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1『セイン』

1 第三章第十三話「天地谷」

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 天地谷、それはこの世界において一番高く、そして一番大きいとされている二つの山の間にある谷のことである。もはやその山を含めて天地谷、と呼ばれていた。元は一つだった山が、ある日中央から縦に綺麗に割れ、雨や風によって削られて片斜面がかなり急な二つの山となったのである。よってその谷の長さは山の直径程あり、徒歩では十日かかるのであった。
カイ:
「……全然進んでる気がしねえ」
エイラ:
「文句を言わないでください。……その口、縫いますよ」
 カイにいつものように返すエイラ。だが、その声に覇気は感じられなかった。
カイ:
「まじで、無理じゃね? このままじゃ全員過労死するぞ」
エイラ:
「うるさいですね、誰のせいだと思っているんですか」
カイ:
「……少しは非があるかもしれないけど」
エイラ:
「全てカイ様のせいですよ」
カイ:
「全ては言い過ぎだ……と信じてる」
 エイラとのやりとりに体力を消費し、カイは口を閉ざして前を向いて歩きだした。
カイ:
「何で、天地谷を歩いてんだおれ達……」
 カイ達一行は現在、天地谷を歩いていた。馬車に乗らずにだ。何故馬車を使わないのか。それは、使わないのではなく、使えなくなってしまったのだった。馬車はというと、天地谷に入る前のちょっとしたいざこざで見事に爆破したのだ。
 そのいざこざは二日前、カイ達が天地谷に入る前に休憩していた時にレンがカイに絡んだことから始まった。
………………………………………………………………………………
レン:
「おい、貴様! 貴様は本当にイデアのことが好きなのか!」
 カイとイデアが地面に座って仲良く談笑していると、そこにレンが現れてそう言ったのだった。これにはカイも戸惑いを見せる。
カイ:
「な、なんだよ急に」
レン:
「急にではない! くそっ、少し俺が離れた隙にイデアに男が出来ているだと!? そんなの認められるわけないだろうが!」
エイラ:
「……シスコンですね」
 エイラの呟きはレンに届いてなかった。
レン:
「悪い虫がつかないようにと、俺がどれだけの男からイデアを守ってきたと思っている! それなのに、ほんの少し一緒に入れなかったその隙におまえがイデアを奪ったんだ! イデアを返せ!」
カイ:
「いや、奪ってないから、ここにいるから」
 カイはレンのテンションについていけていなかった。珍しい事例である。
 すると、イデアがハイテンションのレンに告げた。
イデア:
「レン兄様、どうかカイとの仲を認めてください。わたしは、カイに心も体も捧げています」
カイ&レン:
「なっ!?」
 その言葉に驚いたのはレンだけではなかった。カイは慌てて訂正させようとする。
カイ:
「お、おい、心はまだしも身体って―――」
 イデアは首を傾げていた。自分の発言の意味をよく分かっていないのである。だが、レンはちゃんと意味を分かっていた。レンがカイの発言を遮って叫ぶ。
レン:
「き、貴様! 既にイデアに手を出したというのか!」
カイ:
「馬鹿言え! おれにそんな甲斐性があるか!」
 そんなカイの言葉には、やりとりを聞いていた全員が頷いていた。
エイラ:
「無いですね」
ミーア:
「うん、無いね」
ダリル:
「ああ、無いな」
コルン:
「確かに無いな」
ラン:
「そうだな、無いな」
メリル:
「そうだね、無いと思う!」
エリス:
「カイにあるわけがないよ!」
カイ:
「おまえらおれをなんだと思って!?」
 これにはレンも少し同情の目をカイに向けていた。
レン:
「そ、そうなのか、そこまで言われるとは。何かすまんな」
カイ:
「謝んじゃねえ! 余計辛いわ!」
 一瞬話がそれたが、レンが咳払いをしてから話を戻す。
レン:
「とにかくだ、俺はおまえを認めない!」
 そのやりとりを見ていたダリルがコルンに話しかけた。その隣にはランとメリルが並んでいる。
ダリル:
「ふっ、あのやりとり、どこかで見たことあるな」
コルン:
「まぁ、あの頃の私はカイのことをよく知らなかったからな」
 少し懐かしそうな顔をするコルン。だが、カイと初めて会ったのはだいたい四日前くらいである。そんな前ではないことに苦笑しつつランが尋ねた。
ラン:
「その言い方だと、もういいのか?」
コルン:
「……不思議な男だ。あんなに憎かったのに、気付けばそんな感情はどこかへ行ってしまっている」
 その言葉にダリルが頷いてた。
ダリル:
「カイには人を惹きつける不思議な力があるからな。私と知り合ったのもそういう力のおかげだと思うし」
 三人の話を黙って聞いていたメリルだったが、ある事に気付いて割り込むようにして口を開いた。
メリル:
「そういえば、ダリルもコルンも口調が砕けた感じになったね」
 そう言われてダリルとコルンが顔を見合わせる。
ダリル:
「そうか? 気づかなかったが」
コルン:
「私もだが、悪くないな 」
 その言葉にダリルが笑みを浮かべる。二人は何だか嬉しそうだった。その様子にランが嬉しそうにしながらダリルへ話しかけた。
ラン:
「それより、私はカイとダリルの出会いの話というものを是非聞いてみたいぞ」
ダリル:
「ああ、構わないぞ。そうだなあれは―――」
 そうしてダリルが思い出話を話そうとした瞬間だった。馬車が爆発したのは。
 突然の爆発にダリル達が驚く。
ダリル:
「何が起きた!?」
 そして、馬車の爆発より一分前に少し遡る。レンがついに強硬手段をとったのだ。
レン:
「ええい、こうなったら武力で貴様の力を見せてみろ!」
カイ:
「いや、この前の戦いで見せたろ」
 冷静に返すカイだったが、その程度でレンは止まらない。レンは馬鹿にするような表情でカイへと言い放った。
レン:
「ほぅ、逃げるのか? そんな臆病者にイデアは渡せないな!」
カイ:
「……何だと?」
 カイは立ち上がると、レンと睨み合った。その様子にエイラとミーア、そしてエリスがやれやれと首を振る。
エイラ:
「カイ様は煽りにとてつもなく弱いですからね」
ミーア:
「お兄ちゃんっていつまでも子供だよねー」
エリス:
「ほんとになー」
エイラ:
「……エリス様に言われるとはカイ様も落ちましたね」
 そう言いながら三人に止めるつもりはなかった。
 そして、レンがカイに叫ぶ。
レン:
「イデア、こいつにセインを渡してやれ!」
 これにはカイも少し焦った。
カイ:
「おいおい、セインの力を知ってるだろ? 危ないって。洒落になんないぞ」
レン:
「セインとは二人の愛の結晶だ。それを使っても俺に勝てないのなら、その愛は偽物だということだ! その場合は即刻別れてもらう!」
カイ:
「いや、意味分かんないけど」
 カイは呆れていたが、レンの目が本気であったため、ため息をついた。
カイ:
「イデア、セイン使わせてもらってもいいか?」
イデア:
「うん、いいよ」
 そしてカイはイデアからセインを貰う。
イデア:
「でも、レン兄様は傷付けないでね」
 イデアがそう言うと、レンがカイを強く睨んだ。
レン:
「ほう、俺を傷付けないだと? なめたことを言ってくれるではないか、貴様!」
カイ:
「いや、言ったのイデアだけど」
レン:
「問答無用!」
 その刹那、カイの視界から突如レンが消え、いつの間にかカイの目の前にレンが移動していた。その移動には魔法などは使われていない。全て身体能力での動きだった。
カイ:
「うおっ!?」
 レンがそのまま居合斬りをカイに放つ。それをどうにかセインで受け止めたカイはレンと鍔迫り合いになった。
レン:
「ふっ、俺になめた口を利くのはいいが、戦いにおいてなめた真似をすると痛い目見るぞ!」
カイ:
「どうやら、そうみたいだな!」
 そう発しながら、カイはレンを弾き飛ばす。足を突き立てて勢いを殺すレンの視界にセインを思いっきり振りかぶったカイの姿が映った。
カイ:
「なら、手加減は無しだ! ストリーム・スラッシュ!」
 そして放たれる青白いレーザーは見事レンへと向かって行った。当たったらひとたまりもないであろうそのレーザーを見て、イデアは先程傷付けないでと言ったことをカイは覚えているのかな、と少し疑問に思った。
 目の前まで迫るレーザーを、レンは難なく横に回避して見せた。そして、そのレーザーはレンの背後にあった馬車へと向かって行く。
 それに気づいたカイ達は呆然とした。
カイ:
「あ……」
 その後、見事にレーザーは馬車に直撃、爆破した。木っ端微塵に砕け散る木製の馬車。その爆破によって繋いでいた馬は奇跡的に無傷で解放され、そのまま付近の森へと元気よく入っていった。
 その一連の動きが、まるでスローモーションのようにカイ達の目の前で行われていた。
カイ&イデア&エイラ&ミーア&エリス&レン:
「……」
 呆然と、ただ呆然とその光景を立ち尽くしながら見守るカイ、イデア、エイラ、ミーア、エリス、そしてレン。
そうして、話に夢中だったダリル達が爆発音に気付いて立ち尽くすカイ達に叫んだ。
ダリル:
「何が起きた!?」
 その問いにエイラが真実を告げる。
エイラ:
「……カイ様が馬車を爆破しました」
カイ:
「それだけ伝える!? いや確かに結果から見ればそうかもしれないけどさ! でももっと経緯を―――」
レン:
「まぁ、貴様が悪いな」
 そう言ってレンが刀を鞘に収める。その表情は異常なほど清々しいものだった。
カイ:
「いや、おまえにも責任はあるだろ!」
レン:
「いや、まさかあんな大技使ってくるとは思わないし。俺はただ避けただけだし」
 そう言いながら、レンがその場を後にする。レンはカイの背後から訪れる恐怖の権化に気付いていたのだ。
ダリル:
「カイ……?」
カイ:
「っ」
 低く恐ろしい声がカイにかけられる。カイが振り向くと、そこには鬼の形相をしたダリルが立っていた。
カイ:
「あー、えと、その……すいません」
 がっくりと肩を落とすカイ。もはや弁解する気もないのである。
 そんなカイにイデアが駆け寄った。
イデア:
「カイ、大丈夫」
カイ:
「イデア……!」
イデア:
「こういうときは連帯責任、皆に責任がある」
エイラ&ダリル&ミーア&エリス&コルン&ラン&メリル&レン:
「いやそれはちょっと……」
 これにはカイとイデア以外が横に手を振って異論を唱えたのだった。
………………………………………………………………………………
 そんなことがあって、カイ達は今徒歩で天地谷を歩いている。ちなみに馬車に載せていた荷物はある程度無事であった。ある程度であるが。
 そうして天地谷に入ってから二日目、カイ達は歩き続け、最早疲労はピークに達していた。永遠と変わらない周りの風景。ずっと断崖絶壁とも言える山の斜面に囲まれており、岩しかないのだ。そんな景色を見せられていたカイ達だったが、まだあと八日は歩かなければならないのだ。これにはカイ達の肉体的疲労だけでなく精神的疲労もピークに達しかけていた。
 カイが嘆くように呟く。
カイ:
「馬車があれば……」
レン:
「貴様の口がそれを言うか」
 レンの声にも覇気はない。
エリス:
「ねぇ、俺は雷纏えば空移動出来て楽なんだけど」
 エリスが疲れを顔に出しながらそう言うが、カイが却下した。
カイ:
「おまえ一人だけそれはずるいから却下で」
エリス:
「でもカイだって、あのセインっていうやつ使えば空飛べんじゃん」
カイ:
「……確かに!」
 その思考に至らなかったカイだったが、ようやく気付いてイデアの方をキラキラした目で見つめる。イデアはエイラの風の絨毯の上に座っていた。ちなみに女性陣は皆そこに座っている。
イデア:
「いいよ、はい」
 天使のような微笑みでイデアはカイにセインを渡した。
カイ:
「サンキュ!」
エリス:
「てことは俺も飛んでいいんだよね! 《雷の守護!》」
 そして、カイとエリスが宙へと飛んだ。だが、カイは驚愕の事実に気が付いた。
カイ:
「違う……。おれの場合、宙を蹴れるだけだから、足は使うんだ……」
 カイの場合、何もせずに浮いていられるわけではないのだ。しっかり足で宙を踏まなければいけない。
 足が疲れていたカイは一度絶望したが、すぐに笑顔に戻った。
カイ:
「でも、早く動けるし肉体強化されてるし、全然オッケーだね!」
 そうしてカイとエリスは元気よく宙を飛び回った。疲れていたのでは、と思うイデア達一行である。
カイ:
「いやー、あんな固い地面を踏みしめて歩くより何倍も楽だわ! まじ快適!」
 笑顔でそう言ってのけるカイに殺意を持っている者が数名いた。
コルン:
「あいつ、今は殺したいほど憎い」
ダリル:
「奇遇だな、私もだ」
レン:
「誰のせいで歩いていると思っている」
 コルン、ダリル、レンがカイへと凄まじい殺気を送る。だが当の本人はあまりの楽さに感動していてそれに全く気が付いていなかった。
 そしてカイが三人にイラっとする笑みを向けて声をかける。
カイ:
「いやー、大変そうだなー」
 その言葉がダリル達の怒りの上限を満たしてしまった。
レン:
「あいつ!」
ダリル:
「私に任せろ!」
 そう言ってダリルが魔法を唱える。
ダリル:
「《業火、緋雨!》」
 すると、ダリルの周囲に火球がいくつも出現した。それを見てカイの額に汗が流れる。
カイ:
「お、おいー、冗談に決まっているだろ?」
 笑顔でそう言うカイに、ダリルが笑顔で返した。
ダリル:
「今、冗談が通じるように見えるか?」
 今このタイミングでのその笑みは、あまりにおそろしいものだった。
ダリル:
「行け!」
 そして火球がカイへと襲い掛かった。
カイ:
「まじでか!?」
 カイは死ぬ気でそれを回避していく。右に避けたり左に避けたり、宙を駆けまわってどうにか回避していくカイだったが、避けられた火球は左右の断崖絶壁にぶつかって爆発を起こした。そして崩れる岩。その岩が一斉にダリル達へと降り注いでいた。
ダリル:
「うおっ!?」
 走ってどうにか逃げるダリル他徒歩組。そして女性陣はというと、エイラが魔法でシールドを張って岩を跳ね返していた。
エイラ:
「ダリル! あなたはもっと先のことを考えて下さい!」
ダリル:
「す、すまん」
 やがて終わる岩雪崩。結局ダリル達はさらに疲労したのだった。
ダリル:
「ちょっと、休憩させてくれ」
 そう言ってダリル達が地面に座り込む。そんな三人にイデアが心配そうに声をかけた。
イデア:
「変わりますか? わたし、下りますよ?」
 流石イデア、天使のような言葉をダリル達へかけていた。だが、それには周りの女性陣が反対していた。
ミーア:
「いいんだよ、イデアちゃん。自業自得でしょ」
エイラ:
「そうですね、自業自得です」
ラン:
「確かに、自業自得だな」
メリル:
「自業自得だね」
カイ:
「おまえら、最近繰り返すの流行ってんの?」
 自業自得という言葉にダリルが項垂れる。たしかに今の岩雪崩はダリルのせいであった。
 だが、ダリルにはそもそも不満があるのだ。
ダリル:
「ていうか、私達をそちらに乗せてくれたっていいはずでは!」
 ダリルがエイラに抗議するが、エイラは残念ながら、と首を横に振った。
エイラ:
「乗せることも可能ではありますが、重量が重いとそれだけ持続出来ないんです。今回は長い道のりなので我慢してください。それとも、女性の方々に歩かせますか?」
ダリル:
「……」
 エイラの言葉に何も言い返せないダリルであった。
 ともかく、ダリル達のために少し休憩をとることになった。すると、メリルがこんな話を始めだす。
メリル:
「そういえば、この天地谷は竜の住処になっているんだって!」
カイ:
「竜の?」
メリル:
「そう! なんでも、この山の上の方には村があってね、そこは竜を崇拝しているんだって! 行ってみたくない?」
 メリルがそう呼びかけるが、まともに反応したのは二人だけだった。
カイ:
「はいはい、おれ行きたい! 竜に会ってみたい!」
ミーア:
「わたしも!」
 レイデンフォートの兄妹である。そしてダリルもロマンとの間に揺れ動いていた。
ダリル:
「くっ、竜か……」
 竜はこの世界において滅多に見られるものではない。魔物がいるこの世界で、竜は絶滅種であり、竜を見たものは幸運を授かると言われていた。もっとも、竜に正面から出会って見た者の場合は、生きて帰れたときのみ幸運を授かるとされている。
 だが、もちろんカイ達には目的があるのである。ここで理由もなく寄り道するわけにはいかない。
 エイラがカイ達をたしなめるように話す。
エイラ:
「いいですか、私達はフィールス王国に急いでいかなければならないんですよ」
カイ:
「分かってるよ、言ってみただけだっ―――」
 その時だった。
エリス:
「あれ?」
 突如エリスの不思議そうな声が響き渡ったのである。
 エリスは休憩の際も、空中を雷の速度で移動しており、楽しくなってきたのか随分上空まで上昇していた。
 そして、見つけたのである。
エリス:
「なんだあれ……」
カイ:
「どうした? なんかあったのか?」
 エリスが見つめる方向をカイ達が見てみるが、高さのせいなのかよく分からなかった。
 仕方なくカイがセインを使ってエリスと同じ高さまで上昇して、再びその方角へ視線を向ける。
カイ:
「んー……?」
 その視線の先には、カイの見覚えのあるものがあった。だが、どこで見たのかカイは思い出せないでいた。
カイ:
「どこでだっけなー……」
頭を抱えて思い出そうとするカイ。そして、ようやく思い出した時、それは驚愕のものだった。
カイ:
「あれ、イデアが乗っていた機械と同じだ!」
 そこには脱出ポッドが断崖絶壁に立て掛けられているような形で存在していたのだった。
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