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1『セイン』

1 第二章第十話「エリス」

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 カイ達が宿を出てからというもの、チェイル王国の最奥にある王城ウェンバルまでの通りは国民で大変賑わっていた。チェイル王国の国民達は活気に溢れ、国民達の表情は全て明るいものである。
 イデアが周囲の人々を笑顔で見渡している。
イデア:
「この国は人々にとって良い国なんだね」
カイ:
「ああ、ちゃんと国民のことが考えられているよ」
ダリル:
「流石、ハン様というべきだな」
 ダリルがそう口にすると、イデアは聞いたことのない名前に首を傾げていた。
イデア:
「ハン様、ですか? その方がこの国の王様なのですか?」
ダリル:
「そうです。ハン様はゼノ様の古い友人らしく、考え方も少しゼノ様に似ているんです。ですから、チェイル王国がこのような様子であることはある意味当然だと言えます」
エイラ:
「ですが、性格に関してはちょっと違いますね。適当なゼノ様と違ってハン様は少し気難しい性格をしています」
カイ:
「さらっと親父のこと適当って言ったな。……まぁ事実だけど」
 カイは呆れた視線をエイラに送っていた。カイもたまに不思議に思うことがあるのだが、エイラはゼノも馬鹿にすることがあるのだ。王子であるカイを馬鹿にする侍女というのも本来あり得ないのだが、エイラの場合は王ですらも馬鹿にするのであった。
 以前ゼノとエイラがこんなやり取りをしていたのをカイは聞いていた。
エイラ:
「ゼノ様、セラ様はどちらに?」
ゼノ:
「ん、どうせいつものところだろ」
エイラ:
「そうですかね、ゼノ様に愛想尽かして出て行ったのでは?」
ゼノ:
「まさか、セラに限って……ないよな?」
エイラ:
「さぁ?」
ゼノ:
「……心配になってきただろうが!」
 ゼノとエイラのやり取りはほぼカイと似たようなものだった。カイはたまに思う。エイラが自分を馬鹿にして楽しむのはゼノがなめられているせいではないかと。
 カイがそんなことを考えている間も、エイラは話を続けていた。
エイラ:
「気難しいとは言いましたが、良く言えばそれだけ自分をしっかり持っているということです。……まぁ、悪く言えば意地っ張りですが」
カイ:
「普通悪い方言ってから良い方じゃないか? 上げてから落とすなよ」
 そうしてカイは気付いた。基本エイラは男なら誰にでも同じ態度なのだと。
 と、その時、カイ達の背後から突如テンションの高い声が聞こえてくる。
???:
「おいおい、こんなところでマイファーザーの悪口か? 聞き捨てならないね、カイ御一行!」
カイ:
「っ、その声……!」
 カイ達レイデンフォート組はその声に聞き覚えがあった。そしてカイ達が振り返るとそこには和会青年が立っていた。男にしては長い茶髪に赤い瞳、そして豪華だと一目でわかる衣類。
 驚愕と共に、カイはその男へ声をかけた。
カイ:
「おまえ、エリスか!」
エリス:
「よう、ひっさしぶりだな、カイ!」
 そう、その青年こそこのチェイル王国の第一王子エリス・チェイルである。
 エリスは一気にカイまで近寄ると、その頭をわしゃわしゃと無造作にかき混ぜた。
エリス:
「元気してたか! 何年ぶりだ!?」
カイ:
「二年ぶりだよ! ていうか手放せ!」
 カイがエリスの手を払うが、今度はエリスがカイを抱きしめる。
エリス:
「おまえ、相変わらず魔力ないのか?」
カイ:
「ねぇよ! ていうかくっつくな!」
 カイがエリスを押しのけて、警戒態勢に入る。エリスはスキンシップが凄まじいのだった。
イデア:
「カイ、たしかエリスってチェイル王国の第一王子だったよね?」
 イデアは以前レイデンフォート城のゼノの部屋でのカイの話を思い返しながら尋ねていた。カイはにじり寄ってくるエリスから常時同じ程度の距離を取りながら言葉を返した。
カイ:
「そうだよ。一つ加えるなら馬鹿王子だけどな」
エイラ:
「それはカイ様ですよ。よく人のこと言えましたね」
カイ:
「よく王子にそれ言えましたね!?」
 いつも通りツッコミをするカイを無視してエイラがエリスへと声をかける。
エイラ:
「エリス様、お久しぶりです」
エリス:
「おう、エイラ。毎回カイの御守りは大変だろ」
エイラ:
「ええ、まったくです」
エリス:
「俺とカイを交換してあげようか?」
エイラ:
「いえ、それはどっちにしたって変わらないので大丈夫です」
エリス:
「え?」
カイ:
「……おまえもエリスのこと馬鹿だと思ってんじゃねえか」
 やはりエイラは男なら誰にでも同じ態度であった。
 その時、イデアがエリスへ尋ねる。
イデア:
「何故この国の第一王子であるエリスさんがこんなところに?」
 尋ねられたエリスはイデアの方へ視線を向けた。そして直後に驚愕したように目を見開く。
エリス:
「え、この子超可愛いんだけど。もらってっちゃっていいですか?」
 エリスは女性が大好きだった。そんなエリスの目に美少女であるイデアが留まるのは当然だと言える。
イデア:
「すいません、わたしはカイのものなので」
 だが、イデアが間髪入れずに拒否したことでエリスのナンパはものの見事に瞬殺された。その瞬間エリスがカイの方をもの凄い形相で睨み始める。
エリス:
「カイ、てめぇ、いつから女たらしになったんだ、あぁ?」
カイ:
「いや、たらしじゃないから。おまえと違ってたらしじゃないから。女性に手出したこととか一度もないから」
エリス:
「だよなぁ! カイにそんな甲斐性あるわけないもんな!」
カイ:
「事実だけどムカつく……」
 肩を馴れ馴れしく叩いてくるエリスを横目にカイがそう呟く。そして、エリスはようやくカイとエイラ、イデア以外のメンバーへと目を向けた。
エリス:
「さて、で、ダリルにミーア、それに知らない奴もちらほらと。一体何の用でこっちに来たんだ?」
カイ:
「いや、まずイデアの質問に答えろよ! マイペースか!」
エリス:
「え、質問って何だっけ?」
カイ:
「だから、王子のおまえがなんでこんなところにいるんだって話だよ」
エリス:
「そんなの決まってんじゃん。公務は面倒くさいしハンはうるさいしで城にはいたくないんだよねー。俺って何かに縛られるの嫌いだし? 国をぶらぶらして女の子に声をかけるのが一番だよ!」
 あっけらかんとしたエリスの態度にカイが呆れる。
カイ:
「呆れた。公務サボって何やってんだ」
エイラ:
「カイ様なんて公務すら与えられてませんけどね」
カイ:
「なっ! あ、与えてくれたらちゃんとやる自信あるね!」
エイラ:
「はいはい、与えられてから言ってください」
カイ:
「こ、このやろう……」
 カイの鋭い視線をエイラが見ないようにする。そんな二人に苦笑しながら今度こそエリスが尋ねた。
エリス:
「それで、本当にカイ達は何しに来たんだよ」
カイ:
「ああ、あのさ、この前この国で保護したっていう奴に会いに来たんだけど」
エリス:
「この国で?」
 エリスが顎に手を当てる。そして、やがて理解したように頷いた。
エリス:
「ああ、あのどこから来たか分かんないし気絶してたからとりあえず保護したあいつね。あいつ、おまえ達の知り合いなのか?」
カイ:
「もしかしたらここにいるイデアの兄かもしれないんだ」
エリス:
「何だって!? そりゃ早く会わせてあげないと! 一緒にウェンバル城に行こう! 俺が会わせてやる!」
イデア:
「え、本当ですか!?」
エリス:
「ああ、任せろ!」
 エリスが俺に任せろと言わんばかりに自身の胸を叩いていた。そんなエリスへイデアが頭を下げて礼を言う。
イデア:
「ありがとうございます!」
エリス:
「どういたしまして! 基本一つの部屋に閉じ込めているからな! すぐ会わせてあげられるよ!」
 そのエリスの言葉に先程までのイデアの喜びは不安に変わっていた。
イデア:
「それって、軟禁状態って言うんじゃ……」
エリス:
「そうとも言う!」
 何故か威張ってそう告げるエリス。イデアの表情にもはや喜びなどは微塵もなかった。と、その時、カイがとある疑問をエリスへと投げかけた。
カイ:
「ていうかエリスの独断で会えるのか? だってぐうたら王子なんだろ?」
エリス:
「カイだってぐうたら王子だろ?」
カイ:
「……いいから答えろっての」
エリス:
「そこは俺が適当にどうにかするよ! それよりも早く! さぁ行こう! すぐ行こう!」
 そう言ってエリスがウェンバル城へと真っすぐ歩き始めた。その背中を不安げに見つめるカイ達。
カイ:
「不安だ……」
エイラ:
「ですが、ついていかなければ始まりませんよ」
カイ:
「仕方ねえ、とりあえずついていくか」
 カイ達はどうしようもうないくらい不安に包まれながらも、エリスの後を追うことにした。
………………………………………………………………………………
 現在、カイ達はウェンバル城の中にある応接間にてエリスを待っていた。
カイ:
「エリスが『俺に任せてくれ! ハンに直談判してくる!』って言って出て行ってから結構時間たってるんだけど。あいつ、大丈夫なのか?」
エイラ:
「まぁ、あの様子じゃ難しいでしょうね」
カイ:
「やっぱあいつに任せずおれ達が行った方がよかったな」
 カイとエイラがそう話していると、ランがイデアへと声をかけていた。
ラン:
「我々の国の問題ですし、ここはやはり我々が出向いた方がよろしいかと」
イデア:
「そうですね。ではわたし達が行きましょう」
 そう言ってイデアとコルン、ランが立ち上がる。メリルはダリルと話していて話を聞いていなかった。
コルン:
「おい、メリル! 行くぞ!」
メリル:
「あ、はーい」
 そしてメリルが渋々といったような動きで立ち上がる。その時カイも一緒に立ち上がった。
カイ:
「おれも行くよ」
ミーア:
「じゃあ、皆で行こうよ!」
カイ:
「んー、大勢で行ってもいいもんかな?」
エイラ:
「そもそも勝手に城内を歩くことがあまり許されないと思いますが。まぁ、少人数なら許してくれるでしょう」
 エイラの見解にカイが頷く。
カイ:
「じゃあ、やっぱりおれとイデア達で行くから待っててくれ」
エイラ:
「カイ様が心配なので私も行きますよ」
カイ:
「……まぁ、エイラがいた方が滑らかに話が進みそうだしな」
 そう言いながらカイが先導して応接間の扉へと手をかける。瞬間、その扉が勢いよく開いてカイの顔面を強く叩いた。突然の強烈な痛みにカイが床をのたうち回る。
エリス:
「皆ただいま!」
 元気よく入って来たのはエリスだった。そのエリスは、床にのたうち回るカイを見つけて首を傾げた。
エリス:
「あれ、カイ、そこで何してんの?」
カイ:
「お、おまえ、ゆっくり扉開けられないのかよ……!」
エリス:
「カイの顔、いつの間に平たくなったんだ?」
カイ:
「今だよ! おまえが帰って来るまでは通常通りだったよ!」
エリス:
「そんなことより直談判だけど……」
カイ:
「そんなことって……」
 嘆くカイを無視してエリスが直談判の成果を元気よく報告した。
エリス:
「直談判は見事に失敗! さらに俺が何故か関係ない話で怒られるというダブルの意味での失敗だぜ!」
 全員ある程度その結果は想定していたため、反応は薄かった。
カイ:
「まぁ、期待してなかったしな」
イデア:
「では、わたし達が行きましょうか」
エイラ:
「エリス様、ありがとうございました。後は私達でどうにかします。それでは」
 そうしてカイ達がエリスの横を通り過ぎようとする。するとそれを遮るようにエリスが移動した。
エリス:
「待て待て! まだ俺の話は終わってないぜ!」
カイ:
「……まだ何かあるのか?」
 エリスが聞いてほしそうな顔をしていたため仕方なくカイがそう尋ねると、エリスは自慢げに胸を張って告げた。
エリス:
「実はな! 怒られてむしゃくしゃしたんでハンに嫌がらせしてやったのさ!」
エイラ:
「……行きましょうか」
 再び歩き出そうとするカイ達。その目の前にエリスはあるものを突き付けた。
エリス:
「じゃーん! これなーんだ!」
 エリスが出したのは一つのさびた鍵と一本の刀。その刀にコルンとランは見覚えがあった。
コルン:
「その刀はレン様の……!」
エリス:
「そう! その保護した奴を閉じ込めている部屋の鍵とそいつの刀! 盗んできてやったぜ!」
カイ達:
「えぇっ!?」
 その瞬間、応接間に衝撃が走る。
カイ:
「それって、大丈夫なのかよ!?」
エリス:
「大丈夫だって! 安心してくれ!」
カイ:
「安心できねー……」
 すると、その時ランが全員を見渡しながら告げた。
ラン:
「間違いない。この城にいるのはイデア様の兄であるレン様だ」
イデア:
「わたしの、兄が……」
エリス:
「そっか! 良かったじゃないか! じゃあ、早速助けに行こう!」
 そう言ってエリスが振り向いて扉を出て行こうとする。その襟をエイラが掴んだ。
エイラ:
「お待ちください」
エリス:
「ぐぇっ!」
 見事に襟がエリスの首に食い込んだ。
カイ:
「おまえの止め方よ」
 他国の王子だろうと関係ないエイラの振舞いにはカイ以外も苦笑していた。エリスが喉元を撫でながらエイラへ振り向く。
エリス:
「な、なにさ、エイラ」
エイラ:
「このまま盗んだ鍵でイデア様のお兄様を助けたところでハン様の顰蹙を買うのは歴然ですよ」
エリス:
「大丈夫だって! どうせそいつを解放したところでハンは構わないさ」
???:
「十分構うわ!」
 その時、突如大声が廊下中に響き渡った。
エリス:
「げ、この声は……」
 エリスが廊下に顔を出して顔を歪める。そこにはエリスの父でありチェイル王国の王ハン・チェイルがいた。歳なのか髪は多くが白髪であり、顔は少し痩せこけている。ハンは急いで来たのか息も絶え絶えであった。
ハン:
「エリス、貴様勝手に鍵を盗んだな!」
エリス:
「カイ達がそれを望んでたんだ!」
カイ:
「いや、盗んでほしいとは言ってないけど」
 すると、ハンはエリスの言葉の中のカイという単語に不思議そうにしていた。
ハン:
「カイ? レイデンフォートの第三王子か! 何故ここにいる!」
カイ:
「あれ、エリス、おまえ説明してくれたんじゃ……」
 カイ達がエリスの顔を見る。するとエリスは笑顔でこう言った。
エリス:
「いいや、保護している奴を解放したいっていう話しかしてない!」
 あっけらかんと言ってのけるエリスに全員がため息をつく。
エイラ:
「……まあエリス様がそんな上手くことを運んでくれるとは思っていませんでした」
 そして、説明上手のエイラがハンへとここに来た理由等々の説明を開始したのだった。
………………………………………………………………………………
 ウェンバル城のとある一室にイデアの兄レン・フィールスは居た。
レン:
「一体いつまでここに閉じ込められるんだ」
 目を覚ましたとき、レンは机とベッドしかない部屋に鍵をかけられて閉じ込められていた。さらにその部屋の窓には格子がつけられていて、ここから出られないことを物語っていた。武器も取り下げられているため、レンには手の出しようがない。魔法があれば逃げ出すのは難しくもないかもしれないのだが、レンは魔法が使えないのだ。
レン:
「くそっ、こんなところで時間を浪費している暇はないのに」
 軟禁されて三日目、レンはいらいらしながら部屋の中を歩き回っていた。どうしようがないとは分かっていても黙っていられなかったのである。レンはすぐさまフィールス王国へと戻りたいのだ。そして、イデアとも合流したかったのだ。少しの時間だって無駄にしたくないレンにとってこの三日間は地獄のようであった。
 すると、レンの身の回りに三日目にして遂に変化が訪れた。突然格子のついた窓が爆発したのだ。
レン:
「っ、なんだ!?」
 突然のことにレンが驚いていると煙の向こうから声が男へ。
???:
「まさかこんなところにいるなんてな、レン王子!」
 その声の主は爆発によって開いた穴から部屋に入ってきていた。その顔は黒いフードのせいでよく見えない。
レンが拳を構えながら侵入者へ叫んだ。
レン:
「何者!」
???:
「おいおい、俺のこの顔を忘れたのか?」
 すると、そう言って侵入者がフードを脱いで素顔を露わにした。黒髪のオールバックで大きい顔を。
レン:
「っ! 貴様は!」
 レンは侵入者の顔を見て顔色を変えた。確かに見覚えがあったのだ。
レン:
「貴様は我が国を襲った者の一人だな!」
ジア:
「覚えていてくれたか。一応名前を教えておこう。俺の名はジア。あの時は殺し損ねたからな。まあ、メインディッシュの前にパパッとやらせてもらおうか!」
 そう言うが早いかジアは黒い魔力を剣の形にして跳躍。そして瞬時にレンの後ろに転移しレンの背中に振り下ろした。
 だが、それをレンは前方へ難なく躱して見せた。レンは刀を持っていなかったため回避に専念しようとあらかじめ考えていたのである。
 その後もジアは幾度となく転移してはレンへと斬りかかるが、レンはそれを軽い身のこなしで躱していた。
ジア:
「くっ、ちょこまかちょこまかと!」
レン:
「速いのが取り柄でな!」
 そう言いながら、レンがジアの動きを見極めて背後に転移したジアに即座に裏拳を繰り出す。
 だが、その拳がジアに届くことはなかった。
ジア:
「剣も使わずに勝てると思っているのか! 《ダークバースト!》」
 突如、ジアの体から禍々しい黒い魔力が噴きだし、衝撃波がレンを大きく吹き飛ばした。
 その勢いのままレンはちょうど開いていた穴から外へと放り出されていく。
レン:
「くっ!」
空中に吹き飛ばされたレンにジアの攻撃を避ける方法はない。
ジア:
「終わりだよ! 王子様!」
 そしてジアはレンの背後に転移してレンへと剣を振りかざした。
 避けられないレンは自分の死を悟る。そして、思わず自分の脳裏によぎった愛する妹の名を思わず叫んでしまった。
レン:
「イデア!」
 その時だった。
イデア:
「レン兄様!」
驚くことに返答が帰ってきたのである。
レン:
「なっ! イデア!?」
 その突如、横から青白いレーザーがジアへと襲いかかる。ジアが気付いた時には既にジアの転移出来ない範囲まで入っていたため、ジアはそのレーザーをぎりぎり剣で受け止めた。だが、レーザーの勢いは殺せず、ジアはレーザーと共に一気にチェイル王国を囲む壁へと吹き飛んでいく。そしてそのまま壁を壊して貫通しチェイル王国から飛び出していった。
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