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1『セイン』

1 第四章第三十八話「カイ出生の秘密」

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カイ:
「痛って!?」
ミーア:
「ほら動かないで! 治しづらいでしょうが!」
 ミーアがカイの身体を無理やり押さえつける。現在カイの身体を治療中なのだ。
カイ:
「だから! 今は治さなくていいって言ってるだろ!」
ミーア:
「だから何でよ!」
カイ:
「今はそれよりもやるべき事が―――」
イデア:
「カイ、安静にして」
カイ:
「……はい」
 険しい顔でそう告げるイデアに逆らう術をカイは持ち合わせていなかった。
 大人しく寝そべってミーアの治療を受けていると、そこへエイラが寄ってきた。
エイラ:
「まったく、ひやひやさせないでくださいよ」
カイ:
「うっせー、勝ったんだからいいだろ。てか、ひやひやしてくれたのか? ん?」
エイラ:
「はい、心臓に悪いので私が先にカイ様を殺そうかなと思ってました」
カイ:
「他に心臓の落ち着かせ方なかったかな!? それだとおれの心臓も落ち着いちゃってるよ!!」
ミーア:
「お兄ちゃん! 動くなって言ってるでしょ!」
カイ:
「今のはエイラが悪いだろ!?」
 当のエイラは控えめに笑っていた。その様子にカイも苦笑する。平和な時間が戻ってきたという実感がカイに訪れていた。
 だが、まだ終わったわけではない。
カイ:
「エイラ」
エイラ:
「何でしょうか」
カイ:
「そのさ、この国のこれからのことだけど―――」
エイラ:
「分かっていますよ。今あちらでルーシェン様とシャル様がフィールス国民を一か所に集めてなにやら話しております。それが終わり次第こちらにお呼びしますので」
 エイラの視線を追うと、確かにルーシェンとシャル、そしてレンがなにやら演説をしていた。
カイ:
「ああ、そうしてくれると助かる。ところでイデアは行かなくていいのか?」
イデア:
「うん、お母様がカイの傍についていてあげなさいって」
メリル:
「私も似たようなものね。ダリルの傍にいてもいいって。第一隠し子だし、堂々と並べないわよ」
ダリル:
「いずれ公に公表するらしいから、そうも言っていられないがな」
 カイ達が話していると、そこにダリルとメリルが割り込んできた。
ダリル:
「カイ、本当によくやったな」
カイ:
「なんてったっておれだからな。それより、ライナスは?」
 ダリル達はライナスの拘束をしていくれていたのだ。
ダリル:
「動けないようにしておいた。あれならば万が一目を覚ましても転移すら不可能だろう。それにしてもライナス様、よく生きていたな。山を割るほどの一撃を喰らったのに」
 ダリルが真っ二つに割れている山を見ながらそう言う。
カイ:
「ああ、それはイデアがおれの意志を汲んでくれたからだよ」
ダリル:
「おまえの意志を?」
カイ:
「要は、なんだかんだおれにはライナスを殺す覚悟が無かったってことさ」
レン:
「ふん、本当に貴様は甘い男だ」
カイ:
「お、レン」
 レンがカイ達の方へと向かって来ていた。その後ろにはルーシェンとシャルもいる。
 やがてルーシェンとシャルがカイの前に並んで立った。それを見てカイも体を起こす。
シャル:
「いえ、横になったままでも……」
カイ:
「いいや、もう治療も終わったし、おれってじっと出来ない男なので」
 結局カイは立ち上がって二人と対面した。
 すると、ルーシェンとシャルがカイ達全員へと頭を下げ始めた。
ルーシェン:
「本当にありがとう! 我が国の窮地を救ってくれて! 娘を救ってくれて!」
シャル:
「どれだけお礼を差し上げても足りないくらい私達は感謝しています」
 一国の王と王妃の礼にカイは少しばかり動揺していた。
カイ:
「い、いや、良いんです! おれだってイデアと出会えたわけですし!」
ルーシェン:
「そこは許していない!」
カイ:
「ええ!?」
 ルーシェンは相変わらずイデアに男が出来たのが許せないでいた。
シャル:
「こら、ルーシェン! その話はもう決まったでしょう」
ルーシェン:
「くっ! だが、ゼノさんの息子だからといってだな……!」
カイ:
「ん、親父のことを知っているんですか?」
 ゼノという単語に反応してカイが尋ねると、ルーシェンが当然とばかりに頷いた。
ルーシェン:
「何を言う、君の父上はそれはもう―――」
シャル:
「こらルーシェン、その話は駄目よ!」
 シャルがルーシェンへ強くそう言うと、ルーシェンも思い出したように口を閉ざした。
ルーシェン:
「おっと、そうだったな。すっかり忘れていた」
シャル:
「もう」
カイ:
「ん? どういう―――痛っで!?」
 首を傾げるカイだったが、その時何かを悟らせまいとエイラがカイの背中を強く叩いた。
カイ:
「何すんだよ! まだ完治したわけじゃないんだぞ!」
エイラ:
「そ、そんなことよりもカイ様、何かお話することがあったのでは?」
 エイラがぎこちない笑顔でそんなことを言う。カイは少し不思議に思ったが、エイラの言うことももっともだったため話を変えた。
カイ:
「……まぁ、そうだな。ちゃっちゃと話すか」
 そうしてカイが改めてしっかりとした佇まいでルーシェンとシャルへ向かい、そして話し始めた。
カイ:
「改めまして、おれはレイデンフォート王国の第三王子、カイ・レイデンフォートです。少し今後のことを話させて下さい」
ルーシェン:
「今後?」
カイ:
「はい、現在フィールス王国に男性はルーシェン王、レン王子、そしてコルンしかおりません。後は全て女性です。最悪、女人国としてやっていけるかもしれませんが、今まで通りの傭兵稼業は出来ないでしょう。そして現状のフィールス王国は復興しなければとても住めるような場所ではございませんが、男手が少ない以上容易でもございません」
 カイがボロボロになったリア城や壊れた民家を見ながら話す。
カイ:
「ですので、ここは復興が終わるまでレイデンフォート王国に住みませんか? 復興には我が国も助力を惜しみませんがおそらく復興には一年かかるかもしれません。その間に我が国に滞在し、女性の方々は男性の相手を探すのもありかと思います。もちろん、その気があればですが。」
 カイの提案にルーシェンとシャルが顔を見合わせる。カイの提案はフィールス側にとって願ってもない話であった。
イデア:
「カイ!」
 イデアが感激したようにカイを見上げる。カイはウインクでそれに応えていた。
ルーシェン:
「……それは大変嬉しい話だが、一つ聞いても良いか?」
 長い熟考の末、ルーシェンがカイへ尋ねた。
カイ:
「何でしょう」
カイ:
「レイデンフォート王国が復興に力を貸してくれるのは大変嬉しいことではあるが、両国の距離はかなり離れている。おそらく君達もここまで辿り着くのにかなり日数がかかったはずだ。現実的に考えてそんな離れた距離にあるレイデンフォート王国が復興を手伝うというのはかなりの苦労ではないか? 資材の運搬などもあるだろう」
 ルーシェンの言うことももっともであった。
 レイデンフォート王国とフィールス王国とはかなり離れた位置にある。どれだけ一度に資材と人手を回せるかにもよるが、場合によっては一年以上は余裕でかかるかもしれない。
 だが、カイにも考えがあった。
カイ:
「確かに仰るとおりです。ですが、その心配を解消してくれるのがヴァリウスです。ヴァリウスならあの黒い穴の中に人や物を収納できますし、転移で一瞬で移動できますから、あいつさえいれば距離の問題も解決です」
ヴァリウス:
「ん? 呼んだ?」
 名を呼ばれたヴァリウスが瞬時にカイの隣へ転移してきた。その瞬間、カイとイデア以外の全員が警戒態勢に入る。イデアは驚きはしたものの特に警戒はしていなかった。
ルーシェン:
「そいつは敵ではないのか!?」
 ルーシェンの声と共に、ヴァリウスへと大勢の視線が向けられる。ヴァリウスは照れくさそうに頬を掻いていた。
ヴァリウス:
「いやー、そんな見つめられてもなー、照れるよ」
カイ:
「照れてんなよ、いいからそろそろ説明してくれ。自分が何者かを」
 ヴァリウスが何者なのか、まだ誰にも説明されていないのである。ただただ、先程の戦闘でカイを助けたという行いがヴァリウスを味方か敵か判断のつかない状況にさせていた。
ヴァリウス:
「でも、僕が何言ってもあれだし、とりあえずはカイが説明してよ」
カイ:
「説明って言われてもな、おれだっておまえのことほとんど知らないわけだし」
ヴァリウス:
「分かってることだけでいいから!」
カイ:
「うーん、じゃあ、とりあえずはおれから」
 そう言ってカイが前に出る。ここにいる全員がカイの次の言葉に耳を傾けていた。
 そして、カイが笑顔で告げる。
カイ:
「それじゃあ紹介しよう! ここにいるヴァリウス君は、つまりはおれの魔力を全て持っているわけで! 要は味方です!」
 カイが少しおどけながらそう言う。だが、聞き手は全員唖然としていた。そして、ヴァリウスも笑顔で手を振りながら答える。
ヴァリウス:
「どうも! ご紹介の通り、カイの魔力を全て受け継いでいるヴァリウスです!」
 そう、ヴァリウスはカイの魔力を持っているのだ。だからこそ、カイはヴァリウスという存在に親近感を覚えていた。
 カイがヴァリウスがカイの魔力を持っていることに気付いたのは天地谷で瀕死の状態だった時だった。何者かに治療されたカイだったが、その際その者の魔力がカイに流れ込んだ。以前エイラも言っていたが治療の際他者の魔力が紛れ込むなんてことはありえない。つまり、その流れ込んできた魔力はカイ自身のものであったのだ。
 そして、カイは一つの見解に至った。何故ヴァリウスという存在に敵意を覚えずむしろ親近感を覚えるのか。それは、彼の身体に自身の魔力が流れているからではないか。
 結果として、その見解は正解であった。
カイ:
「いや、受け継がせた覚えは全くないんだけどな」
ヴァリウス:
「確かに」
カイ&ヴァリウス:
「アッハッハッハッハ」
 二人が笑顔で高笑いしていると、ミーアが恐る恐る声を上げる。
ミーア:
「ど、どういうこと!? お兄ちゃんの魔力を持ってるってなに!? お兄ちゃんは生まれた頃から魔力ゼロなんじゃないの!?」
 ミーアの疑問にカイは苦笑しながら答えた。
カイ:
「さてな、そこらへんは分からん。おれが分かってるのはヴァリウスがおれの魔力を持ってるってことだけだし。おれが生まれつき魔力があったかどうかは、エイラ、おまえなら分かるだろ? おれの出産に立ちあってるらしいじゃん」
エイラ:
「え、ええ」
 エイラはヴァリウスから目を逸らさずに頷いて見せた。対してヴァリウスもエイラに視線を送っている。
ヴァリウス:
「久しぶりだね、メイドさん。カイが生まれた瞬間以来かな?」
エイラ:
「……やはり、あの時の方ですか」
カイ:
「その会話からしてあれか? おれの出産にはヴァリウスも関わってるのか?」
ヴァリウス:
「まぁね」
 そう言ってヴァリウスがエイラにウィンクをする。エイラは未だに信じられないようなものを見ている目をしていたが、やがてため息をついてカイへと視線を向けた。
エイラ:
「説明しますよ、カイ様が生まれた時のことを。……どうしてカイ様の魔力が無くなったのかを」
 そして、エイラはカイの出生の秘密を語りだした。
………………………………………………………………………………
それはカイが生まれた日のことだった。
 その日、レイデンフォート王国のあちこちがお祭り騒ぎだった。無理も無い、何故なら王家に第三子が誕生するからである。
 そしてレイデンフォート城の治療室ではセラが泣きながらカイを生むべく頑張っていた。
そのセラの手をゼノは両手で包みながら励ましている。その周りには侍女がたくさん集まっていた。
ゼノ:
「セラ、もう少しだ! 頭はもう出た、もう少しだ!」
セラ:
「ううううーー!」
エイラ:
「ゼノ、うるさいです! 集中させて下さい!」
 エイラが赤ちゃんをゆっくり取り出しながらゼノに叫ぶ。
ゼノ:
「しかしだな……!」
セラ:
「……ゼノ」
 セラが苦しそうに顔を歪めながらゼノの名を呼んだ。
ゼノ:
「何だ? 何でも言え!」
セラ:
「……うるさいです」
ゼノ:
「ええーー!?」
エイラ:
「ゼノ!」
 エイラが徐々に赤ちゃんを取りだしていく。そして肩が出て腹、そして足が出てついにカイが誕生した。
 カイが産声を上げる。
ゼノ:
「やったぞ、セラ! 元気な男の子だ! カイが生まれたぞ!」
 男の子ならカイだと決めていたゼノは大きくその名を呼ぶ。
 そのゼノのはしゃぎようにセラも涙を流しながら苦笑いしていた。
 だが、ゼノ達とは対照的にエイラの顔は絶望に満ちていた。
エイラ:
「ゼノ、ゼノ!」
ゼノ:
「何だ、エイラ?」
エイラ:
「赤ちゃんの様子がおかしいです!」
 赤ちゃん、つまりカイの体が強い光を放っていたのだ。そして辺りに凄まじい濃度の魔力が漂っていた。
ゼノ:
「これは……元々持っている魔力の量が桁違い過ぎるんだ! それに体がついていけてない! このままでは体が魔力に耐え切れないぞ!」
セラ:
「そんなっ!」
 セラが悲痛の叫びを上げる。
 ゼノは悩んだ。このままではカイが魔力に耐えきれずに死んでしまう。
そう思ったゼノは、ある決断をした。
ゼノ:
「……一度、魔力を全てカイから切り離そう」
エイラ:
「なっ、そんなことが可能なのですか!」
ゼノ:
「いや、やったことは無いが。だが魔法全てを無効にする魔法があるならば、そういう魔法があってもおかしくないはずだ」
 ゼノの言葉にセラとエイラがある男を思い出す。禍々しい力を持っていた最強のあの男を。
 その間にもカイの体は徐々に光を増していた。
ゼノ:
「迷っている暇は無い! エイラ、カイを置いて離れろ! 皆もだ!」
 エイラは言うとおりにカイを近くの台に置いて離れ、侍女たちも邪魔になると思ったのか治療室から出て行く。
 ゼノはその台に近づいて今即興で作った魔法を唱えた。
ゼノ:
「フー……、……《マジックセパレート!》」
 ゼノがカイに向けて両手を突き出す。すると、台に置かれていたカイの体が宙に浮き、カイから青い魔力がどんどん流れ出し始めた。その青い魔力はカイの隣に球状に集まっていく。そしてカイから全ての魔力が流れ出した時、隣の魔力の球は凄まじい大きさになっていた。
ゼノ:
「……絶対に俺以上あるな」
長い時間の末、ゼノが息をつきながらそう呟く。
セラ:
「成功したのですか?」
 セラがおそるおそるゼノに尋ねると、ゼノは頷いた。
ゼノ:
「ああ、何とかな。じゃあここから少しずつカイに魔力を戻して、適量で止めよう」
 そう言ってゼノが再び魔法を唱えようとしたその時だった。
 突如、カイの魔力の球が収縮し始めたのだ。
ゼノ:
「なんだっ!?」
 それはあまりに突然のことで、誰も何も出来なかった。そして一瞬のうちについにカイの魔力の球が消失してしまった。
その魔力の球があった場所には小さく黒い穴が開いており、やがて閉じて無くなった。
ゼノ:
「一体なにが……」
誰もが状況を理解できていない。
???:
「悪いが、これはもらっていく」
 その時、ゼノ達に声をかけた者がいた。
 その男は治療室の出入り口に立っていた。男の目は冷徹そのもので凍てつく視線をゼノ達に向けていた。
ゼノ:
「っ、おまえっ!」
 ゼノとエイラが同時に飛びかかろうとするが、その男はタンッと少し跳ぶと姿を消した。
ゼノ:
「何だとっ!?」
 飛びかかる対象を無くしてゼノとエイラは足を止める。
 あとにはゼノとセラ、エイラ、そして魔力を失ったカイだけが残された。
ゼノ:
「あいつは一体……!」
カイはというと皆の戸惑いも知らず、いつの間にかすやすやと眠っていた。
………………………………………………………………………………
エイラがカイの出産時の話を終える。
ヴァリウス:
「要は、その時の男が僕だね」
 ヴァリウスがあっけらかんとそう言う。カイは納得したように頷いていた。
カイ:
「なるほどな……って、てめえ、ただ猫ババしただけじゃねえか!」
ヴァリウス:
「おっと!」
 カイがヴァリウスに拳を放つが見事に躱された。
 結局、エイラの話はヴァリウスに対する不信感を強めただけだった。
エイラ:
「ですが、あなたがあの時の方と同一人物だというのはにわかに信じがたいですね」
 実際その通りだった。カイ出生時は人を殺すのをまったく厭わないような冷酷な目だったのにも関わらず、現在のヴァリウスは目がとても穏やかでさらには口調まで穏やかになっている。
ヴァリウス:
「ああ、それはね。すっごく話が長くなるから工程とか色々端折るけど、どうにかしてカイの魔力を手に入れたらその魔力に宿っていたカイの温もりとか優しさみたいなものが僕を支配してね、人格まで変わっちゃった!」
 ヴァリウスが舌を出しながらおどけるように言った。
ヴァリウス:
「だから安心して。言うなれば第二のカイみたいなものだからね。しっかりフィールス王国再建にも手伝うよ」
カイ:
「……まぁ、というわけです。こいつのこと、信用できませんか?」
 カイがルーシェンとシャルの両名に尋ねる。
 ルーシェンとシャルは視線を交わし合っていた。どうやら目で会話をしているようだった。
そんな中、イデアが口を開く。
イデア:
「お父様、お母様、大丈夫ですよ。この方、カイと同じ雰囲気を感じますから。きっと大丈夫です!」
イデアの言葉に、ルーシェンとシャルは再び視線を交わし合い、やがて頷いてカイの方を向いた。
ルーシェン:
「……分かった、信じよう。というよりもイデアが選んだ君を信じることにする」
カイ:
「それじゃあ……!」
 ルーシェンが頷く。
ルーシェン:
「ああ、君の提案を全面的に受け入れる。本当にありがとう、とてもお世話になる」
カイ:
「よっしゃ!」
 カイがガッツポーズを取る。
ルーシェン:
「それよりも大丈夫か? 自国に何の相談も無しなんじゃないか?」
カイ:
「確かに相談は無いですけど親父は断りません。イデアに『お義父さんと呼べ』って言ってるくらいですから」
 カイはその時のゼノの様子を思い出して苦笑する。だが、なんだかんだ言ってゼノの性格は助かっていた。
 カイは方針が決まって立ち上がり、皆に声をかけた。
カイ:
「じゃあ話もまとまったことだし帰ろうか、レイデンフォートに!」
 こうして、長かったフィールス王国奪還の物語は幕を閉じたのである。
 ちなみに、帰りは早速ヴァリウスが使われたのは言うまでもない。
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