上 下
52 / 307
2『天使と悪魔』

2 第一章第五話「永遠の暇」

しおりを挟む
 カイとデイナの決闘の余韻に浸る暇などは用意されていなかった。
 その悪魔の襲来に国民達の行動は二つに分かれていた。一方はその悪魔の姿を見た途端泣き叫びながら逃げ惑う人々、そしてもう一方は悪魔の登場に動揺しつつも逃げ惑いはしない人々である。後者は全て若者であった。つまり、若者以外の大人達が悲鳴を上げながら逃げているのである。
ダリル:
「何者だ、奴は!? 何てプレッシャーなんだ!」
ミーア:
「分かんないけど、でもなんかみんなの様子が変だよ!」
イデア:
「敵、なのでしょうか!?」
 女の悪魔を指差しながら逃げ惑う大人達。その理由をミーアやダリル、そしてイデアは知らないのであった。そもそも敵なのかどうかも分からないのである。
イデア:
「エイラさん、エイラさんはあの方がどなたなのか―――」
 知らないのですか、そう尋ねようとしたイデアの言葉は途中で止まってしまった。
イデア:
「……エイラさん?」
 イデアの視線の先に映るエイラの姿は驚きと、そして恐怖に体を震えさせていた。
 その様子にダリル達も気付き始める。
ダリル:
「エイラ、どうした!?」
エイラ:
「……どうして………!?」
 エイラが、震えた声でそう振り絞る。
 その尋常じゃない様子にダリルは困惑しながらゼノへと視線を送った。
 だが、エイラと同じくゼノもまた驚愕した面持ちで女を見つめていたのだった。
ダリル:
「ゼノ様もか……!」
ミーア:
「お父さんも固まっちゃってんの!? 一体あの人何なのさ! 目変だし翼生えてるし!」
 イデア達が再び女へと視線を向ける。
 その時、ずっと黙っていたヴァリウスが女へ視線を向けながらぼそりと呟いた。
ヴァリウス:
「悪魔族、がどうして……!?」
イデア:
「ヴァリウスさん?」
 何やら知ってそうなヴァリウスへとイデアが声をかけようとした時だった。
カイ:
「おいおまえ、何者だ!」
 イデアの愛しい人の声が会場中に響き渡ったのだった。
………………………………………………………………………………
 女はいつの間にか高度を下げ始めており、その視線はエイラへと向けられていた。
???:
「だいぶ周りがうるさいわね……。ま、今回は無事エイラも見つけたから不問にするわ」
 その言葉通り、女の機嫌はかなり良さそうであった。
 そんな女へ叫ぶ人物が一人。
カイ:
「おいおまえ、何者だ!」
 カイである。カイは地上から頭上に飛んでいる女をきつく睨んでいた。
カイ:
「いや、この際何者かなんて関係ねぇ! 誰だろうととにかくおまえがエイラの敵だってことはよく分かったよ!」
 カイは既にエイラの様子の異常さに気付いていたのだった。エイラのあんな様子をカイは一度も見たことが無い。エイラを怯えさせる者はカイにとって当たり前のように敵であった。
カイ:
「イデア!」
 カイが女から目を離さずにイデアへ片手を向ける。それだけで二人の間には十分だった。
イデア:
「うん!」
 イデアが胸の奥からセインを取り出してカイへと放出する。
 カイがセインを手にするのと、エイラが我に返ったのはほぼ同時だった。
エイラ:
「っ、カイ様! いけません戦っては!」
カイ:
「うるせぇ! ビビってんじゃねえぞ! エイラらしくねぇだろうが!」
 そしてカイが地面を蹴って跳躍すると同時に叫ぶ。
カイ:
「ベルセイン!」
 カイの身体が光に包まれ、次の瞬間全身を青い線の入った白いコートで覆い、水色の篭手と足に防具をつけたカイが細長くなったセインを手に女へと飛び出した。
カイ:
「喰らい、やがれっ!」
 カイが女へとセインを上から下に振り下ろす。その頃になってようやくゼノも正気を取り戻した。
ゼノ:
「っ、カイ! ならん! おまえでは―――」
 だが、そこまででゼノの言葉は止まってしまった。
 別に何かに遮られたわけではない。ただ、もう言わなくてもカイには伝わってしまったのだ。
 カイの振り下ろしたセインはいとも容易く女の片手、さらに言えば二本の指で受け止められていた。
カイ:
「な……!?」
 ベルセイン状態の一撃をあっさりと受け止められ、カイは唖然としていた。
 カイでは勝てない、ゼノはそう言おうとしたのだった。
???:
「威勢は良いけど実力が伴っちゃいないよ!」
 瞬間、もう片方の手の先を女がカイの顔めがけて高速で突き出す。
カイ:
「っ!」
カイはほとんど直感でそれをギリギリ躱した。ダークネスとの戦闘で反射神経が確実に鍛えられているにも関わらず、カイの目にはその突きが見えなかった。
???:
「へぇ、避けるのは上手いのね!」
 そう言いながら女がセインごとカイを地面へと投げ飛ばす。その勢いは凄まじく、カイの衝突と同時にフィールドが一気に砕け散ってしまった。
カイ:
「ガハッ!」
イデア:
「カイ!」
ダリル:
「くそっ! 」
 ダリルが観客席からフィールドへ下りようとすると、その腕をエイラがきつく掴んだ。
エイラ:
「ダリル、行ってはなりません! 戦ってはなりません!」
ダリル:
「っ、エイラ、何故だ!?」
エイラ:
「とにかく駄目なんです! あの方の用は私にあるんです! 皆様は手を出さないでください!」
 エイラが懇願するようにダリルへそう叫ぶ。
やはりその尋常じゃない様子に、ダリルがより戦う決心を固めた時だった。
メリル:
「ちょっとサボって抜け出して来たら一体何の騒ぎ!?」
 メリルがダリル達の元に姿を現したのである。
 これはダリルにとって好都合であった。
ダリル:
「メリル、私にセインを渡してくれ!」
エイラ:
「っ、ダリル! だから駄目だと―――」
 その時だった。
ゼノ:
「全員、その場から動くな!」
 突如闘技場全体にゼノの声が響き渡る。その迫力は絶大で、逃げ惑っていた大人達も動揺していた若者達も、そしてデイナの手を借りてどうにか立ち上がったカイですらも、声を発することなくぴたりと止まった。闘技場内の時が一寸止まったかのようであった。
 しんと静まり返った闘技場のフィールドへゼノが下りてゆっくり女へと歩いていく。
 そのゼノへ女は疑いの眼差しを向けていた。
???:
「あなたがゼノ? 思ったより若いのね」
 ゼノは無駄口を叩くことなく女のほぼ真下まで進み、睨みつけるように女を見上げた。
ゼノ:
「……何の用で来た」
 そのゼノの顔にはある種の覚悟が浮かんでいる。
???:
「何の用で来たかって、そんなの簡単よ。先の聖戦で死んだと思われていたエイラ・フェデルの魔力を感知したから、捜しに来たの。驚いたわ、まさか人間界で生きていたなんてね」
 その女の発言にエイラはフィールス王国での戦いを思い出した。
あの時、ほんの少しだけ力を使ってしまったのだ。抑えていた、自分の中にあるもう一つの魔力を。
エイラ:
「まさか、あれが……!」
 ほんの一瞬だったのだが、それが『向こう』にバレてしまったのだ。
 女がエイラへ向けて話しかける。
バルサ:
「こんにちは、エイラ。昔の四魔将の一人に会えて光栄だわ。私は現四魔将の一人、バルサ。ま、私の名前は聞いたことないだろうけど。あんたのいた頃は私も無名だったからね。逆にあんたは死んだとされていた今でも有名だよ。人間に寝返った裏切り者だってね!」
エイラ:
「……っ!」
 エイラが唇を噛みながらバルサを睨む。
 そんな中、カイは話にまったくついていけていなかった。カイだけではない、この会場にいるある年齢から下は話がまったく理解できていなかった。ダリルもその一人である。
ダリル:
「何を言っている貴様! エイラが人間に寝返った? この世には人間という種しか存在しないはずだ!」
 ダリルのその言葉にバルサは首を傾げた。
バルサ:
「ん? ……もしかして知らないの? 分からない? ほら、この目とか翼とか」
 バルサが自分の身なりをダリルへ見せつけるが、ダリルの表情は全く変わらなかった。
 その様子にバルサが再び首を傾げる。
バルサ:
「んー? もしかしてあの聖戦以後に生まれた人間には教えていない感じかしら。人間もよく分からないことをするわね」
ダリル:
「いいから知っていることを全て吐け!」
ゼノ:
「ダリル、おまえは引っ込んでいろ」
 ゼノがそう言うが、バルサは嬉しそうにゼノへ視線を向けた。
バルサ:
「いいえゼノ。どうやらあんた達人間は私達の存在を隠しているようじゃないか。なら、代わりに私が教えてあげよう!」
ゼノ:
「っ、やめろ!」
 ゼノが制止するが、その制止をバルサが聞くはずもなかった。
 そして、バルサが驚愕の真実を叫ぶ。
バルサ:
「この世にはね、人間の他にも別の種族が生きているのさ。そして、私と、そこにいるエイラは……『悪魔族』だ」
 バルサがエイラへ指を突きつけてそう告げた。
カイ:
「悪魔族……」
 その話を聞いていたカイは、ジェガロがエイラのことを悪魔と呼んでいたのを思い出した。
カイ:
「もしかして、あれはそういうあだ名だったんじゃなくて……」
 カイが驚いた眼でエイラへと視線を向ける。
 エイラはその視線に気付いていたが、見つめ返すことは出来なかった。
 バルサが話を続ける。
バルサ:
「本当はもう一種族いるんだけど、虫唾が走るから言わないわ。あとは……そうね、一つ言うなら二十五年前、あんた達人間は私達、そしてもう一種族の『奴隷』だったのよ」
カイ&ダリル:
「なっ!?」
バルサ:
「だけど、あなた達の目の前にいるこの男、ゼノ・レイデンフォートが反旗を翻して私達から奴隷だった人間を解放したの」
カイ:
「何だよ、それ……」
 カイがゼノへと視線を向ける。
 ゼノは拳を強く握りしめて震えていた。
 それを見てカイは悟る。知っているようでゼノのことは知らずに接してきたのだと。
ゼノ:
「……もう十分だ」
 ゼノが再びバルサへ声をかける。
ゼノ:
「おい、エイラをどうするつもりだ」
バルサ:
「どうするって、決まってるじゃない」
 ゼノの問いに、バルサは嘲笑しながら答える。
バルサ:
「魔界に連れ帰って処刑よ。エイラは裏切り者なのよ? 当たり前じゃない」
ゼノ:
「なっ」
ダリル:
「処刑だと!?」
カイ:
「ふ、ざけるなぁあああああ!」
 それを聞いた途端カイとダリルがバルサへ向かって飛びかかった。
エイラ:
「っ、ゼノ!」
 二人がバルサと激突する直前、エイラがゼノの名を叫ぶ。その叫びは悲痛なものであった。
ゼノ:
「……っ!」
 エイラの感情が理解できたゼノは、何も言わずに重力魔法を発動した。
カイ:
「うっ!?」
ダリル:
「なんだっ!?」
 突如カイとダリルを上から重力が襲い、二人は地面に落下して地面に固定されてしまった。
カイ:
「なんだよ、これ……!」
 カイが必死にもがくが、その重力は逃がしてくれない。
 カイは何故か唱えられていなくても直感でゼノのせいだと理解できた。
カイ:
「おい親父!! 何しやがんだ! 何で止めるんだよ! あいつは、エイラを殺すって言ってるんだぞ! 分かって―――」
ゼノ:
「カイ、少し黙れ!」
カイ:
「……!」
 そのゼノの怒号にカイは黙らずにはいられなかった。
 そしてその時、イデアの声がカイの耳に聞こえてきた。
イデア:
「エイラさん!?」
 エイラがフィールドに下りてバルサの方へと歩き出したのだ。
ミーア:
「ちょ、エイラ! 何やって―――うっ!」
 慌てて追おうとしたミーアとメリル、そしてついでにヴァリウスをゼノは重力魔法で固定した。
 エイラが寂し気にゼノへ笑う。
エイラ:
「流石ですね、ゼノ、言わなくても分かってくれます」
ゼノ:
「……当たり前だ、何年来の付き合いだと思っているんだ……!」
 そう語るゼノの目には涙が溜まっていた。
エイラ:
「それもそうですね」
 そう言いながら、エイラが着実にバルサへと近づいていく。
 それを黙ってみてるカイではなかった。
カイ:
「おい、エイラ! 何してんだよ! 何こっちに来てんだ! まさか、素直に処刑に応じるなんて言わないよな!?」
 カイの声にエイラは反応しない。それだけで答えとなっていた。
 カイは込み上げてきた怒りと共に言葉をエイラへ叩きつけた。
カイ:
「何しおらしくしてんだよ! お前らしくないだろうが!」
ゼノ:
「カイ、黙れと言っているだろ!」
カイ:
「いいや、黙らねぇ!」
 先程は黙ってしまったカイだったが、今はエイラへの感情が全てを上回っていた。
カイ:
「何度だって言ってやる! お前らしくねぇ! 何やってんだよ!」
 重力にどうにか抵抗しようとしながらカイがそう叫ぶ。
 するとエイラは立ち止まって、カイへと視線を向けた。
エイラ:
「……私らしくない、ですか。でもカイ様、あなたの知る私はほんの少しなんですよ」
カイ:
「エイラ……」
エイラ:
「お見せしますよ、本当の姿を」
 そうエイラが言った次の瞬間、エイラの身体が光に包まれる。そして現れたのはバルサと全く同じ容貌のエイラであった。黒い翼に、黒の中に赤く光る目。
 それはエイラが悪魔族であることを物語っていた。
エイラ:
「分かりましたか。私とカイ様では種族が違うんですよ……」
 そう言ってエイラは再び進み始め、カイの目の前を通り過ぎようとする。
 だが、その歩みはカイの言葉で止まってしまうのだった。
カイ:
「……だから何だよ………。それでもおまえは、エイラだろうが! たとえ種族が違っても、もうおれ達は家族だろ!?」
エイラ:
「……っ!」
カイ:
「ずっと、一緒に過ごしてきた家族だろうが!」
 カイの言葉にエイラが思わず口元を押さえる。込み上げてきた感情を抑え込むために。
 だが、そのカイの言葉をあざ笑う人物がいた。
バルサ:
「アハハハハハ! 家族!? 人間と家族かい! エイラ、あんた、とんだ茶番をしてたもんだ!」
カイ:
「っ、てっめぇ……!」
ゼノ:
「っ!」
 徐々にカイが重力を押し返して立ち上がり始めた。ゼノが慌ててさらに力を加えて押さえつける。
ゼノ:
「エイラ!」
 ゼノの声に、エイラは頷いてカイの方へ視線を向けた。
 その顔には泣き笑いのような表情が浮かべられている。
エイラ:
「カイ様、暇を頂きますね。もちろん駄目と言われても行きますが」
カイ:
「行くな、エイラ!」
エイラ:
「行くなと言われて行かない私だと思ってますか?」
 そう言って笑顔を向け、そしてエイラはバルサの元へ羽ばたいていった。
 カイは涙を目に溜めながらゼノを睨みつけた。
カイ:
「おいクソ親父! 何で見てるだけなんだよ! あんたならどうにかなるんだろ!? 人間を救えたんならエイラ一人なんて余裕だろ! 何でどうにかしないんだよ!」
ゼノ:
「……」
 ゼノは答えない。ずっと下を向いており、表情は見えなくてもそこから零れていく水滴がゼノの感情を物語っていた。
 ゼノの感情が分かっているからこそ、カイは分からない。
カイ:
「……何で、何でなんだよクソ親父!!」
 そして、エイラはバルサの元へ辿り着いてしまった。
 バルサがエイラへ冷笑を浮かべる。
バルサ:
「随分潔いじゃない」
エイラ:
「……早く行きましょう。あなたも、もうここでやることはないでしょう」
バルサ:
「そう、ね。本当はこの国も滅ぼしていこうかと思っていたけど、やっぱりゼノもいるようだし一筋縄じゃ行かなそうだわ。目的は達成したことだし、今回は帰ることにするわ」
 そう言ってバルサが上空へ翼をはためかせて上昇する。それにエイラも続いた。
カイ:
「エイラ!」
 エイラは最後に振り返って今までで一番の笑顔を見せた。
エイラ:
「カイ様、ゼノ、あなた達の下で過ごした時間は、私の宝物です」
ゼノ:
「……っ!」
 ゼノが顔を手で覆って膝から崩れ落ちた。
 その瞬間重力が切れ、カイはすぐさま飛び上がった。
カイ:
「エイラァアアアアアア!」
 カイが手を伸ばす。
 だが、無情にもその目の前でエイラとバルサは共に姿を消したのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】あなたに従う必要がないのに、命令なんて聞くわけないでしょう。当然でしょう?

チカフジ ユキ
恋愛
伯爵令嬢のアメルは、公爵令嬢である従姉のリディアに使用人のように扱われていた。 そんなアメルは、様々な理由から十五の頃に海を挟んだ大国アーバント帝国へ留学する。 約一年後、リディアから離れ友人にも恵まれ日々を暮らしていたそこに、従姉が留学してくると知る。 しかし、アメルは以前とは違いリディアに対して毅然と立ち向かう。 もう、リディアに従う必要がどこにもなかったから。 リディアは知らなかった。 自分の立場が自国でどうなっているのかを。

オッサン小説家が異世界転生したら無双だった件

桜坂詠恋
ファンタジー
「転生したら無双のイケメンに!? 元・カメムシ末端WEB作家の異世界スローライフが今、始まる!」 48歳独身の末端WEB小説家が、目覚めるとそこは広大な草原が広がる異世界だった。 自らを「陰キャ」「不細工」「カメムシ」と卑下していた彼が、なんと異世界では200倍増しのイケメンに! 戸惑いながらも、新たな容姿とまだ知らぬスキルに思いをはせ、異世界でのスローライフを模索する。 果たして、彼の異世界生活はどう展開するのか! ※普段はミステリやサイコサスペンスを書いてる人です。 宜しければ、他作品も是非ご覧下さい。 本作とは全く違う作品です(^^; 「審判」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/414186905/947894816

最狂裏ボス転生~チート能力【迷宮の主の権限】を駆使して世界を騙せ~

てんてんどんどん
ファンタジー
VRMMOラスティリア。 プレイヤーは勇者となり、500年前魔王と戦い散っていった英雄たちを召喚して、使役。 彼らとともに魔王を倒し世界を救う、本格幻想ファンタジー!! ……が売り文句のVRMMOの世界に転生してしまった俺。 しかも転生先が500年前の滅亡する世界。英雄たちが魔王と戦っていた時代の、裏ボスの青年期。 最強の迷宮とスキルを所持した裏ボスに転生したものの、魔王は勇者の攻撃しか効かない。 ゲーム上では結局魔王も裏ボスも、互いに争い勝敗がつかぬまま封印されてしまうのだ。 『こうなったら裏ボスと裏ボスの迷宮の力を駆使して魔王を倒し世界の崩壊を止めるしかない!』 通常の方法では魔王は倒せない。 ならば裏をかいてやるのみ!!正義も悪も等しく騙し世界すら欺いて魔王を倒し世界の崩壊を覆してみせる! ずる賢く立ち回り、英雄達を闇に染め配下に加え、魔族の力を取り込みながら魔王を倒すために迷宮の拡大をはかれ! こうして世界を巻き込んだ、ダークヒーローのペテン劇場がいま幕を開ける。 ※他サイトでは別のタイトルで投稿してます(文字数にひっかかったのでタイトル変更)

浮気の代償~失った絆は戻らない~

矢野りと
恋愛
結婚十年目の愛妻家トーマスはほんの軽い気持ちで浮気をしてしまった。そして浮気が妻イザベラに知られてしまった時にトーマスはなんとか誤魔化そうとして謝る事もせず、逆に家族を味方に付け妻を悪者にしてしまった。何の落ち度もない妻に悪い事をしたとは思っていたが、これで浮気の事はあやふやになり、愛する家族との日常が戻ってくると信じていた。だがそうはならなかった…。 ※設定はゆるいです。

聖女じゃないからと婚約破棄されましたが計画通りです。これからあなたの領地をいただきにいきますね。

和泉 凪紗
恋愛
「リリアーナ、君との結婚は無かったことにしてもらう。君の力が発現しない以上、君とは結婚できない。君の妹であるマリーベルと結婚することにするよ」 「……私も正直、ずっと心苦しかったのです。これで肩の荷が下りました。昔から二人はお似合いだと思っていたのです。マリーベルとお幸せになさってください」 「ありがとう。マリーベルと幸せになるよ」  円満な婚約解消。これが私の目指したゴール。  この人とは結婚したくない……。私はその一心で今日まで頑張ってきた。努力がようやく報われる。これで私は自由だ。  土地を癒やす力を持つ聖女のリリアーナは一度目の人生で領主であるジルベルト・カレンベルクと結婚した。だが、聖女の仕事として領地を癒やすために家を離れていると自分の妹であるマリーベルと浮気されてしまう。しかも、子供ができたとお払い箱になってしまった。  聖女の仕事を放り出すわけにはいかず、離婚後もジルベルトの領地を癒やし続けるが、リリアーナは失意の中で死んでしまう。人生もこれで終わりと思ったところで、これまでに土地を癒した見返りとしてそれまでに癒してきた土地に時間を戻してもらうことになる。  そして、二度目の人生でもジルベルトとマリーベルは浮気をしてリリアーナは婚約破棄された。だが、この婚約破棄は計画通りだ。  わたしは今は二度目の人生。ジルベルトとは婚約中だけれどこの男は領主としてふさわしくないし、浮気男との結婚なんてお断り。婚約破棄も計画通りです。でも、精霊と約束したのであなたの領地はいただきますね。安心してください、あなたの領地はわたしが幸せにしますから。 *過去に短編として投稿したものを長編に書き直したものになります。

お母さん冒険者、ログインボーナスでスキル【主婦】に目覚めました。週一貰えるチラシで冒険者生活頑張ります!

林優子
ファンタジー
二人の子持ち27歳のカチュア(主婦)は家計を助けるためダンジョンの荷物運びの仕事(パート)をしている。危険が少なく手軽なため、迷宮都市ロアでは若者や主婦には人気の仕事だ。 夢は100万ゴールドの貯金。それだけあれば三人揃って国境警備の任務についているパパに会いに行けるのだ。 そんなカチュアがダンジョン内の女神像から百回ログインボーナスで貰ったのは、オシャレながま口とポイントカード、そして一枚のチラシ? 「モンスターポイント三倍デーって何?」 「4の付く日は薬草デー?」 「お肉の日とお魚の日があるのねー」 神様からスキル【主婦/主夫】を授かった最弱の冒険者ママ、カチュアさんがワンオペ育児と冒険者生活頑張る話。 ※他サイトにも投稿してます

目覚めたら猫耳⁉ ~神隠しで別宇宙のアイドル級猫耳メイド魔法使い⁉に大変身!~

INASAKU6
ファンタジー
自称、猫好き陽キャ系オタク女子高生 稲垣 梨々香 は、アニメとダンスと猫をこよなく愛する17歳!ある日バイト先で保護猫チャチャと一緒に神隠しに遭い、別宇宙の小惑星に飛ばされてしまう。目覚めると猫耳が生えたメイド姿で別宇宙の小惑星ラテスにいた。そこは猫と魔法と剣が支配するファンタジーの星。猫の国エルフェリア王国で、リリカは「猫耳メイド魔法使い」という特殊な職業に就かされ、さらに人々からアイドルのように崇められる存在に。最初は戸惑いながらも、リリカはエルフェリア王国での新しい生活に順応していく。 リリカの前に現れるのは、頼れる騎士見習いで護衛のレオン、そして意地悪だけどどこか憎めないライバルアイドルのステラ。マネージャー兼世話役の魔法使いメルヴィルに導かれながら、リリカはアイドル活動を通じて魔法を学び、次第に成長していく。しかし、表舞台の華やかさとは裏腹に、暗い陰謀が渦巻いていた。謎の魔導師ゼイガスの存在が、リリカたちの平和を脅かそうとする。 果たして、リリカは自分のアイドル活動を成功させるだけでなく、この世界を救うことができるのか?友情とライバル関係の中で揺れ動くリリカの心、そして自分の力を信じて前に進む彼女の成長が描かれる、アイドル級猫耳メイド魔法使いの奮闘記!

茶番には付き合っていられません

わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。 婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。 これではまるで私の方が邪魔者だ。 苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。 どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。 彼が何をしたいのかさっぱり分からない。 もうこんな茶番に付き合っていられない。 そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。

処理中です...