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3『過去の聖戦』

3 第二章第十五話「思わぬ出会い」

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ゼノ
 うわっ、予想通りクサッ……!
 あまりの悪臭に思わず鼻をつまんでしまう。嗅いだこともない臭いだ。これほどの臭いを生物が醸し出せるものなのかよ。
タイタスの口内は外から見た時点で随分酷いものだったが、中から見ても酷い。暗くてはっきり見えないが、粘った唾液があちこちに張り巡らされている。足を置いているタイタスの舌も同様で、足を持ち上げたら唾液がくっついてきた。
 ……マジで最悪。
 暗くて全貌が明確に分からないのがむしろ幸いだろう。理解してしまったら、余計ここにいたくない。
 とりあえず出たらエイラをボコボコにしよう。あいつのせいで俺はここに……いや、俺のせいだったわ。
 俺の提案とは単純明快、外から攻撃が効かないのであれば内から攻撃すればいいじゃないか、というものであった。俺としてはエイラかシェーン辺りをぶち込もうと思っていたのだが、まさか自分で行く羽目になるとは。
 ……まぁ、セラが行くよりはいいか。あのお姫様がこんな目に遭うのは何か嫌だわな。
 タイタスの唾液まみれのセラを一瞬想像したが、普通に申し訳ない気持ちになった。内に入って分かったことだが、エイラでもシェーンでも申し訳ないことに気付いてしまった。経験してしまったこれを、あの美少女達にも体験させるのは良心が痛む。
 ……だとしてもエイラはいっか。
 ここにぶち込んだ罰を受けさせてやらなくては。
 その時、足場にしていた舌がうねうねと動き出した。どうやら俺を捕まえようとしているようで、勢いよく舌を口蓋やら横の肉壁やらにぶつけてくる。
 危ねえ!
 転がり込んでどうにか喉奥にまで回避する。そこなら舌も動かせない。てか、転がったせいで全身唾液まみれだった。
 ……とりあえず一発ぶち込んでやる!
 わざわざこんな思いをしてまで、ここに入ったんだ。役目を果たさなくては。
 怒りと共に、俺は手元に雷の槍を生成した。
ゼノ:
「外じゃ駄目だったけど、中からならどうだ! 《雷土の槍、グングニル!》」
 勢いよく上めがけて雷槍を投擲する。口蓋にそれが直撃した瞬間、一気に電撃が迸った。暗かった口内が明るく照らされ、改めて歯の死滅を確認できた。
 すると、足場が急に細かく揺れ始めた。足場がというよりも、タイタスの身体が揺れているようだ。
ゼノ:
「痙攣、なのか……?」
 良く見ると、雷槍の当たった場所は真っ黒に深く焼き焦げており、外皮と違って明確にダメージが入っていた。この揺れは電撃を浴びたタイタスの痙攣と考えるのが妥当だろう。
ゼノ:
「っ、ビンゴか!」
 つまり、内からならばダメージを与えられる。ここまで来た甲斐があったってものだ。
 よし、このまま倒すか!
 そう思った時、喉奥に何かが大量に迫ってきていた。それはまるで津波のように押し寄せてきている。
 それが何か分かった俺は、絶望していた。足掻こうにも勢いが強く、シールドを張る猶予もない。
ゼノ:
「……最悪だよ」
 次の瞬間、唾液の洪水が一気に喉奥へ到達し、俺の身体を飲み込んだ。そのまま更に奥へと流れ込んでいく。
 くそっ、本当に最悪だ! 絶対許さないからな! 滅茶苦茶暴れてやる!
 その決心と共に、俺は喉の奥の器官へと流されていった。
………………………………………………………………………………
エイラ
 ゼノがタイタスの口から体内へと入った直後、タイタスがその巨躯をビクビクと痙攣させていた。
エイラ:
「どうやら派手にやっているようですね」
 あの様子だと、ゼノの思惑通り中から攻撃が効いているのだろう。
 ジェガロが、複雑そうな表情でタイタスを見ていた。
ジェガロ:
「【不思議じゃの、ゼノが入ったせいか奴が可哀そうに見えてくる】」
エイラ:
「この世界で最も質の悪いウィルスが侵入しましたからね」
 タイタスは更に喉や胸を押さえ、苦しそうにしていた。中でゼノがどんどん暴れているのだろう。
 セラとシェーンがタイタスへ振り向きながら、私達の元へと帰ってくる。そのまま何か語り掛けてきたが、まだジェガロの魔法のせいで音は聞こえない状態だった。私とジェガロは同じ括りだから話が出来ているのである。
エイラ:
「ジェガロ、魔法をもう解いてもいいんじゃないですか」
ジェガロ:
「【む、そうか】」
 すぐにジェガロが魔法を解く。すると、音が戻ってきた。夜風が木々を揺らす音や、苦しそうに呻くタイタスの声も。
 ようやく会話が出来るようになったところで、シェーンが告げてくる。その顔は何故か生き生きしていた。
シェーン:
「あいつが中に入って随分スッキリした。あいつを放り込んだのは貴様だろう。よくやった」
 シェーンにしては珍しく、悪魔である私を褒めた。
エイラ:
「お褒めの言葉、ありがとうございます」
 ニコッと笑顔を返す。私も実際のところスッキリしていたが、前面には出さない。
シェーンとの溝が少し縮まった気がします、ありがとう、ゼノ。あなたの犠牲は無駄じゃありませんでしたよ。
セラ:
「さて、この後どうしますか」
 セラに言われてタイタスへ視線を戻す。タイタスは今も尚苦しそうにしていた。
エイラ:
「外から攻撃は効きませんからね、後はゼノに任せて、私達はタイタスが暴れないようにしましょう。彼が暴れては周囲への被害が甚大ですからね」
ジェガロ:
「【そうじゃな】」
 すると、予想が当たったというべきか、タイタスの顔が怒りに変わり始めていた。包帯が取れたせいで口元が見えるようになり、余計に感情が分かりやすくなっている。
 中で何かが暴れているのだ、苛つくのも仕方がない気もする。
 タイタスはそのまま地団駄を踏み始めた。それに合わせて地響きと地震が周囲へ伝わっていく。一歩踏みしめる度に地形が変わっていった。
エイラ:
「これはまた、酷い癇癪ですね……!」
 タイタスはあれでもまだ子供の年齢なのだ。だからこそ成長は止まらず、彼は大きくなり続ける。例え子供でもあの巨体と魔力は脅威だった。ゆえにベグリフによってえらばれたのだ。
セラ:
「これでは人族の集落が……!」
 セラの言葉にシェーンがハッとする。
シェーン:
「っ、セラ様、隠してきた麓の人族達が心配です! ここを離れてもよろしいでしょうか!」
セラ:
「大丈夫です、私達でタイタスを止めますからシェーンは行ってください!」
シェーン:
「はい! お気をつけて!」
 すぐにシェーンがその場を発ち、人族の元へと急行する。
 一瞬で小さくなるシェーンの後ろ姿に、私は思わず微笑んだ。
エイラ:
「てっきりセラ様についてきただけかと思っていましたが、シェーンもしっかり人族のことを考えているのですね」
 当然ですと言わんばかりにセラが頷く。
セラ:
「シェーンは自分にも他人にも厳しいので勘違いされがちですが、本当はとっても優しいんですよ。いつも私のことを思って行動してくれますし、シェーンだって人族の待遇をよくは思っていませんでした」
 シェーンのことを語るセラはとても幸せそうで嬉しそうだった。
エイラ:
「セラ様はシェーンのことが好きなのですね」
セラ:
「はい! 大好きです!」
 元気に微笑むセラが眩しい。年齢は分からないが、可愛らしい幼さが垣間見えた気がした。
私にとってはフィグル様みたいなものなのでしょうね……。それでもここまで素直に感情を表現はしませんが。
 セラの真っ直ぐさが羨ましく思えた。
ジェガロ:
「【話は後じゃ。まずはあの地団駄から止めるぞ】」
セラ:
「でも、タイタスを止めたり揺らしたりすると、中のゼノも大変なんじゃ……」
 セラの懸念は尤もだ。尤もだが、
エイラ:
「中のことは気にしないでおきましょう。ゼノは死ぬ気で中に飛び込んだんです。自分で考えた作戦ですし、死んでも悔いはないでしょう」
セラ:
「えっと、飛び込んだというより、エイラに飛び込まされたんじゃ……」
エイラ:
「気のせいですよ。さ、やりましょうか!」
 セラを置いて、タイタスへと飛び出す。
セラ:
「……私、だんだんエイラの人となりが分かってきました」
 後ろから苦笑するセラの声が聞こえてきたので、
エイラ:
「分かってくれて、嬉しいです」
私は振り返ってウィンクをしたのだった。
………………………………………………………………………………
ゼノ
 喉奥から唾液で流されてからというもの、俺は唾液と共に落下を続けていた。おそらくここは食道なのだろうが、タイタス程巨体ともなると食道も長すぎる。ずっと落下しっぱなしで下も見えない。当然、その間も滅茶苦茶攻撃させていただいてますけれども。
 すると、突然食道が大きく揺さぶられた。
ゼノ:
「うっ」
急に揺れて食道の肉壁に顔面を勢いよくぶつけてしまった。顔面を押さえながら、何事だと思ったが、すぐに分かった。
 あいつらぁ! 俺がいるの分かっててやってんな!
 おそらく外から攻撃をしているのだろう。効かないと分かっていても、注意を引いたり止めたりするうえで必要なのだ。
 にしても、食道が揺れる。さっきから顔面やら後頭部やらをぶつけまくっている。最早俺を苦しめるために攻撃しているんじゃなかろうか。
 そんなこんなしている内に、ようやく下が見えた。唾液と共に食道を飛び出し、広々とした空間に辿り着いた。
 しかし、すぐさま着地せずに空中に留まった。
ゼノ:
「ここは、食道の下だから、胃か?」
 よく見渡してみると、あちこち胃酸で満ちていた。そう言えば落下の途中から音が聞こえるようになったが、胃酸がじゅわじゅわ音を立てていた。あそこに入ってしまえばどうなるか。間違っても入れる者などいないだろう。
 胃酸のあちこちにタイタスの食事跡と思われるものがある。例えばまだ溶け切っていない骨。それは大きな魔物の骨一式だった。骨が全部そろっている状態でここにあるのだから、タイタスはそれを丸飲みしたのだろう。タイタスからしてみればどんなに大きい魔物もミニマムサイズか。他にもまだ色々な物が消化されずに残っていた。何か食べてから俺達の元へきたのだろうか。
 そもそもこの胃もかなり広い。普通にここで暮らせそうな広さだ。もちろん胃酸のせいで絶対無理だが。
ゼノ:
「さて、胃か。とりあえず胃に穴でも開けておくか」
 そう思った時だった。ふと、視界に不思議なものが映った。それは胃の中にはありえない、ずばり家だった。それも骨で作られた家。屋根も付いている本当に普通の家。おそらくまだ溶けていない骨を集めて作ったのだろうが、別にそこに興味はない。いずれ溶けるだろうに何故まだ家の形を保っているのだとかそいうことではない。
 その家は胃酸の中ではなく、胃酸の水面にあった。まるで、誰かがそこで生活をしているかのように。普通に考えてあり得ない。ここはタイタスの体内で、さらに胃だ。万が一にでもタイタスに食べられてここに送られれば、溶けてなくなるのが必然。
 そのはずなのに。
 俺の目の前で、その骨の家の扉が開いた。そこから一人の少女が出てくる。
 それも全裸で。
 少女は大きく伸びをしていた。
少女:
「やけに今日は揺れるわね。地震?」
 そのままストレッチを始める少女。背は低く、黄色い髪は無造作に伸びっぱなしだった。顔もまだ幼いし、発育も発展途上といったところ。
少女:
「さて、今日は大物にありつけるかしら」
 少女はストレッチを終えると、何と両手を重ねて前に突き出し今にも胃酸に飛びこもうとしていた。
ゼノ:
「いや、もう全部どうゆうこと!?」
 流石に突っ込みどころがありすぎて、思わず叫んでしまった。でも、皆分かってくれるはずだ。これは仕方がない。
少女:
「えっ」
 ビクッと少女の身体が跳ね、視線が宙にいる俺へ向けられる。瞬間、その大きな目が更に大きく開かれた。
少女:
「え、人なの?」
ゼノ:
「そっちこそ人なの!?」
 仮にこんなところで生活しているのだとしたら、間違いなく人ではない。天使か悪魔か。にしてもここで生活など出来るとは思えないが。
 すると、その少女は急に目元に大量の涙を溜め始めた。
ゼノ:
「なっ」
 泣き始めた少女に思わず戸惑う俺だったが、慰める余裕もなかった。
 何故なら、少女が急に凄い速度で跳躍し俺へ突っ込んできたのだ。
普通におかしい。これでもかなり上の方にいたつもりなのだが、その跳躍力も速度も人のそれではない。魔法を使った様子も見られなかったのに。
 あまりの速度に受け止めることも出来ず、そのまま少女の頭突きが腹に炸裂する。
ゼノ:
「がはっ」
 間違いなく今日イチの痛みだった。
 少女はそのまま俺へ抱きついてくる。慌てて胃酸に落ちないよう体勢を立て直した。
 全裸でよくもまぁ抱きついてくるもんだと、一瞬思ったが本人は全く意に介していないらしい。
 そして、少女が泣きじゃくりながら満面の笑みで告げる。
少女:
「お久しぶりね!」
ゼノ:
「いや初めましてだよ! お前みたいな奴流石に記憶残るわっ!」
 俺の声がタイタスの胃の中に木霊していた。
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