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3『過去の聖戦』

3 第一章第七話「魔王と四魔将」

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エイラ
 一人で部屋で笑い転げるのも束の間、私には召集命令が下されていた。予想通りの展開に驚きなどまったくなく、笑い過ぎて痛い腹筋を押さえながら自城を発った。
 向かう先は王都レヴィンにある魔城アタレス。王都レヴィンとは悪魔領の中で最も大きな国である。
 そして、そこには悪魔領全体を統一する人物がいる。魔王だ。
 魔王直々の呼び出しだが、一切臆することなく入城し、進んでいく。そして、いくらか階を上り、ようやくとある部屋の前に辿り着いた。その扉は巨大であり、私の数倍ほどの大きさがある。
 絶対ここまでの大きさはいらないと思いますが。タイタスには小さいですし。
 しかし、その大きさからかとてつもない威厳を放っている。いや、たとえ小さくても威厳は放つであろう。
 この先は魔王の待つ広間なのだから。
エイラ:
「四魔将が一人エイラ、失礼します」
 返事も待たず、魔力でその巨大な扉を開ける。視界が一気に広がり、大きな広間へと出た。歪な形をした柱、壁の一辺はガラス張りになっており、外の風景がよく見えるようになっている。床はあまりの透明度ゆえに鏡のように反射していた。そして、大きな玉座と三つの似たような席が奥に設けられている。
 その席には既に魔王と四魔将の二人が座っていた。視線は全て私へと向けられている。
 この床、スカートだと反射して中が見えるので嫌なんですよね。
 さては魔王の趣味かと疑いたくもなるが、魔王にそのような欲がないことは分かっている。偶然このような床なのだろう。それでも嫌なものは嫌で、魔法で反射するスカートの中を陰で塗りつぶすのが私のいつものやり方だった。
 コツコツと音を立てながら先へと進んでいく。私を待っているのは明白だった。
 その道中、ガラス張りの壁の向こうを何かが動いた。それが何か分かっている私は特に驚いた様子もなく視線を向けた。
 そこには、先程の巨大な扉と同等かそれ以上の大きさをした目玉が二つ佇んでいた。その巨大な目玉は私をじっと見つめているのだ。
エイラ:
「お久しぶりですね、タイタス。また大きくなりましたか?」
 その目玉へ話しかけると、二つの目玉は横に動いた。どうやら首を振って否定しているらしい。大きすぎて目のラインしか見えない。
 タイタスは四魔将の一角、巨大な悪魔だった。その巨大さは通常の山々を優に超えており、直立すれば頭はほぼ雲に覆われる程であった。それほど巨大なタイタスは、現在アタレスの横に正座をしている。そうしなければ大きすぎて魔王の間にて話し合いに参加できないのである。アタレスは悪魔領で最も大きな城なのだが。
 先程話し合いに参加できないとは言ったが、アタレスはそもそも会話することを魔王によって禁じられている。その巨体から放たれる轟音はとてもではないが耐えられるものではない。
エイラ:
「また今度ゆっくり話せたらいいですね」
 そう言って、再び視線を戻し歩き出す。
 魔王の横には二人の四魔将、フィグルとグリゼンドが座っていた。
 フィグルが笑顔で迎え入れてくれる。
フィグル:
「本当にお久しぶりですね、エイラ。いつ以来でしょうか」
エイラ:
「そうですね、王とフィグル様の結婚五年目パーティー以来くらいだと思いますので、もう五年ですか」
フィグル:
「そんなに立ちますか? では、今度は十年目パーティーを開かなければなりませんね」
 クスッとフィグルが微笑む。長く綺麗な白髪は眩しい輝きを放っているようであり、その大きな瞳も整った顔立ちも全てが美しさに磨きをかけていた。
 それにしても、前よりも綺麗に見えますね。……まさか王の妻だからですか?
 そして、フィグルは四魔将が一人にして魔王の妻でもあった。それは、特別色々な交流があったが末のものではなく、魔王が突然ただ一言、「俺の妻になれ」と言ったことでそうなったのだ。断ればどうなるかは分からず、フィグルとしても断るつもりはなかった。正直、魔王が妻という存在に焦がれていたとは驚きだった。
 間違ってもそのようなものに興味がある方だとは思っていなかったのですが。
 今になっても不思議がっていると。グリゼンドが笑顔で声をかけてくる。相変わらず端正な顔立ちだが、黒髪の前髪が長くてこちらも鬱陶しく感じてしまう。
グリゼンド:
「エイラ、フィグル様との談笑中に悪いけど、今回呼ばれた理由は分かっているのかな?」
エイラ:
「本当に悪いですね。反省してください」
グリゼンド:
「僕には無理だって分かってるでしょ」
 相変わらずグリゼンドは飄々としており、掴みどころがない。
エイラ:
「それに、呼ばれた理由なら分かっていますよ。どうせ人族の反乱云々についてでしょう」
 それに答えたのは魔王、ベグリフだった。
ベグリフ:
「その通りだ」
 その一言だけで、空気が一気に張り詰めた。
 ベグリフは玉座で足を組み、肘をかけて私を見つめていた。白と黒の混じった長髪に、全てを射抜く鋭い目、何百年と生きているはずだが、その容貌は若く衰えなど感じさせない。いくつか豪華な装飾のついた黒い衣服の上から、赤いマントを羽織っている。
 その鋭い眼光が、私へ突き付けられ息苦しさを与えてくる。しかし、決して睨んでいるわけではなく、ただ単に見つめているだけ。要は目つきが悪いのだ、と思うことに私はしている。その方がこういう状況でも幾分か緊張せずに済む。
 全員が閉口する中、ベグリフが話を続ける。
ベグリフ:
「どうやら天使族の中でも何やら揉めているようだが、今はこちら側だ。人族の反乱がおこっている。そして不思議なことにまだ治まっていないらしい。これには早急に対処しなければなるまい。……が」
 ここに来てベグリフの眼光がより鋭くなった。しかし、臆することなく見つめ返す。
ベグリフ:
「エイラ、おまえは鎮めるどころか見逃したと聞いた。これはどういうことだ」
 どういうことだと聞かれましても。
エイラ:
「そのままですよ。反乱を止めにラフルスへと行き、反乱の首謀者と思わしき人族と戦い見逃しました」
グリゼンド:
「ぶふっ、正直だね、君」
 隠そうともしない私の様子にグリゼンドが笑う。それを無視してベグリフは再度問いかけてきた。これと言って表情に変化はない。
ベグリフ:
「何故、その場で制しなかった」
エイラ:
「簡単ですよ。あの反乱の行く末に興味が湧いたんです」
フィグル:
「興味、ですか」
 困惑するような視線でフィグルが私を見つめる。おそらく、私の行動が不可解なのだろう。それでも一応説明はさせてもらう。
エイラ:
「私が到着した時点でラフルスにおける人族の反乱は成功していました。これまでそのような事例は一つも存在していなかったのに、です。そして、先程も言いましたが、私はその反乱の首謀者と戦いました。驚きましたよ、人族の癖に私と同等、或いはそれ以上の力も持っているのですから」
フィグル・グリゼンド:
「なっ」
 これにはフィグルもグリゼンドも驚いていた。ベグリフの瞳孔も少し開いていた気がする。当然の反応である。人族とは悪魔族や天使族よりも魔力や基礎能力等で劣っている存在のはず。にも関わらず、悪魔族の中でも五本の指に入る私と同等なのだから。
 フィグルが何やら思案顔をしている。その間にもグリゼンドは尋ねてきた。
グリゼンド:
「本当かい? たかが人族だよ? 手を抜いたんじゃないか?」
エイラ:
「手を抜けばやられていましたよ。目の色が変わる位本気で戦いました」
 通常時は人のそれと変わらない瞳も、本気の場合は悪魔のそれへと変わる。瞳が変化するという事はそういうことなのだ。
 それでも、倒すことが出来なかった。むしろ、ゼノにはまだ余裕があった気がする。
エイラ:
「私は気になったのです、この反乱がどうなっていくのかを、世界にどう影響を及ぼすのかを」
フィグル:
「ふふふ、相変わらずですね、エイラ」
エイラ:
「ありがとうございます」
 この状況で相変わらずとは、まるで変人扱いだが、フィグルがそのような意味で言っていないことは分かっている。長年の付き合いである。
 私とフィグルが笑みを交わす。すると、ベグリフが呟いた。
ベグリフ:
「強いのか、その人族は」
エイラ:
「え?」
 まさか、そのような問いが飛んでくるとは思っておらず、驚いていると再びベグリフが尋ねる。
ベグリフ:
「強いのかと聞いているんだ」
エイラ:
「……強いですよ、とても」
 そう言った瞬間、笑うことのないベグリフの口角が少し上がったような気がした。その機微にはここにいる全員が気付いていたが、間違っても聞けるものではない。
それに、見間違いの可能性もある。現に今はもういつもと変わらない無表情だ。
 ベグリフはその表情を崩すことなく、私へと告げた。
ベグリフ:
「反乱を見逃すという行為は本来、我々への反逆にあたる。が、ここは寛大な処置をとってやろう。おまえの責任の取り方次第では、不問にしてやる」
エイラ:
「責任の取り方ですか……」
 ふと、どうしようか考えてみる。そもそもベグリフがこのような対応することは珍しい。場合によっては一切のお咎めなしということだ。
 これにはグリゼンドも驚いているようで、珍しく真面目な顔で語り掛けてきた。
グリゼンド:
「気を付けて、ベグリフが何考えているのか分からないけど、返答次第じゃいつも通り殺されることになるよ」
 ベグリフ、とグリゼンドは呼び捨てにするがこれはいつものことである。弱者は切り捨てる、それがベグリフのやり方なのだ。そのせいで大勢の悪魔が殺されてきた。
エイラ:
「そうですね……」
 少なくとも、ゼノに手を出したくない。私はその反乱の行く末を見たいのだから。
 ……あ。
エイラ:
「なら、最近噂の天使側の第三王女を殺してきましょう。彼女もまた人族解放を呼び掛けていますし、いずれは悪魔領側にまで侵攻してくるかもしれません。それに、天使側の人族だって最終的には悪魔の手中にするはずでしょう。解放されては面倒なことこの上ありません。ならば、早い段階で芽は摘んでおくべきではないでしょうか」
グリゼンド:
「絶対に例の反乱を止めるつもりはないのね」
 グリゼンドが苦笑していた。
エイラ:
「当然です」
グリゼンド:
「君は本当に相変わらずだ」
エイラ:
「……」
 フィグルに言われるのはいいが、グリゼンドに言われると腹立たしく感じるのは人柄の問題だろう。
 後は、ベグリフがどう受け取るかであるが、意外にも答えは明白だった。
ベグリフ:
「よかろう、奴を殺して来い」
エイラ:
「……意外ですね、ここまですんなり行くとは」
ベグリフ:
「だが、それすら出来ない場合は、分かっているな」
 失敗すれば私は必要ないということだろう。
エイラ:
「分かっていますよ。それじゃ、早速行ってきますね。折角王が慈悲をくれましたし、パパッと終わらせてきます」
ベグリフ:
「……行け」
エイラ:
「それでは失礼します」
 そう言って、私は三人へ背を向けて歩き出した。その背中へフィグルが声をかけてくる。
フィグル:
「気を付けてくださいね。間違っても死なないように」
エイラ:
「フィグル様の頼みともなれば、失敗は出来ませんね。必ず生きて帰って来ますよ」
 フィグルと言葉を交わした後、軽くタイタスへ手を振ってから広間を出た。扉を閉めた後、扉に寄りかかって呟く。
フィグル:
「これから忙しくなりますよ、フィグル様」
 きっと、フィグルなら気付いてくれたはずだ。ようやく私達は動き始める。
 そして、私は天使側の第三王女を殺すべくその場を後にした。
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