなさい」

「本当は補おうとしただけじゃないのか? ぽっかり空いてしまった心の空白を新たに子供を作ることで。それでも埋まらなかった。埋まるどころか、あんたは怖くなった。子供に愛情を注ぐことが」

「やめなさい!!」

光剣が飛び出してくる。全て雷大剣に打ち滅ぼされるというのに、アイがそれを止めることはなかった。感情任せに光剣を放ち続ける。

光剣が音を立てて何度も砕けていく。それはまるで彼女の悲鳴のようだった。

前から疑問だった。何故アイは子供達を城から外に出さないのか。束縛だとも思ったし、シノの話を聞いたときはシノが本当の娘ではないことを避けるためかとも思った。

だけど違う。もしそれに言葉をつけるなら……。

 

きっと過保護なんだと思う。

 

アイは気付いたはずだ。決して新たな子供で代替出来ないことを。子供一人一人が意思を持ち、性格や背丈、その他にも色々なものが違うのだから。子供とは替えが効く存在ではないのだから。

それに気づいたアイは余計に自分を責めたはずだ。唯一無二の娘をアイは見捨ててしまったのだから。

それがあって、アイは娘を愛することに恐怖を覚えたのだろう。愛すれば愛するほど、失った時の悲しみ苦しみは想像を絶するものになる。だから、アイはセラ達に愛情を注ぐことをやめた。

ただ、愛情を注ぐことをやめたとしても彼女にとってセラ達が娘であることは変わりない。娘達が万が一にも消えて無くならないように、アイは城の中に娘達を束縛した。

もう二度とあんな思いをしないように。

アイが本当にセラを嫌いであったのなら、幼い頃に聖堂へ侵入した時点でセラを追放していたっておかしくない。でも、そうしなかった。

本当は、セラを殺したくないのではないだろうか。愛情を注がないと決めたから、慈悲もなくアイはセラを殺すというのだろう。天使族の女王として殺さなければならないのだろう。ただ、それでもセラが彼女の娘であることに変わりはない。天使族からの追っ手が少ないのもそういう理由なのではないだろうか。

なんて、辛い人生なのだろう。自分の立場、体と心、理性と本能とがぐっちゃぐちゃだ。

全部憶測でしかないけれど、間違っているとも思わない。

アイは、だから優しい人なんだ。

今は最初の子供が生きていると分かって周りが見えていないだけ。最初の後悔が彼女の最大の後悔とも言えるのだから。それを払拭できる今、周りのことなどどうでもいいと思っているのだと思う。

そう、信じたい。

「向き合ってみろよ、信じてみろよ! セラもシノもエクセロも、紛れもなくあんたの娘なんだぞ! 愛情を注がれるのを待ってるんだよ!」

「私の娘は……あの子一人だけよ!」

それは自分に言い聞かせているようにも見えて。その姿が悲しんでいるように見えて。

「逃げるなって、言ってんだろうが!」

我慢できなくて俺は駆け出した。

その時だった。

俺とアイの間、そこに空いていた穴からセラ、シノ、エクセロ、エイラが姿を現した。諸々の情報交換と治療が終わったのだろう。

「ゼノ、無事ですか!?」

セラがこちらへ視線を向ける。

だが、タイミングがあまりに悪すぎた。

それを見た瞬間、アイが冷徹な笑みを浮かべていた。

「今ここで証明して見せるわ!」

「っ、やめろ!」

直感してしまう。アイが何をしようとしているのか。止めるにも距離があり過ぎる。間に合わない。

「私の娘があの子一人だということをね!」

セラ達はアイの魔法を知らない。何も対処のしようがない。

すぐさま風陣と雷大剣を俺の傍からセラ達を包むように移動させた。

その間一秒。

きっとどう足掻いてもそれは二択だった。自分を守るか、セラ達を守るか。どちらかを選べば必ずどちらかを失う、そんな選択。相手は状況を見て後出しが出来るのだから。

なら、後者を選ぶしかないじゃないか。

ギリギリで俺の周囲にも即席のシールドを張る。

直後、いつの間にか視界が眩い光に包まれていた。

 

 

セラ 

今後の方針をシノとエクセロと話し合った。こうやって話し合うこと自体が嬉しくて。こんなこと今まで一度もなかったから。話題を共有することなんてなかったから。

ようやく私たちは繋がれた気がした。

これから私達がやろうとしていることは大変なことだけれど、私達姉妹が力を合わせれば出来る、そんな気がする。

話し終えたタイミングで、シェーンとアグレシアの治療も済んだようだ。

「何とか持ちこたえました」

「エイラ、ありがとうございます」

エイラが微笑んでくる。途中からエクセロがこちらの話し合いに加わったから一人で治療してくれていた。少し疲れた様子なのは当然だろう。

本当は休んでいてほしいが、そうも言っていられない。

「エイラ、シロ、これからのことなんですけど――」

「治療しながら大体聞いてました。大丈夫、行けます」

エイラが力強く頷く。本当に強い人ですね……。

シロも理解してくれていたようで。

「私はこの二人を見とけばいいんでしょ? 任せなさい。本当はゼノのところに行きたいけど、話を聞く感じだと魔法使えないと戦えなさそうだし。お荷物になるのは嫌だしね」

シェーンとアグレシアのことを快く引き受けてくれた。

「シロも、ありがとうございます」

そうして、上を見上げる。先程から凄まじい魔力同士がぶつかっているのを感じる。きっとゼノとアイが戦っているのだ。

たとえゼノでもアイとの戦闘では、苦戦を強いられているはずだ。ゼノは優しいから絶対アイを殺そうとしない。余計に厳しい状況のはずだ。

助けに行かなければ。

四人で顔を合わせ頷き合い、一気に飛び立つ。

天井を抜けて外へ出ると、もう完全に外は真っ暗だった。星が煌めき夜空を飾っている。

意外と日が落ちるのが早い。それ程戦ったり話し合ったりしていたということだろうか。

アイに何を伝えるかは決めた。

アイを救うために私達が何をすべきかを決めた。

あとは、それをアイに承諾してもらう。その為には私達三姉妹の実力をアイに見せる必要がある。私達だけでもここまで出来るのだと。

これは一か八かの賭け。

初めて三姉妹で母へ反抗する。

反抗してでも伝えなきゃいけないことがある。

必ず届ける。私たちの気持ちを。

そして、空いていた穴から聖堂へと入った。

ゼノとアイは睨み合うように立っており、その間に私達が割り込んできたようだ。

「ゼノ、無事ですか!」

ゼノへと視線を向ける。ゼノはかなり重症のようだった。肩や足から血を流しているが、一番深い傷は脇腹だ。脇腹から血が溢れ、床を染めている。

ゼノの周囲は何やら雷が迸っているが、あれはゼノの魔法に違いない。

ゼノでもここまで苦戦するとは、アイはやはり相当の強さのようだ。

その時、アイが告げた。背筋が凍てつくほどの冷笑を浮かべながら。

「今ここで証明してあげるわ!」

「っ、やめろ!」

「私の娘があの子一人だということをね!」

ゼノが表情を険しくさせていた。必死に、焦るように私達へと手を伸ばしていた。すると、突如見えない風が私達を包んだ。同時に、ゼノの周囲を動いていた雷も私達の元へ移動して周囲を動き始める。

咄嗟のことで何が起きようとしているのか分からない。動くことすらままならなかった。

ただ分かることは、ゼノが私達を守ろうとしているということ。

そして視線の先で、ゼノが自分の周囲にシールドを張る。

その瞬間だった。

見えていたはずのゼノがいつの間にか眩い光に包まれていた。まるであいだの時間を切り取ってしまったかのように、時間が飛んだかのように。

眩い光の正体は全て光剣で。その全てが一気に中心にいるゼノへと殺到した。

ほんの一瞬の出来事。風切り音と共に何かが砕ける音がしたと思ったら、やがて覆っていた光が砕け散り、ゼノが再び姿を見せる。

 

体の至る所に光剣を突き刺し、膝をついた姿を。

 

信じられない光景に目を疑ってしまう。

頭や心臓などの即死箇所に光剣は刺さっていない。しかし、それ以外は酷い有様だった。右腕も右足も左足も光剣が複数突き刺さっている。更に左腕は切断され、地面に転がっていた。

そして、一つの光剣がゼノの胸部を貫通していた。

ゼノの口から、体から夥しい量の鮮血が溢れ出す。

「いや、そんな……!」

信じたくないのに、血の香りが周囲に漂う。それが現実であることを否応なしに気付かせる。一気に恐怖が全身を駆け巡る。最悪の想像が頭をよぎる。

嫌、嫌、嫌……!

胸が締め付けられるように痛い。涙が溢れ出してくる。

何でこんな、こんな……!

「ゼノ!!!」

私達の目の前で、ゼノは横に倒れていった。
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